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間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜  作者: 舞桜
第4章 少年期〜青年期 学園3学年編
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67話 初めてのお泊まり冒険者活動34〈掃討作戦の後始末〉


 どうも僕です…後始末って、大変ですね・・・


 今ちょこーと、遠い目で現実逃避しております・・・


 何故なら・・・


「この数のゴブリンから魔石回収するのって結構エグいなぁ、想像しただけで嫌になるよ・・・でも、ここはダンジョンの入り口が近くてよかった・・・」


へティ「そうですわね。この大空洞以外では全て手作業で皆さん採ってらっしゃると思うと、なんだか申し訳なくなりますわね・・・」


ベイサン「そうだよね・・・ここのは魔石だけになってるからまだマシだもんね・・・」


 何故今このような会話をしているかと言うと、皆んなで腰を屈めて床に散らばっている魔石をかき集めて回収しているからだ。最終決戦の場となった大空洞はダンジョンの入り口と言う定義だったおかげで、ここにいたゴブリン達全員が、ドロップ品だけを残して霧となって消えていったおかげで、死体からわざわざ、魔石を採取する必要がなかった事を喜んでいたのだが、数が数だったので、かなりめんどくさい回収作業となっていた。だが、この大空洞以外の階層の人達は死体となったゴブリン一体一体から、手作業で魔石を探して取らなければならない作業をしていると思うと、流石に気の毒に思ってしまった。


(ここだけでもかなりの数のゴブリンがいたからなぁ・・・しかし、箒と塵取りで魔石をかき集めてるのってかなりシュールだ・・・てか、ソルの“収納“?いや、アイテムリングか?にはなんで掃除道具が入ってたんだ?(・・?)しかも結構な数の・・・)


 ソルの準備した持ち物に疑問を持ちながら、箒で魔石をかき集めていると、その僕の心の中での疑問に塵取りを持ったソルがしれっとこう答えた・・・


ソル「以前、アトリー様がダンジョン内でドロップ品をかき集めるのが面倒だとおっしゃられてたので、用意してみました」


「そ、そう、ありがとう・・・ソル」


ソル「いいえ、どういたしまして」


 確かに以前入ったダンジョン内で、細かい物をコロコロ落とす魔物を大量に倒した時に言いはしたが、それもだいぶん前の事だったのに、僕の発言を聞き逃さないソルは、従者?執事?スキルがぐんぐん上昇していっているなぁと思ってしまう今日この頃の僕だった・・・


(僕の幼馴染の親友はどんどんあの“あくまで執事ですから“、とか言う“執事“に似てきたな・・・(*´ー`*)戦闘力といい、用意周到さといい・・・目指してんのか?とか思うほどに・・・まぁ、性格は全然似てないけどね・・・)


 そんなアホなことを考えている間に魔石の回収はほとんど終わり、次は捕まえた邪神教の信者達を連れて上の階の移動して、まだ作業が終わってない人達のところのお手伝いをして、魔物達の死体を回収しながら地上を目指す事になった。そして、“収納“スキルの容量が大きいと言うことで、各階層で出た魔物達の一回収を頼まれ、あちらこちらに移動しながら遺体回収している今、僕はゴミ回収車になってる気分だ。


(そうそう、そう言えば、あの隠し部屋ってどうなったんだろう?あそこに設置してある転移の魔法陣ってまだ使えるはずだよね?(*´Д`*))一方通行ではなかったはずだから、今使えば“邪神教“のアジトに行けんるんじゃない?)


夜月『それがだな、アトリー、どうやら、中央の石舞台が砂になったと同時に向こうの魔法陣が描かれた土台も同時に砂になったらしい』


(あちゃー、連動してたかぁ(*´Д`*)・・・でもまぁ、失敗した時のこと考えればそれぐらいやるか・・・それにこちらも少人数であの魔法陣使って敵陣に乗り込むこともできなかっただろうし、転移した先がアイツらの本当のアジトとは限らないし、結局、あってもなくても一緒だったかな?(・・?))


夜月『そうかもな、敵陣に向かうのにそれなりの準備も必要になるし、その間、向こうも何もしないってことはないだろう、ついた瞬間に迎撃されるか、逃げられて終わりって可能性の方が高いと思うと、確かにあってもなくても一緒だな・・・それに行けたとしても必ず戻って来れる保証もないしな、ふむ、無理に探って損害を被るのも業腹か・・・』


(だよねぇ~、てか、気になったんだけど、ここのダンジョンどうなるの?自然エネルギーはもう蓄積されてないんでしょ?その状態でダンジョンを維持できるものなの?(*´ー`*))


 大空洞に唯一あった小部屋に設置されていた転移の魔法陣は、既に使用不可になっていたことを知り、僕は向こうの用心深さに舌を巻きつつも、これまでの“邪神教“のやり口から見て、本当のアジトなどに繋がってないだろうと思っていたので、無理に探る必要もなかったのだろうな、と、夜月ともそう意見が一致した事もあり、向こうの転移の魔法陣は見かけても無闇に探る必要ないという認識になった。そして僕は他にも気になっていたダンジョンの事についても、聞いてみた。


春雷『いいえ、できませんね。なので今からゆっくりとダンジョンを解体していくことになります。あの扉ももう既に開けることはできなくなってますし、不自然だった自然エネルギーの流れも正常に戻っていきますよ。ただ、山の中に設置されたあの石達、あれを再び使用されると厄介なので、地上に設置されているものはアトリー様達が回収なさった数個を除き破壊させていただきました。そして今後、同じものを見かけたら全て破壊させていただいてよろしいでしょうか?』


(あれだよね?いいよ、むしろ此方からお願いしたいところだよ!(・∀・)ココみたいな場所が他にも出来てそうで怖いし、この事を他の精霊達に教えて広めてあげたほうが、他の土地の精霊が被害に遭わなくて済みそうじゃない?大変だったんでしょう?ココに住む精霊達、アイツが溜め込んだ自然エネルギーのせいで、急なダンジョンの制作を強制されたようなものだったから・・・しかも、アイツがダンジョンの設定までいじってきてたから、ダンジョン内が歪な力の流れになって正常を維持するのも大変そうだったもんね?(*´Д`*))


 僕の質問に春雷がすぐに答えてくれて、疑問が解決されたのはいいのだけれど、春雷達はその事より、アイツらがこの山に仕掛けた魔道具の事を気にしていた。どうやら、後から聞いた話によると、あの魔道具を設置された事にこの山に住んでいる精霊達は、今回の仕掛けに最初は気づいていなかったようで、気づいた時には既に自然エネルギーが異常に溜め込まれた状態になっていたそうだ。


 今回の騒動の厄介な所は秘密裏に作業されていたという事、この世界の自然を維持する役目の精霊達の目を欺き、このような悪質な魔道具を設置していく事に、危機感を覚えた春雷が、同じ魔道具を見つけたら破壊していいかと真剣に許可を求めてきたことに、僕はむしろ大賛成した、少しでも他の精霊達が同じ目に遭わないようにと・・・それにアイツらの企みを未然に防げるなら、願ってもない提案だった・・・(少しでも、アイツらの嫌がらせになるんなら大歓迎だよ・・・)にやぁ『悪い顔になってますよ・・・』


雪花『はい、数ヶ月の間だったそうですが凄く大変だったと言ってました・・・』


春雷『では、アトリー様、この事を精霊王様にご報告してもよろしいでしょうか?』


(うん?精霊王?様って、“ルスじいじ“に?迷惑じゃないかな?)


春雷『はい、“光の精霊王・ルスリヒト“様です。重要な事ですので・・・』


(そうなの?重要ならちゃんと報告しないとね( ^∀^))


 “光の精霊王・ルスリヒト“、僕が7歳の時に“精霊王の祝福“をしれくれて、加護を付けてくれた精霊王なのだが、その後、たまに僕が他の精霊達に歌を歌っている時に来て、それを聴き終わったら少しお話しして帰って行く、といった感じの交流関係だったのだが、3年前のあの事件の時以降、僕を負傷させた“邪神教“に酷くお怒りで、神々からの依頼もあってか、精霊達に“邪神教“の信徒探しを指示し積極的に行うようになって、人間達への情報共有といった名目でそれまで以上に僕の元に訪れて、お土産などを持ってきたりして、僕を可愛がるようになった、その上僕のボディーガードのような役割の精霊達まで送り込んきたりとしてきているその行為が、孫馬鹿の祖父のようだと思っていると、自分の事を“ルスじいじ“と呼んでほしいと言い出した・・・

 確かに、僕は転生者と言ってもまだまだ子供だし、向こうは何千年も前から存在している精霊だから、かなり歳が離れているのは間違いない。僕が可愛かられて祖父のようだって思ったのも確か、でも、チョイスしてきた呼び方が“じいじ“なのはなんでなのかは分からなかった・・・

 でも、僕は意外と違和感なく“ルスじいじ“って呼ぶ事ができた。(何故なら、見た目こそかなり若い青年なんだけど、言動がかなり孫に甘いおじいちゃんって感じで、父様達のいない所ですぐ僕を甘やかしてくる人?だったから・・・(*´ー`*))


(あ、そう言えば、“ルスじいじ達“は“邪神教“の捜索を神様達から頼まれてるんだったね、それなら心配ないか、(・∀・)むしろ積極的に報告した方がいいのか!)


春雷『まぁ、それもあります。ただ、アトリー様がまた襲われたことを報告しなかったら大変な事になりますので・・・』


(あー・・・( ・∇・)うん、報告よろしくね・・・)


 基本的に精霊達は自分との相性がいい相手以外には関心が薄いもので、精霊達との親和性が低い人族の事はあまり気にしないと言うのが常識、なので、今回みたいな人間同士の争いで精霊達が巻き込まれないように、という対策として、あの魔道具の存在を精霊達が知って、魔道具を破壊していけば、このような事態は未然に防げるだろうと考えて、春雷にその情報の拡散の役割を頼んだ。

 僕的には現世にいる精霊達の中で広まればいいと思ったぐらいで、精霊界にいる精霊王の手を煩わせる気はなかったのだが、よくよく考えると、神々からの依頼で“邪神教“アジトの捜索をしてたんだったと思い出したので、そう言う事かと聞くと・・・春雷的には精霊王への報告が必須という感じだったのは、神々からの依頼の事と、僕が狙われたことがあったからだと、…むしろ、僕の事が1番重要と言いたげなのは聞かなかったことにした。


 そんな念話をしている間に、洞窟内の全ての階層のゴミ回収、じゃなかった、魔石と死体の回収は終了し、洞窟の外へと出てきた。


「うーーんっ!やっぱり外の方が開放感があっていいね」


 暗くて圧迫感があった洞窟から出た事からの開放感を楽しみつつ背伸びしていると、地上のゴブリン達の巣の解体をしていた地上部隊の人達の数人が、僕達が洞窟から出て来たのに気づき近寄ってきた。


「・・・あれ?後ろに見た事がない人達がいる・・・」


ソル「そうですね。・・・白い神官服?・・・リトス教の方々でしょうか?」


「リトス教の神官?それがなんでここに?」


 近づいて来たのが地上部隊の人達だけかと思いきや、今回の掃討作戦にはいるはずのないリトス教の神官達がついて来ていた。


(どう言うことだ?今回の掃討作戦は神殿に協力要請はしてなかったはず・・・大体、神殿が自ら出張ってくるのはもっと大規模な災害とかで、討伐関連の協力要請ができるのはダンジョンの氾濫が予期された時ぐらいだし、今回は最初は規模は大きいとはいえ、ただのゴブリンに巣の掃討作戦だったはずだから、協力要請出さなかったって聞いてたんだけど(・・?)・・・しかも、協力要請が出てたとしても、今頃ここに来るのは遅すぎるし・・・)


 そんな事を考えならこちらに来ている一行を見ていると、地上部隊の隊長達が今出てきたスタフお兄様に報告をあげるために、声をかけていた。


総元帥の副官「殿下、ご無事のご帰還お待ちしておりました。早速ですが、ご報告が・・・・」


スタフお兄様「あぁ、わかった・・・」


 軍人らしく挨拶し、報告を始める副官さん、そのやり取りの中で後ろについて来ていたリトス教の神官達の話になり、副官さんが神官達を紹介しようと立っている位置を少しズレた時、ここにいるはずの無い人物が現れた・・・


「「「「「っ!?」」」」」


?「あっ!アメトリン様♪やっとお会いできましたわ♪」 タタッ


 ザザッ!


ソル「アトリー様に近づくな!」


?「な、何故です?何故そんな意地悪をなさるんですか?」


へティ「貴女はアトリー様への接近は禁じられてますでしょう?それなのにこんな所まで追ってきて、よく顔を出せたものですね、スルージバさん・・・」


 神官達とここに一緒に来ていたのは以前、僕をリトス教に取り込もうと画策した神官の策略で、僕とお付き合いできると勘違いし、本気で僕が自分を好きだと思い込んだ少女、“ヒュムネ・スルージバ“元侍祭だった。

 彼女は3年前の騒動で僕と交際していると偽った経緯があり、そのお見込みの激しさから、後々僕のストーカーになると危険視した神々が、僕の“加護結界“に特定の人物にだけ効く認識阻害効果をつけた事で、この3年間の間ほぼ顔を合わせることもなく、言葉すら交わしていなかった。

 だが、そんな彼女が今、僕の前まで来て目を合わせて話しかけてきた。

 僕に会えた事をで嬉しそうに駆け寄ってくる彼女に、ソルやイネオス達、それにジュール達まで僕の前に出て警戒体制に入った。ソルの牽制に本気で不思議そうに聞いてくる彼女の異常さに皆んなが顔を顰めた。そこでへティが前に出て厳しい表情で彼女に接近禁止だったはずだと、彼女の行動を非難するように言った。


スルージバ「え?何の事ですか?私達は婚約関係にあるんですよ?それなのに婚約者に会いに来てはダメなんておかしいじゃ無いですか!?」


「「「「「「はぁ!?」」」」」」


 彼女の意味不明な発言に周囲の人達が驚きの声が上がり、その声は山の中にこだまして行ったのだった・・・・・・
















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