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間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜  作者: 舞桜
第4章 少年期〜青年期 学園3学年編
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46話 初めてのお泊まり冒険者活動14


 はい、どうも、僕です。


 先程、騒ぎを起こした若い軍将校がスタフお兄様の指示で“上位者への不遜な態度違反“(この場合、総司令官であるスタフお兄様の許可無く意見を言った事)と、“職務怠慢“で軍議にかけられる事となった、基本的に軍内では貴族の身分で上下関係を決めない事になっているので、その一個人として軍の議会で罪の処罰が決まる。

 また、この若い軍将校の婚約話を貴族らしく政略結婚として勝手に進めていた伯爵家は、国の国防を担う高官の婚約を国に申請しないまま無断で行おうとした罪と、国家機密情報保護法違反未遂の罪で国王に報告され、貴族議会にかけられて国の法律に従い処罰される。その処罰が決まるまで若い軍将校は、これ以上重要な“掃討作戦“に参加させることはできないと判断されて、作戦が終わって王都に戻るまで拘束される事になった。


 そして、彼の任務であった村の防衛警備の指揮を引き継いだ副官が入れ替わるように、この会議用テントに入ってきた。(ついでに言うと、若い軍将校の“職務怠慢“の罪に問われた理由は、後に入ってきた副官が僕に関しての通達をちゃんと知っていたので、その上官に当たるの若い軍将校が通達ミスで聞いてなかったかも知れないと言う話は、普通にありえないと言うことで、通達をちゃんと聞いてなかった若い軍将校の“職務怠慢“として軍議にかける罪が追加されたのだった・・・)


 そして、“掃討作戦“の会議は再開されて、もう一度明日の作戦の段取りや配置を確認し、その日の会議は終了した。会議が再開された当初、王族2人と総元帥が、僕が“全情報開示スキル“を使った時に淡く光った瞳を見て、僕が神力を使ったのがすぐに気付いたらしい、その事について何か聞きたそうにしていたが、僕が“現人神“で神力を使えると知らない人達がいる手前、何かを聞いてくることはなかった。

 他の人達も色々と疑問に思った事があったのか、何か聞きた気だったが、僕が口にした“神々の愛し子を舐めるなよ“と言う言葉によって、自分達が気軽に追求することができないと判断したのか、スタフお兄様達同様、何か聞いてくる事は無かった。

 その後、僕は特に話す事はなく、ただ他の人達の話を聞くだけとなったので、小さな姿になったジュールを膝に乗っけて撫でまわしているうちに会議が終了してしまったのだった・・・


 会議が終了し、テントを出ようとした時にスタフお兄様から呼び止められたので、流石に先程の説明もなしに退場するのは無理かと判断し、僕とソル、ジュール達は仕方なくテントに残ることになった。


スタフお兄様「すまないアトリー君、先程の“山に流れる力“について詳しく説明してくれないだろうか?」


 と、スタフお兄様は呼び止めた僕を先程まで自分が座っていた上座、議長席に僕を座らせて、お茶で一息ついた後に頭を下げながら言ってきたのだった。テント内にはスタフお兄様とロズ殿下、総元帥の3名しかおらず、その3名が上座に座った僕に対して頭を下げながら先程のお願いをしている最中で、ソルは相変わらず僕の斜め後ろに無言で立っているし、ジュール達は僕を囲むようにこれまた無言のまま座っている、なかなかシュールな状況だったりする。そんな中、僕は出されたお茶を再び一口飲んで、口を開いた。


「スタフお兄様達、顔を上げてください。説明はちゃんとしますから」


 と言うと、ゆっくり顔を上げたスタフお兄様達、僕はいつも通りアルカイックスマイルでニコリと微笑み、先程の事を軽く説明する。


「まず、先程の“山に流れる力“と言うのはですね。この世界全体を巡る“自然の力“のことです。その力はあらゆる所に存在し常に流れを成して動いているもの、この“自然の力“とはこの星全ての場所を巡ることで自然が保たれて思ってください。そして、その“自然の力“の流れを正しく管理維持する役割をしているのが精霊達です」


「「「えっ!!?」」」


 精霊の話が急に出てきて驚いた顔をする3人、その驚いている3人の顔を見ながら僕はまた話を続ける。


「その精霊達が神々の指示で“自然の力“が多く流れている場所で“迷宮・ダンジョン“を創り出し、過剰に流れてくる“自然の力“をそのダンジョンの全体の維持や、魔物を作り出し、得られるドロップアイテムなど生産し僕達人間に分け与える事で調整しているのです」


「「「はぁ?」」」


「そして、ここからが本題です。そのような重要な“自然の力“が不自然に乱れているとなれば、それがどう言う意味をなすのか…、ここまで言えばお分かりになられますよね?」


「「「それで・・・」」」


「そう言う事です。それに、僕には精霊達が見えてます、なのでこの周辺の“自然の力“やダンジョンを管理している精霊達の様子がおかしいのも見てきてましたので、スタフお兄様が仰った洞窟内にダンジョンができているかもしれないと言った説を聞いてすぐに納得が行きました。それと言っておきますが僕の瞳が特別な力を持っているのは事実です。人物や物の詳細を見ることができる“鑑定スキル“や、精霊や魔力、その他にも呪詛の痕跡や人の強い思念など見たいものを切り替えられる“真眼スキル“に、神力を使って強化すると、さらに“見えるもの“が広がるので“自然の力“の流れや、先程の若い軍将校の内心やそれに関係がある人物の思惑まで見る事ができたんですよ」


「「「・・・・・」」」


 自分達の聞いた事が無いスキルの性能や神力でできる事の幅の広さに唖然とする3人、驚きすぎて何も言えなくなっていた。


(まぁ、神力を瞳に纏わせるやり方だったらまた別のものが見えるんだけど、まぁ、そこは秘密だしな、それは今は置いておこう( ̄▽ ̄))


 驚きすぎて長い沈黙の後、やっと脳内の情報整理が追いついたのか、正気に戻ったスタフお兄様が自分が気になった事を色々と聞いてきた。


 通常のダンジョンの氾濫も予知できるのか?それと人為的なダンジョンの氾濫との違いは分かるのか?“自然の力“が多く流れてくる地形の特徴などあるのか?など色々質問攻めにあったのだが、その質問に答えれる範囲で答えて言った。


 1、通常のダンジョンの氾濫は予知できるのか?

   A、予知できる。自然の摂理として、スタフお兄様が言った前兆現象が少なからずある、例えるなら火山の噴火の前兆となる火山性地震や山体膨張などの前兆現象のように、ダンジョン周辺で野生生物や魔物などの異常行動が観測される。それはダンジョンから異常な“自然の力“の蓄積を感じとり、本能で危険を察知して逃げ出したりする。その“自然の力“の蓄積具合でいつ氾濫が起こるかを予想することは可能。


 2、通常の氾濫と人為的な氾濫の違いは存在するのか?

   A、どちらとも言えない。正確には氾濫を起こさせる手段による。何かしらの方法で“自然の力“の流れを乱した場合、“自然の力“の流れを“見れ“ばすぐに気づくが、通常の氾濫のように長期間ダンジョン内の魔物を狩らずに意図的に放置した場合では、“自然の力“の流れだけを“見て“判断するのは難しい。


 3、“自然の力“が多く流れてくるの事に地形は関係あるのか?

   A、地形はあまり関係ない。何故なら“自然の力“は全ての物質を透過するので、地形によって力がその場に溜まり続ける事がない。ただ、“自然の力“の流れの強さによって逆に地形が変わる。そう言う歪みを発生させない為にダンジョンができる事がある。ダンジョンは基本的に神々の要望で作られる事が多いので、精霊達が既存の“自然の力“の流れを調節して作り上げているので、その調整の過程でできるダンジョンもある・・・要は調節に失敗した場所などがそれにあたる・・・・


 と、答えれる範囲で答えたら、初耳の事ばかりのようで少々3人は混乱気味だ。


「まぁ、今回の氾濫は新しく出来ていたダンジョンを意図的に隠し、放置したことで起きた氾濫なので、魔道具などを使った人の手が入っている事で“人為的な氾濫“と判断できましたが、何かしらの方法で“自然の力“の流れを乱した場合の氾濫は力の蓄積期間を設けたりする必要がないため、即効性があるが“氾濫“している期間は長引いたりしないのが特徴でもありますね・・・」


(まぁ、“自然エネルギー“が大して溜まってない状態で無理やり氾濫を起こしても、長続きしないのは当たり前だよね( ´∀`)出てくる魔物の強さはダンジョンのランク次第だけど・・・あの山に出来ているダンジョンは出てきてる魔物が、ゴブリンとアーミアント系が主みたいだから、そんなに難易度は高くなさそうなダンジョンだな、それにあの魔物の数の食料を今まで賄っていたって事は、食材が多く出てくるタイプか?洞窟内に蔓延った魔物を一掃し終わったら、ダンジョンの入り口を探してみるか( ̄∀ ̄))


 そんな事を考えている最中にも3人はいまだに固まったまま、次々判明した事実を受け入れるのに必死だった。


スタフお兄様「・・・あ、アトリー君、もう一つ聞きたいのだが、その“人為的“に起こす事ができる氾濫の“何かしらの方法で“と言っていた、その何かしらとはどのような手段があるのかな?話を聞く限り、“自然の力“は人の手では影響を与える事ができそうにないのだが・・・」


(お、そこにちゃんと気づいたんだ、凄いねスタフお兄様d( ̄  ̄))


 今回も一早く正気に戻ったスタフお兄様が今の話の中で気づいた矛盾を僕にぶつけてきた。


「そうですね。“人“の手では無理な話です。ただ、この“自然の力“を直接扱う事のできる存在がいます。その存在にお願いする事ができればやれなくは無いと言ったところでしょうか・・・」


「「「あ!」」」


スタフお兄様「精霊か!」


 僕の分かりやすいヒントですぐに答えにたどり着いた3人は思わず声が出ていた。そんな3人にご褒美とばかりに答え合わせすると同時に、この方法には難関が存在する事も説明した。


「そう、ダンジョンを創り出し、管理維持している精霊達です。彼らに頼むことができれば“意図的“に氾濫を起こす事ができます。まぁ、でもそれを頼んでも実行してくれるかは、かなりの確率の低い賭けのようなものですけどね」


総元帥「発言、宜しいでしょうか?」


「どうぞ?」


総元帥「では失礼して、この場合エルフ種が頼むのでしたら容易いのでは無いですか?」


 僕の答えから、すぐに実行できる種族を上げてきた総元帥だが、全然精霊に対しての知識が足りてないようだった。


「クシフォス総元帥、あなたは自分が苦労して作り上げたものを自らの手で壊せと頼まれて、それを素直に実行するのですか?それに、精霊に頼み事をする事ができるのはエルフ種だけではありませんよ。僕みたいに生まれつき精霊を見る事ができる人種が少なからずいますから、見て言葉を交わす事ができれば精霊に力を借りる事ができます」


「「「えっ!?」」」


総元帥「エ、エルフ種以外でも精霊を見る事ができるのですか!?」


スタフお兄様「人族でも精霊魔法が使えるのかい!?」


「は、はい」


 僕の発言でそれぞれの驚きを示し、前のめり気味に聞いてくる、そんな2人に僕はちょっと引き気味に頷いて肯定した。


「ど、どちらも可能ですよ・・・」


 その後も根掘り葉掘り聞かれたが、早くテントを立てに行きたかったので、それ以上の問答はまたの機会にと言い、会議用テントから逃げ出すように出た。


 そして、急いで冒険者達がテントを立てているエリアまで行くと、イネオス達が他の冒険者達がテントを立てている様子を見学しているのが目に入り、そちらに駆け寄って行った。


「イネオス達、待たせてごめんね、ちょっと呼び止められちゃって・・・って、まだテントを組み立てる人がいたんだ」


 会議でかなり時間を取られていたので、他の冒険者達はすでにテントを立ててくつろいでいる所だろうと思っていたのだが、思いの外まだテントを組み立ている最中の人達が多くて不思議に思っていると。


イネオス「お疲れ様です、アトリー様。これはテントの組み立ての前にテントを立てる場所の取り合いで揉めてたんです。ですが、さっきやっと、その揉め事がおさまったので今から皆さん立てているんですよ」


「へぇ、そうなんだ、立てる場所で、何か意味あるの?」


へティ「そうですね、皆さんが仰っていたのは、冒険者ギルドのテントの近くでしたら、ギルドが持ってきた結界魔道具の効果範囲に入って、魔物に襲われる可能性がなくなるから、夜警で楽ができると仰ってらして、他にも女性達だけのテントを集めた場所も作ろうと言う話にもなってました」


「それで色々揉めてたんだ・・・で、今はギルドのテントの周囲に女性達だけのテントが立ち並んでるのは、話し合い?の結果でそうなったのかな?」


 魔法で整備された土の道のすぐそばに、冒険者ギルドの職員が建てた簡易冒険者ギルド王都支部となる大きなテントの周辺、半径20メートルほどの中にはギルド職員のテントや馬車以外は全て女性冒険者達のテントで埋め尽くされていた。


へティ「いいえ、会議が終了して、先にこちらにお戻りになられたギルマスの決定でこうなりましたわ。それまではどなたもご自分の意見をお譲りになられませんでしたので、ギルマスが同行してきた女性ギルド職員をお気遣いになって、ギルドテントの周囲は女性限定でテントを立てる事を許すと、その場ですぐにお決めになられたんです」


(おぉ、僕達がスタフお兄様に引き留められているうちにギルマスが解決していたみたいだな。しかし、ギルマスの即断即決かぁ見たかったなぁ~(*´Д`*)まぁ、ギルドの職員の中には王都育ちで魔物に会ったことも戦った事もない一般の女性もいるから、屈強でゴツい男性の冒険者達のテントに囲まれるのは流石に可哀想だもんね(*´ー`*))


 とか思っているうちにテントは次々たっていくのだった・・・・・



















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― 新着の感想 ―
神力を使って強化 の文章ですが 神力は、結婚式の場に居た王族・親族だけの秘密 軍部やギルマスの居る場で回答して良いものなんですか? 神力使ってと言ってる時点で秘密じゃなくなってる
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