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間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜  作者: 舞桜
第4章 少年期〜青年期 学園3学年編
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75話 “祝いの式典“開始


「「「「「うっ!」」」」」 「「「「「ぐふっ!」」」」」


「?どうしたの?…あ、もうこんな時間!早く“式典“もしなきゃ日付変わっちゃう!」


 変な音のする方向を見てみると王城から来た一行が全員手で鼻を押さえたり、心臓あたりを押さえてたりしていたが、それより僕はその人達の奥にあった壁に掛けられている時計が目に入り、その時計がさす時間を見て大いに焦るのだった。


(やば!明日学園があるのにこんな夜更かしするとかあり得ない!( ゜д゜)早く“式典“終わらせて寝なきゃ!!)


 と、思った矢先・・・・


フィトおばちゃん『あらあら、でも、アトリー君はその前にお着替えしなきゃ』


「ん?お着替え?」


フィトおばちゃん『えぇ、確か“祭事服“って言うのがこの国の“式典“とかの正装だったはずよね?』


「・・・あ、そうだった、・・・うん、じゃあ、着替える“神器召喚・祭事服“」パァーッ・・・


「「「「「おぉ!?」」」」」 「服装が変わった!?」 「あれが“神器“!?」


 さっさと“式典“を始めようと用意された祭壇に向かって歩き出そうとした時に、フィトおばちゃんからお着替えしなきゃねと、待ったがかかった、“お着替え?“と首を傾げた僕に、優しく説明してくれたフィトおばちゃんの言葉を聞いて、僕はよくよく自分の服装と周りの大人達の服装を見て、(あ、自分だけ普段着だった!)とその時やっと気づいた。フィトおばちゃんの言葉に素直に頷き、すぐに“祭事服“の“神器“を召喚し、周囲は騒がしかったが、一瞬でお着替え終了。


「これでよし!」


ソル「アトリー様!ちょっと待ってください!」


 と、気合を入れて再び祭壇に向かおうとしたらこれまた別の方向から待ったがかかった。ソル率いる専属達だ・・・どうやら、僕の髪型を整えたいらしい、僕はこのままでもいいと言ったのだが、母様と父様からOKが出ず、ヘアセットの為に用意されていた衝立のく向こう側に連れられて行って、今は、ソル達専属達に髪をいじられている最中だ・・・


「ねぇ、そんな凝った髪型じゃなくて良いんだよ?それに、精霊王達の説明もしなきゃだし・・・」


 ついさっきフィトおばちゃんに指摘された説明の事を思い出し、手早くヘアセットを済ませる口実にしようとしたのだが・・・


ソル「その心配には及びません、先程“闇の精霊王様“から自ら説明しますと伝言を預かりました。その代わり、アトリー様を目一杯着飾らせて欲しいとご指示もいただきました」


「ふぇっ!?い、いつの間に!?」


夜月『諦めろ、アトリー、アトリーを着飾らせる様に指示したのは“精霊王達“だけではなく、“神々“もそのようにするようにと言われたからな・・・』


「おっふぅ・・・“神々“まで・・・」


(なんか、こんな行事ごとの時はいつも楽しみにしてるね?神様達・・・(*´ー`*)孫の晴れ着をみたい祖父母かな?それとも子供の発表会に力を入れる親か?)


天華『後者じゃないですか?・・・』


(そうか、・・・親目線だったか・・・( ´ ▽ ` ))


ジュール『この間は冒険者活動している時の髪型で“祭事服“になったから、今回は“送還の儀式“の時みたいに綺麗に整えて着飾ったアトリーが見たいって、ティーナ様が言ってたよ!それに私もアトリーの綺麗に着飾ったアトリーを見るの好き♪』


(そうかぁ、ジュールも好きかぁ・・・( ̄▽ ̄)それなら、仕方ないねー)


 精霊王達が出てきた頃から、心ここに在らずといったような様子だったジュール達だったが、どうやら、神界にいる神々と交信をしていたようで、その時受けた指示がさっきの僕の着飾らせる様にといったことだったそうな、僕はそれを聞いて遠くに視線を投げて抵抗を諦めた・・・


 そんなこんなあって、ほんの数分で綺麗にヘアセットだけではなく、ほんのりメイクまで施された僕は、用意されていたソファーセットで談笑している大人達のところまで戻ってきました・・・


「「「「「・・・っ!……」」」」」 『『『『『・・・まぁ♪』』』』』 『『『『・・・おぉ…』』』』 「「「「「・・・んっ!?」」」」」


 談笑していた人達が僕が戻ってきたに気づき、こちらを見た反応はだいたい4つに分かれた、言葉を詰まらせ目を大きくする人達、嬉しそうに声を上げる人達、普通に驚く人達、何故か?マークを頭につけ首を捻った人達、この4つに分かれていたが、共通するのは全員が少なくとも数秒は動きを止め固まるってことだけ・・・


(おいコラ、今、頭に?マークをつけた人達はいったい何に疑問を持ったのかね?(¬_¬))


夜月『何って、アトリーの“性別“にじゃないか?』


(ぐっ!キーッ!!分かってはいたけど!本当に疑問に思ってるのが腹たつなっ!僕は男の子だぞ!?知ってるだろう!?今更疑問に持つなよっ!!( *`ω´)いつも、いつもよっ!)


天華『まぁまぁ、アトリー落ち着いて・・・』


 心の中でプンスコ怒っている僕は少しムッとした表情をしつつも、心の奥底ではその反応もしょうがないと思っていることもある、何故なら今回はヘアセットだけではなくメイクまでされてしまって、自分の性別があやふやになってしまっていると、鏡に映る自分の姿を見て思ってしまったからだ・・・


 元々、自分が母親似なのは分かっていた、最近は多少身長も伸びて可愛いと言われるより綺麗と言われる様になり、このままもっと大きくなって、男らしくなればかっこいいと言われる事を期待していたのだが、いかせん、まだ僕は12歳、幼さを残す年頃の少年に化粧を施せば、性別不明にもなるってもんだ・・・(とは!ならんからなっ!!o(`ω´ )o)


 自分の顔立ちがそうなのは自覚してはいるのだが、それでも今は男の子であることは変わらないので、自分的には可愛いとか女の子みたいって言われるより、かっこいいとか、男らしいって言われたい、そんなお年頃(笑)なのだ・・・


 それに、言葉を詰まらせたのはうちの家族が大半なのだが、言葉を詰まらせた理由はなんとなく分かっている、今回の装いの中で髪を整え終わった後にサークレットをする前に薄い真っ白なベールを被さられたのだが、その見た目がどうみても結婚式を上げる際の花嫁のベールのように見えたからだろう、それで、頭に?マークをつけた人は僕の性別を疑問に思うような事になったとも言える…


(くそぉー、いつかカッコいいって思わせてやるんだからな!!\\\٩(๑`^´๑)۶////)


「ごほんっ!お待たせしました。早速、“式典“を始めませんか?」


 気を取り直して、“式典“を始めようと言うと、大人達も動き出し用意された祭壇の所まで移動し出した。


 祭壇が設置された場所は大広間の左側、屋敷の広大な庭園が見渡す事ができるバルコニーだ、そこは綺麗な月明かりに照らされ、淡く白い光がキラキラと輝いていた。


(わぁ、自分の家の夜の庭園、初めてみた・・・綺麗だなぁ・・・)


 と、見惚れている内に、カミィ姉様が抱いていた赤ちゃんが、祭壇の上に用意されていた籠の中のクッションの上に寝かされて、その赤ちゃんの周りを楽しそうに精霊王達が囲み、“祝いの式典“が始まるのを待っていた・・・


「ふぅ・・・やりますか・・・“神器召喚・異世界の精霊樹の枝“」ぽぁ~・・・


 そう一つ呟いて、僕は“異世界の精霊樹の枝“を召喚し、両手で恭しく祭壇に供えた。


「これより、“精霊樹の枝葉の愛し子の誕生“を祝い、式典を開きます・・・」


 そう宣言すると、僕の後ろで列を作って並んでいた参加者達が一斉に頭を下げた気配がした。


「では、始まりに“祝いの歌“と“舞“を捧げましょう。“神器召喚・千変万化“」ぱぁ~!


 ・・・“神器解放“・・・ リィーーーーーンッ!!パァーーー・・・・


「「「「「えっ?」」」」」 


 ヘアセットされている最中に考えて、思いついたことをこの時僕は迷う事なく実行した。周囲の人達は急に僕が始めた事に驚き固まったままだが、僕は気にせず召喚した“千変万化の神器“を少量の“神力“を使って解放し、自分の思い描く形へと徐々に変えていく、その変化の光が収まる頃には全員がその変化した“神器“に興味を持ち、その変化したものが何か気になっていた。


「何でしょうあれ?」 「棒?」 「アレは扇子じゃなかしら?」 「でも、センスにしては大きくて分厚いような・・・」 「鈴も付いてますわ・・・」


 囁きの中で女性達が正解を言い当てているが、正確には“日本の舞扇“それに小さな鈴がついた物だ。この国の扇子は木材や動物の骨に布地やレース生地をつけた洋風の生地扇子が主流だが、僕がイメージして形作ったのは前世でよく扱っていた、木材に紙を使った日本舞踊用の扇子、全ての“扇骨センコツ“を束ねる“要部分“が程良く重く、日本舞踊に適した構造の“舞扇“は久しぶりに持ったが僕の手にとてもしっくり来た。


 パチッ、チリチリチリチリチリリンッ・・・


「「「「「まぁ・・・」」」」」 「「「「「ほぅ・・・」」」」」


(うん、いい感じ、“扇面センメン“に僕のイメージ通りの綺麗な月夜に照らせれる樹木の絵が描かれてて、付け足した鈴の部分はほとんど重さも感じないのに、“要“の部分はしっかり重さを感じる、これなら鈴があっても“舞“には支障なさそうだね。( ^∀^))


 ちゃんとイメージした通りに出来ているかと、確認のために月明かりにかざしながらゆっくりと“舞扇“を開いた、“舞扇“小さな鈴が可愛い音を立てて開いていき、開き切ると思った以上にいい出来栄えで、これならこれからする事に支障はなさそうだと1人納得していると、周囲の人達は僕が開いた“舞扇“に心を奪われていた、そんな周囲の反応には気づかずに僕は開いた“舞扇“を自分の胸の前で両手で持ち、静かに目を閉じて大きく深呼吸した・・・


「すぅーーーーっ、はぁーーーーっ」


「「「「「っ!」」」」」


 “舞扇“に見惚れていた人達は一瞬にして我に帰って息を潜めた。その時、目を閉じていて静かになった周囲から肌に感じたのは、湿気を含み程よい冷たさを感じる風や、その風の運んでくる植物がぶつかり合う音や風自体のざわめき、そして風が運んできた土や草木の自然の香り、その中でも一際高く香る花の香りが鼻をくすぐり、閉じて暗闇の中にいる目にも感じる柔らかな月明かり、それら全てを全身で感じて心を落ち着かせた僕は、ゆっくり息を吸いながら口を開き、歌い始めた、歌詞は無い、旋律だけの“子守唄“を“舞“を踊りながら・・・・


「・・・♪~~~♬~~~♫~~~~・・・・」チリチリチリリッ、チリリンッ・・・


「「「「「っ?」」」」」


 最初はこの歌に振り付けは無いから“舞う“事は無いと言っていたのに、急に歌い始めと共に僕が“舞“始めた事で全員が驚いていたが、次第に月明かりに照らされてキラキラ輝く僕の“舞“に、心奪われたかの様に見いていた・・・・


 僕は最初は“歌“だけで終わらせるき満々だったのだが、ヘアセットされているうちにここまでするんだからと少し考えを変えて、少しでも特別な“式典“にしたいと思ったので、あのゆったりとした旋律の“子守唄“に合う振り付けがないものかと、前世で習っていた“日本舞踊“の振り付けを思い出していると、少しして、ちょうどいい振り付けを思い出したのだった。

 それはJ-POPの歌手“一○窈“さんの曲の“ハナ○ズキ“、僕の習っていた“日本舞踊“の先生は伝統的な楽曲だけではなく、その時の流行りの楽曲でも、自分が気に入った楽曲なら振り付けをつけて生徒達に教えてくれる厳しいけど優しい先生だった。だからこの楽曲も流派の“おさらい会“、または“お披露目会“などで発表するために振り付けを教えてもらっていたのだ、楽曲の音に合わせてゆったりとした振り付けだったことで、この“子守唄“にも合うのではないかと思い、ぶっつけ本番で自分が思い出せるだけの振り付けを“子守唄“を歌いながら、それに合うように少しずつアレンジしつつ“歌い舞って魅せる“、僕はそれだけを考えながらただひたすらに月明かりの元、歌い舞い踊るのだった・・・


「・・・♪~~~…「シャンッ!」ふぅーー・・・、ご清聴、ご観覧いただきありがとう御座いました。続いて、“祝いの言祝ぎ“を国王陛下より賜りたく存じます・・・!?」


 歌と共に踊り終わると、再び始まりと同じ姿勢に戻り深々と頭を下げて、こう言って後ろを振り返った・・・・


(な、何だこの状況は!?∑(゜Д゜))

















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