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間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜  作者: 舞桜
第4章 少年期〜青年期 学園3学年編
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79話 名付け親


(うっ!・・・はい、反省して今度から真面目に授業を受けます・・・(*´-`))


 緊張でガチガチの2人の扱いに四苦八苦していた僕を見かねた天華が、しょうがなしにアドバイスしてくれると言って話しかけてきて、僕は天の助けと言った感じで肩にいた天華に頬擦りすると、天華に交換条件で授業を受けるときの態度を改めるようにと言われ、その上、先程の課題の件での王女の勘違いも自分にあるかもしれないのだからと嗜められた僕は、しょんぼりとしつつも、ちゃんと反省し、次回からの授業はちゃんと真面目に受けると約束したのだった・・・・


天華『では、アトリー、まず、一旦、彼女達と直接話すのはやめましょうか』


(ん?直接話しかけちゃダメなの?(・・?))


天華『ええ、アトリーと直接話すのが彼女達には畏れ多いと思われてますからね。自分が何か失言すると家族にも影響があると思っているはずです。なので、一旦、直接話すのはやめて、ロシュ君やソルを介してやり取りをした方がいいでしょう。その際に学園内では普通に話しかけて欲しいと伝えて貰った方がいいでしょうね』


(おう、そうか、あの彼女達は貴族に話かけられるのが初めてだったのか…、僕はいつもロシュ君や冒険者達に普通に話しかけてるから、身分の差の事を忘れてたよ・・・ふぅ、身分制度めんどい・・・(*´ー`*))


天華『1学年の時からの友人だったロシュ君と、初めて言葉を交わす平民の彼女達を一緒にしたらダメですよ。それに、冒険者はランクで立場が変わりますからね、学園での人間関係とは全く別物です』


(むぅ・・・分かった、ロシュ君には申し訳ないけど、僕に慣れてもらうまで、橋渡しをお願いしよう( ̄▽ ̄))


天華『そうして貰ってください』


 そうして、天華のアドバイスもあって、ロシュ君を介して会話が成り立つ様になり、担任から言われた班のリーダーは当然のように僕がする事になって、その後の魔法実技の授業では多少、僕に話しかけてくれる様になった。まだ、遠慮がちだったが、僕の魔力操作の鍛錬の仕方などをロシュ君から教えて貰って、コツなどを聞いてきたりしてくれたので、簡単なコツなどを教えて、今日の会話は終わった。


 その後は選択授業となったのでそれぞれ解散し、僕はいつも通りの授業を受けた。さらにその後はいつもだったら放課後にはイネオス達といつもの場所でお茶会や図書館で本を読んだりして帰るのだが、今日は早く帰ってくるようにと言われていたので、イネオス達には断りを入れて、授業が終わり次第帰宅することに・・・


「しかし、今日は早く帰ってくる様にってわざわざ言ってきたのは何でだろう?まぁ、言われなくても、甥っ子ちゃんに会いたいからすぐ帰るつもりだったけど・・・」


(あ、そう言えば、イネオス達には甥っ子ちゃんが生まれた事を言わなくてよかったんだったよね?(*´Д`*))


夜月『ああ、まだ名前が決まってないからな、他家に子供の誕生を伝えるのは名前が決まった後が好ましいとされているからな』


 この国では生まれた子供の名付けには色々と基準があるのは分かっていたが、その名付けが済んでいない子供に関しての扱いが、意外と変わっていることが今回甥っ子ちゃんが生まれて初めて知ったのだ。

 その扱いというのが、生まれた子供の名付けが済んでない状況というのが、単純に親が名前に悩んでいたり、魔力が高い子が生まれた場合は瞳の色にちなんだ鉱石の名を貰う風習、“輝石命名“の為に国へ申請をして、専属の認定士が来る、または認定士がいる場所に向かうまでの間など、その数日の間、子供は名の無いまま数日過ごす事になるのだが、その間は子供が生まれた事を周囲に知らせることは御法度とされていることだ。


(理由が分からない風習だよねコレ・・・まぁ、子供が生まれたからお祝いの品を送ろうとしても名前がなかったら宛名に困るしな、そうなると名前が決まった後に教えた方が面倒がなくていいか?(*´ー`*))


夜月『それも理由の一つかもしれんがな、主な理由は名前が決まってない子供が誘拐されたりすると、捜索中に似た子供が見つかった時に誘拐犯が、自分の子供だと言い張ると誤魔化されたりするからだろうな、特に貴族の子供は誘拐されやすいし、この世界ではDNA検査などの技術がないからな、確証がなければ子供を取り返すことができない。

 だがまぁ、一応ダンジョン産で、かなり高レベルな鑑定の魔道具なら血筋を判定できる物もあるから、それを使えば血縁関係の証明もできはする。ただ、入手困難で、国さえ所持しているところが少ないからな、使用するのにもさまざまな許可が必要になってくるから、一般的な方法ではない、だから基本的に子供が生まれても名前が決まるまで子供の誕生を周囲には言いふらさないんだ。後は名がない子供は妖精にイタズラされやすいとか、そんな言い伝えがあるところもあるな』


(うへぇ、名前が付いてないだけで誘拐犯に有利な状況になるってことかぁ、それに妖精のイタズラねぇ・・・ん?でも名前が決まってても誘拐された後に改名されたら意味ないんじゃない?(・・?))


 その他にもこの風習にもさまざまな理由はあるようだが、1番の理由が誘拐を懸念してのことようだ。だが、血縁を示すための確認方法が名前だけとは何とも頼りないし、名付け後に誘拐されて、その後に改名された場合は意味がないのでは?と思う僕。


天華『それは大丈夫です。改名されても、鑑定された時には今の名前の下に元の名前も表示されるんですよ。“通常の鑑定スキル“でも犯罪防止のためもあって、最初についた名前から改名した名前も全て表示される様になってます。犯罪者達が改名して犯罪を繰り返されても困りますからね』


(それは確かに、でもさ、それって、名前だけで血縁か確認できないのは確実性に欠けるよね?それなら鑑定スキルでも血縁関係も分かるようした方がいいんじゃない?(・Д・)そこらへんのスキルの能力改変とかってできないの?( ・∇・))


 天華の説明に一旦理解はできたが、それでもやはり血筋を証明する為に名付けだけでは確実性に欠けるのでは?と思った、その上で、鑑定のスキルの表面的な鑑定結果だけではなく、確実に血が繋がっているという証明もできる、もっと突っ込んだ詳しい鑑定もできた方が良いと思ったので“スキルの改変“はできるのか、そう聞いてみたが・・・


ジュール『・・・そのことは以前にも似たような要望?があってしたことがあるらしんだけど、その血筋鑑定できる人が増えると、あっちこっちで浮気で血が繋がらない子供が判明して大変な事になったらしいよ』


(あー・・・それは(*´Д`*)・・・うん、大変だな、特にそんな親の元に生まれた子供達が可哀想だな、そうか、そう言う弊害も出るか、分からなかったら分からなかっただけ幸せなこともあるか、うーん、難しい。゜(゜´Д`゜)゜。)


ジュール『うん、だから、血筋鑑定できる魔道具がダンジョンから国に一つは出るようにしたってよ。血筋の正当性を1番気を付けなきゃいけない王家が所有できるようにって、後、それを他の人に貸すかどうかは王家の人に任せた形にしたって』


(あ、それでねぇ、そうか、王家にその魔道具を貸して貰ってまで、自分の血筋を確認したい人がいれば確認したら良いさみたいな感じなんだね?( ̄▽ ̄))


ジュール『そう言うこと?らしい・・・』


 どうやら、スキルで血筋が確認できない理由はそう言うことだったらしい・・・


天華(アトリーの“情報開示“のスキルだったら難なく血筋の判定はできるんですけど、それも見ようと思わないと出てこないので、今は必要ないことは教えなくて良いでしょう)


 そんな念話をしながら、馬車を走らせていると馬車はいつの間にかお屋敷に到着していた。馬車を降りてサクサクっと着替えを済ませ、家族全員が集まる部屋へ・・・・


「失礼します。ただいま帰りました・・・」


 と、中に入ると、中居にいた全員が頭を捻りながら何かを考えていた。


「どうしたんです?全員で何をそんなに悩んで・・・」


父様「!おかえりアトリー、今ね、悩んでるのはこの子の名前なんだ」


「名前・・・」


(あらら?さっきまでの話題が突然現実に出てきたね、それにしても、帰って来るまでには名前が決まっているとばかり思っていたけど、まだ名前決まってなかったんだね、甥っ子ちゃん( ・∇・))


 何ともタイムリーな話で、意外と名前が決められないのはよくある話なんだなぁと、ぼんやり思っていると・・・


カミィ姉様「アトリー、あなたはどれが良いと思う?」


 部屋の中央に設置された甥っ子ちゃんが眠るベビーベッドを囲んで悩んでいた家族の中から、僕にそう言って紙を差し出してきたカミィ姉様。


「どれって・・・」


(これは・・・)


 差し出された紙を見て僕は今回の甥っ子の名付けが難航している理由にすぐに気がついた。


(そうだ、甥っ子ちゃんの瞳は上質な“グリーンタイガーアイ“と同じ色をしてるんだった、鉱石の名前が長すぎるとそのまま使うのは大変だから、鉱石の名前をもじったり、名前の一部を使用したりするんだったね。そうなるとどこを使用するかによって名前の雰囲気がガラッと変わるんだけど、今回の場合は“グリーンタイガーアイ“の“グリーン“をとるか“タイガー“をとるかで迷ってるんだな(*´ー`*)僕みたいに鉱石の名前が短かったら悩まないでよかったんだけど、これは迷っても仕方ないなぁ( ̄▽ ̄))


*“輝石命名“は瞳の色の濃度によって、本物の鉱石に近ければ近いほど、鉱石の名前の文字を多く名前に取り入れることができる。

 他にも鉱石の名前から女性や男性らしさを出したいときには、子供の両親が鉱石名を文字った案の名前が通る。(例:“シトリン“から“シトリス“など)

 また、鉱石の名前に多い“〇〇ライト“や〇〇ナイト“と言った鉱石名の場合は、その部分をあえて途中で切り取って個性を出すようにしている。

(例:“シーライト“の最後の文字の“ト“をとって“シーライ“にするほか、“アイオライト“の“イ“をとって“アイオラト“のように途中の文字をとる人や、人によっては“〇〇ライト“の“ライト“の部分を丸ごと切り取る人もいる)


 紙に書かれていたのは“グリーシス“、“グリンアイ“、“ハウタイガー“とか、他にはシンプルに“タイガー“など複数の名前候補が並んでいた。


「うーん、難しいですねぇ、・・・ん?これって名前を“グリーンタイガーアイ“全体からとることはできないんでしょうか?」


母様「それも考えてはいるんですけど、どうもしっくり来なくて・・・」


 僕の質問に母様が答えてくれたけど、どうもうまく行かなかったようだ。


(うーん、これは何文字までって決まってたっけ?(・・?))


天華『そうですね。これと言って決まりはないんですけど、名前が長いと呼びにくい長さではなく、あだ名を付けるときに困るほどの短さでなければ良いとされてますね。総合すると大体5文字前後の名前になることが多いようです』


(あー、確かに5文字前後が妥当か・・・・うーん(*´ー`*))


「ひとまず5文字で考えるとして、“グリタイガ“?“グリンガイ“?“グリガー“?は短すぎか・・・“グリンイガー“?いや変か、“アイ“の部分も入れたいけど・・・“グリーイガ“?“グリーガイ“?なんか、これはダメな気がするな、うーん他には・・・“グリタイア“?は女の子っぽいか・・・文字の並びを変えてみるか、文字も複数使っちゃダメってわけでもないだろうし・・・“リアンガイ“?“リアンガン“?“グリタガン“はないな、“リアタイガ“?“リンタイガ“?・・・うーん、あだ名の事を考えると“リアン“って良いと思うんだよね・・・“リアン“に合って、男の子っぽいの・・・・ちょっと長いけど“リアンタイガ“?・・・・うん、なんかしっくりくるな?“リアンタイガ“」


 必死に“グリーンタイガーアイ“から甥っ子に会う名前を考えて、次々候補を呟いていると、最初はしっくり来ないものばかりで、中々“コレだ!“ってくるものが無いので、とる文字を変えてみたり、文字の羅列を変えてみたりとした結果、“リアンタイガ“と僕的にはしっくり来る名前候補ができた。そう思って家族の方に視線をやると・・・・


母様「まぁ!良いわね“リアンダイガ“!“リアンタイガ君“ね♪あだ名は“リアン“かしら?とってもいいわ♫」


父様「うん、確かにいいね!“リアンタイガ“、あだ名も“タイガ“でも男の子らしくて良いし、フルネームで“リアンタイガ・ムーグラーフ“、とても威厳があって良いい!」


カミィ姉様「ふふっ、貴方の名前は“リアンタイガ“よ。あだ名はそうね、どっちが良いかしら?“リアン“?それとも“タイガ“?ねぇあなたはどっちが良い?」


ハウイお義兄様「うーん、悩むなぁ・・・この子の雰囲気的に“リアン“が良いかな?」


カミィ姉様「まぁそうね!確かに“リアン“が似合うわね♪ふふっ、あなたのあだ名は“リアン“よ♫」


「ちょっ!ちょっと!皆んな!いいの?それで!?」


 うちの両親はじめ、甥っ子の両親であるカミィ姉様夫婦、家族全員が何故か乗り気で、いや、むしろもう決めたらしく、ニコニコ笑顔でベビーベッドの中で眠る甥っ子に僕が考えた名前を言い聞かせていた・・・


(良いの?僕が考えた名前で?カミィ姉様達は今までずっと考えてたんじゃ無いの?・・・もう、人の話は聞いちゃいねぇな・・・( ・∇・)まぁ、喜んでるなら良いか??・・・)


 僕が名前候補として考えた名前がこうもアッサリ採用されるとは思ってもみなかった僕は、そう思うしかなく、ただただ、困惑した表情で名前の決まった甥っ子、“リアンタイガ“に視線を送っているとソルが慰めとばかりに僕の肩をポンポンと叩いてくれたのだった・・・


・・・その後・・・・


(大きくなって、名前が気に食わないって言われたらどうしよう・・・・(*´-`))


天華『まだまだ、そんな先の始まっても無い話を気にしなくて良いと思いますよ』


(あ、ですよね(*´ー`*))


夜月『変な心配はいいから、早く寝なさい』


(あ、はい・・・(*´ー`*))


 その日の夜、名前が決まったことをお祝いしたパーティーが終わって、寝る間際に急に変な心配をし出した僕に天華がツッコミを入れ、夜月には早く寝るようにと促され、その日はそのまま就寝しました・・・















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