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間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜  作者: 舞桜
第4章 少年期〜青年期 学園3学年編
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78話 真面目に授業を受けましょう


 はい!どうも!僕です!


 あの後、フィエルテ王女からこれと言った追撃は無く、ごまかしの対策を練ろうとしたら担任教師が入ってきてホームルームが始まり、軽い連絡事項の後、そのままその日の一限目の魔法座学の授業が始まった。


(しかし…、この教師の授業、相変わらず全然面白く無いな・・・(*´Д`*))


天華『こら、アトリー、事実だとしてもそんな事言ってはいけませんよ、それを表情に出すのも、いかがなものかと…』


(あ、面白く無いのは認めちゃうんだ、それに表情ねぇ…出てないと思ったんだけど・・・(*´ー`*))


夜月『ん?そこまであからさまではないぞ?アトリーを良く知る者が見たらつまらなさそうだな、と思うぐらいだ、ただ、このクラスの大半は顔ぶれがそんなに変わらんからな、アトリーの少しの変化にも気づく者達もいる、それに気づかないのは今はあの教師ぐらいじゃないか?』


(そう言うもの?僕はソルやイネオス達以外の前ではなるべく表情筋を使わないようにしてるんだけど、流石に約3年も一緒に授業受けてると、ちょっとの差もわかって来るもんか?(・・?))


天華『そうだと思いますよ?いくらアトリーが他の生徒のまでは表情が変わらないと言っても、ソル君やイネオス君達相手ではちゃんと表情があるんですから、アトリーのその表情の変化に敏感に察知する人はいるでしょう』

(まぁ、いつの間にかできていたアトリーのファンクラブに入っている人達は、その変わらないアトリーの表情の差を見つけられる事こそが至上と考える人達が大半ですからね…以前小耳に挟んだ情報だと、アトリーの表情の変化に気づけて初めて、一人前のファンクラブメンバーとして認められるとかって聞いたことありますし…本人はそのファンクラブがある事自体も全く知りませんし、興味もないでしょうから、今後もその事を教えるつもりも無いですけどね・・・)


(そっかー、まぁ、表情の事でどうこう言われても気にはしてなかったけど、意外とわかるもんなんだねぇ(*´ー`*)まぁ、あまり接触は無いとは言え、3年の付き合いの人達だもんなぁ、そう言うこともあるか・・・)


 と、念話で会話していると、授業の内容は夏休み明けにある“野外実習“の話題になっていた…


担任「今月から“野外実習“の前準備として、“野外実習“時に必要な“生活魔法“の活用法と、実習地である森での有効な初級魔法のおさらいなどを行なっていく。また、来月からの夏の長期休暇の間に“詠唱短縮“、もしくは“詠唱破棄“のスキルの会得を課題とするので、それを念頭に今日からの魔法座学と魔法実技の授業に取り組んでもらいたい」


(ふーん、“詠唱短縮“に“詠唱破棄“のスキルかぁ、このクラスの殆どは“詠唱短縮“は持ってるから、目指すは“詠唱破棄“かな?(・・?)でも、ソルやイネオス達はもう“詠唱破棄“まで会得してるし、僕はそもそも“無詠唱“スキル持ってるしなぁ、それに僕やソルは魔法実技でも魔法を撃たせてもらえないから暇なんだよなぁ・・・うーん、僕達もなんか課題の代わりに何か目標でも決めてみるか?(*´Д`*))


天華『そうですねぇ~、イネオス君達にはまだ“魔力操作“のスキルのスキルレベルを上げるという目標は出せるとは思いますが、ソル君とアトリーは魔法関係のスキルはもう習得済みの上にレベルもほぼカンストしてますからね、難しいですね・・・』


 と、話していると・・・


フィエルテ王女「少し宜しいでしょうか?」


担任「どうぞ?」


フィエルテ王女「先生が今仰った課題ですが、すでにその両方を会得しているものはどうしたらいいのでしょう?少なくともこのクラス内には私を含め5人以上の方々がすでに“詠唱破棄“のスキルを会得していますわ、その場合、別の課題をご用意して頂けてるのでしょうか?」


 フィエルテ王女が僕と同じような疑問を担任にぶつけて、その上で他の課題の有無を問うていた。


(あー、そっか、彼女達は魔法の得意なエルフだから、そこら辺のスキルはすでに持ってるんだろうなぁ、ダークエルフの王子様や鬼族の王子もそうだろうし、彼女の言う5人は僕やソルを含めた数ってことかな?そうなると彼女達にしてみれば、この人族の魔法の授業は僕と同じようにつまらないんだろう。そう思うとよく不満な顔せずにいつもちゃんと話を聞いてるな彼女達・・・(・∀・)僕には無理だな・・・)


天華『アトリー…諦めが早すぎですよ、もうちょっと彼女達を見習うべきです』


(うー・・・しょうがない、もうちょっと真面目に聞いている風にするか・・・(*´-`))


夜月『ちゃんと聞くって方向には行かないんだな?』


(えっ?何のことでしょうか?(・・?))


ジュール『あ、わかんないフリした…もう、アトリーったら・・・』


 担任がフィエルテ王女の発言に頭を悩ませている様子を見て、彼女の真面目な性格がわかるなぁと感心している僕は、天華から嗜められ夜月にはツッコミを入れられ、最終的にはジュールには困った人認定されて、それでも僕は真面目に魔法座学の授業を聞く気はなかったのだった・・・


 念話でそんなやり取りを繰り広げていると、何故か話の論点が僕に移ってきていた。


担任「申し訳ないがあなた方の様な魔法の得意な種族の方々には簡単なことかもしれませんが、人族の子供達にはコレでも難易度が高い課題です。なので今回の実習での課題はこれ以上の想定はしていません」


フィエルテ王女「あら?デューキス様やソルドア殿達は人族ですが、すでに“詠唱破棄“のスキルはお持ちですわ、先生もご存知のはずですのに、その方々の課題を用意なさってないのは職務怠慢では?」


 ザワッ!


(おいおい、何でそこで僕達を引き合いに出したんだよ!しかも先生を煽ってどうすんだよ!課題の難易度上げなんてしなくても、今の課題を素直に受け入れてたら良いのに!僕達を巻き込むなよなっ!!( ゜д゜))


 フィエルテ王女の発言にクラス中がざわめいた。確かに僕達の魔法技術が桁外れに優秀で、それをクラス全体どころか学園全体が知っている所なのだが、今回の野外演習での課題が、学年全体の実力の平均に設定されているため、平均以上の実力を持ったエルフ種や魔族の人達にはどうしても物足りないのはわかる。だからと言って同じように実力が高い僕達を引き合いに出してまで難しい課題を要求する必要はないはずだ。

 そんな事で波風を立てたくない僕としては余計な事をしてくれたなと思ってフィエルテ王女を見たら、向こうは何を勘違いしているのか知らないが“言ってやりましたよ“見たいな顔で僕に笑いかけてきた。


(いやいやいや、僕は先生が出した課題に不満なんてこれっぽっちもなかったよ!?“分かってますよ“みたいな顔しないで!?( ゜д゜)僕は自主的に目標は立てようかと思っただけでっ!)


 それを見た担任が僕達、いや、主にソルやイネオス達を睨んできた。


(はぁ、まただよ、この教師の話を聞く気が失せる理由の1番の原因、爵位が上で立場も王族より高い僕には睨んでこないのに、自分の実家より爵位が低くて立場も弱いイネオス達を睨んで来る、通常のやり取りの中でも生徒によって扱いを変えたりする、この選民思想の強いこう言うところがほんと不愉快!( *`ω´))


「申し訳ないですが、フィエルテ王女、確かに僕達は今回の課題はすでに達成していますが、それに関して僕は今回の課題に不満などありません。なので勝手に僕達を引き合いに出して授業の方針に口出しなさらないでください。授業の方針に不満があるのならご自身の意見だけで提案なさってください。それと先生もその事で僕や友人達を睨むのはやめていただきたい、不満があるなら意見を言ったご本人にそれをぶつけてください、関係ない人達に悪感情を向けるのは教師としていかがなものかと思いますよ」


 と、冷たく言い放つと、フィエルテ王女は驚いた後に自分が僕の内心を勘違いしていることに気づき、顔色が青ざめて謝罪した。そして担任教師はというと僕の忠告が癇に障ったのだろう、顔を真っ赤にして頬を引き攣らせて謝罪してきたのだが、どう見ても反省はしていなさそうだった。フィエルテ王女の真剣な謝罪と担任教師の不本意そうな謝罪、同じ謝罪であっても真反対な謝罪を受けた僕は無言で頷き、手で授業の続きを促すと、担任教師は目元をひくつかせながら野外実習の概要を説明し出した。


担任「・・・では、今回の野外実習を行う場所は王都から程近い、中規模の森の中で日帰りの実習となり、実習の授業内容は5人1組で班わけしFランクの魔物を5匹討伐、または薬草を50本採取をしてもらうこと、基本的に自分達で周囲の警戒をしながら森の探索することになるが、森の中は事前にランクの高い魔物などは駆除されているので、安心しなさい。

 そして、今から事前に決めてある班分けの1班ごとに名前を呼ぶので、呼ばれたらすぐに班ごとに集まり、互いの顔合わせを済ませ、班のリーダーを決めなさい」


(ふぅーん、場所はやっぱりスタフお兄様に聞いていた通りの場所みたいだね、そう言えば、授業内容は聞いてなかったけど意外と簡単だな、それにグループ分けされるんだ、さて、誰とグループになるんだろう?(・Д・))


 そんな事をぼんやり思っていると、野外実習の概要を軽く説明した担任は、説明をちゃんと理解したのか確認するように周囲を見渡した後、再び口を開いた。


「では、第1班、アメトリン・ノブル・デューキス、ソルドア・ノブル・ソンブラ、イリー・ハラフィ、チェルシー・カオフマン、ロシュ・アーディ・・・」


(おや?意外、ソルとロシュ君と一緒になった・・・、後の2人は知らないなぁ( ̄∇ ̄))


天華『また今年のクラスメイトの自己紹介ちゃんと聞いてませんでしたね?』


(あ、・・・しかし、僕達はバラバラに班分けされると思ったんだけどなぁ、どんな基準で班分けされてるんだコレ?( ・∇・))


ジュール『また誤魔化した・・・』


 意外にも僕とソル、それにロシュ君も同じ班に班分けされて驚き、他にも5人メンバーのうち残り2枠のが知らない人で誰だろう?と思っていると天華にまた人の話を真面目に聞いてない事を突っ込まれたが、それを別の話で誤魔化すと、次はまたジュールに呆れられてしまった。


天華『アトリー…まぁ、良いですけどね。アトリーがご自分で関わると決めた人以外に興味がないのはいつもの事ですし・・・』


(うっ、ごめんって、他のクラスメイトの自己紹介の話聞かなかったのは悪かったけど、今年はそれより、イナオス達がこのクラスに来たのが嬉しくて、ちょっと注意力が散漫になったたんだ、だからそんなに怒らないで天華( ;´Д`))


天華『いいえ、怒ってませんよ?』プイッ


(あ!?て、天華ぁ~ごめんよぉ~、お願いこっち向いてぇー。゜(゜´Д`゜)゜。)


 いつも僕が学園で人の話を真面目に聞かないことを心配し嗜めてくれる天華を、今日は2度も誤魔化した事で流石に本気で怒らせてしまった、そっぽを向かれて、僕は慌てて天華のご機嫌取りをしていると、いつの間にか僕の所まで班分けで決まったメンバーが集まっていた。


ソル「アトリー様、第1班のメンバーが全員集まりましたよ」


 と、声をかけられて、僕は天華のご機嫌取りと一旦やめて、それぞれ自己紹介をした。


「・・・へぇ、2人のお家は商売で繋がりがあるんだ。それで小さい頃からの付き合いで仲がいいんだね?幼馴染って事?じゃあ2人一緒の班になれてよかったね、僕とソルも幼馴染だし、ロシュ君とはよく遊ぶ仲だから班が一緒になれてよかったと思ってるんだ」


ハラフィさん「は、はい!私達も、よ、良かったねって、お、思ってます!!」


カオフマンさん「お、思ってます!」


「え、えっと、2人とも、だからね、そんなに緊張しなくてもいいんだよ?普通に話してくれると良いんだけど・・・」


(無理そうやね?( ̄▽ ̄)どうしたもんか・・・)


 最初は僕が自己紹介した後は数秒固まっていた2人だが、自己紹介する流れで、2人の家が木工細工の工房と家具専門の商会をしていて、家業の繋がりから元々仲が良かったことを聞き、自分達と同じような感じがして、気安く話かけたのだが、どうも、僕を前にすると緊張でガチガチに固まってしまっている2人に、僕はどうやったら2人の緊張が緩和するのかと頭を悩ませていると…


天華『・・・はぁ、しょうがありませんね、アドバイスをあげましょう』


(!天華ぁ~~~!・:*+.\(( °ω° ))/.:+大好き!!)


天華『その代わりに、今度からもっと真面目に授業を受けてくださいね?先生の態度が悪いのが嫌いなのはわかりますが、さっきのエルフの王女様が難易度の高い課題を要求した件も、アトリーがいつもつまらなそうにしてるから彼女が勘違いしたかもしれないんですから・・・』


(うっ!・・・はい、反省して今度から真面目に授業を受けます・・・(*´-`))


 緊張でガチガチの2人の扱いに四苦八苦していた僕を見かねた天華が、しょうがなしにアドバイスしてくれると言って話しかけてきて、僕は天の助けと言った感じで肩にいた天華に頬擦りすると、天華に交換条件で授業を受けるときの態度を改めるようにと言われ、その上、先程の課題の件での王女の勘違いも自分にあるかもしれないのだからと嗜められた僕は、しょんぼりとしつつも、ちゃんと反省し、次回からの授業はちゃんと真面目に受けると約束したのだった・・・・













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