表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜  作者: 舞桜
第4章 少年期〜青年期 学園3学年編
374/469

64話 初めてのお泊まり冒険者活動31〈最深部、大空洞、最後の挨拶を・・・〉


 どうも!僕です!今、“ゴブリンキング“を相手に大剣で打ち合ってます!


 ガキンッ! ガキンッ! ガンッ! ガインッ!! 


「ふふっ、ねぇ、いいの?そのまま座って倒されても?」


「ググッ!!グギャァアッ!!」


 頑なに玉座から降りようとしない“ゴブリンキング“に僕は容赦なく詰め寄り、手に持っている大剣で攻撃し始めた。すると“ゴブリンキング“は玉座の裏側に置いてあった禍々しい大剣を取り出し、僕の攻撃を防御し始めたのだ。だが、その防御も長く続かない、最初は力試しに軽く分かりやすい攻撃していた僕が徐々に力を入れて、攻撃に重さとスピードを加え緩急をも付け加えて連続で攻撃をし始めると、徐々にその防御が怪しくなり始めたからだ。

 このままではすぐに防御が間に合わなくなり、僕の大剣での一撃で“ゴブリンキング“を倒してしまう事になると思った僕は少し焦っていた。何故なら僕はそんな事は望んでおらず、むしろこう言って“ゴブリンキング“を煽り、何とか玉座から立たせたかった。その理由は・・・・


(これじゃあ、リクエストにあった“クラウ○“の奥義で倒しても迫力無さ過ぎてつまんないもん(・Д・))


天華『“つまんないもん“って・・・』


 と言った理由だけだったが、僕の中ではとても重要なのだから、手間をかける事は当たり前!って考えの元、今こうやって防御出来るかできないかのギリギリを攻めながら大剣で打ち合っているのだ・・・


「そろそろ限界じゃない?それに、ほら、向こうを見てごらんよ。お前が待っていた相手はあのお通り見事に捕まってるんだ、もう、お前の役割は意味をなしてない、だから良い加減、僕と真剣に戦いなよ」


「グギャ!?・・・ゴギャァァーッ!!」


 大剣で斬り合っている間に、例の信者達いる場所を横目でちゃんと確認していた僕が、その方向を指差して見せるとゴブリンキング“の見覚えがある人物でも見えたのだろう、キングは驚きの表情の後に怒りの叫び声をあげて立ち上がった。


(何、捕まってるんだごらぁーーー( *`ω´)・・・って感じかね?(・∀・)それとも、俺のご主人様に何やっとるんじゃーー!!( ゜д゜)、かな?(・・?))


夜月『前者じゃ無いか?』


天華『多分、前者の様な気がしますね・・・』


ジュール『私がこっちの人の反応見る感じ、後者っぽいけどね、だって、せっかく用意した魔物がっ!って言ってたし・・・』


(あー、やっぱ、ダンジョンに出てくる魔物に手を加えたのもアイツらか・・・、(*´Д`*)でもまぁ、見た感じ、どちらとも上下関係を築いている感じはしないから、当てはまるセリフとしては前者っぽいな・・・)


 とか、考察しているうちに“ゴブリンキング“は黒く禍々しい大剣を振り上げていた。


「ふふっ、やっとやる気になってくれたね、これで僕も手加減しなくて済むっ!」 


「ゴガァアァーッ!!」 ガァインッ!!   ガンッ!!ガラガラッ!


 振り下ろされた大剣に、僕は自分の大剣を打ち上げるように斬り上げ、“ゴブリンキング“の禍々しい大剣を弾き飛ばした。そして、大剣を弾き飛ばされて、両手を上に上げるような無防備なポーズになった“ゴブリンキング“に・・・


「“リミットブレイク・超究○神覇斬“!!」 ザクッ!ザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクザクッ!!ザァクッ!!


 と、“F○7のクラ○ドの15連撃のリミット技、超究武神○斬“を叩き込んだ。すると流石にラスボスなだけあって“ゴブリンキング“はしぶとく生き残り、そのまま僕を捕まえようと手を伸ばしてきたが僕はそれを軽くかわし、次の技を繰り出した。


「“桜○狂咲“!」 ボォコォンッ!バチッ!バチバチバチッ!! ボロッ、シュワァ~~・・・・


 “桜華○咲“、この技を喰らった“ゴブリンキング“は焼かれて、凍らされ、電撃を浴びたことで崩れるように霧になって消えていった。そして、ドロップ品はまた武器だった・・・


「よし!これでリクエストの技の再現は終了!っと、皆んな満足してくれたかな?」


 そう言って、ゲートの方を見て手を振ると、ゲートの向こう側の人達は大盛り上がり、大人達は程よく酔っていて、顔を赤くしながら拍手喝采し、子供達もテンションアゲアゲで、両手を振って返してくれていた。


(あははっ、すっかり出来上がってるなあの人達、さて、一旦、ソル達と合流した方がいいかな?(・∀・))


天華『そうですね。大空洞の魔物達は全部倒しましたから、もう結界を解きますので、王太子殿下達とこの魔法陣をどうするか相談した方がいいでしょう』


(だよね、これをそのまま壊しても大丈夫か、あそこで捕まっている人達に聞いた方がいいだろうし(*´ー`*))


 そう決めてソルやスタフお兄様達が集まっている方向に、僕が戦っている間、飛び回っていた天華を肩に乗せて歩き出した。


「それにしても…、うーん、変だなぁ、結局、ダンジョンの魔物としてのドロップアイテムは武器ばかり落ちてる・・・」


 戦っている間も思っていた事だがとても違和感があった、僕は自分が魔物を倒すと100%の確率でドロップアイテムが落ちる事を知っているので、その認識を利用した罠かもしれないので、安易にその武器達を触らない様にしていた。


(一応、他の人にもこの武器達を触らないように言っておくか・・・)


 そう思って大空洞担当になっていた人達全員に聞こえるように注意喚起して、僕はソルとスタフお兄様達がいる所にやって来た。


「ソル、スタフお兄様お待たせしました。少しばかり遊びすぎてしまいました」


スタフお兄様「ふふっ、気にしなくていいよ、しかし本当に楽しそうだったね、しかし、あの数々の武器を使った技はどこで習ったんだい?どれも私は見た事がないんだけど・・・」


「あ、それは・・・・」


 と、もともと考えていた言い訳で、“以前来た勇者候補達の国で人気の本などの創造物を再現してみたものだ“と、こう返しておいた。その説明にその場の人達は納得してくれたので、僕は自分の要件を簡単に説明したら・・・


スタフお兄様「・・・それで、相談に来てくれたんだね?確かに、あの魔法陣を安易に壊すのは危険かもしれないね、それにできれば他の冒険者達には見られない様に、あの魔法陣を書き写して、解析したい、解体の様子を見られるのも避けたいね・・・ふむ、まずは先に冒険者達を上の階に移動して貰うか・・・」


 と、案を出して来たので僕はそれに賛成し、軍部のお偉いさんの総元帥さんも賛成したので、すぐさま行動に移した。大空洞の魔物討伐に参加してくれたイネオス達以外の冒険者達を一つ上の階に待機させ、階段前の通路には捕縛したリーダーらしき神官以外の人達を移動させ、その周りを軍人達で取り囲み待機させた。これで、大空洞内にはリーダーらしき黒服神官と王族2人に総元帥含む護衛数人、それにソルとイネオス達、そして、僕とジュール達が残り、一気に人が少なくなった大空洞がより広く感じた。


 人員を移動している間、今あげた人達の中でイネオス達を除いたメンバーで、今回の騒動の原因とも言える“リーダー神官“に事情聴取、もとい尋問を行った結果、中央に設置された石舞台に描かれた魔法陣には魔力を蓄積する機構も備わっているそうなので、洞窟内に魔物達がいなくなってもゲートが閉じない様になっていたらしい。そして、魔力供給の為に“ゴブリンキング“が意地でも座っていると思っていた玉座、あれは魔法陣のエネルギー供給の操作装置も兼ねていた事が判明、魔法陣もかなり手が加えられて、ダンジョンの扉とリンクしているとの事なので、あの玉座ごと石舞台を壊せばあのゲートは自然と閉じるだろうという見解になった。

 ただ、現在は石舞台に蓄積された魔力で自然エネルギーを制御してゲートは開いているが、魔力がなくなると自然エネルギーの制御ができなくなるようで、その制御できなくなった自然エネルギーがどうなるかが不明なので、壊す人は必然的に自然エネルギーを直接操作できる僕が選ばれた・・・


「うーん、これはまた、後始末のめんどくさい事をしてくれたなぁ・・・」


(もしかして、この石舞台壊すには“神力“使って壊すしかないんじゃないか?(・・?))


夜月『だな・・・』


天華『ですね。・・・』


ジュール『だねぇ~・・・』


春雷&雪花『『ですねぇ・・・』』


(それに嫌な予感しかしないんだよねぇ(*´Д`*))


(『『『『『はぁ・・・』』』』』)


 と、ため息混じりに皆んなが同意したことで、僕は今から“神力“を使った面倒臭い後始末をすることに決まった・・・

 この時イネオス達はゲートの向こう側にいる仁達を介し、僕の前世での家族と楽しく交流していた・・・まぁ、ゲートが突然閉まり始めたりしたら知らせる役割と、こちらが話し合いをしている間の暇つぶしの相手として、仁達と面識のあるイネオス達が選ばれたので、楽しく交流を持つのはいいことだと思う・・・ただ、僕が彼らの元家族で“転生者“だってバレなければね・・・


「さて、そろそろ最後の仕事に取り掛かりますか・・・イネオス達、穴の監視ありがとう、今から石舞台の破壊をするから、その扉の前にいるとちょっと危ないと思う、だからそうだね・・・、ソルや他の人達と一緒に大空洞の入り口付近まで移動してくれるかな?」


 と、そう声を掛けて場所を移動してもらって、今度は僕が皆んなとの最後の別れの挨拶をしようとした。だが、その前に、王族2人とその他の大人達が、最後の挨拶をしたいと言って、ゲート前に来たので、仕方なく挨拶を先に譲った。


スタフお兄様「前回に続き、今回も、こちらの世界のものがあなた方にご迷惑をおかけした事、大変申し訳ない。誤って済む問題ではないだろうが、・・・本当に心よりお詫び申し上げる」


 そう言ってスタフお兄様が頭を下げると、ついて来ていた人達全員が同じように深く頭を下げた。


仁「えっ!あ、か、顔をあげてください!僕達には全く実害はなかったので、そこまで謝られても・・・むしろ、皆さんが魔物と戦っている時に騒いでしまって申し訳ありません!」


 と、仁も頭を下げると向こうの家族全員も慌てて頭を下げていた。こののままでは謝罪を互いにしあって収拾がつかなくなりそうだなと思った僕は、強制的にそれを止めた。


「はい、そこまで!これ以上やると長引くから、そこまでにしてください!ほらほら、スタフお兄様達は危ないので向こうに避難してください!」


スタフお兄様「あ、あぁ、分かったよ、アトリー君、では、これで失礼させて頂きますね。そして、皆様の今後のご健勝を心よりお祈りいたします」


 と、今度は胸の前で手を組み軽く祈りをあげて、会釈をした後、僕が指定した場所に向かって歩き出した・・・ソルとイネオス達もそれに続きながら皆んなに手を振り別れを惜しんで行った。


「はぁ、これで最後にゆっくり話せるね。皆んな・・・」


皐月「ふふっ、ねぇ、咲子、いや、アトリー君、あの子達、少し話してみたけど、とても良い子ね、こんな不思議な事に巻き込まれた私達の事を凄く気遣ってくれて、仁達とのやり取りから見て、貴方の事とても尊敬してて、でも、ちゃんと友人としても大事に思ってくれてる。そんな良い子達が貴方の友人である事を知れて私達はとても安心したわ・・・だからね、そんな顔しないで、笑顔でお別れしましょう?」


 “遮音結界“を張って、僕が話しかけると、皐月母さんが前の方に来て、こう話してくれた、どうやら僕の顔はちゃんと笑顔ではなかったようだ。でも、皐月母さんが最後に言った言葉は僕もずっとそうしようと思っていた事だった・・・


「っ・・・ふふっ、今はもう血の繋がりもなくて、姿形も変わってしまったのに、同じ事を思ってるなんてね・・・っ、不思議なもんだね?・・・スンッ、でもさ、久しぶりに母さん達の顔を見れたことが嬉しくて、っ、ズッ、でも、この後の事を思うとさ、グスッ、寂しぐでっ!・・・どうやっでも、止まんない!」


皐月「グスッ、ほんと、アンタは、っ、一見、クールそうに見えても、実は感動屋で寂しがり屋なんだからっ、グスッおかげで、涙が移っちゃったじゃない!」


「それは、っ、僕のせいじゃないもん!!」


皆んな「「「「「っ、あはははっ!」」」」」 「それはそう!」 「母さんは人のこと言えないよねっ!」 「これで泣かない方がむずいっての!」


 笑顔で見送ろうと心に決めたはずなのに、僕は自分の感情を抑える事ができずに、とうとう歯を食いしばりながら、涙を流してしまった。そんな僕に皐月母さんは涙を流し、おどける様に自分の涙は僕のせいだと揶揄ってきた。僕の反論を皆んなが聞いて笑い始めたけど、よく見ると皆んなの目には涙が流れていて、結局、皆んなで泣きながら笑った。ひとしきり泣き笑いした皆んなは次第に静かになっていった、僕は自分の心にケジメをつけるように大きく深呼吸して、涙を拭き取り、皆んなに笑顔でこう告げた・・・


「皆んな!僕の家族でいてくれてありがとう!僕達はもう二度と会えないけど、皆んなと過ごしてきた思い出も、今日のこの思い出も、絶対に忘れないから!皆んなも僕との思い出を忘れないでほしいな!」


皐月「ボケても絶対に忘れないよ!」


亜実子「絶対に忘れてやるわけ無いんだからね!!」


幹子「忘れるわけないよ!!」


藍子「姉ちゃんとの思い出は語り継いでやるよ!」


幸樹「姉ちゃん!俺も、姉ちゃんに育てて貰った事、絶対、忘れない!!」


「僕も忘れないよ!」 「私も!!」 「絶対!忘れない!」 「今日の事もちゃんと映像に残したからね!」 


「「「せーの、僕達も!リクエスト答えてくれたこと忘れない!アトリー君!ありがとう!!元気でね!!」」」


 僕の言葉に皆んながそれぞれ答えてくれて、最後に下3人の甥っ子姪っ子達が声を揃えて言ったことに、僕は感激で、また泣きそうになった。


「っ・・・・うん、皆んなも元気でね!みんな!大好き!!」


皆んな「「「「「私達も大好き!!」」」」」 「元気でね!」 「無茶しないでね!」 「やり過ぎに注意だよ!」


「…ふふっ、ありがとう!…よし!僕はこれから最後の仕事にかかるよ。よいしょっ、これは最後のリクエストの再現ってわけじゃ無いけど、今からするのはちょっと眩しくなるから、気をつけてねっ!」


 “大好き!“と言った言葉は皆んなへの愛情が頂点に達して、ぽろっとでた言葉だったけど、皆んなは同じ様に笑顔で返してくれて、僕の心はほわぁっと暖かくなった。それで勇気をもらった僕は、今度こそ最後の別れとして、笑顔でそう言って、自分の仕事に取り掛かる事にした。


「“神器召喚“」


 僕は“神力“を制御する神器の腕輪を付けた左腕を仰ぎ見るように高くあげて、呟いたその言葉、その瞬間、周囲を明るく照らしその光が僕の全身をパァーッと包み込んだ・・・・

















評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ