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間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜  作者: 舞桜
第4章 少年期〜青年期 学園3学年編
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55話 初めてのお泊まり冒険者活動23〈作戦変更!次は強行突破だ!〉


 はい、どうも、僕です。現在、洞窟内の地下2階にて、大幅な作戦変更の通達と、隊列の変更がなされている最中です。


 その中でも、僕達、年少組とガイアスさん達と王族2人にその他数人は、最深部へ向かうメンバーは縦に二つに並んだ隊列の中央に挟まれた位置で待機し、僕はその場所から階段の拡張のために、再び“探究スキル“と“真眼スキル“を使用して、階段をどれだけ拡張して良いか下の階の確認を行い。すぐに魔法行使する準備をしていた。


「うーん、この階段を降りた先はかなり広い空間でしたから少々大きく穴を開けても大丈夫だと思いますが、洞窟の強度などを踏まえると、武装した大人が5人横に並んで降りて行けるぐらいの広さで拡張を行いたいんですが、どうでしょうか?」


 と、大人達にそう聞いてみると。


スタフお兄様「そうだね。階段はそれぐらいで十分だと思うよ。ただ、下の階の魔物達がどう来るかがわからないんだけど、今、下の魔物達の動きは気配で分かるかい?」


 そう言ってへティの方を見る、僕も気配感知は主にへティに任せていたから同じように見た、へティは少し戸惑いながらも気配感知で下の階の様子を確認し始めた。(スキルを同時に二つ以上使用するとソルや母様達が心配するので、“気配感知“の練度が高いへティに任せてしまっていた( ´ ▽ ` )、まじ申し訳ねぇ)


へティ「は、はい、少々お持ちください・・・・・、変ですね魔物達の動きが鈍いような・・・」


「「「「「!!」」」」」


「・・・・・本当だ、・・・・・これはもっと急いだ方が良いですね、魔物達の魔力が著しく低下し、魔力枯渇で動きが鈍くなっている。スタフお兄様、“儀式“は最終段階に入っているようです」ぎりっ


「「「「っ!?」」」」


(チッ、油断した、“儀式“の開始の魔道具を起動させたとしても、魔力をもう一つの魔法陣に注ぐタイミングや魔力量の調節は人力で行うだろうと思って、最深部にあった怪しい小部屋を監視してたけど、階下の魔力の流れを見るのを怠ったっ!ちゃんと洞窟内の魔力をスキルで見ていたらここまで進行する前に、僕が単独で深層部まで行って“儀式“を止めれたのに!!)


天華『アトリー、自分だけを責めないでください、私達もアトリー達の自主性を尊重すると言って、警戒を怠ってしまいました。すみません・・・』


(そ、そんな事ないよ、僕も素直に天華達に協力して貰って、魔力の流れを見てもらってればこんな事にはならなかったんだ。だから、お互い様だよ!)


 へティの言葉で急いで自分も“気配感知スキル“で見たあと、“魔力視“で洞窟内の魔力の流れを細部まで観察したあと、自分の怠慢に歯軋りしながら告げた僕の言葉に、大人達は驚き、事態の深刻さに眉を顰めた、そしてすぐに動き出した。天華達は自分達が自主的にあらゆる方向で周囲を警戒していたらもっと早く気づけたのにと、しょんぼりしながら僕にそう告げ、反省していた。僕も天華達が僕のすることに口出ししない事で好き勝手した結果、このような事態になった、僕に至ってはここで変に人に頼る事ができない性分が発揮されてしまったことに、今になって気づいて僕も天華達と同じように反省して、結局互いに謝り相子した。


スタフお兄様「!!、分かった、全隊突入用意!!入り口が開け次第、作戦通り最短で階層を突破する!!各隊、全力を持って事にあたれ!!」


ガイアスさん「冒険者ども!この先にいるのはゴブリンとアーミーアントだけとは限らねぇ、油断せずいつものように階層全体の魔物を1匹残らず殲滅しろ!!いいな!!」


「「「「「「「はっ!!」」」」」」」ザッ!! 「「「「「「おぉっ!」」」」」」


 スタフお兄様達の指示に軍の隊員全員が気合を入れて敬礼をし、冒険者達も気を引き締め武器を強く握りしめた。“洞窟隊“全体から溢れ出す戦意に誰もがやる気をみなぎらせ、熱気をはらみ始めた。そんな中、僕は先の自分の失態を挽回すべく、極めて冷静に今から行う作戦の要となる入り口の拡張に集中し始めた。


(この様子だと、突入で走り出した先に階段があると危ないだろう、今回は下の空間に余裕もあるし階段じゃなくスロープ状に階下への道を成形した方がいいな)


夜月『ふむ、その方が良いだろう、前を走る者が1人でも転べば、後続の者達にも支障が出るからな・・・』


(だよね、よし、イメージは固まった、後は魔法を放つだけ・・・今はいち早く最深部に行くことだけに集中しよう・・・)


 夜月と念話で大幅な変更を決めて、魔力を体内で練り始め、後はスタフお兄様からの作戦開始の指示を待つだけとなった。


スタフお兄様「アトリー君、準備はできたかな?」


「はい!」


スタフお兄様「よし!では、作戦開始!!」


「“次元切断“ディメンションカット“」


 ヴゥンッ!! ダンッ!!!


「収納!」 ふっ・・・・


「「「「「っ・・・・・」」」」」


 一瞬かなり広い範囲に濃密で強力な魔力を感じ、その次の瞬間、目の前の洞窟の一部が空間ごと歪み、洞窟の壁の一部に綺麗な切り込みが入った。そして、魔法がうまく行った事を確認したアトリーはすぐさま、切り取られた壁を自分の収納に納めると、そこには大人数人が横に並んで歩いても余裕のある、長方形の穴がポッカリ空いていた。その光景を目の当たりにした隊列先頭の隊員達は誰もが言葉を失った・・・・


(ちょっと暗いな・・・)「“ライト“」(うっわぁ、結構いるな・・・)


 ゴクッ・・・


 僕が生活魔法でだした光で照らされた階下の様子ははっきり言って、気持ち悪かった。何故ならゴブリンとアーミーアント達が入り混じり、息を潜めるように洞窟の広めの通路全体に、所狭しといたのだから、アーミーアントに至っては壁にもひっついているのもいたのだ、その状態を見てしまった先頭の人達の中から唾を飲み込む音が静かに響いた・・・


スタフお兄様「っ!全隊!突入ぅーーーっ!!」


「「「「「「…ぅ、うおおおぉぉぉーーーーーーーーっ!!!!」」」」」」ドドドドドドドッ!!


 スタフお兄様の号令が飛ぶと、一拍おいて“洞窟隊“の全員が怒号を上げながら階下に向かった走り出した。


 まず、先頭に躍り出たのは僕達の左側の隊列にいた、“地下3階層を担当する第一部隊“のBランクパーティー、“黒鎖の同志“のパーティーメンバーで前衛職の“ダインさん“、彼は冒険者の中でもスタンダードな大楯と剣を構えるスタイルのタンク役だと思いきや、盾は通常よりやや小さめの物を左手に固定し、右手には刃渡り50センチほどのグラディウスを構えた、古代ローマ時代の剣闘士スタイルで、魔物の群れに1人突入しては魔物をシールドバッシュで数匹巻き込み吹き飛ばしていた、その後をパーティーのリーダーのブルッグさんが続き、ダインさんを横から襲おうとした魔物にロングソードで切り掛かっていた。右側はブルッグさんで左側は“ズリーさん“と言う、ちょっと大人しめの雰囲気の男性がダインさんの横を通常より長めの剣で守り、僕達と同じ斥候役をしていた“エニさん“は、ダインさんがシールドバッシュで吹き飛ばした魔物達にトドメを刺しに、走り出した。それに続くように軍人さん達が魔物を蹴散らし、軍の魔法師さん達が“黒鎖の同志“のパーティーメンバーにも、支援魔法でバフをかけたり治療魔法をかけたりしている。

 と、言うわけで、この“黒鎖の同志“のパーティーはその他のメンバーも剣を持って魔物を攻撃している、全員が前衛職の特攻型パーティーだった。


(わぁ、変わった戦闘スタイルだ、それとは対照的にあっちは・・・・)


 と、右側を見た先にいるのは、同じく“地下3階層担当の第一部隊“のBランクパーティー“栄光の腕輪“の人達、リーダーの“ローシさん“(槍)を中心に、斥候役の“コレリックさん“(ロングソード)と“ヨンガン君“(僕が渡した双剣)が前衛で魔物を牽制しながら効率よく倒して、その後ろから“オスクロさん“(長杖)と言う少し暗い雰囲気の女性が、攻撃魔法で少し離れた場所から弓を放ってきているゴブリンを次々倒し、その横では回復&支援担当の“エピリカさん“(メイス)が前衛の人達を支援している。これに軍側も協力して同じように小隊を作り、“栄光の腕輪“のパーティーの横に並んで魔物達を逃さないように互いに連携をとっていた。

 このように意外とスタンダードな闘い方をしている“栄光の腕輪“のメンバーと、変わったスタイルの闘い方をしている“黒鎖の同志“のメンバーを見比べていると世の中には、いろんな戦闘スタイルがあるんだなぁと勉強になった。今回の“作戦“で実質初の魔物討伐となったのだがどこを見ても、その人それぞれの戦闘スタイルがあって自分の戦闘技術の向上の糧にしようと注意深く観察していた。


(僕の剣術は大体、某剣術漫画やアニメ、ゲームなどの真似っこだもんなぁ、こっちの世界の剣術は西洋風だから僕の刀とは相性悪いんだよね、でも武器が飛ばされたりした時には近場にある武器を借りで戦うことを想定して、今よりもっと多彩な武技を学んだほうがいいか・・・)


 小さい時に剣術の基礎を納めてから今まで、ほぼ独学で刀を使った剣術を自分なりに鍛えてきたが、自分のスキルを考えると他の武器の使い方も学んでおいて損はないと思い始めていると、地下3階層の通路はほぼ制圧され、あと少しで地下4階層への階段入り口まで辿り着こうとしていた。


スタフお兄様「第一部隊は予定通り、この階層の魔物殲滅に集中!第二部隊はそのまま4階層まで前進!!」


「「「「「はっ!!」」」」」 「「「「「おうっ!!」」」」」


 次のスタフお兄様の号令で、今まで後方支援を中心にしていた“地下4階層担当の第二部隊“が、声を揃えて気合を入れると、その声に反応した第一部隊が3階層の通路の中央にいた魔物達を端に押し込んだり積極的に倒したりして、障害のない道を無理やり作り出した。そして、そのこじ開けられた道を第二部隊と僕達、“地下5階層担当の第三部隊“は素早く走り抜けた。そして、この時もうすでに階段前を制圧していた“黒鎖の同志“のパーティーメンバーとバトンタッチするように、地下4階層から上がってきている魔物達の相手をし始めた。


ロズ殿下「デューキスの予想通り、下からは通常のゴブリンとゾルジャー種のアーミーアントしか出てこないな・・・」


総元帥「この先に強い魔物気配がありませんから、やはり地下4階層は食料貯蔵庫と繁殖育成部屋が主のようです。どうもこの階の防衛は捨てる判断をしているようですね。ですが、この3階層の広さから見ても戦力を全て投入している訳ではなさそうですから、残りの戦力を最深部に集中させていることでしょう」


 第二部隊の後ろでその戦いぶりを見ながらそう話すロズ殿下と総元帥、2人はこの後の地下5階層突入時に、ガイアスさん達“蒼炎“のパーティーと一緒に戦闘を行うため、少しでも冒険者達の闘い方を見て連携を取れるようにと見学中なのだが、今、地下4階層に突入していこうとしている冒険者パーティーはCランクパーティーの“野花の乙女“と、Bランクパーティーの“幻影連盟げんえいれんめい“の2組。

 この2組のパーティーは連携の勉強のお手本とは言いにくかった。何故そんな風に僕が思っているかというと、この2組が今任されている地下4階層は作戦立案をした僕達が最初から、この階には敵が少ないだろうと予想していて、他の冒険者パーティーより少々殲滅力に欠けるこの2組を推挙したからだ、その理由はそれぞれあるのだが、

 まず、“野花の乙女“のパーティーはCランクと言う事もあり、実力が低い訳ではないが、パーティーメンバー全員女性で扱っている武器が、筋力の問題なのか、ショートソード、ダガー、ショートボウ、片手斧、ナイフなど、少々攻撃力に欠けるものばかりで、敵の多い地下3階層では体力面の問題もあって、うまく継続して戦えないと判断された。

 次に“幻影連盟“のパーティーはBランクと言うほどの実力は備わってはいるが、メンバー全体から何故かやる気が伺えない、そんなやる気の無さや協調性のなさが、魔物が大量にいる場所で一生懸命に戦っている人達に気づかれて仕舞えば、あっという間に不満が出てくると予想され、連携が崩れて勝てる戦いに負ける可能性が出たため、そう言う理由でやる気のある“野花の乙女“のパーティーメンバーと、軍の1小隊だけでも制圧が可能な数しか敵がいない、地下4階層担当の第二部隊に入る事になったのだった。


 なのでそんな、微妙な選抜のされ方の2組を見ても多分、参考にはならないだろうと僕は思っていた。


(あの、“幻影連盟“ってパーティー、あの人達って本気で戦ってないのが丸分かりなんだよねぇ・・・(*´-`)何か企んでいるのか?)


 そんな疑いを持ちつつも思いの外、手際よく地下4階層に向かって降りて行っていた。その後僕達“第三部隊“の人員も降りていき、ここでやっと僕達も戦闘に参加する事になった。


(思ったよりも早く地下4階に降りて来られたな、降りる階段も意外と広かったし、“幻影連盟“の人達の手際が良かった、本気出してないのにコレって、あの人達、結構実力隠してるよな?・・・まぁ、早く先に行けるならそれに越したことはないからいいか・・・(*´Д`*)イネオス達もかなりやる気出してるし・・・)


 “第二部隊“の人員と、スタフお兄様を守る近衛騎士達や軍の腕利き達の働きは凄く、次々、魔物達を倒していき、地下4階層にいた魔物達は目に見えて数を減らしていき、“第三部隊“の中心にいる僕とスタフお兄様はあまり戦闘する機会も無い内に、地下5階層、最深部へ続く階段の前までやってきていた・・・


*この時、僕は見ていなかったのだが、この“地下4階層“にあった繁殖部屋には、かなりの数のアーミーアントの卵が置かれていて、その奥にはこの巣の主であった女王アリのアーミーアント・クイーンが本来の姿よりやや痩せこけて隠れていたらしい。それとは別に食料貯蔵庫にも、ダンジョンで得たらしき食料意外にも何故かアーミーアントの卵がたくさん置かれていて、それをゴブリンが食べていたとかいなかったとか・・・・



















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