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13話 帰宅と名前


 神殿を出て馬車に乗って屋敷に帰っている途中、馬車内で私は鼻歌を歌いながら神獣、いや聖獣達と念話で会話しながら 3匹を撫で回していた


「♪~♫~♩~♪~」


小竜『ご機嫌ですね主人様』


(そうだねぇ~久しぶりに神様達に会えたのもあるけど 君達が来た事と大事な人達が皆んな一緒にいられるのが嬉しいなぁって思っていたんだよ)


子犬『皆んな?』


(そうだよ子犬ちゃん君達も含めて 皆んなね)


子犬『わ~い私達も一緒~♪あ、そうだ ご主人様 私 子犬じゃ無いですよ、狼です、種族はジェムフェンリルです♪』


(え!、そうだったの⁉︎ごめんね子狼ちゃん、でもジェムフェンリル?初めて聞くね)


子狼『あ、それは主神様が新しく創った種族ですから ジェムフェンリルは私 以外いないですよ!』


(え、新種を創るなんていいのかな?)


子虎?『私達 全員 新種だ、主人殿』


「えぇ、3匹共⁉︎」(そ、それ本当に大丈夫かな?生態系的に・・・でも神獣だから良いのかな?)


父様「どうしたんだい アトリー先程から黙っていたと思ったら急に驚いたりして」


 どうやら驚きの声が実際に出ていたようだ。


「あ、すいません父様、今 し、んんっ、聖獣の皆んなが自分達は新種だって言ったから驚いてしまって・・・」


父様「!、…聖獣様達がご自分で仰っているのかい? アトリーは聖獣様達と会話ができるのかな?」


(ん?、あれ?会話できるって言って・・・無いね!言うの忘れてた!)


「は、はい、聖獣達と念話?で会話しています」


父様「やはり先程の声は聞き間違いではなかったんだな、では聖獣様達は私達の話している事がお分かりになってるんだね?」


小竜:『ちゃんと理解していますよ“主人様(あるじ様)”のお父君、お母君 そして初めまして 私達はあなた方のご子息のアメトリン様に神々からの贈り物として 授けられた聖獣です、この事はあなた方が“主人様“のご両親だからお話ししました、なので他言無用でお願いします、後 基本的には“主人様“以外とは念話をするつもりはありませんのでご了承ください』

  * 名称の後に:マーク が付いている会話が他の人達にも聴こえてます。


「他の人とは喋らないの?」


小竜:『やたらと話しかけられるのは面倒くさいので、それに“主人様“とだけ会話ができれば十分ですし、今のこの会話も“主人様“とご両親にだけに聴こえています』


 小竜は向かいに座る リアさんをチラリと見た。


父様「分かりました、念話の件はそちらにいる使用人と家族にだけは話してもよろしいでしょうか?」


小竜:『“主人様“と親しい方々でしたらいいですよ、ただ答えるかは別の話ですが』


(そっかーそれは気分次第ってこと?)


 小竜は小さく頷いた。


父様「お許しいただき 有難う御座います・・・、リア、今の会話は他言無用だ 聖獣様達はアトリーとだけ意思疎通が可能としといてくれ」


リアさん「畏まりました、決して他言致しません」


 しっかりと頷いて約束した、父様も満足そうに頷いていた。


母様「聖獣様、私達からも触れても宜しいのでしょうか?」


 と、先程から気になっていたであろう事を聞いてきた。


子狼:『“ご主人様“のご両親なら私は別にいいよ』


母様「あら?今のお声は?こちらの聖獣様のお声でしょうか?」


 母様は私の膝の上で寛いでいた子狼を見る実際にも「キャンッ」と鳴いたから分かったんだろう。


子狼:『そうだよ♪、“ご主人様“のお母様!、私は貴方なら撫でてくれても いいよっ、と』


「あっ」


ポスンッ


 子狼は軽くジャンプして母様の膝の上に移動して伏せて早く撫でてと尻尾を振っている。


母様「あらあら、宜しいのかしら?」


 母様は私を見ながら聞いてきたので、


「本人が撫でて欲しそうなんでいいのでは?、ねえ?子狼ちゃん?」


「キャンッ」


と鳴いたので母様は恐る恐る撫で始めた。


母様「まぁ、ふわふわ して気持ちいい手触りですね♪」


子狼:『“ご主人様“のお母様の撫で方 上手で気持ちいい~♪』


「良かったね♪」


母様「ふふっ有難うございます」


 そして、いつの間にか私の肩から降りて 膝の上に来ていた“子虎“が尻尾で私の頬を撫でてきたので 私は背中を撫でてあげた。


「ふふっ撫でて欲しかったの?子虎さん」


子虎:『私は“主人殿(あるじどの)“だけに撫でて貰えれば良い』


「「分かったよ、いっぱい撫でてあげる ふふっ♪」


 その後も子虎と子狼をモフりまくっていた私と母様の姿を微笑ましそうに父様とリアは見ていた、その父様の頭の上に小竜が飛んで行き着地した。


パタパタパタッ・・ポフッ


父様「おっと」


小竜:『“主人様“私も後で撫でて下さい、お屋敷に着くまではお父君の上でお待ちしていますね』


「父様の上がいいの?僕の上でもいいよ?」


小竜:『今日は御髪が綺麗に整えられている様ですので お父君の上にお邪魔させていただく事にしました』


「・・・そ、そう、 父様、すみませんがお屋敷までの間 小竜ちゃんをお願いできますか?」


父様「あ、あぁ大丈夫だよ、聖獣様に頼って頂いて光栄だよ」


 と、嬉しそうに言うから本人が いいならいいか と思い 再び子虎を撫で始めた 小竜は父様の頭上で丸くなり くつろぎ始めた。


(よかったね 小竜ちゃん、そう言えば 子狼ちゃんの種族は教えて貰ったけど小竜ちゃんと子虎さんの種族はなんて言うの?)


小竜『主人様、主人様のスキルで私達のステータスを見る事ができるので試してみては如何ですか?』


(私のスキル?・・・あぁ!そうだった私のスキル沢山あったね!その中にステータスを見る事ができるスキルがあるの?)


小竜『主人様、ステータスと心の中で唱えて下さい、そしたら主人様の目にだけ映るステータス画面が出てきますので ご確認ください』


(わ~ステータス画面なんて出てくるの?異世界転生あるあるだね!でも なんか ちょっとドキドキするなぁ)


 少し興奮しながら心の中で“ステータス“と唱えてみた。


====================


+ 名前 + アメトリン・ノブル・デューキス


+ 年齢 + 7歳    


+ 性別 + 男性 〔魂性別 女性〕


+ 種族 + 人族・・・?


+スキル+《属性魔法》

      火魔法1     水魔法1

      土魔法1     風魔法1

      氷魔法1     雷魔法1

      木魔法1     光魔法1

      闇魔法1     聖魔法1

      暗魔法1     無魔法1

      回復魔法1    時空魔法1

      生活魔法1


     《魔法スキル》

      無詠唱1


     《戦闘スキル》

      総合武術


     《支援スキル》

      探索2      追跡2

      罠2       先読3

      無心3      気配感知2

      気配遮断3    身体強化1

      魔力完全制御2


     《耐性スキル》

      精神攻撃耐性4  物理攻撃耐性2


     《技術スキル》

      釣り2      描画2

      歌唱4      礼儀作法5

      計算4      組立2

      調薬1      分析1

      抽出2      採取2

      採掘2      伐採3

      速読3      筆写2

      乗馬2      宝飾細工3

      木工細工2    紙細工5     


      開拓農耕2    家事生活6

      服飾縫製4


     《特殊スキル》

      魔力視2     特殊隠蔽10

      無限収納1    瞬間記憶3

      超回復2     全言語理解10

      情報開示1


+ 加護 + *異世界の神“月詠“の愛し子

      *異世界の神“天照“の愛し子

      主神リトスティーナの加護(偽装中 正しくは“愛し子“)*この( )の中身は本人にしか見えません


+ 称号 + *転生者

      神々の寵児(偽装中 正しくは“友人“)

      聖獣を授かりし者(偽装中 正しくは“神獣の主人“)

      


       ※ 上記の*マークは日本語表記です


====================


(ツッコミどころがいっぱいあり過ぎて、何から見れば良いのか分かんないや…)


子虎『“特殊スキル“の項目を見るといい 主人殿』


(“特殊スキル“ね・・・、 わーなんか凄いスキルがある、定番の“無限収納“だ‼︎やったー嬉しい♪)


 ステータスの項目を上から順に見ていくと“特殊スキル“の項目に憧れの“無限収納のスキル“を見つけて脳内で大はしゃぎしていた。


小竜『主人様、主人様!そこではなくて下の方です下の方!』


(はっ、ごめんなさい!嬉し過ぎてはしゃいでしまった、えーと下は、あ、これかな?“情報開示“?“鑑定“じゃなくて?)


小竜『そのスキルは“鑑定スキル“の上位互換になるスキルです、スキルレベルが上がれば上がるほど表示される項目と詳細が増えていくスキルだそうです。

それとスキルレベルが上限の10になると“全情報開示“と言うスキルに進化する様です、最終的にこの世界の情報全てを見ることができると主神様が言ってらした様ですね』


(えぇ!、そんな凄いスキルがなんで私にあるの⁉︎)


子虎『主人殿が転生する前にサイコロで当たったスキルの様だ』


(あ!、あの時の⁉︎ うーわ、なんか凄いのが当たっちゃったんだね、て、事は他の“特殊スキル“もそうなの?)


子虎『“特殊隠蔽“と“無限収納“は“おまけ“だそうだ、後“魔力視“は主人殿の生まれ持った物のようだ』


(じゃあ“情報開示“と“瞬間記憶“、“超回復“が当たった物なのかな?“全言語理解“は試しに入れたやつだからね)


小竜『主人様 後、“総合武術“が当たった物です、全部で4っつになります』


(そう言えば、4つだったね でもあの紙に書いてあったのは6つだったから、後2つは何のスキルだったんだろうね?)


小竜『それより主人様、“情報開示“のスキルを使って私達のステータス見なくていいんですか?』


(!、そうだった!これどうやって使うのかな?“情報開示“って、また心の中で唱えればいいのかな?)


小竜『はい合ってますよ、主人様』


(分かった!よし!小竜ちゃんに“情報開示“っ)


 小竜の顔の横にステータス画面が現れた。


====================


+ 名前 + ーーーーー


+ 年齢 + 0歳


+ 性別 + 雌


+ 種族 + 陽天竜【ようてんりゅう】


+スキル+ 今のレベルでは表示できません


+ 加護 + *異世界の神“天照“の愛し子


+ 称号 + *異世界の神“天照“の眷属

      アメトリン・ノブル・デューキスの守護聖獣(++++)


       ※上記の( )の中身は本人にしか見えません。

       ※ 上記の*マークは日本語表記です。


====================


(おぉ、でた!何々?・・・種族は“陽天竜“って言うのね!凄いね本当に新種だね、魔物動物図鑑に載ってない種族だ、でも さっきからずっと思ってたけど“名前“まだないの?)


小竜『はい、神々が主人様につけて貰うように と、なので主人様 私達に名前をつけて下さい♪』


(え!、私がつけるの⁉︎)


小竜『駄目ですか?』「キュルゥ」と悲しそうな鳴き声あげながら聞いてくる


(うっ・・・・可愛い!、だ、駄目じゃないよ!わ、分かったちゃんと名前 考える!)


小竜『有り難うございます♪』「キュルルゥ♪」


次は嬉しそうな鳴き声をあげてご機嫌だ。


 安請け合いした気はするが引き受けたからには真剣に考えようと思う、それぞれの特徴を観察して 決めよう!


(じゃあ次は子虎さんのステータスを見せてね)


子虎『どうぞ、主人殿』「なぁうっ」可愛い鳴き声にキュンキュンしながら。


(声 可愛い!み、見るね、子虎さんに“情報開示“っ)


====================


+ 名前 + ーーーーー


+ 年齢 + 0歳


+ 性別 + 雄


+ 種族 + 夜天虎【やてんこ】


+スキル+ 今のレベルでは表示できません


+ 加護 + *異世界の神“月詠“の愛し子


+ 称号 + *異世界の神“月詠“の眷属

      アメトリン・ノブル・デューキスの守護聖獣(++++)


       ※上記の( )の中身は本人にしか見えません。

       ※ 上記の*マークは日本語表記です。


====================


(おぉ、子虎さんは“夜天虎“って言う種族なんだね!だから毛が黒いのかな?)


子虎『主人殿、体毛が黒いのは私を創り出した“月詠様“の影響が出ている、“陽天竜“もそうだ』


(そうなんだ、?あれ?子狼ちゃんは違うよね?)


小竜『ジェムフェンリルの彼女は“リトスティーナ様“が7年前からお創りになられていましたので 急遽 創られた私達と違って精神も幼いですね』


(?、なんで急遽 創られたの?と言うことは最初は子狼ちゃんだけだったって事?)


 母様の膝の上で寝ている子狼を見た。


小竜『それは、主人様にジェムフェンリルを渡す時に“天照様“が主人様が お好きな動物は猫だと仰ってらしたのを指摘なさいまして、それに主人様が幼少期に狼の魔物に襲われたのをお気になされた“月詠様“が夜天虎をその場でお創りになられ、それを見た“天照様“がご自分も と、思われて異世界で定番の竜をと言う事で陽天竜の私をお創りになられて、主人様の元に送られたのです』


(うーん、ティーナちゃんは良かれと思ってしてくれたんだね、まぁ確かに猫が好きとは言ったね・・・、それにあの時の狼の事で気を使って貰って嬉しいけど あの時の狼と子狼ちゃんは違うんだから そんなに気にしなくても良かったんだよ? でも皆んなに会えたんだからいい事だよね♪)


 神様達が気を使ってくれたことに嬉しくなって また 一層 神獣・・・聖獣達の皆んなにいい名前を付けようと決心した。


 急にご機嫌になった私を乗せて進んでいた馬車は公爵家の屋敷にたどり着いていた、門をくぐり正面玄関に着くとそこには家族皆んなが待っていた、だが 後ろに続く王家の馬車を見て顔色が変わった。


 いつものやり取りをした後リアさんがおり 父様が降りて母様をエスコートして下ろす、最後に私が聖獣達と降りると皆んなホッとした顔をした後に 頭に“?“と出ているのが分かるぐらい 不思議そうな顔をしていた。

*聖獣達は馬車が止まると同時に私の元に集まりまた肩や膝の上に乗ってきた。


 そんな不思議な顔をしている家族をよそに 大叔父様達が馬車から降りてきて私達の方に近づいてきた。


大叔父様「挨拶もそこそこにして中で話さぬか?」


父様「・・・そうですね、その方が良いでしょう」


 と、父様も了承したので表に出てきていた家族と使用人達は困惑しながらも中に入って応接室に移動した。


 その時 私はソルと一緒に歩きながら 互いのスキルの多さについて話していた。


「何であんなに沢山スキルがあったんだろうね?」


ソル「自分でステータスを確認したところ 今まで領地のお屋敷で日常でしてきた事の大半がスキルになってました」


(あれ?いつ見たのかな?まだ加護に気付いてないみたい?)


「そうなんだ、じゃあ僕のもかな?そんなにいっぱい何かしてたかな?」


「うーん」と悩んでいると。


子虎『主人殿の場合は前世でもしてきたことがスキルになっていると“主神様“が仰っていた、後この子供の加護は神殿を出た時に着いたと思う』


(!、そうなのじゃあ後で教えてあげた方がいいかな?しかし前世ねぇ…あ、あぁ、確かに何か覚えがある名前のスキルが多いと思った!それにしても前世の時してた事も引き継いでくれるなんて有り難いなぁ)


 あんなに何かしてたっけ?と思ったけどよく思い出すと確かにやってたなと納得してしまった。


「スキルがいっぱいあるって事はソルはいろんな事をいっぱいしてたって事かな?」


ソル「そうでしょうか?そんなに沢山してた覚えは無いんですけど それにアトリー様ほどではないと思いますが・・・」


(やばっ墓穴を掘った!)


母様「2人とも応接室につきましたよ、早くお入りなさい」


(ほっ良かった)


「ソル!早く入ろう!」


 と、ソルを急かして話をうやむやにした。


 中に入ると先に入っていた大人達は応接室に置いてあるソファーセットに座っており、座りきれない子供達とソルの家族はテーブルセットに座っていたので自分達もそっちに座ろうとしていたら。


父様「アトリーはこっちにおいで」


 と、言われてしまったので渋々ソルと別れて父様と母様の間に座った。


お祖父様「なぜ兄上がこちらに?“祝福“の結果は?それとアトリーが抱いている動物達はどうしたんです?」


大叔父様「まぁ待てイディ、そうまとめて聞くな、まずアメトリンに抱かれておられるのは 神より授けられた聖獣様だそれと・・・・・・・・


・・・・・・・・・と言うことでアメトリンはどの国や組織も不可侵となった・・・」


 大叔父様が神殿で起きた出来事を詳しく話すうちにお祖父様やお祖母様、兄弟達はあまりの事に放心状態だ、お祖父様が父様の顔を見て確認をしたら父様が真剣な顔をして深く頷いたのを見てやっと事実だと受け止めたようだった。


 私はその間 聖獣達の名前決めに真剣に取り組んでいた。


(うーんどうしようか、名前・・・、うん!よし!まず出てきた順に名前を決めよう!)


子狼「じゃあ私からですか♪」と嬉しそうに尻尾を振る


(うん!そうだよ少し観察させてね?)


子狼『はい!お願いします!』


 気合いの入った返事をした子狼を抱き上げて観察した。


(うーん毛は銀色だけど少し青く見えるね 毛先のが色が濃いかな?瞳は・・・あれ?見る角度によって色が違う キラキラ宝石みたいに輝いて透き通ってるね

・・・・宝石か、瞳はティーナちゃんに似ているし 種族名もジェムフェンリル・・・・うん、よし!決めた!)


子狼『本当⁉︎名前何?教えて下さい!』


 尻尾の振り幅が激しくなった。


(後でね皆んなと一緒に教えてあげる♪)


子狼『えー、後ですか?』


 あからさまにシュンと尻尾が下がった姿が可愛かったが、


(そう、皆んなと一緒がいいでしょう?)言い聞かせた。


子狼『はぁい、分かりました 良い子で待っているので後で撫でて下さい!』


 と、条件を出してきた。


(ふふっ、いいよ いい子にしてたら撫でてあげる、次は子虎さんだね、少し観察させてね いいかな?)


子虎『あぁどうぞ主人殿』


(有り難う♪、えーと毛はさっき言ってた通り月詠様の影響だったから瞳は・・・ん?、瞳も月詠様と同じ白銀だね

て事は・・・種族名の夜天虎から・・・・うん、決まった!)


子虎『そうか決まったかでは私も静かに良い子で待とう』


 と、期待の眼差しで見てくる。


(うん、良い子で待っててね、そしたらちゃんと撫でてあげるね)


子虎『期待している』


 と、嬉しそうにまた右肩に登ってきて頬ずりをしてきた。


(ふふ、くすぐったいよ、じゃあ最後に小竜ちゃんね!)


小竜『主人様、存分にご観察ください』


 と、左肩から目の前に飛んできた小竜を手でキャッチした。


(おっと、じゃあ遠慮なく・・・本当に綺麗なグラデーションの鱗だねこの色合いどこかで見たな?・・・あ!前世で家にあったアマリリスの色合いに似てる! 小竜ちゃんの方が黄色みが強くて綺麗だけど・・・、瞳はやっぱり天照ちゃんと同じ白金だね・・小竜ちゃんは女の子だし種族名も陽天竜だから・・・・

うん!これにしよう!決まったよ!)


小竜『ふふっ有り難うございます主人様』


(よし、じゃあ、・・・・その前に3人にお願いがあります!)


3匹『『『?、お願い?』』』


 3匹同時に可愛く首を傾げて聞いてきた。


(ぐっ!、可愛すぎる!・・・、はぁ、はい、お願いです!、お願いだから会った時からずっと言ってる、ご主人様とか主人殿とか主人様って言うのやめてくれないかな?言われ慣れてないのもあるけど、何か3人と距離があるみたいで嫌だから、アトリーって呼んでくれないかな?)


(駄目?)


 ちょっと不安になりつつ首を傾げて聞いてみた。


3匹『『『っ⁉︎』』』


子狼『わ、私は良いですよ、ア、アトリー、・・・ちゃん』


 最後にちゃん付け・・・まぁいいか、ティーナちゃんも一緒だし。


子虎『私もかまわない、ア、アトリー・・・く、あれはずるいぞ!』


 と、言いながら肩から膝の上に降りて来た、最後の方はよく聞こえなかったけど良いみたいだ。


小竜『これを狙って最後にまとめてと、言いましたね、くっ、負けました!でもこれで許して下さい アトリー様!』


 小竜は抵抗が強かったのか“様“付け だけど後々その“様“もとって貰えるように頑張ろうと思った、そして小竜も膝の上に下ろした。



(ふふっ有り難う3人とも・・・じゃあ名前を言うね


子狼ちゃん貴方は生みの親“ティーナちゃん“と同じ宝石のような瞳から“ジュール“


子虎さん貴方は種族名と生みの親“月詠様“からとって“夜月(ヤヅキ)


小竜ちゃん貴方はその綺麗な鱗と種族名に生みの親“天照ちゃん“からとって“天華(テンカ)


と名付けます・・・・、どうかな?)



子狼『“ジュール“・・・うん私はジュール!有り難うアトリーちゃん!』


子虎『“夜月“・・・その名、有り難く受け取る、有り難うアトリー』


小竜『“天華“・・・この名を有り難く頂戴いたします、有り難う御座います アトリー様』



 3人が名前を受け入れると急に強く光り出した。


「っ!、眩しい!」


「「「「「っ!」」」」」


 周りも眩しさに目を細めたり、目を手で覆ったりしながら光の元を見ていた。


 次第に光が弱まり聖獣達は元通りの姿を見せた。


「どうしたの?皆んな、大丈夫?」


夜月『心配ないアトリー、今 名前を付けて貰ったことで 私達とアトリーの間にしっかりとした絆ができただけだ』「にゃぅ」


「ほっ、良かった、じゃあ何とも無いんだね?」


 右肩に戻ってきた夜月の頭を撫でた。


ジュール『何ともないよアトリーちゃん!』「キャンッ」


「ふふっ、そうみたいだね」


 ジュールが尻尾を振りながら答えてくれた、先程の約束を思い出したので撫でてあげたら嬉しそうに激しく尻尾を振った。


天華『ご心配 有り難う御座います アトリー様』「キュー、・・・チュ」


 天華はパタパタと飛びながら目の前に来て鼻先にキスをして左肩に着地した。


「どういたしましてふふっ」


 天華の下顎を指で撫でてあげると「クルルゥ」と嬉しそうに鳴いた。


父様「ア、アトリー 聖獣様達に何かあったのかい?」


 父様が心配そうに聞いてきたので発光の理由を話した。


「あぁ、えーと、先程の事は、聖獣達皆んなが名前を僕に付けて貰うようにと、神様達から言われたらしく、それを僕が聞いて名前を考えて名付けたら、突然皆んなが光りました、

 それで僕と強固な絆ができたそうです、なので聖獣達に何か悪いことが起きたわけでは無いですからご心配ありません」


父様「そうなのか・・・、それは分かったけど、アトリーにも何も悪いことは無いんだね?」


 まだ心配そうに聞いてくる父様に笑顔で、


「はい、僕にも何も悪いところはありません!」


と、返事を返した。


 父様はホッとした様子で気になった事を聞いてきた。


父様「良かった・・、ん、と言うことは聖獣様達のお名前が決まったと・・・、そうなると聖獣様はこれからはお名前でお呼びした方がいいのかな?」


 父様の疑問に他の皆んなも頷くので、本人達に聞いてみた。


(ねー皆んな 皆んなを呼ぶのに名前で呼ぶ方がいい?それ共ずっと聖獣様って呼ぶ方がいい?)


天華『私はアトリー様のご家族と親しい方でしたらいいですよ』


夜月『私も基本それでいい だか 嫌な時はその時言う事にする』


ジュール『私も一緒でいいです!でも嫌な人は唸って威嚇しちゃうかも?』


(それなら それで いいんじゃ無いかな?態度で知らせたら その方が相手にも分かりやすいし 私にも分かりやすいから、それで行こう!)


3人『『『じゃあそれで』』』「キャンッ」「キュッ」「なぅ」


「父様、皆んなは家族と僕と仲が良い人なら名前を呼ばれても良いそうです、嫌なら態度で示すそうです」


父様「それは光栄だね、じゃあ先王陛下達もお名前でお呼びしても良いですか?」


 大叔父様の事を確認したいみたい私が聞こうとするとその前に天華が先に答えてた。


「キュッ」 天華『良いですよ、一応 今の所は嫌な感じはしませんし』


「良いそうです、父様」


 と、通訳した、ロブル大叔父様はホッとした様子だ。


父様「有り難う御座います・・・、じゃあアトリー、聖獣様達のお名前を教えてくれるかな?」


「はい、まず、子狼のこの子が“ジェムフェンリル“の“ジュール“ちゃんで、次の子虎が“夜天虎“の“夜月“君、最後に小竜が“陽天竜“の“天華“ちゃんです♪」


 と、手でそれぞれ挿しながら 種族と共に名前を紹介していった。


父様「“ジュール様“に“ヤヅキ様“最後に“テンカ様“、これから アトリー共々 宜しくお願い致します」


 と、3人に挨拶をしてくれた。


「キャンッ」ジュール『宜しくお願いします!』


「キュー」天華『こちらこそ宜しくお願いします』


「なぁぅ」夜月『こちらこそ 世話になる』


 3人もそれぞれお辞儀をしながら鳴いて返事を返していた。


「ふふっ皆んな ちゃんとご挨拶できて良い子だね」


 よく出来ましたと皆んなを撫でていたら。


大叔父様「では私達もそう呼ばせて頂こう、これから御三方は公爵家、アメトリンの側でお過ごしになる事で間違いございませんかな?」


 と、聞いてきて。


「キュッ」天華『当たり前です』


 と、食い気味に返事をした。


「間違いないそうです」


 と、少し柔らかく、訳して言った。


大叔父様「そうですか・・・、分かりました 何か必要な時はいつでも王城でお待ちしています」


 大叔父様は残念そうにしていた。


「なぅ」夜月『その時があればな』


 と、辛辣だ。


「その時は と」


 少しぼかしながら返事を返しておいた。


大叔父様「はい、お待ちしております」


 大叔父様は満足そうだ。


(“知らぬが仏”だね・・・)


くぅ~ と私のお腹がなった。


(ありゃりゃ、そう言えばお昼ご飯まだだったね、うん)


 少し恥ずかしいけど、しょうがない事だと言い聞かせた。


母様「あらあら、お腹空いてたのね 気付かなくてごめんなさいね アトリー、リアお願いできるかしら?」


リアさん「お任せください 直ぐに ご昼食のご用意を致します」


 リアさんはお辞儀をした後 直ぐに壁ぎわにいた使用人に伝言を伝えて 昼食の手配を素早く済ませた。


「有り難うございます 母様」


母様「良いのよ もうお昼過ぎてますからね」


 と、言いながら頭を撫でた。


お祖父様「もうそんな時間か・・・、兄上、今日はこの辺でお帰り下さい、アトリーも疲れているでしょうから 後日、日を改めてご連絡しますので」


大叔父様「そうだな、明日は何か用事はあるか?」


お祖父様「明日は“祝福“の祝いを兼ねたアトリーのお披露目のお茶会がありますので、後、明後日は子供達 全員を連れて王都の町を散策することになっています、それ以降にお時間 頂けましたらコチラからお伺いします」


大叔父様「明日の茶会にわしも参加してはいかんか?アトリーに祝いのプレゼントをたくさん用意しておったんじゃ」


 さも当然と言うように言った。


お祖父様「はぁ、またですか兄上、毎回 私の孫の“洗礼と祝福“が終わった後に行うお茶会に 大量のプレゼントを持ってきて 参加するのはおやめ下さいと何度言ったら分かるんですか」


(準備万端だね、あれ?、なんか既視感があるな・・・、あぁ!お祖父様が“初めて〇〇のパーティー“をする時に似てるんだ!さすが兄弟だね!)


大叔父様「良いではないか、もう用意してあるのだから それにいつもの事なのだから 皆 慣れておるだろう?」


(そんなに頻繁に来てるのね大叔父様、どおりで王都の屋敷の使用人さん達は大叔父様が急に来ても 慌ててなかったんだね、慣れって大事だよね!)


お祖父様「はぁ~、分かりました、ですが!また今回もちゃんとシベラスを連れてきて下さいよ!そうでないとお茶会に招待しませんからね!」


 お祖父様はストッパーの役目にまたシベラス叔父様を呼び出すようだ。


(シベラス叔父様にまた会えるのは嬉しいけれど、シベラス叔父様のお仕事は良いのかな?)


大叔父様「あぁ 分かった、分かった、ちゃんとシベラスを連れてくる、約束する」


大叔母様「すみませんね、今回も楽しみにしていたので お邪魔いたしますね♪」


 大叔母様も楽しんでいるようだ。


お祖父様「義姉上も少しは止めてください、可愛がるならご自分の孫達を可愛がって下さいよ・・・はぁ」


大叔母様「うふふっ、勿論 自分達の孫も可愛いがってますけど 貴方のお孫さん達だって同様に可愛いんですもの、仕方ありませんわ ふふっ」


(お祖父様の言う事はもっともだけど、2人はお祖父様自体も可愛くて仕方ないみたいだね、それでその孫も可愛いっと)


お祖父様「・・・・、ふぅ、では明日の昼前にお越しになって下さいね、くれぐれも陛下は連れて来ないで下さいよ!」


大叔父様「それは・・・わしも一応 止めるが どうなるかは分からんぞ?」


 と、確約できないと言ってるようだ。


お祖父様「・・・くっ、来ると想定して用意するしか無いか・・・はぁ」


(お祖父様、苦労が絶えないね あ、父様も嫌そうな顔をしてるね)


大叔父様「ま、まぁ、シベラスを連れて来るんだったら、そんなに長く居られんだろ、わしもそこら辺はわきまえとるぞ?」


(陛下も来るなら、良いのかな?てか、父様の従兄弟になる人か、どんな人かな?従兄伯父(いとこおじ)様って)


 お祖父様がジト目で大叔父様を長く見ている、その視線に耐え切れず 大叔父様は目を逸らした。


大叔父様「さ、さてと そろそろ お暇するかのぉ、では、アメトリン 7歳の“祝福“おめでとう、明日のプレゼントを楽しみにしとくと良い」


 大叔父様はそう言いながら立ち上がる、それに合わせて私達も立ち上がった、すると大叔父様近づいてきて私の頭をぽんぽんと軽く撫でてから、大叔母様をエスコートして立ち上がらせた。


大叔母様「ふふっ、お邪魔しました、“祝福“おめでとう アメトリン君また明日ね」


 大叔母様も近づいてきて両親に挨拶すると優しく笑いながら私の頬を撫でて、大叔父様にエスコートされながら扉に向かう その後ろを追って見送ろうとしたら。


大叔父様「見送りは良いぞ~!」


 と、片手を上げて振りながら足速に出ていってしまった。


お祖父様「逃げたな・・・」


ボソッとつぶやいたのが聞こえた


+・・・・・+・・・・・+・・・・・+







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― 新着の感想 ―
[一言] 6話でいろいろ言ったけど、ここまで読んでみてこの作品の特色に思えてきたからもうあんまり気にしないでください。
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