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間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜  作者: 舞桜
第4章 少年期〜青年期 学園3学年編
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88話 野外実習9 脱出成功!


ソンブラ君「今ですっ!!動いてください!!」


「はっ!馭者さん!出発してください!!」


馭者さん「は、はい!!」


 あまりの光景に呆けていると、デューキス君の近くにいたソンブラ君が大きな声で出発を促した。その言葉に慌てて馭者さんにお願いすると、長馬車はゆっくりと動き出し、次第に速度を上げて走り出した、そして、見事、軍施設の敷地から抜け出していったのだった・・・・




「ふぅ、無事、全ての長馬車が敷地外に出れたね・・・」


ソル「はい、少々手間取りましたが、予定通り、ここには僕達と公爵家の“影”達しかいません」


「そのようだね。じゃあ、問題の犯人達の捕縛に向かおうか」


ソル「はぁ・・・やはり行かれるのですか?」


「それは行くに決まってるじゃん♪」


ソル「はぁ~~・・・」


 このやり取りの事の発端は、先生達との話し合いが終わってすぐのことだった。この結界から脱出するための準備に取り掛かろうとした時、他の長馬車の馭者さん達が慌てた様子で問題が起こったと知らせてきたのが始まりだった・・・・



・・・・数分前・・・・


 最初は生徒達のほんの数人が長馬車での待機に我慢できず、フライングで数人が森に探索にいってしまっただけかと思ったのだが、どうにも思った以上に森に入った生徒が多かったので、これは流石に先生達だけでは探しきれないだろうと思った僕が、生徒達の場所を探知するために一旦、魔力の蓄積をやめて、以前、学園内で侵入者騒動があった時、セキュリティ強化のために自分が魔改造した”学章の魔力パターン“で生徒達の居場所を探るために、蓄積した魔力を使い軍の敷地内全体を“魔力感知スキル“と“探究スキル“で探ったことで、森の中には生徒達だけではない人の集団があることに気づいた。


(なんだ、あの集団は?かなりの数が森の中心部に近いところにいるな?軍人の演習中か?・・・いや、今日は僕達が来るのが分かってるはずだから、軍の方での演習はないはず・・・ってことは・・・そうか、これはまた人為的に起こされた“ダンジョンの生成“だったか・・・・)


天華『アトリー、それは後にしましょう。どうやら生徒さん達が数人、魔物に襲われているみたいです』


(あ、そうみたいだね・・・じゃ、先に生徒達を連れ戻しますか・・・)


 そう言って、僕の隣で生徒達の安否を心配していた副学園長に、僕が生徒を連れ戻せることを話してサクッと生徒達を、“時空間魔法“の“テレポート“と“マルチターゲット“の良いとこ取して作った“取り寄せ魔法・アポーツ“で、森の中から今いる軍施設の大きなロータリー兼、駐車場の中央に移動させた。


(いやー、この魔法便利で良いよねぇ、随分前に授業で必要な教材を家に忘れてきた時に思いついた、って言うか、前世での異世界転生ものラノベでよく出てきた“アポーツ“魔法を思い出したから、再現してみたら意外と簡単にできたんだよねぇ、これのおかげでどこでも忘れ物を取り寄せ放題できるし、その場から動くのが億劫だった時にわざわざ取りに行かなくてよくなったし♫( ´∀`))


夜月『あまり乱用するな、ほどほどにしないとまたお母君に怒られるぞ?』


(うっ!・・・はぁーい、気をつけまーす・・・)


 少々苦言を言われながらも、感知した集団に注意しつつ、ソルと先生方に指示を出し、引き続き脱出の準備を促した。


(さてはて、あの集団の目的はなんだろうなぁ、手口はあの邪神教と同じだが、どうも目的があの邪神教とは合致しないな・・・)


「“影“、今から森の中にいる正体不明の集団のもとに向かい、その正体を探ってくることは可能かな?」


影「可能です」


 謎の集団の正体を探りたいが今ここを動くわけには行かないので、僕は誰もいない森の方を見ながら、話しかけた。すると、誰もいないはずの場所から返事が返ってきた、その返事を返して来た存在に対し、僕は当たり前のように話しを続けた。


「では、偵察をお願い。でも今、森は変化の途中だから、無理しないように、その集団の周囲で異変があれば即座に引き返してくること…」


影達「「「「「畏まりました…」」」」」


 そうして気配が森に移動していく、彼らは我が家のお抱えの“影騎士“、常時、僕の身辺警護のために配備されている“影騎士達“だが、今日はいつもより人数が多く配備されていたので、その内の数人が僕のお願いを聞いて森の中にいる怪しい集団の正体を探りに向かってくれた…

(あ、もちろん、副学園長以外の大人達は“影“がいる事に全く気づいてなかったよ!( ^∀^)生徒で気づいたのはイネオス達ぐらいじゃなかな?( ´ ▽ ` ))


ソル「・・・はぁ、気づいておられたんですか・・・」


「ん?まぁね、分かりやすかったんだよ…彼らが装備しているのは一級品の隠蔽用魔道具だけど、気配や魔力などの隠蔽は完璧でも、姿その物を隠すことはできない代物だもん、よほど潜伏するのが上手くない限り意味がないよ。それに、本気でその場所に誰もいないと思わせたいのなら呼吸や身動き一つせず、その場にいた痕跡や自分の身体とか物理的なものも全て含めて完璧に隠し偽装できないと、僕の“探究スキル“には見つかってしまうからね」


ソル「そうでしたね・・・ふぅ・・・」


 手当てをしている最中に向こうでも怪しい集団の話があっていたようで、いつの間にか側に戻ってきたソルは僕には知らせる気はなかったようだが、怪しい集団の存在をすでに僕が認識していたことにため息を吐いていた。


 そして、しばらくすると偵察のために森に入って行っていた“影“から報告が入ってきた。


影「アトリー様、森にいた集団の中に・・・・・・・」


「・・・・はぁ??・・・なんで、そんな人がこんな所に??しかも、邪神教の教徒達と一緒にいるんだ??捕まってるとかではなく??」


影「はい、どうみても協力関係だと思われます・・・」


「はぁ~・・・分かった、じゃあ、そこには今回の騒動を起こしたと思われる“何か“はあったかな?魔法陣、惜しくは魔道具など・・・」


影「はい、この集団のいる広場の中心に、明らかに軍の扱う物とは違う、箱型の魔道具が5つほど円形に並べ置かれてました」


「そう、魔道具ね…どういう効果をもたらす魔道具かわからないけど、これで今回のこの騒動を起こしたのは、その集団で確定ってことかな?それにしても、何が目的でこんな結界を作ったかな?」


 “影“の報告で予想外の人物が関わっていたことを知り驚いた、どのような経緯でその人物と邪神教が繋がったか分からないが、今はそれより、本当に集団の犯行なのかと言うことと、その目的を知ること、なので・・・


「まぁ、捕まえて聞いたほうが早いか…よし、結界の破壊し、他の人達の脱出が完全に終わったら、その集団を捕まえよう、あの集団、特に”あの人“を生徒や先生達に関わらせて大事にしたくないからね。それと、結界の破壊できたら“影“の1人は家にこの事の報告に行ってね」


 今回の騒動の犯人達の中にちょっと厄介な人が居た為、他の人達がたくさんいる前での捕縛ではなく、一先ず先にその他の人達を脱出させてから、我が家の手のものだけで捕縛することにした。


影「はっ、畏まりました」


ソル「アトリー様が直々にお動きになられるんですか?」


「うん、僕が相手の目につくように行動する事で”あの人“が何か行動を起こせば目的がわかるかもしれないし、すぐに対応できるからね」


ソル「その何かはあって欲しくないのですが・・・」


 集団の捕縛が決定すると、ソルは僕が直接捕縛に参加するのは気が進まないらしい。まぁ、ソルのその反応も分からなくもない、邪神教はこれまでも僕に散々ちょっかいを出して来て、迷惑をかけてきている相手だから、(一度、刺されてるしな)そんな奴らの目的そのものである僕を近づけるのは、護衛としても従者としても、もちろん親友としても嫌なものなんだろう。

 そのソルの気持ちはわかるが、今回ばかりは相手の目的がはっきりしておらず、どうも、僕をピンポイントで狙っている感じもしなかったから、僕が積極的に前に出ることで相手の目的が判明するかもしれないと思ったから、あえて、自分も捕縛に参加することにした。


 そう話していると結界の調査を行なっていた軍人が、副学園長にその報告をしているのが耳に届いた、その話を聞く限り、どうやら今回の結界の特性は結界に直接与えられた衝撃や魔法などに反応し強度を増していくものらしかった。この時、その特性を知ったせいなのか、結界の調査を指示した僕ではなく、副学園長に軍人がその報告をしに行ったのは、僕の力では結界を破れるのかと疑問視したから、僕に報告に来る前に副学園長にその報告をして、結界の破壊が本当に僕1人で可能なのかと確認していたようだ。

 また、僕もその疑問も不安も理解できたし、こちらの都合もあるので、その会話が聞こえていても聞かなかったふりをして、ソルに僕の準備が整ったからと言って、まだ外に出ている軍人達の脱出の準備を急がせ、少々魔力を出して脅し、強制的に脱出を早めた。


(さて、これ以上ごねられる前にさっさと脱出させますか・・・( ̄▽ ̄))


天華『それで、アトリー、この結界どうやって壊すつもりですか?』


(うん?そうだねぇ、この結界ってさ、本来なら“ダンジョン“の生成中に外側からの干渉を妨げるために作られているものだと思うんだよね?だから、外側からの衝撃や魔法を受けても通さず、その変化を外の人には見せないし、感じさせない、でも、今回はその外側からの衝撃や魔法を通さないって部分が反転して、さらに結界の強化させるようになっているのは、どう考えてもあの集団が持ち込んでる魔道具のせいだっと思うんだ)


ジュール『確かに?そんな感じはするよね?』


天華『まぁ、十中八九、そうでしょうね』


夜月『では、その魔道具を先に壊すのか?』


(うん、魔道具を破壊してみて、それでもう一度、結界の力の流れを観察してみてから、結界を破壊してみる( ^∀^))


 魔道具の破壊で結界の力の流れがどう変化するかによって破壊の仕方を決めることにした僕は、まず、その魔道具の近くにいる集団や長馬車、それを操る馭者さん達を厳重に僕の結界で保護し、完璧に安全確保して、”重力魔力のレビテーション“で空に上がり、ターゲットとなる魔道具を直接視認し、狙いを定めて魔力を大量に圧出させた特大の雷魔法をその魔道具達にぶつけた。(ついでに言うとソルや“影“達は僕の作った結界の魔道具で自分の身を守っているよ!d( ̄  ̄))


 ブワァッ!!ゴロゴロゴロゴロッ! カッ!! ドォンッ!! バリバリバリッ!!


「「「「「ぅわっ!!」」」」」 「「「「「きゃーーっ!!!」」」」」


(ふーん、やっぱり、魔道具が壊れたら内側より外側の強度が増したみたいだな、これなら攻撃を一点集中させれば内側からでも簡単に結界を壊せるな・・・・)


 “真眼スキル“を発動させて魔力の流れを読み取っていると、自分の頭上で大きなヒビが入り出していた。


 ピシッ!ピキッ!ピキピキッ!!


(あれ?天井は意外と脆かったのかな??(・・?))


 そう思っていると、みるみるうちにそのヒビ割れが大きくなって行っていた。


 ビキビキビキッ!!


(あー、今なら物理でも壊せそうだな(*´ー`*)) と思って、握り拳を作り、一応、念の為その自分の拳に“神力“を纏わせてそのヒビが入っている天井を思いっきり殴ることにした。そして、


「はぁっ!!」 ドッコンッ!!! バキンッ!! ガラガラガラッ・・・・


 全力でヒビの入った結界に一撃加えると、その衝撃で結界が崩れ去った・・・


ジュール達『『『トドメが拳って・・・』』』


ソル「・・・はぁ〜・・・」


 ビキビキビキッ! ガラガラガラ!! スゥーー・・・・


「「「「「・・・えぇ~~~~っ!??」」」」」


(ん??( ・∇・))この事に関しては何を言われても、どんな反応をされても気にしない。


 崩れた結界の破片は空気に溶けるように消えていったのだが、今、この敷地内は“ダンジョン“の生成の真っ最中なので、いつまた結界が復活するか分からない、その事をちゃんと理解しているソルが、雷の衝撃で呆然としていた人達に声を掛けたことで、急いで長馬車を走らせ軍の訓練場の敷地から脱出させることができた。


 そして、冒頭に戻る・・・・・・



 地面に着地し、全ての長馬車が敷地内から出ていったのを見届け終わった僕達は、森の方を振り返った。


「さて、犯人達とのご対面と行きましょうか!」


 そう言って、ソルとジュール達、そして、家の“影“を引き連れて森の中へと入って行った・・・・














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