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間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜  作者: 舞桜
第4章 少年期〜青年期 学園3学年編
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80話 野外実習


 はい、どうも、僕です。


 学園から帰宅後、なんやかんやあった僕は、その日は変な心配をしつつも就寝、翌日は快眠のおかげで元気に学園に登校し、イネオス達に甥っ子の誕生を知らせ、自分が名付け親になったことも言うと、皆んなから盛大に祝福されて、そこでやっと僕は自分が甥っ子の名付け親になった実感が湧いて、少し気恥ずかしさを覚えると同時に誇らしさも出てきて、それ以降は全力で甥っ子ラブな“おじ馬鹿“へと変貌を遂げたのだった・・・

(あ、“リアン“はあの後1週間後に、カミィ姉様達とムーグラーフの領地の方に僕がテレポートで送り届けて、少し寂しいですが今はそちらで生活してます。でも、週に一回はテレポートで会いに行ってるので我慢できてます( ´ ▽ ` ))


 そして、学園での授業は天華からのアドバイスのおかげで、少しずつ同じ班になった彼女達とも打ち解けることに成功し、野外実習に向けての課題なども順調に進み、イネオス達が振り分けられた班とも交流ができて、意見を交わすなどと言った学生らしい日々を送りました。


(そうそう、この班のメンバーの割り振り方は、どうやらクラス内の魔法学の成績の上から2名と下から3名とずつを取る形で決められていたようで、成績が1番上の僕と次のソル、1番下から3名のイリーさん、チェルシーさん、ロシュ君が選ばれみたい、それ以降も上からと下からを2名、3名で取っていき、班全体の実力が均等になるようしてあったよ、実力が高い者が低い者にコツを教えて、課題の成功と成績の向上も視野に入れた、合理的な班分けだったと後で気づいた!(*´Д`*)それと、ロシュ君はまだ魔法が苦手という事ではなく、魔法学の実技の的当てが苦手で、いつも成績が下になっちゃってるんだよ・・・魔力操作は上達してきたんだけど、的当てに関してはノーコンなんだよなぁロシュ君、(*´ー`*)広範囲攻撃は得意なのに、ピンポイント攻撃になるとね(*´-`)・・・まぁ、得て不得手は誰しもあるって事だね!( ´ ▽ ` ))



 そして今日!本日は野外実習当日です!えっ?話が飛んでるって!?そんなことは知らん!



・・・・そして、現在、学園の馬車乗り場のロータリー・・・・


(おー、コレで移動するのかぁ・・・久しぶりに見たな(*´Д`*))


 そう言って見上げたのは以前にも乗ったことがある大きな長馬車、装飾はあまり無い見た目がほぼバスのような長馬車が、デンッ!と学園のロータリーに数台置かれていた。今日はコレに乗って野外実習地に向かう手筈のようで、今、学園の馬車乗り場には3学年の生徒全員が集まり、ひしめき合っている・・・僕の周り以外は・・・


担任「では、Aクラスは先頭の長馬車に乗り込みなさい」


 前回の注告以来、僕の前では今までの様なあからさまな身分差別的な態度がなりを顰めている担任教師の声掛けで、先頭の長馬車からクラス順に学生達が集まり列を作り始めた。僕達は1番先頭の長馬車の1番前に並ばされて、1番最初に中に入る事に・・・


(やっぱりコレって本来バスと同じ扱いだったんだな(*´ー`*))


 以前乗った事のある長場車は王侯貴族の長期移動用で、外装も内装も豪華でゆったりと過ごせる仕様だった。現在、目の前に数台並んでいる様子を見るに、本来はこう言った大人数で移動する際に使うものなんだなと認識を改めた。そして、今回のは流石に人数的にバスのような座席が並んでいるだけの物だろうと思って中に入っていくと・・・


「えっ!?・・・」


ソル「アトリー様、どうかなさいましたか?・えっ・・・・」


 中に入って驚いた僕の後ろから中を覗き込んだソルまで驚きでフリーズ。


「えっと、コレって本当に僕達が乗る長馬車であってる??」


ソル「しょ、少々、お待ちください、今すぐに確認してきます!」 ダッ!


(・・・コレさぁ、以前乗った奴より絶対グレードが高い長馬車だよね!?( ゜д゜))


夜月『・・・だな・・・』


(そうだよね!?それが何で学園の野外実習の移動の為に用意されてるの!?(・Д・))


 乗り込んだ長馬車はどう見たって学校行事の移動に使うには豪華すぎる内装だった。それこそ以前使用した長馬車よりはるかに広く豪華絢爛な内装に唖然としてしまったのだ。だから、そんな内装の長馬車が野外実習の為にわざわざ用意されたとは到底思えないわけで、同じように内装を見たソルに、本当にこの長馬車が自分達の乗る長馬車なのか、手違いがあったのでは無いかと思い確認に行かせた。その間に僕は外に出てソルを待っていると、同じ班のメンバーやイネオス達とその同じ班のメンバーが、僕が中に入ってすぐにでてきたことを不思議に思って近寄ってきたが、僕が無言で内装を見る様にと視線で促すと、中に入って数十秒で困惑した表情で戻ってきた。そう言う事を、他の生徒達も含め数回繰り返していると・・・


担任「どうした!Aクラスはまだ全員中に入ってないのか!?」


 クラスのほとんどの人達が長馬車に入って戻ってくるといった事を繰り返した頃、ソルが確認のために探しに行った担任教師が、ソルの行った方向とは反対側から現れ、まだ、長馬車に入り終わってない僕達を見て怒鳴りながら近寄ってきた。


「先生、この長馬車の事でお聞きしたいことがあって、皆んな中に入らず先生を待っていたんです。それと、先生を探しにソル、僕の友人が探しに行ったのですが、どこかで会いませんでしたか?」


担任「?長馬車の事とは?私は先程まで必要な備品を取りに学舎内にいましたから、誰とも会ってませんな」


 そう言って手に持っていた備品を馭者台の後ろにあった荷物置き場に入れている担任教師。


(あらら、ソルは別方向を探しに行ったか、運悪くどこかですれ違っちゃったか?(・・?)まぁ、いいや、ソルはその内戻ってくるだろうし、今は、この長馬車の事を先生に聞くか・・・(*´Д`*))


 担任教師の話を聞くにソルは別の所を探しに行ったか、どこかですれ違ってしまった様なので、ソルには申し訳ないけど、先に先生に長馬車の事について聞くことにした。


「先生、この長馬車、手配されたのはどなたでしょうか?」


担任「?、手配したのは私ですが?」


 それが何かと言いたげな表情で素直に答えた担任教師にクラスメイト全員がえっ?と驚く。


「・・・先生、この長馬車の内装はちゃんと確認して手配なさったんですか?」


担任「・・・そうですよ?」


 僕の質問に何が問題なのかと少し苛立った様子で答えた。その様子を見て僕は・・・


(真面目にコレを手配したのか?・・・!もしかして全部の長馬車がコレなのか!?( ゜д゜))


 僕達の乗る長馬車だけがこの内装なのか?と思っていたが、他の長馬車も同じなら“それの何が不満なのか“と言ったその反応もう頷けると思い、早速聞いてみた。


「先生、この長馬車の内装はどのクラスも全て同じ使用なんですか?」


担任「?、何を言ってるんですか、Aクラスは他のクラスとは違い、在籍している生徒達は尊き血を有した方々がおられるのですから、他のクラスと同じものを使用したりしませんよ?尊き血を持ち優れた生徒に他のクラスより優れたものを手配するのは当たり前では無いですか」


「「「「「えっ!?」」」」」


(な、何を言っとるんだこの教師は!?∑(゜Д゜)今の発言だと、王族が在籍しているからと待遇を変えたと言ってる様なものじゃないか!!この学園では学力の差でクラスが分かれるのはしょうがないにしても、身分で待遇を変えたりすることは御法度のはずだろ!?ここ最近は身分差別発言が少なくなったと思ったら急にこんな発言をぶち込んでくるとはっ!!Σ('◉⌓◉’))


「っ・・・はぁ~~・・・」


 最近の大人しい態度とは真逆に、悪びれもなく学園の理念に反する問題発言をした担任教師にクラスメイト全員がドン引き、僕は思わずその場で額に手を当て大きなため息を吐いてしまった。普段ならこういった人の目があるところでに自分の感情を出すことはしない僕だが、流石に今回ばかりは自分の内に落胆の感情を留めておくことはできなかったのだ・・・


 そんなドン引きの空気の中、ソルが野外実習に出る生徒達を見送るためにきていた、おじいちゃん学園長とやり手ウーマン副学園長を伴い戻ってきた。


(あ!、ソル!ナイスタイミング!!・:*+.\(( °ω° ))/.:+)


学園長「どうしたのですかな?長馬車に何か不備があったと聞きましたが・・・」


担任「が、学園長様、いえ、不備などありません」


 突然の学園長達登場で担任教師は分かりやすく焦り出す。


「学園長先生、不備と言うか、問題がありまして、今日、用意された長馬車がAクラスのものだけが他のものと違う様なんです」


学園長「ほう?」


 僕が言った言葉に、不思議そうに長馬車の外装を見回した学園長と副学園長、外装は他の長馬車とはほとんど変わらないものなので何が違うのか?と首を捻る学園長、その学園長の姿を見つつ冷や汗を流しながら押し黙る担任教師、そんな挙動不審な担任教師を鋭い目で観察する副学園長、僕はその挙動不審な担任教師を見ながらトドメとばかりに言葉を続けた。


「外装は他のものと変わらないのですが、内装がコレであっているのかとクラスメイト全員が思ってまして、よかったらご確認いただけますか?」


担任「っ!あ、あの、それより、今は時間がないのですが!!」


学園長「ふむ、中を確認するだけで、そんなに時間はとりませんよ」


副学園長「すぐに済みます」


担任「っ、で、ですから!もう出発の時間が迫ってます!っ、わっ!」


 と言って、慌てて邪魔をしてきた担任教師の行動を怪しく思った学園長達は、入り口を塞ぐ担任教師を押し除けながら、強引に長馬車内に入って行った。


学園長「む!?な、何と・・・」


副学園長「・・・今回の長馬車の手配料が異様に高いと思ったら・・・やはりこれのせいでしたか・・・」


担任「ぐっ!!」


(あらら?この長馬車のチャーター代、自腹じゃなくて経費で落としてたんか?ケチくさいなこの人、てか、経理の監査役、ちゃんと仕事しろ!( ゜д゜)ん?もしかして担任とグルか?しかし、最近おとなしかったと思えば、これを経費で落とすために目立たないように問題行動を起こさなかったんだな?)


天華『やる事が小物ですね・・・』


(だね( ̄▽ ̄))


 中の内装を見て、驚きと呆れの声を上げた学園長達、その声で顔色を真っ青にして目を泳がせる担任教師、ソルや僕、イネオス達はそんな担任教師が逃げ出さないように周囲を囲んでジッと見つめた、その視線に担任教師は必死に逃げ道を探しているようだった。


学園長「ダスカロイ先生、ちょっとお話ししましょうか。あぁ、野外実習の付き添いは副学園長が行ってくれますから心配しなくていいですよ。ではあとは頼みます」


担任「あ、い、・・・」ガクッ・・・


副学園長「はい、かしこまりました。・・・では、Aクラスの生徒の皆さん、今回はもう時間の余裕が無いので、この長馬車を使って実習地に向かいます。速やかに全員乗り込んでください」


「「「「「はーい」」」」」


 長馬車から降りてきた学園長は迫力のある笑顔で、行き場がなくなった担任教師に“OHANASI“を持ちかけて有無を言わさず、この場を副学園長に任せて連行していき、担任教師は絶望した表情で学園長の後ろを歩いていっていたが、最後に僕達の方を鋭く睨みつけて建物内に姿を消して行った。

(自業自得じゃん逆恨みすんなよなぁ(*´Д`*))


 学園長と担任教師がいなくなると副学園長はテキパキと指示を出し、僕達は言われるままに豪華な内装の長馬車へと入っていった。


(入ったは良いけど、これってどこに座れば良いんだろうか?(・・?))


 クラスの生徒全員が長馬車の中に入ったは良いが、どう見ても馬車の内装の作りがおかしい、通常の長馬車より広く空間拡張されていて、豪華な装飾品や花なども飾られている、もはや高級ホテルの広いラウンジのような作りだった。そんな豪華な内装の中央に一際豪華なソファセットが1セット鎮座していて、そこには誰も近付かないで立ったまま中を見渡し戸惑っていた。


副学園長「はい、皆さん、適当に座ってください、すぐに出発しますよ!」


「「「「「はーい…」」」」」


 先生の声掛けに皆んなが戸惑いながらも一斉に動き出し、気づいたら中央のソファセット以外が全て埋まり、席に着くのが遅れた僕達の班とお馴染みのエルフ族、ダークエルフ族、鬼族の王族の3名とその同じ班のメンバーが中央のソファセットに座ることになった。


(うん、こうなるって分かってた( ̄▽ ̄)まぁ、ね、皆んな絶対この席は嫌だと思ってた、これに座るのは王族ぐらいだろうってね、でもね、何で他の王族が隅の方に座ってるんだ!?(・Д・))


 そこは僕が行きたかったと思いつつ、車内の隅にあるテーブルセットに、身を潜めるように座る他国からの留学生である王族達に視線をやると、すぐにを目を背けられてしまった。


(前から思ってたんだけど、他の国の王族達は自分の存在を薄めようと必死過ぎやしないかい?(・・?)それになんか避けられてる気がするし・・・)


 先の3人の王族以外にも、Aクラスには留学生として他国の王族が数人在籍しており、話をした事はないが流石の僕でもその存在は知っていた。だが、その他の王族達は僕に近づいて来る事はなく接触もほとんどない、むしろ避けられている感じがしていた。さらに自分の存在を僕の認識から外そうとしてる節さえある。


天華(『多分、アトリーとこの3人の王族と横に並びたくないんでしょうね。自分達がこのアトリーを含めた4人と並んだ場合、他者からどう見られるかと考えた彼らは、確実に自分達の方が見劣りすると自覚があるんでしょう』)


ジュール(『そうだよねぇ、この4人、クラスの中でも身分が高くて凄く容姿が良いもんね。同じ身分が高くてもこの4人と比べたらの魔力量と容姿の凄さでは勝てないから気後れしちゃってるんだろうねぇ~』)


夜月(『他者からどう言う評価をされるかと予想がつくから、必死に自分の存在を薄くしているんだろうさ。その点アトリーは他人からの評価なんて気にしなからな、彼らの行動の意味がいまいち理解できてないんだろう。まぁ、見栄を張らないとやっていけない者も存在すると言う事だな』)


ジュール(『人間って、本当面倒だよねぇ』)


夜月(『だな…』) 天華(『ですねぇ…』)


 そんな、やり取りがされている間、僕達は無駄に豪華な長馬車の中で気まずい空気の中、目的地まで揺られていくのだった・・・・・


















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― 新着の感想 ―
ちょっとまてぃ。ohNASIなっちまってるぞ。OHANASIじゃねえのか?
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