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間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜  作者: 舞桜
第4章 少年期〜青年期 学園3学年編
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54話 初めてのお泊まり冒険者活動22〈緊急対策会議〉


・・・・・『契約成立ね♪』・・・・・


ガイアスさん「はっ!?」 「「「「えっ!?」」」」


 どこからともなく、美しい女性の声が聞こえてきた事にガイアスさん達は驚いて不思議そうに周囲を見渡した。


「ふふっ、相変わらず、お茶目だなぁ・・・では、契約が成立した事ですし、早急に話を始めしょう」


 今の現象が何なのか理解が追いついてない人達を急かすように本題に入った僕、そのあまりの急展開に僕とジュール達以外は混乱しているが、今はそんな事態ではないので、サクサクと今あった事を今は一旦脇に置いておくように強制して、話を進めた・・・・


「いいですか?今から話す事は急を要する事なので、なるべく、話に割って入らないでください、後で質問や意見を伺いますので・・・」


 そう言うと、全員がまだ、オロオロとしつつも頷く。


「今、このゴブリンの巣、いや、もとはアーミーアントの巣だったものの最深部で、信じがたい事に“勇者召喚“行われようとしています。「「「「「!??」」」」」いや、もしかしたらもうすでに始まっている可能性すらあります。「「「「「えっ!?」」」」」なので、今この時点で、“魔物の掃討作戦“ではなく、“勇者召喚の儀式“の阻止が第一優先となります。何故、“勇者召喚“が行われていると分かったについては、先程発見された、この、“金属の板“がそれを証明しているからです」


 コトッと、小部屋にあった木の箱の上に置いたのは、先程クララさんから受け取った“金属の四角い板“、サイズは手のひらサイズの正方形で、その表面には以前“勇者送還の義“の際に見た魔法陣が刻まれていたのだ。そして、この金属板を置いた箱の中にはこれと同じ物がまだ数点残っているのも見せた。


スタフお兄様「コレは・・・」


 この魔法陣に見覚えのあった人達は盛大に眉を顰め、以前起こった事件を思い出し苦い表情を作っていた。だが、ガイアスさんは訳が分からず首を傾げた。そんな人達の表情に気づく事なく僕は話を続けた。


「この、魔法陣は少し手が加えられてますが、元は“勇者召喚の儀“で使う魔法陣を起動する人物を感知し、儀式の開始を促すための魔法陣です。本来ならこの魔法陣は床に大きく描かれているものでその上を“特定の人“が通ることで起動するのですが、それをもっと簡単に行うために改造されています。ここのように複雑に広がった地下5階層まであるアーミーアントの巣に目をつけ、さらに何者かがこの巣に手を加えて簡単に“勇者召喚“が行える儀式場へと作り変えた。

 その証拠に、今いるこの小部屋ように人が作ったような場所がいくつもあり、他にもこの壁のように魔法陣が描かれた金属の板が埋め込まれていて、コレと同じ物が入り口からこの階層までに、複数配置されていることを先程スキルを使い確認しました。そして、この魔法陣の前を人が通ると反応するようになっているみたいです。なので、僕達がこの洞窟に入った時点で、この魔法陣はすでに起動していると思われます。他にも立体的に配置された魔法陣がいくつもあり、それを巧妙に組み合わせることで、いつでも起動可能な儀式場としてあったようです」


スタフお兄様「・・・もしかして、地上に置いてあったあの石に刻まれていた魔法陣も、この儀式場を動かすための仕組みの一つであったと?」


 この魔法陣の意味が分かっていないガイアスさんに向けての説明に、スタフお兄様がいち早く反応を示した。


(話が早くて助かる。でも、今回の問題はそこでは無いんだよな、この儀式場を作るのに手間はかかるけど、自然エネルギーがそれなりに多く流れている場所ならば、何処でも“勇者召喚“できるかもしれないって事。(*´Д`*)

 さっきあえて起動の条件である“特定の人“と言うところには触れなかったけど、今回の魔法陣に“特定の人“として設定されている人、要は“鍵“となる人物をわざわざ僕にしてあるって事、くるか来ないか分からない僕を“鍵“に設定して、大博打を打つような事してるのがまた気持ち悪いんだよ・・・・大体この魔法陣の起動の“鍵“となる人物を僕から他の人に変更しようと思えば、“何処でも誰でも“、“勇者召喚“が可能って事がさらに嫌らしいんだよなぁ(*´-`)・・・それに本来の召喚に必要な二つの魔法陣は基本的に神々の手を借りる前提で作られていたけど、この魔法陣は自分達が集めた自然エネルギーと魔力があれば、ゴリ押しで成功させることができる可能性があるって事が1番恐ろしいんだよね・・・(*´ー`*)

 まぁ、その為には大量の魔力も必要になるけど、今回は強制的に溜め込んだ自然エネルギーでダンジョンができるように仕向けて、尚且つそのダンジョンを“氾濫“させ、魔物を溢れさせてから、その魔物達の魔力を魔法陣の活性化に使用している、それにもし、それが失敗したとしても元々ここに居たアーミーアント達の魔力を代わりに使う算段だったはず・・・かなり行き当たりばったりな計画のように見えるけど、失敗した時の代案も用意してあって綿密に計画しているのが分かる。さらに“勇者召喚“がうまくいかなかったとしても、嫌がらせとして秘密裏に繁殖させた魔物を周囲にばら撒く計画があった可能性もある・・・)


天華『そうですね。それにこの一件、確実にあの邪神教が関わっていることの証明にもなりますね。あの教団は一度、神々の許可なく、リトス教の手も借りず“勇者召喚“を行なってますからね、事前にちゃんとした知識がないと、このような仕掛けを作り出す事はできないでしょうし・・・』


(そうなんだよね。前回は膨大な魔力だけで召喚を行なって、仁達を次元の狭間まで引き込めはしたけど、エネルギー不足でちゃんと道が最後まで作れてなくて、それに気づいたティーナちゃん達が慌てて神界まで道を作って、そこからこっちの世界まで送り届けてくれたって聞いた。だから完全に独自で召喚できたかというと、それは成功したとは言えない、でも今回はその失敗から学んだのか、魔法陣を入念に解析して自然エネルギーの確保まで織り込んできたことから、何が何でも神々に頼らず自分達の手で“勇者召喚“を成し遂げ、自分達がこの世界を掌握すると意気込んでそうだなぁ・・・(*´Д`*)ほんと執念深い奴らだ・・・)


 そう考察しながらも今この場でその話はする事なく、今分かっている状況だけを説明した。


「はい、そうだと思われます、この巣全体を儀式に必要な自然の力を貯める器とし、起動に必要な人間がこの洞窟に入れば、儀式が始まります。その際、自然の力を活用するときに必要な魔法陣の活性化に、膨大な魔力を必要とします、ですがその魔力の供給源はここに生息している魔物達から奪う事で、この洞窟に入ってきた人数が少人数でも問題なく動かせる仕組みになっていたようです。そして、“勇者召喚の儀“に必要なもう一つの魔法陣はこの巣の最深部の床に描かれているようです。ただ、こちらの小さな魔法陣に本来なければならない機能の一部が、意図的に記入されてないので、それがどこにあるのかが問題なのですが・・・それに、“儀式“の進行を誘導する“人“の姿はまだ捉えられていませんので、今は、この儀式を止めるために最深部にある魔法陣の破壊が最優先と考えます。なので最短で最深部に向かう方法を話し合いましょう」


(いくら“儀式“を自動化したとしても魔法陣に魔力を込めだすタイミングは、必ず人の手で行わないとうまく作動しないようにできている魔法陣だったし、邪神教の奴らは魔道具でこの洞窟を監視しているだろうから、“儀式“が始まったと分かったら必ずこの洞窟のどこかに転移の魔道具でやってくるはず。

 神々に頼らない魔法陣は、リトス教の魔法陣のように“神器“でサポートされてないから魔力の流れを制御するのは難しいと思うし、魔力はじっくり適量を注がなければうまく魔法陣は起動しない、その役割をしていたのが“歌い手“と魔法陣の横に設置されていた“神器“だから・・・・・( ;´Д`)

 だから、まだ少し猶予がある、はず・・・それに、最深部にはやたら広い広間がおもで、一つだけやたら小さい小部屋があるから、そこがアイツらの出入り口になってるはず、多分そこには転移用の魔法陣が設置されているだろうから、そこを監視してたら奴らの動きも読めるはず・・・(*´-`))


 と、予想外の改造が加えられていた魔法陣を見て、内心焦りつつも自分に言い聞かせるように、端的に説明を終え、今しなければならない事を伝えると、スタフお兄様達は一旦、魔法陣の考察をやめて、先にすべき事に目を向けた。ガイアスさんは説明の大半を理解できてはいなさそうだったが、今最短でやるべき事が定まった事は理解できたのか、僕が作ったこの巣の地図を自主的に広げ、最深部への最短ルートを書き込み始めた・・・


ガイアスさん「これが最深部への最短の道だが、ここに行くまでの間にいる魔物達をどうするかが今最大の難問だな・・・」


「そうですね。一直線に駆け抜ける事は簡単なのですが、横道や小部屋からなど次々魔物達が出てきたりするとかなり面倒ではありますね」


(本当、横道や小部屋から次々出てきて波状攻撃とか、何の嫌がらせ?( ´ ▽ ` )って感じになるのは避けたいな、今回の依頼は魔法禁止だからな、物理一択でするにも力加減も大変だし・・・(*´Д`*)そもそもこんな狭い洞窟内で、僕の魔法なんて使った日には、大変な事になるしな・・・( ̄▽ ̄)・・・どうしたもんか・・・)


 と考えていると・・・・


ガイアスさん「なぁ、アトリー坊、その“勇者召喚の儀式“ってのはアトリー坊か王族しか知っちゃいけない事なんだろ?それなら、最深部まで“洞窟隊“全員が行かなくてもいいんじゃねぇか?軍人は任務中の守秘義務?って奴で縛る事ができるけどよ、冒険者達はそんなものない、だから“洞窟隊“全体で地下3階に突入して強行突破して、その際に各階の地下に続く階段前に冒険者の2パーティーと軍の2小隊?を残し、足止めしてもらって、最深部の地下5階にある大空洞にはアトリー坊のパーティーと殿下方2人にその護衛、儀式の阻止に専念。俺のパーティーと他の軍人達がその大空洞にいるの魔物を相手する。ってのはどうだ?もちろん俺のパーティーメンバーには他言無用の誓いをさせる。・・・でもまぁ、隊全体が突入する為にはあの狭い階段をどうにかしなきゃならんがな・・・」


スタフお兄様「ふむ、その考え自体は悪くない、むしろそれなら、秘密保持も容易でいい案だ。だが、其方がさっき言ったように下に降りる階段が問題だ、大人数が素早く移動できないのでは意味がない・・・」


 ガイアスさんの提案は凄く理に叶ってはいるが、ただ1つ障害となる問題がある、それさえ解決できればと、腕を組んで唸って悩んでいる大人達に僕は・・・


「なら、魔法で階段を拡張したらいいじゃないですか?」


 と聞くと、


スタフお兄様「アトリー君、それはちょっと時間がかかりすぎるんだよ、それにかなりの人数の土属性を扱える者達が必要だ」


 と言うので、僕は不思議に思いながらこう言った。


「え?何故、土魔法を扱える方だけなんですか?“時空間魔法“、もっと言えば“空間魔法“が得意な方が居られればそう時間はかからないと思いますが・・・あ!もしかして、“時空間魔法“をお持ちの方が“洞窟隊“の人員の中に居られないからできないのでしたら、僕が階段の拡張をしましょうか?僕なら“収納スキル“も持ってますから、すぐにできますよ♪」


「「「「うん???」」」」


(そう言えば“時空間魔法“を授かる人ってかなり少ないんだった、今回の“掃討作戦“の人員の中に1人いればいい方って事もあるよね!( ^∀^))


 いまいち言っている事が理解できていない大人達を置いて、僕は1人でそう思いながら納得顔で頷いていた。この時ソルが後ろで深いため息を吐きながら頭に手を置いてたことを僕は気づかなかった。


スタフお兄様「??アトリー君?ちょっと良いかな?何故、“時空間魔法“の使い手で洞窟の階段を拡張できると思ったのかな?」


「ん?え、あ、いや、“空間魔法“ならその場にある物を自在に“空間ごと切り取る事“ができますから、崩れやすい洞窟内の壁を刺激せずに、階段状に洞窟の壁を地中内の岩諸共“切り取って“収納に入れて仕舞えば、土魔法で硬い岩を一生懸命削るように形を変える必要も、階段を形成するに当たって問題になる、広げた分だけ出てくる余った大量の土や岩などの後処理を気にせず、より短時間で階段ができますよ」


「「「「“空間魔法で切り取る“??」」」」


「んっんっ??あれ?僕、変な事言ったかな??」


天華『アトリー、この世界の人達は正確に“時空間魔法“の使い方を知らないのですよ。なので貴方が言った“空間を切り取る“と言う言葉の意味が分からないのです』


「えっ・・・」


 スタフお兄様に説明を求められて、“時空間魔法“便利さを説明した僕だったが、大人達の反応を見ていると、いまいち話しが噛み合わないと思い始めていたら、いま、天華の説明を聞いてやっと勘違いに気づいた。

 それまでは大人達が“空間魔法“をちゃんと理解していると思っていた、何故なら瞬間移動魔法や転移の魔法陣が刻まれた魔道具があって、それを当然のごとく話していたし、利用していたから、大人達は僕の提案の内容を理解できていると勝手に思い込んでいた。


(ど、どうしよう、そうなると説明が難しいなぁ、あの反応を見る限り“空間に作用する魔法“と説明しても意味を理解してくれなさそうだし、僕もうまく説明できる自信はないから、凄く簡単に説明するしかないか?)


天華『まぁ、その方がいいでしょう。ですがどう説明するつもりです?』


 どう説明すればいいか戸惑った僕は、もうこの場での詳しい説明は諦めて、目で見て分かるだけの“空間魔法“の事象だけをまとめて、簡単に説明することを選んだ。そう決めて、天華と相談しながら話を進めた。


(うーん、魔法名の“次元切断ディメンションカット“はあらゆる空間、次元を魔法の対象にすることで、魔法発動者の定めた範囲を空間ごと切断する事ができるってのが本来の魔法の詳細だと思うんだけど、今回は魔法発動者の思い描いた場所を一瞬で切り取る事ができる魔法とでも説明するのはどうかな?)


天華『うーん、かなり内容を簡潔に要約しましたね。でも今は時間も惜しいですから、それぐらいの説明でいいでしょう』


(よし、許可も出たし、早く説明して話を先に進めないとね!( ^∀^))


 と、意外と簡単に天華との話しがまとまったので、僕は急いで大人達にそう説明した。すると、スタフお兄様は少し納得がいってなさそうな表情をしていたけど、今は何よりも早く最深部へ行かなければならない状況なので、それ以上の説明は求められなかった。その後は話しがサクサクと進み、最深部への“特攻作戦“はガイアスさんの案を殆どそのまま採用する事になった。作戦の会議が終了すると、すぐさま大人達は自分のやるべき事の為に動き出したのであった・・・・

















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