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間違い転生!!〜神様の加護をたくさん貰っても それでものんびり自由に生きたい〜  作者: 舞桜
第4章 少年期〜青年期 学園3学年編
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28話 結婚式終了


 どうも、僕です。酒乱ご令嬢に“神罰“が降った後、荒んだ心を可愛い従兄弟で癒している所に・・・・


ジルおじ様「アトリー、お疲れ、対処してくれて助かった」


「むぅ、なんでもっと早く出てきてくれなかったんです?結構前から様子を見てらしたでしょう?」


ジルおじ様「あははっ、やっぱり気づいてたか、でもな、俺が出ていくとちょっと厄介な事になるからな、様子見させてもらったんだ」


「・・・厄介な事ですか・・・・!、もしかして、あのご令嬢、ジルおじ様にも言い寄ってたんですか?」


 どこかげんなりした感情を滲ませながら申し訳なさそうに話すジルおじ様の様子を見て、ピンッときた僕はその事をジルおじ様に確認すると・・・


ジルおじ様「あぁ、よく分かったな…、ここだけの話、あのご令嬢、こちらの学園に留学中、婿探しをしてたようでな、その時、同年代のカイヤトに目をつけて言い寄ってたんだが、その時期に俺が学園に用事があって赴いた事がって、偶然廊下で彼女がカイヤトに話しかけている最中で挨拶のために声をかけたら、俺にも擦り寄ってきて大変だったんだ。どうやら彼女の婿の基準が自分と同年代か少し年上、未婚で顔がよく高収入の公爵家の当主、または次期当主って事だったんだ。その当時のその条件に当てはまったのが俺とカイヤトぐらいだったからな、それはもう執拗に誘いを掛けられたもんだよ」


「あぁ、それで、今未婚の公爵位を持ってるのはジルおじ様だけだから出てこなかったんですね?」


 と、予想が大当たりしていた。ジルおじ様はその当時の事を思い出したのか、あのご令嬢のことを心底嫌悪している感情を隠そうともしていなかった。


(そう言えば以前カイ兄様にパティ義姉様との馴れ初めを聞いた時、執拗に言い寄って来るご令嬢に、辟易してたカイ兄様を労ってくれたのがパティ義姉様で、それがきっかけでお付き合いしたって言ってたな、て事は、そのしつこく言い寄って来たご令嬢がさっきの人だった、と、そりゃ、カイ兄様の冷たい対応も頷けるって話だ(*´Д`*)・・・・でも、なんで、今回のご令嬢を結婚式に呼んだんだ?それもパティ義姉様の友人枠で…(・・?)それに、うちの他の大人達もご令嬢が暴れてた時、対応にシベラスおじ様以外出てこなかったし・・・)


 と、周囲で様子を見ていたのはジルおじ様だけではなく、他の大人達もいたのは気づいていたが、対処に出て来たのはシベラスおじ様だけだった事と、そんな問題があるご令嬢をわざわざ、結婚式に呼ぶ意味が分からないなと、思っていると・・・


父様「アトリー、話はその辺で、ジルも、その話の事は後で説明してあげてくれ、「あぁ、そうだな・・・」、そうだ、マルキシオス侯爵夫人、うちの子とマディラを一緒に遊ばせてもいいかな?「まぁ、こちらからお願いしたい所ですわ」ありがとう、マルキシオス侯爵夫人。ほら、アトリーも、今からマディラと遊んであげる約束をしてるんだろう?後の処理は父様に任せて、マディラと遊んでおいで」


 と、ジルおじ様と同時に人垣から出て来て、周囲の人達に騒ぎのお詫びをしていた父様が、この場での会話の続きを中断させてきた。父様はジルおじ様とネニュスおば様の顔を見て、それぞれ了承を得ながら、マディラとの遊びを勧めてきたので僕は何か事情があるのだろうと察し、その勧めを素直に受ける事にした。


「父様、・・・はい、分かりました。・・・じゃあ、マディ、イネオスお兄ちゃん達もあっちにいるから、一緒に遊ぼうか、それともご飯を食べる?」


マディラ「ううん、ご飯はもうたべたの、でもね、デザートをたべてないの」


 そう可愛く言ってくるマディラに頬を緩めながら少し思案した。


「・・・そうか、あそこで一緒にデザートを選んでイネオスお兄ちゃん達と食べようか「うん!たべる♪」ふふっ、じゃあそうしよう、あ、ネニュスおば様達はどうなさいますか?」


ネニュスおば様「お邪魔で無かったらご一緒させて頂けますか?」


「えぇ、構いません。おば様達も一緒にイネオス達に持っていくデザートを選んで頂けると嬉しいです」


ネニュスおば様「ふふっ、私で良ければ協力させて頂きますわ」


父様「すまないね。アトリー」


「いいえ、気にしてませんよ」


 そうして、話がついた僕の頭を父様はそっと撫でて笑うので、僕も笑い返し、その場を離れた。その後、父様は披露宴の仕切り直しに、うちで最も高級なシャンパンを大人の招待客に振る舞い、子供達には僕の大好物のマルキシオス領産、果汁100%和梨ジュースを振る舞っていた。


(さてはて、あのご令嬢と何があったのやら・・・(*´Д`*)あ、和梨ジュースはちゃんと貰って行こう)


 そんな事を思いながら近くにあったスイーツバイキングコーナーでマディラ達とデザートを選び、イネオス達のいるテーブル席まで戻り、先ほど空気を悪くした件を再度謝罪して、一緒にデザートを食べた。

 マディラは年に何回かマルキシオス領を訪れる僕やイネオス達をとても慕ってくれているので、僕達も自分達が家族の中で1番年下ということもあり、マディラを妹のようにとても可愛がっていて、今日もイネオス達と一緒に本当の兄弟のように遊び過ごし、結婚披露宴も終盤となった時にはマディラは遊び疲れたのか可愛い寝息を立てて眠ってしまっていた。


「ふふっ、本当に可愛いなぁ」


 眠ってしまったマディラを屋敷の客室に連れてきて寝かせた僕は、その可愛い寝顔を見ながら、ぷっくりした頬をぷにぷにっと突きながらそう呟くと。


ネニュスおば様「ふふっ、いつも構って頂きありがとうございます。アトリー様、皆様も・・・」


 ネニュスおば様は笑顔で僕達にお礼を言ってきた。


「気にしないでください、僕達は皆んな一人っ子だったり末っ子だから、自分より下の兄弟がいなくて、可愛がる対象がいなかったからか、マディが兄様、姉様って言って慕ってくれると、本当の妹みたいで凄く嬉しいんですよ、ねっ?」


 と、皆んなを見ると笑顔で頷き肯定してくれて、皆んな可愛い寝息を立てて眠るマディラに頬を緩ませながら見た。


 そして、そんな風に和んでいると部屋の扉が叩かれて、使用人から披露宴も終盤になって来たので、会場に戻って来なさいと父様達から伝言が来た。もうそんな時間になっていたのかと驚いた。そして、ネニュスおば様はマディラが寝ているのでもう会場に戻らないと言うので、僕達は2人を残しその部屋を後にして、会場へと戻った。


 僕達が会場に戻った頃にはもう既に宴もたけなわと言った雰囲気が漂っていて、少しすると司会がアナウンスで披露宴最後の拍手を招待客に求め、新郎新婦の退場が行われた。


 招待客達の大きな拍手と祝いの言葉で盛大に退場を見送られていくカイ兄様達に、僕達も大きな拍手を送った。暫くすると兄様達の姿が完全に見えなくなると使用人達が一斉に動き出し、帰宅する招待客や、うちの屋敷に宿泊する身内の誘導をし始めた。僕達はそれを見てイネオス達の家族を探し出し始めた。


「今日はイネオス達はもう帰るんだよね?」


イネオス「はい、明日は学園がありますからね」


「そうだよね。あ、そうだ、明日、学園が終わった後は何か用事は入ってる?明日マディを街のお菓子屋さんに連れて行く約束をしてるんだけど、皆んなも一緒にどう?」


 イネオス達の家族を探しながら会話をしていると、明日のマディとの約束を思い出し、イネオス達も誘ってみた。


へティ「まぁ、それは楽しそうですね。でも、宜しいんですか?私達も同行して・・・」


 へティはすごく乗り気だけど、ちゃんとマディラも承知の上なのかと心配してくれた。


「うん、多分大丈夫だよ、一応今日の夜に確認をとるけど、マディは皆んなと行けると分かったら大喜びすると思うよ、確認が取れたら明日の朝に教えるよ、どうかな?一緒に行かない?」


 そう言うと、イネオス達はすぐに一緒に行くと返事を返してくれて、明日の放課後の予定がほぼ決まった。その後すぐイネオス達の家族も見つかったので、会場の出口まで見送るために一緒に歩いた、少し注目を集めたけど、イネオス達とまた明日と挨拶を交わして、その日は別れた。


「ふぅ、しかし、凄い人数の招待客だったね」


ソル「そうですね。でも、公爵家の次期御当主様の結婚披露宴ですから、まぁ、これくらいの人数は妥当なんでしょう」


「そう言うものか?最初に神殿に来ていた人達だけでも多いとは思ったけど、それとは別に披露宴だけに招待された人達もいたし…、そう言えばその人達は挙式が見れなくて残念だったろうね」


ソル「まぁ、平民の商会長や爵位の低い招待客は必然的に優先順位が下ですから、人数制限のある神殿内には入れませんからね・・・」


「まあね、どうしても身内や地位の高い人達が優先されちゃうからなぁ、仕方ないとは言え、結婚式に招待したのに挙式が見せれなかったのは、少し申し訳ない感じがするよ」


ソル「そうですかね?公爵家の披露宴に招待されただけでも名誉だと思いますが・・・」


(うーん、そう言うものかぁ、こう言う時の価値観がたまにズレるのは前世の記憶の弊害か…(*´ー`*)ちゃんと気をつけないと怪しまれるな・・・)


 そう思いながら、今僕は披露宴で来ていた正装を脱がされて、普段着へとシフトチェンジしている最中だ。こう言う正装の時は僕は決して1人では脱がせてもらえないのでされるがままなのだが、ソルは早々に自室でパパッと着替えて僕の着替えを手伝いながら会話に参加して、朝から色々あった事など分からないほど余裕があって元気そうだが、僕は反対にお疲れ気味だ。

 ついでに言うとジュール達は既に他の専属達に今日の装飾を外してもらって、早々とソファでくつろいでいる。


 そんなお疲れ気味の僕は今から着る普段着さえ選ぶ気ゼロでおまかせ状態、もう半分ダレてる僕に、テキパキと服を着せ替えて行くソルと専属達、なぜか選ばれた服はいつものラフな普段着ではなく、お出かけ用のちょっと良い服に着替えさせられた。そんなことも気づかず、服を着替え終わるとソファの背もたれに沈み込むように座った僕に、すかさずお茶とお茶うけを出してくる有能な専属達、そんな、いたせり尽せり空間でダレながらも、これから始まる話し合いの事を考えていた・・・


(はぁ、これから、神殿であった事の説明で呼ばれると思うんだけど、マジで、あの時何が起こったんだ?僕的には寝て起きたら、神殿から突然馬車の中に移動していて全くもって理解ができなかったんだけど。・・・今思えば、あの透明な球が手に触れた瞬間、清々しい新緑の香りと、どこか懐かしい感覚が襲ってきて、気づいた時は既に意識が遠のいていたような・・・( ´ ▽ ` ))


 僕がそう考えている間、神殿であった事を誰よりも理解しているはずの天華達は何か説明してくれる訳でもなく、神妙な面持ちで僕の考えを聞いていた。それを不思議に思ったが、詳しい話を聞くまで考えても無駄かと思い直し、父様から呼び出しがあるまで、ただぼーっとお茶を啜るのだった・・・・・・



 ・・・・・暫くすると、予想通り父様から呼び出しがあり、普段は使わない大会議室に連れてこられた。


 何故ここにと思いつつも、入室の許可が降りて扉が開き中を見ると、王族をはじめとした錚々たるメンバーが、中央に置いてある長テーブルの上座から綺麗に並んで椅子に座っており、良く見ると神殿の大司教様もいたり、新しく親族となったパティ義姉様のご両親、コミス伯爵家夫妻とその次期当主である長男が、下座の末席で肩身が狭そうに座っていた。でもなぜか、国王が座るべき上座の1番奥、いわゆる議長席やお誕生席などと呼ばれる席には誰も座ってなかった。

 その事に気づき変だなと思っているうちに、全員が急に立ち上がり、僕に向かって頭を下げたのだ。


「え!?・・・・・やっぱり気づかれちゃうと、そうなるのか・・・、皆さん、顔をあげてください、僕はそんな敬われるような存在ではありませんから、いつも通りでお願いします」


 僕がそう言っても誰も顔上げてくれなくて、僕が困っていると・・・


夜月:『皆、顔をあげよ、アトリーが困っている』


 夜月がそう言ってやっと全員が顔上げた。


(むぅ、なんで、僕が顔をあげてって言っても、言うこと聞いてくれなかったのに、夜月が言ったら顔をあげたのさ?解せん!( ゜д゜))


天華『まぁまぁ、アトリー、良く考えてみてください、今ここで地位や身分高いのは“現人神“であるアトリーなんですよ、そんなアトリーが敬語でお願いされるなんて、恐れ多すぎて逆に簡単に言うことを聞けなくなるんですよ。地位が高い偉い人が自分達に敬語でお願いしてくるなんて、普通ないですからね?

 それに何かの聞き間違いだったら大変な事になりますから、目下の人達には曖昧な言葉を使ってお願いしますと敬語で頼むのではなく、して欲しい内容を明確に決めて指示するように、はっきりとした命令口調でものを言わないといけません。アトリーのその“いつも通りで“と言った曖昧な言葉では、聞いた人の勝手な解釈で好き放題されてしまいますからね。

 ですから皆さんはアトリーのお願いではなく、夜月の命令に従ったんです。自分達は間違いを起こしませんよって言う意味で・・・

 それにほら、王様だって公式の謁見の際はご自分で話を進めたりしませんでしょう?』


(むぅ?そうかも?サフィアスおじ様はいつも僕と普通に会話してくれるから良く分かんないけど、前世で読んだ漫画とか小説だと確かに謁見では王様じゃなくて宰相様とかがそんなやり取りの仕方をしてたような??(・・?) じゃあ、顔をあげてくださいって言うのも夜月みたいに命令口調で言ったら良かったってこと?)


天華『そう言う事です』


(うーん、そうなのか、面倒くさいなぁ・・・でも、僕は謁見してるわけではないんだけど、今のはやり取りはどう言う扱いになってるんだ?(・・?)…そう言えば僕、まだ、宮廷での礼儀作法を習ってないや・・・)


 僕がプクッと顔を膨らませて拗ねていると、天華に宥められ、説明されてやっと少し納得したが、そもそもの話、宮廷でのお作法を教えてもらった覚えがないことに気づいた。なので王族達との挨拶の仕方は習っていても、宮廷に招かれて謁見での作法の知識は全くもって皆無だった為、何が正解かが分からなかった。


天華『それは、アトリーが7歳の時に神々からアトリーの好きにさせるようにと言われて、王族達はアトリーが“神々の愛し子“だと勘づいていたからでしょうね。“主神様の加護“を持つだけでも、その時点でアトリーの地位は王族と同等、“愛し子“ともなるとそれ以上の地位になりますから、誰もアトリーに宮廷作法を教えなかったんでしょう』


(あー・・・納得、必要なかったから教えられてないってことか・・・(*´ー`*)でも僕、そんな命令口調でずっとやり取りするなんてできないよ?それにさ、僕は神殿で起きた事の説明を聞きに来たはずなのに、なんでこんな大会議室で身内全員が集まってんのさ?何、今から会議でも始まるの?それとも、何かの裁判でも行われるのって感じなんだけど( ̄▽ ̄)・・・)


 これから始まるのはどんな話し合いなるのか先行き不安になりながら、父様の専属執事であるカイルさんの誘導に従って大会議室に入っていくのだった・・・・














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