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間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜  作者: 舞桜
第4章 少年期〜青年期 学園3学年編
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93話 お手伝い感覚


 はい、どうも、僕です。現在、スフェール山脈の頂上にきてます。一面真っ白な雪景色で、めちゃんこ寒~いっ!!!ってことは全然無いけど、視覚的な寒さが半端ないです・・・


 何故、今、そんな所にいるかと言うと、1時間ほど前・・・・


「失礼致します。只今、ライヒスル帝国皇帝からの返答の書状が届きましたのでお持ちいたしました」


 と、侍従長らしき人が手紙を一通持って、僕達が帝国の公爵家のやらかしにどうやって対応しようかと相談していた応接室に入ってきたのだった。


サフィアスおじ様「うむ、ご苦労・・・・はぁ、やはりこう来るか・・・・」


宰相さん「やはり、条約通りでしたか?」


 侍従長から受け取った手紙の内容を見て、そう呟くサフィアスおじ様に宰相さんは念の為の確認と言った程度の感覚でした質問に、サフィアスおじ様は少し呆れた感情を滲ませながらその質問に簡潔にこう答えた。


サフィアスおじ様「あぁ、帝国との“平和協定の条約“に従い、帝国側の貴族が他国に“領地戦“を仕掛けても国として責任を負う事はなく、その責任は全て仕掛けた側の貴族が負うものとする。そして、“領地戦“を仕掛けたものが皇族の身内であっても国は一切の手助けはしないと、要は手出しはしないので両者で好きに争えと言うことだ」


(うわぁー、帝国って本当に国としての責任を一切負わないんだ、その代わり、身内でも、紛争をするどの領土にも支援する気もないって、なんか、放任主義の親みたい、当事者同士で決着付けろって事かぁ。てか、この条件を“平和協定の条約“に盛り込んでくるところとか、帝国らしいな・・・・(*´ー`*))


天華『でも、その代わりにこちらが相手に何しても責任を取れと言う事もないってのは、こちらとしても都合はいいですよね?』


(まぁ、確かに?それにしても帝国の公爵家は、野外実習の件やマルキシオス領への侵入など、ことごとく計画が失敗しているんだけど、その状況はちゃんと把握してるんだろうか?ニモスおじ様の報告を聞く感じ、向こうはまだ何も諦めてないか、計画の失敗がまだ報告されて無いって感じなんだけど。

 そうなると、このまま、“領地戦“を仕掛けてくるとしてもただの正面衝突になるんだけなぁ?過去の歴史から見ても、帝国側の領地側から仕掛けた戦争では陸地側からも海側からも、王国の自然を利用した防衛を突破できた事例はないんだけど、それでも勝つ自信があるって事なのかな?(・・?))


 簡潔な手紙の内容に僕は、以前会ったことのある豪快な感じの皇太子を思い出し、しみじみ帝国らしいなぁと思っていると、天華がその国風はある意味こちらの都合のいい意味にもとれるではないかと前向きな発言をしていたので、僕もよく考えると、確かにそうだなって思ったと同時に、ふと浮かび上がった疑問に頭を捻らせていると、


夜月『確かにな、この王国は自然の高い山脈や大きな川に挟まれていて、大陸一好立地な国だ、帝国が陸地から攻めようとしても国境となる場所は人が越えることができない高い山脈、“スフェール山脈“が存在し、唯一王国に入ることが可能な平坦な場所は、例の“マルキシオス領“と接しているところだが、その手前には大きな川もあるから、そこにかかる橋以外での通路もない、その橋を渡ったとしても王国側は人が築いた強固な砦が建設されているから、突破は難しい、強行突破しようとしても、あの大きく分厚い門を壊すのには時間がかかるだろうしな、時間が掛かってる間に橋や向こうの砦を破壊されれば終わりだ。

 他にも海側から攻め込んでくるとしても、相当遠くの港から出航し遠回りして来ないと、すぐに王国側の監視網に引っかかり、帝国側から武装船が出航したって言うのもわかる、それで侵略だってバレて対応されて反撃される、陸からの攻撃を回避するのは今の造船技術で作られた船では絶対に不利だ。それに遠回りして帝国から武装船が出たと気づかれなくても、この近海の海底が深い場所には大型の魔物が多く生息しているから、ちゃんとした航路を航行しないと、その魔物達に襲われる確率は高いっと言うか、確実に襲ってくる、特にシーサーペントは自分の縄張りに入ってくるものには容赦ないからな、だから、かなり危険な船旅になる、どちらにしても侵略する方には厳しい条件が揃っていると言っても良いだろうに、わざわざ不利な条件の侵略を仕掛けようと考えたのか、私にはその思考が理解できないな・・・』


 と、夜月が現段階でもかなり難しい局面にあるのはどう見ても相手方である帝国の公爵家なのに、いまだ交戦の構えを見せるている帝国公爵家の考えが何も理解できないと呆れているので、僕も少し考えてみた。


(だよねぇ・・・、なんか、やけに自信ありげに計画を立てていたようだったから、何か秘策でもあるのかな?(*´ー`*))


夜月『自分達が勝てるって確信ができるほどの秘策か・・・ん?待てよ?アイツらの育てている“聖獣・フェンリル“の子供は何匹いるんだろうか?もし、かなりの数がいるとしたら、そいつらを当てにしているのではないか?』


(・・・あー、確かに?今日、捕まえた神官長?のおじさんは軍事施設奇襲の計画のリーダだったからか、今から起こる紛争の詳細な計画の会議には出てなかったみたい、だから、紛争の詳しい計画の情報はなかったけど、あのおじさんから得た情報では“レッサーフェンリル“の仔は最低でも10頭いるみたいだったよ?その一頭づつに教育者みたいの人がいるらしいよ・・・あのさ、今更だけど、“レッサーフェンリル“って、“レッサー“ってついてても一応、魔物の中では強い方だったよね?(・・?)そんな魔物が10頭もいるとかなり大きな戦力になってこちら側が不利になるんじゃない?)


天華『うーん、そうですねぇ、まず、“レッサーフェンリル“の名称についてなんですけど、これは“聖獣のフェンリル“と混同させないために付けたらしいです。元々、“標高の高い雪山であるスフェール山脈を守護し、風と氷雪を操る聖獣・フェンリル“と、その地域に生息している氷属性の魔法を使う、“フロストウルフ“との間にできたのが“レッサーフェンリル“だそうですよ。最初は“フロストウルフ“の亜種扱いで名称は定めるつもりはなかったそうですが、“フロストウルフ“としては、能力が高かったので、あの名称になったと仰ってますね。あ、その能力や実力はそこら辺の魔物より遥かに高いですが、“聖獣・フェンリル“には遠く及ばないですけどね?』


(そっかぁ、魔物の名前って、人が決める以外でもそうやって決まる事もあるんだねぇ、じゃあ、“聖獣のフェンリル“より劣る実力ってのがどれくらいかにもよるけど、少なくとも、僕達が苦戦する相手ではない?( ´ ▽ ` ))


夜月『そうだな、私達には造作もない相手だ、イネオス達でも倒そうと思えば倒せるぐらいの強さだと思うぞ?』


(へぇ、イネオス達でも倒せるってことは、ニモスおじ様達でも倒せるね、それならそんなに心配するほどでもないか( ^∀^))


 紛争を仕掛けてくる帝国の公爵家の自信の元が、“聖獣・フェンリル“から預けられた“レッサーフェンリル“の仔共達ではないかと予想した夜月の言葉に、僕はそれならあり得そうだなと納得、それと同時に、“全情報開示“を使った時に得た情報の中にあった、他の“レッサーフェンリル“、10頭の存在を思い出した。そうなると、向こう側が出してくる戦力の中に、その10頭の“レッサーフェンリル“が入ると、戦局が大きく変わるものなのかと聞いてみると、天華や夜月の話ではそう手間取るほどではないと言う答えが帰ってきたので一安心した。


(あ、でも、その“聖獣のフェンリル“はこの紛争に自分達の仔共達が参加するってことを知ってるのかな?(・・?)それとも参加することを知ってたら、止めるはずだよね?“聖獣・フェンリル“のお役目は“スフェール山脈“の守護だから、人間達の争いには関与しないはずだし・・・、(*´ー`*)それとも“レッサーフェンリル“達は参加しないのかな?)


ジュール『うーん、どうだろう?さっき会ったアイツはただあのおじさんに着いて来ただけって感じだったよ?アイツがアトリーに威嚇してきた時は、お世話になってるおじさんに、自分が知らない力が向けられたから威嚇しただけで、その力で危害を加えられるものじゃないって分かってからはアトリーに甘えに行ってただけだし、何かの指示を出されていたって感じじゃなかった・・・』


(あー確かに、そんな感じだったねぇ( ̄▽ ̄)、そうなると?実際は他の仔達もお世話になっている人に着いてきて、戦闘にちょっと手助けで参加するって感じの感覚で来るかもしれないね・・・・・それって、ヤバくない?(・Д・)ちょっとしたお手伝い感覚できた“聖獣“の仔を、問答無用でたくさん怪我させたり倒しちゃったりしたらさ、僕達、その“聖獣・フェンリル“の怒り買いまくるんじゃ・・・( ゜д゜)、最悪、帝国の公爵家も巻き込んで国境線が更地になったりしないよね?)


ジュール達『『『・・・・・・ヤバイかも・・・・』』』


(だよねっ!?(゜∀゜)ヤバイよね!?ちょっ、この事父様達にも教えなきゃ!!)


 話している間に“レッサーフェンリル“達が参加する確率は高くなったのは分かった、だが、それは良いとして、その事を親である“聖獣・フェンリル“はちゃんと把握しているのかと言う問題が浮上してきた。その話の内容的に下手をすると“聖獣“VS“人間“と言う構造になり、新たな紛争の火種になりかねないと思って慌てた僕は、急いで並列思考での念話を打ち切り、まだ、公爵家に対しての防衛や反撃などの対策を話し合っている父様達にその事を話すと、父様達も驚き焦った様子を見せた。


 僕の話の内容からして、今、1番重要な案件として“聖獣・フェンリル“の仔共達をどうやって傷つけずに無力化するか、と言う議題に変わった。


(うーん、どの案も怪我を負わせるリスクが高いなぁ、(*´Д`*)僕が前線に立てば問題はすぐに片付くんだけど、流石に未成年を前線に立たせてはくれないだろうし・・・うーん・・・事前に“レッサーフェンリル“達に会うことができたなら、その仔達も言うこと聞いて、人間の手伝いなんてしないはずなんだけどなぁ・・・多分・・・(*´ー`*))


ジュール『多分なんだ?』


夜月『ほぼ確定だと思うぞ?自信を持て、あっちこっちの魔物達に持てまくった過去を思い出してみろ』


(うっ!(-_-:))


天華『そうですよ。心配しなくても、“レッサーフェンリル“達はすぐにアトリーにメロメロになりますよ』


(メロメロて・・・( ̄▽ ̄))


天華『ふふっ・・・ん?でも、事前に会うって言う案はいいかもしれませんね?』


(えっ?でも、会いたい仔達は帝国側の領土にいるから僕は直接行けないよ?(・・?)父様達が絶対許してくれないからね)


 公爵家の主戦力となるであろう兵士達の対策はこの際、二の次だとでも言うように、今はそれより“レッサーフェンリル“達の無力化する案を話し合っている大人達、その話を聞いていた僕はどの案も“レッサーフェンリル“達が怪我をする危険があると思ってしまい、自分が前線に出ていけば全ての問題は解決するのにと、少々傲慢ではあるが、自分の能力をよく理解した上でそう思って大人達にその事を進言したいと考えても、ここにいる大人達は子供である僕の事は絶対に前線に立たせる事はしないと分かっているので、少し拗ね気味に実現できもしない案を呟き、僕の言葉尻に加えた一言をジュール達がイジってくる、そんな中、天華が僕の願望に近い案に何故か乗り気になった。


天華『はい、帝国の領土にいる“レッサーフェンリル“達を直接探しに行くのは、確実に敵と対面する未来が見えますのでそれはあり得ませんが、その親である“聖獣・フェンリル“には会いにいけますよ?(!!?)そもそも、“レッサーフェンリル“達の事を心配をするなら、先にその親である“フェンリル“に現在の状況を知っているか確認しに行けばいいと思うですよね、そこで、“フェンリル“がこの状況を何も把握していなかったのなら、私達がその状況を知らせてあげれば、仔を思う親なら紛争に駆り出されているかもしれない仔共達を預け先から引き取りに行くと思うんですよ』


(た、確かに・・・(・Д・))


 天華の話はまさに目から鱗だった。その事を再び父様達に話して、その“聖獣・フェンリル“に現状確認をしに行く作戦“は決定され、その作戦の実行隊に僕は名乗りをあげて、様々な理由から自分が1番適任だと強く主張し、無理クリ実行隊の隊長の座を勝ち取った・・・・




・・・・そして、現在・・・・


「見てるだけで寒っ!!」


 “聖獣・フェンリル“が住んでいると言われる、“スフェール山脈“の頂上付近にある氷穴前に来ています!!☆彡

















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