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間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜  作者: 舞桜
第4章 少年期〜青年期 学園3学年編
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74話 “祝福の歌“&全員集合


 はい、どうも!深夜のテンションでおかしい僕です!


 つい先程、かなりの無理難題を突き付けられた僕です!正直、この無理難題を放棄したい気持ちでいっぱいです!!


「・・・はぁぁ~・・・僕にどうして欲しいんだよ・・・」


 ふっかーいため息と主にそう呟いた僕の背中を気の毒そうに撫でてくる母様、僕はこのまま寝てしまうのがベストか?なんて思うほど、どうしようも無い状況に頭を悩ませていると・・・


『あのね、君を困らせるつもりは無かったの、ただ、君のいつも歌ってくれる“子守唄“が聴きたかったの・・・』


「僕の“子守唄“?ってあの“子守唄“?」


『うん、あの子が喜びそうだったから・・・』


 40センチ代の緑色した植物の上位精霊と思わしき精霊が申し訳なさそうな顔で僕の前に現れ、僕を困らせるつもりは無かったのだと、謝罪してきた、今回僕に“祝福の歌“を歌った欲しかったのは、どうやら生まれてきた赤ちゃんに僕のいつも歌っている“子守唄“を聞かせたかったらしい。


「そうか…、分かった、本当にあの“子守唄“で良いんだね?あの“子守唄“には舞の振り付けなんて何もないよ?それでも良い?」


(あの子に聞かせたいからなんて、そんな理由だったならもう嫌とは言えないな・・・)


『うん!それが良いの!』 『『あの“子守唄“歌って♪』』 『『お願い♪』』 『『お願い♪』』


「「「「「えっ!?」」」」」


「ふぅ、分かった“子守唄“歌うよ、その代わりに僕もお願いを聞いて欲しいんだけど、良いかな?」


『いいよ!』 『『何?』』 『『何?』』


 なんともいじらしいお願いに、僕は可愛い甥っ子のためならばと精霊達のリクエストを承諾すると、今まで周囲に漂っていた精霊達も一斉に喜び始めた。それこそ、他の人達の目に精霊の姿が映るほどの喜び具合だ、その代わりに元々お願いするつもりだった事を引き合いに出した。


「そんな難しい事じゃ無いんだけど、今回“精霊樹の枝葉の愛し子“がこの国、しかも人族に出たことはここにいる人以外には黙ってて欲しいんだ…特に、“エルフ種“には・・・」


『?そんな事で良いの?』


「うん、そうして貰えると、この子も健やかに過ごせるからね」


『そうか!うん!分かった!!ここにいる人以外には教えない!』


「ありがとう、そして、できれば、光の精霊王にもそう伝えて欲しんだけど・・・「ピカッ!」っ!?眩しい!」


「「「「「っ!?」」」」」 


ルスじいじ『その必要はないよ、もう既に精霊達の間でこの事は機密事項になったからね』


「あ!ルスじいじ!」


「「「「「!?」」」」」 ザワッ!!


 僕の願いを聞いた精霊達はそんな事で良いのかと不思議そうにしてはいたが、快くその願いを聞き入れてくれて、ほっとした僕は一応、この願いを元々頼むつもりだった人、いや、精霊にも伝えて欲しいと頼もうとした時、何処からともなく大広間の中心の空間が光に溢れて人の形をなし、この世の物とは思えないほどの美丈夫が姿を現した、それは僕がよく知る人、精霊、“光の精霊王のルスリヒト“だった・・・


 突如現れた“光の精霊王“に大人達は驚き固まっていると、“ルスじいじ“は僕にスィーと近づき頭を撫でて、それからカミィ姉様が抱いている赤ちゃんの方までまたスィーと近づき、顔を覗き込んで微笑んだ。


ルスじいじ『おぉ、精悍な顔をしてる子だね、父親に似たか。しかし、人族が“精霊樹の枝葉の愛し子“になるのはかれこれ数千年ぶりかな?かなり魔力量が多い子だ、アトリーの姉だったか、よき子を産んでくれた感謝するよ』


カミィ姉様「お褒め頂き恐縮です・・・」


 緊張でガッチガチッに固まったカミィ姉様の感謝の言葉に、鷹揚に頷き返した“ルスじいじ“はニコニコ笑顔でこっちを振り向き、再び僕の側まで来てまた僕の頭を撫で始めた・・・


「ルスじいじ、どうしたの?急に来て、お祝いに来てくれたの?」


ルスじいじ『あぁ、そうだよ、“精霊王“達の代表できたんだ』


「ジーーッ・・・」


 ドヤ顔でそう言った“ルスじいじ“に僕はちょっと違和感を覚えてジト目で視線を送ると・・・・


ルスじいじ『アトリー、なんでそんな目で見てくるのかな?』


 焦るように視線を泳がせながら僕にそう聞いてくる“ルスじいじ“。


「怪しいなぁ、本当に“皆んな“で話し合って代表を決めて来たの?」


ルスじいじ『ぎくっ!?』


 僕は他の精霊王達をよく知っているので、本当にすんなり話し合いで代表を決めて来たとは到底思えなかった。その事を前提にそう聞くとあからさまにビクついた“ルスじいじ“、僕はその反応を見て、これは後々めんどくさい事になるのではないかと思い、再びこの事を問いただそうと口を開きかけた・・・


『『『『『また抜け駆けしたな!“ルスリヒト”!!』』』』』


 カッ!!!


「「「「「わっ!?」」」」」 「な、何だ!?」 「眩しい!」


(あぁ~あ・・・やっぱり“皆んな“来ちゃった・・・(*´Д`*))


 “ルスじいじ“を問いただそうとした時、大広間の中心の空間に先程より強い色とりどりの光が溢れて、大広間にいた人達は眩しさから驚き、光から目を守るために顔を手のひらで覆った、僕は腕で光を遮りながら目を細め、強く輝く光に視線を合わせると、その強い色とりどりの光は色ごとに収束していきそれぞれ人の形を成してきた。


 赤々と燃えるような激しい光は、チャイナ服のような服を着たガタイのいいボンキュッボンッの、可愛いけど勝ちきそうな女性に形を変えていき、


 その隣にいあった荒々しい風を纏った黄緑の光が、タンクトップに半ズボンといったラフな格好の細マッチョな、軽い感じの青年の姿になって、隣の女性と手を振ってくる。


 そのまた隣にある青々とした清らかさを感じる光は、古代ギリシャ神話の伝承に出てくる女神のような、艶やかな美しさを持った女性になって、微笑みかけてきて、


 その後ろにある茶色くて頑強そうな光は、古代ローマの剣闘士のようなガッチリとしたガタイのゴリマッチョで、真面目そうな顔した男性になって“ルスじいじ“をムスッとした表情で見てきた。


 その四つの光のさらに上にあるキリッとした冷たさを感じさせる水色の光は、スレンダーなシュルエットのロングドレスを着た、クールな感じの女性になり周囲を見渡して来て、


 そんな女性の横にあるバチバチッと弾けるような黄色い光は、仙人のような格好をした優しそうな老人が、ニコニコと微笑みながらゆっくり降りて来ていた。


 また、その後ろから出てきた深緑の香りを漂わせながら緑色に光る光が、インドの民族衣装サリー似た衣装を着た年配の女性になって着いて来ていた。


 最後に全ての光を飲み込むような黒い球が現れ、北欧神話に出て来そうな女神のような格好の若い女性になり、静かに床に着地した。


「珍しいね。皆んな一緒に来たの?」


『お久しぶり、アトリー、今回はとても喜ばしい出来事を祝うために全員でこちらに伺うつもりだったのだけど、1人抜け駆けした者がいてね、こちらに着くのが少々遅れてしまったのよ・・・』ジロッ!


ルスじいじ『ビクッ!・・・』


「あ~・・・そうかぁ、“リタねぇね“達も来る予定だったんだね・・・その予定をずらされちゃった感じ?」


リタねぇね『えぇ、精霊界に集合して全員でいく予定だったのだけど…、精霊界と人界の時間との誤差をうまく使われてしまいましたわっ・・・』


 皆さん、もうお察しかも知れませんが、今現在、我がデューキス家の大広間に、現存が確認されている“9人の精霊王“達全員が大集合しました…


 そして、このめちゃんこお怒りな方は最後に現れた黒い艶やかな髪と瞳を持った女性、彼女は“闇の精霊王・オスクリタチェーニ“、通称“リタねぇね“、“光の精霊王のルスじいじ“と対になる存在だが、闇の精霊と言っても、とても気さくで優しく面倒見のいいお姉さんだ、たまに僕に情報収集員の闇属性の精霊達を紹介してくれたり、闇属性の魔法などの指導をしてくれる良いお姉さんだ・・・ただ、“ルスじいじ“と同じくらいから存在しているので、“リタねぇね“と呼ぶのは良いのか?と思ったが、本人がそう呼んで欲しいと言ってるので深く考えないようにした・・・


「まぁ、精霊界にいると時間感覚って狂っちゃうって言うもんね、でもまぁ、今回は本当に誤差程度だったみたいだから、まだ“式典“は始まってないよ」


リタねぇね『ほっ、良かったわ、これで間に合わなかったら“ルスリヒト“を全員で封印するつもりでしたからね』


ルスじいじ『えっ!?』


「えっ!?そこまでする!?」


 “ルスじいじ“がいつの間にか封印される一歩手前までの事をしでかしていた事を知り、かなりビックリしていると・・・


『そらするだろうさ!こんな珍しくてめでたい事を一緒に祝えないとかありえないからね!?』


 最初に元気よく肯定してきて、こんなめでたい事を祝えないなんてありえないと力説して来たのは、真っ赤な髪にオレンジ色の瞳をした元気なチャイナっ子、彼女は“火の精霊王・ホオフラム“、通称“フラムねぇ“、普段彼女は現世にある活火山を一つ一つ見回って異常がないか巡回するのが仕事だが、時たま僕の前に現れて、格闘の訓練の相手をしてくれる活発で人懐っこい性格の可愛いお姉さん。そんな彼女がプリプリと怒りながら“ルスじいじ“を睨みつけていた。


「まぁ、確かに、人族で“愛し子“でるのは珍しいとは聞いたけど・・・初めてではないよね?この国では初めてかもしれないけど・・・」


『それはそうなのだけどね、私達が重要視してるのは、アトリーちゃん、あなたの身内でその“愛し子“が産まれたって事実が珍しくって嬉しい事だったのよ?』


 次に僕の疑問に答えてくれたのは、紺色の髪に深い透き通った青い瞳の、水の女神様みたいな格好した“水の精霊王・ネロロゼ“、通称“ロロおねぇちゃん“、彼女も普段はあちらこちらの水源を巡回し、異常がないか見て回るのが仕事だが、ごくたまに僕が海や湖、水辺に近いところで冒険者活動をしていると、そこに現れて、その土地の水産物をお土産にくれたりして、健康を心配してくれる癒し系のお姉さんだ、“ロロおねぇちゃん“が言うにはどうやら僕の身内だから珍しく特別なんだそうな・・・


「そうなの?僕の身内だから?」


『そうだよ、アトリーの身内は精霊に好かれやすい、特に母親の血が濃い子はね♪』


「あー・・・確かに?好かれやすいね?」(母様や姉様達には精霊が見えてないのに、何気に懐いている精霊達がいるもんなぁ(*´ー`*)・・・でもそれだけが理由?)


 僕的には何でそんなに僕の身内に固執するのか分からないと首を捻っていれば、簡潔にその理由を教えてくれたのが、蛍光グリーンのような髪色に黄緑色の瞳をしてチャラ男っぽい格好した彼は“風の精霊王・ゲイルリヤーフ“、通称“ゲイルにぃに“、いつもなら風の精霊達と各地を飛び回り、現世に風を起こし空気が滞らないように常に新鮮なものにしている、たまに各地で起きた面白い出来事や噂話を見聞きしたことを僕に話に来る彼は精霊王達の中で1番の情報通だ、だから僕も彼の言葉に納得する部分もあったが、流石にそれだけが理由だとは思えなかった。


『多種族の血が混じる中で、精霊達に好かれやすい“質“を受け継ぐことはごく稀、人族ではあるが人族の血が極端に薄く、多種族の血が濃く出ている、その最たるものがアトリー。その甥にあたるその子は、生まれる前から精霊達の関心を持たれるぐらいに、アトリーと似た質の魔力を持っている。これは隔世遺伝だろう・・・』


 僕のわずかな疑問に大きな体で淡々とした様子で詳細な説明をしてくれたのは、焦茶色の髪に茶色の瞳をした、古代ローマの男性の服装した40代男性は、“土の精霊王・フムスタール“、通称“フムスおじさん“、彼はいつもは各大陸の大地を巡り、年単位で地底に広く広がり巡る自然エネルギーや地震を起こす断層などの異常を調べているので、たまに僕に会いに来て調査中に見つけた珍しい鉱石や魔石をお土産に息抜きにくる人だ。今日は珍しく口数が多いのでよほど今回の“式典“を楽しみにしてるのだろう。


「隔世遺伝かぁ、僕に似てるから皆んな気になってるの?」


『まぁ、“魔力の質“が似ているのは確かだけど、アトリー君のように全てに特化したような“魔力質“ではないわよ?あなたの“特殊な魔力質“はあなた唯一のものであって、他の誰もその“魔力質“はもちえないの、だからあなたは誰よりも特別ですからね?』


 ひんやりとした手を妖艶な仕草で僕の頬を撫でて、僕の質問に答えてくれたのは、白に近い水色の髪に同じ水色をした瞳を持って、薄手だけどキラキラと煌めく綺麗な生地のワンピースのロングドレスを着た女性は、“氷の精霊王・グラースヴリズン“、通称“ラス姉さん“、彼女は各地の四季がある場所で冬の訪れと終わりを告げる役割をしているのだが、世界が春になると暇になるのか、夏以外の季節にたまに来て僕の家族とお茶をしながら談笑する、お茶友達のような人だ。たまに珍しい氷属性の魔石などをお土産に持ってくる。そんな彼女の言った言葉にさらに僕は疑問が増え、顎に手を置き考え始めた僕・・・


「ん、ん?“魔力質“?この子は僕みたいに色んなものを惹きつける魔力とかではないってこと?」


(どう言うことだ?僕に“似た質の魔力“は持っているけど、完全に同じような“魔力質“ではないってことで良いのか?(・・?))


『そうだな、この子の“魔力質“では他の生物を惹きつけたりはせんだろう。あくまで、精霊達に好かれやすい部分の魔力質だけが同質に近い、と言うことだな』


「へぇ~、完全に同じではなくあくまで似ているだけってことね・・・」(あ、やっぱりそれで合ってたんだ、んで、精霊としては自分達に好ましい魔力質が重要ってことだね?( ̄▽ ̄)それ以外は興味なさそうだな・・・)


 そう言って、自分の顎髭を撫でているのは、白に近いレモン色の髪色にはっきりとした黄色の瞳を持ち、仙人のような服装をした老人、“雷の精霊王・グロムゾンギ“、通称“グロムおじいちゃん“、このご老体はいつもなら空中を漂い、空気中の電気部質などの偏りを均等に保つお仕事をしているのだが、よく僕の魔法訓練の時間に来ては、僕がしている雷魔法の研究に付き合ってくれる優しいおじいちゃんって感じの人だ。いつも分かりやすく説明解説してくれるおじいちゃんの言葉に関心していると・・・


『ふふっ、分からないことに興味を持つのは良いことだけど、アトリー君、皆さんがどうしたら良いのか分からなくてお待ちですよ?』


「あ!忘れてた!教えてくれてありがとう“フィトおばちゃん“!」


 僕が周囲の人達がこの状況について来れなくて、困惑しているのを完全に置いてきぼりにして忘れていたのを、優しく嗜め教えてくれたのは、明るい緑色の髪に深緑色の瞳で、インドの民族衣装のサリーにアラビアン風の薄いベールで頭を覆った年配の女性、彼女は“植物の精霊王・ナバートフィト“、通称“フィトおばちゃん“、彼女は“精霊樹“がある“聖域“にいつもいて、そこから各地の植物達の成長具合を見守る仕事をしている人だが、たまに、僕の学園での休憩所の周囲に四季折々の草花を密かに咲かせに来て、僕のお昼寝の時にそっと木陰を作ってくれる、控えめで優しい近所のおばちゃんって感じだが、よく他の精霊王達が僕の所にくるのが重なった時に喧嘩した際は仲裁役をするぐらい発言力のある人でもある。そんな“フィトおばちゃん“にお礼を言うとニコニコ笑顔で頷き返してくれて、僕もついニッコリ笑顔で返した。


「「「「「うっ!」」」」」 「「「「「ぐふっ!」」」」」


「?どうしたの?…あ、もうこんな時間!早く“式典“もしなきゃ日付変わっちゃう!」


 変な音のする方向を見てみると王城から来た一行が全員手で鼻を押さえたり、心臓あたりを押さえてたりしていたが、それより僕はその人達の奥にあった壁に掛けられている時計が目に入り、その時計がさす時間を見て大いに焦るのだった。


(やば!明日学園があるのにこんな夜更かしするとかあり得ない!( ゜д゜)早く“式典“終わらせて寝なきゃ!!)


 と、思っていると、


(((((相変わらず無自覚な笑顔が可愛いなぁ~)))))


 とか、精霊王に思われているとは知らない僕だった・・・・












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