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間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜  作者: 舞桜
第4章 少年期〜青年期 学園3学年編
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30話 情報の開示は慎重に・・・


 どうも、僕です。今、ちょーっと面倒くさい事が発覚しました。


ジュール『それは良いんだけど、これ、どうするの?この契約書、書き直せるの?無理じゃない?』


 と、1番の問題に気づいた・・・・


(・・・うん、無理だな、これ、書き直すってなったら、この人数の署名全部、1から本人に書き直して貰わなきゃならないよ(*´-`)・・・すでにこの家から出て家に帰って行った人達もいるしな、今すぐには無理、絶対無理、無理ゲーですわWW( ´ ▽ ` ))


 大司教様から手渡された“魔法契約書“の契約内容をジュール達とよく読んだ結果、この契約内容では話せない内容が盛り込まれているため、契約を結ぶ事ができないと判断された、なのでこの“魔法契約書“は破棄するしか無くなるのだが、契約内容を1から考え直し、新たな紙に書き変えた場合、契約を結ぶ相手本人から再び、署名して貰わねばならない事が発覚した。

 だが、すでにデューキス家の屋敷から自宅へと帰って行った人達も多くいて、再び“魔法契約書“に署名を求める場合、かなりの時間が掛かることが想定される、でも、これを提示してきた大人達は今すぐにでも僕から詳細な話を聞きたいらしく、僕がこの“魔法契約書“に署名をするのを待ち侘びているようだ。


(わぁ、全員がこっちを見てる~~、でも、この契約書にはサインできないんだよねぇ、秘匿事項が多すぎて教えることができないだもんWW( ´ ▽ ` )さて、どう言い出したら良いもんか・・・)


 うーん、と考え込んでいる僕に心配したのか沈黙に耐えきれなくなったのか、大司教様がおずおずと話しかけてきた。


大司教「ど、どこか、不備がありましたでしょうか?・・・」


「ん、あ、すみません、不備があったかと言われると、微妙なんですが、この契約内容だと僕は署名することができません」


「「「「「えっ!?」」」」」


大司教「な、何故でございましょう!?」


 うちの家族以外の大人達が面白いぐらい同じような驚き方をして、大司教様が理由を尋ねると王族全員が少し前のめりに注目し出した。


「この、こちらの項目、“神力“に関しての詳しい説明、と言う一文、こちらが神々から秘匿事項として扱われていますので、僕からは“神力“に関しての詳しい説明はできません。また、あなた方が、事前に両親から知らされた僕の“神力“の発現はかなり特殊だったため、説明しても僕と同じように“現人神“至ることはできないと神々は判断されました。なので、そちらについては秘匿事項には当たらないので心配なさらないでください。一応その事で付け加えさせていただくと、僕の“神力“発現方法を試しても万に一つも成功する見込みはありませんので、試す価値はないとだけ言っておきます。まぁ、そもそも“試す“ことができるかは甚だ疑問ではありますが・・・

 それと、今の時点で大方の情報共有はされているんでしょうが、このような“魔法契約書”は本人に事前に内容のすり合わせをしていただきたかったですね。話す内容を決めるのは僕なのですから・・・」


「「「「「っ!」」」」」


 契約内容の件で少し目を細め、棘のある言い方をすると、父様やシベラスおじ様達が呆れた様子で向かい側に座っている王族達を見ていて、その王族達は僕の視線に少し怯んだかのような様子を見せ、気まずそうに顔を顰めた。契約書を持ってきた大司教様はハッとした表情の後、凄く納得したように頷いた、その後は反省したのか、僕の斜め後ろに移動し静かに控え、今からのやり取りを静観する体制に入った。


(あー、これは父様達が事前に止めたのに、サフィアスおじ様達が勝手に内容を決めたんだあろうなぁ~、大司教様とか他の親戚達はその話し合いが終わってから、その“魔法契約書“を見せられて素直に従っただけって感じか?だいたい、本人の了承も得ず話す内容を勝手に決めて“魔法契約書“に記入すること自体がおかしいんだよ。契約書の内容がどう見ても“現人神“なる方法を詳しく知りたがってる内容だし、要求があからさますぎるんだよねぇ、僕だったら快く教えてくれるとでも思ってたのかな?( ̄▽ ̄))


「そもそもの話、僕が“現人神“に普通になる方法を教えたとして、そう簡単に“現人神“になれはしませんけどね・・・」


 僕がそう言うと、“現人神“になれるかもしれないと、少し期待していたであろう人達が目を泳がせ僕から視線を逸らした。僕はそんな人達に冷ややかな視線を送り呆れていると。


天華:『そうですよ。“現人神“とは自発的になろうと思ってなるものではありませんからね。それに、この“魔法契約書“の件に関しても、本人の意を無視した情報提供などあってはならない事です。これからする話の内容は教会などの歴史書などに記されている内容と、そう大して違わない内容なのですよ。なので“魔法契約書“を用いてまで秘匿するものではありません。ですが、アトリーが“現人神“になった事を公にしたくはないので、そう言った意味で“魔法契約書“を交わすのは良い考えだと思ってはいます。だからと言って、アトリーを契約に組み込むことは許可できません。…と、言うことで、この“魔法契約書”は破棄させて頂きます』ボッ!


「「「「「あっ!?」」」」」「「「「「おぉ!!」」」」」


 そう言った瞬間、天華はふわっと宙に浮かんだと思ったら、一瞬で僕の持っていた“魔法契約書“をチリも残らないように燃やし尽くした。


(あぁ、燃やしちゃった・・・(*´Д`*))


 元々、契約書にサインする気はなかったけど、燃やそうとも思ってなかった僕は、この契約書の紙高いのにと、庶民的な感覚で思ってると・・・


天華『これで良いんですよ、こうして燃やしとけば、もう2度と自分達の都合の良い“魔法契約書“を作ろうなんて思わないでしょう。それにしっかり処分をしておかないとご家族に迷惑がかかるかもしれませんからね』


(あ、まぁ、それはそうか、記入済みで契約不可になった“魔法契約書“は悪用される恐れがあるから、結局燃やすんだった・・・)


 天華に再発防止と不正利用の懸念潰しの為だと言われて、凄く納得した。そんな念話をしていると天華の次は夜月が少し前に出て、威厳たっぷりの声でサフィアスおじ様達、王族勢にこう告げた。


夜月:『そもそも、“現人神“であるアトリーを其方達、人間の契約で縛ろうなど不遜が過ぎる。アトリーが其方達と血縁関係であり、身分にこだわる事がなく気安いからと言って、其方達が侮って気安く接して良いとは限らないのだ。これは血縁であろうとなかろうと、“現人神“となった者に敬意を払えないのなら、今後の付き合いを考え直さなければならないな・・・』


「「「「「うっ!」」」」」 「そ、それは・・・」


 天華と夜月の言葉にマズいと思ったのか焦り出すサフィアスおじ様達大人の王族達、そんな大人達のあせりに気づいてないのか第3王子のロズ殿下が怪訝そうな顔でこう呟いたのだ・・・


ロズ殿下「そこまで言ってるが、本当に“現人神“なのか分からないではないか、こっちは明確な証拠を見せてもらってはないのだぞ?それに“魔法契約書“の件だって、我々はそんな決まりなど知らなかったのだ、そこまで言われる謂れはないと思うが・・・」ぶつぶつっ


 と、愚痴るように小さな声で呟いたつもりなのだろうが、室内は夜月達の言葉で緊張状態となっていてとても静かだったので、その呟きは会議室内の全員の耳にまで届いていた。そんな中、僕が“現人神化“したことを伝え聞いただけの人達はロズ殿下の言葉に少し共感するそぶりを見せたり、何ってんだコイツと言った視線を向けたりしている人達の2パターンの反応が見てとれた。


(あー、ロズ殿下の事は置いといて、確かに、僕が“現人神“である明確な証拠を見せた訳じゃないな、うちの家族や王族の人達の証言だけで、それを完全に信じるのは無理っちゃ無理か・・・でもさ、ロズ殿下は目の前で僕が“神力“を纏っていたのは見ていたはずなんだけどなぁ?彼は僕の“神力“が以前と違ったことがわからなかったのか?(・・?))


 まだ、未熟な未成年と言っても神官家系の王族なので、そこら辺は敏感に感知できるのではなかったのか?と不思議に思った僕は、サフィアスおじ様やロブル大叔父様、他2人の王子達にチラッと視線をやると、我が目を疑ってるような驚きの目でロズ殿下を見ている面々。


ジュール『脳筋だから、細かいところを気にしてなさそう・・・』


天華『それか、彼は信仰心が薄いか、神官家系と言っても信仰心がなければ神々の力を感じる素養は失われていくものですからね』


(んー、信仰心が薄いのか、ただ、ロズ殿下が鈍いのか・・・反応に困るなぁ・・・(*´ー`*))


夜月『以前の騒動で再教育されたはずなのに、全く効果が無かったようだな・・・』


雪花『知識を詰め込んだとしてもちゃんと理解できる頭じゃなかったんじゃないですか?』


春雷『“神力“は感じ取れてはいたようですから、本当に違いが分からないだけの感覚の鈍いお馬鹿さんなのでしょう』


 ジュールや天華の推測を聞いて、今のロズ殿下の言葉にどう反応したら良いものかと悩んでいると、夜月や雪花達精霊組がロズ殿下のことをメッタメタにこき下ろしているのを聞いて、強く否定できないなぁと思ってしまった僕だった・・・


 そんな、念話を交わしている間に、僕の近くにいた大司教様が何故かロズ殿下の言葉に身を震わせるほど静かに怒っていた。すると・・・


大司教「第3王子殿下、貴方と言う方は・・・・っ、アメトリン様!不躾なお願いでございますが、今一度、貴方様の“神力“を纏ったお姿を我々に見せてはいただけませんでしょうか!」


 “アイツに、見せつけてやってくださいよ!“と言う熱気を感じる勢いで、前のめり気味にお願いしてきた。


(お、おう?相変わらず信仰心が熱いね?大司教様、・・・ん?これは僕にもう一回“神力解放“をして欲しいってことかな??Σ('◉⌓◉’))


天華『そうですね。した方が良いかもしれません』


(そう?・・・うーん、この際ロズ殿下に“神力“の違いが分かるかは別として、今から“神力解放“をこの場の人達にして見せることは、僕が“現人神“になった事実を証明すると言う意味では、した方が良いと言うことかな?( ´ ▽ ` ))


天華『そうです。他の方々もこの国の貴族なのですから、“神力“の質の違いなどは理解できなくとも、“神力“と魔力の差は理解できるでしょうからね』


(うん、よし、分かった!やるよ!( ^∀^))


 と、天華が大司教様の意見に賛成する意味を確認し、僕もその意見のメリットを理解した上で“神力解放“をしてみせる事に決めた。


(・・・やると決めたのは良いんだけど、“神力解放“の出力はどのぐらいが妥当なんでしょうか?(・・?))


 そう聞くと天華達の返答は“淡く身体全体が光るぐらい“が妥当だと、返答があり、僕はそれを実行すべく、目を閉じて静かに集中した・・・


 ・・・ふぉん、体内にある“神創機関“を意識し、地球世界から直接自分に流れてくる自然エネルギーを“神力“へと変換していく、新たに生まれる“神力“が体内に満ちていき、意図的に体外にも溢れさせ全身を覆うように纏った。足先から頭のてっぺんの隅々まで“神力“で満たされ、全身が光に包まれのを感じた時、ゆっくりと瞼を開けた。


 すぅ・・・


「これで、良いかな?」


「「「「「「「っ!?」」」」」」」


大司教「す、素晴らしい!」


 目を開けた僕の眼差しに息を飲み固まる人達、そんな人達をよそに大司教様は歓喜に震えながら跪き僕に向かって祈りを捧げ出した。


大司教「おぉ、新たなる“現人神“の誕生に立ち会えるとは、リトス教の歴史の中でも初めてのことです!そんな歴史的瞬間に立ち会えたことを主神様に感謝申しあげます!また、アメトリン様、私の我儘に答えていただき感謝申し上げます!」ガバッ!ゴツッ!


「あ、あぁ、はい・・・と、言うか、そこまでしなくても・・・」


 そう言って、ついに床に頭がつくほど本格的に祈り出した大司教様に僕はドン引きしていたが、僕のこの姿にいまだにフリーズから復帰しない人達は呆然と僕を見つめていた。両親や兄妹達まで呆然としている中、やっと最初に口を開いたのはアウイナおば様だった・・・


アウイナおば様「ほ、本当にアトリーが“現人神“だったなんて・・・・」


 そう言ったおば様は事前に両親達から話を聞いていたはずだが、やはり自分の目で見てみない事には、事実とは受け止められなかったんだろう、ぽろっと口から出た本心であろう言葉でそう感じた僕は、アウイナおば様に向かって、笑顔で返した。


(ま、自分の目で見ないと簡単には理解できないだろうからね、仕方ないよね・・・)ニコッ


アウイナおば様「っ・・・」


 笑いかけられたアウイナおば様や、僕の笑顔をみた他の人達は一瞬にして“かぁっ“と顔を赤く染め、さらに食い入るように僕をみてきた・・・


 この時、会議室内の人達はアトリーが纏った“神力“の神々しさに圧倒されていたと同時に、“神力“の淡く光るオーラを纏ったアトリーの美しさにも見惚れて言葉を失っていたのだった。ここ最近は体も成長し少し男の子らしい特徴が出てきたとはいえ、元来の中性的な美しさも損なう事なく成長してきていたアトリーに、“神力“がもたらした変化がさらにアトリーの中性的な美しさに磨きをかけていた。


 美しい白銀の髪はキラキラと光り、元々色白で滑らかな肌は淡く光るオーラのおかげで、さらに現実味のない陶器のような滑らかさと白さに魅せて、そのまだ幼さを残す美しい中性的な顔立ちに妖艶さが追加された。トドメは珍しい色合いの瞳がさらに色鮮やかさを増し、全てを見透かすような人々を惹きつける力が加わって、誰もが目を離せない魅力があった・・・そして、全身を包むオーラには神々しい畏怖を感じる効果があるのか、魅了されても近づくことが許されない、そんなもどかしい心境にさせるのだった・・・


 そうして、結局、この変化に全員がどう反応したら良いのか分からず、ただ呆然と魅入るだけの状況が数分続いた・・・


(ところで、僕はいつまで“神力”出してれば良いんだろう???(・・?))


 と、大人達の心境に全く気付いてない僕はそんな事を思っているだけだった・・・・


















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