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12話 久しぶりの再会と驚愕の出来事



 久しぶりに再会した神様達との会話の流れで“洗礼と祝福“の意味と7歳までの子供の言い伝えの理由を聞いてみた。


「で、そこの所はどうなの、神様達?」


ティーナちゃん『うーんとね、うちの所では 生まれて自我が芽生えて自分で興味を持ってやった事や 努力してしてきた事がスキルとして 定着するかを見極める期間が7年で、あとは属性魔法の魔法適性を見るためって言うのが理由かな あ、それと洗礼は人が勝手にやっている事だから私は関係ないのよ~』


「おぅ、神様のご都合だった、かなりメタな理由だったな」


ティーナちゃん『もう!自分で聞いてきたくせに~酷いよ“咲子ちゃん“!』


「あははっもう“咲子“じゃないよ~」


ティーナちゃん『あ、そうだった!今は“アメトリンちゃん“・・・、じゃなくて“アメトリン君“だった!』


「そうだよ~“アメトリン君“ですよ~・・・・って!、なんで“君“になったのさ~、ティーナちゃ~ん!」


ティーナちゃん『あははっ、ごめんね~転生先を探すのに 検索の条件に性別入れるのを忘れてて それにその時ちょっと焦ってたから 1番条件のいい転生先の性別を確認しないで転生させちゃったんだ、本当にごめんなさい!」


 勢い良く頭を下げて謝ってくるティーナちゃん。


「もう、やっぱりそうだと思った でも・・・今は十分幸せだから許しちゃう!」


(父様も母様も家族もソルも周りのみんな 私を大切にしてくれてるのが分かるから、今はこの家族じゃなきゃダメだって思うから とても幸せなんだ)


 ティーナちゃんは申し訳なさそうに頭をゆっくり上げて私の言葉に安心した様子で、


ティーナちゃん『“咲子ちゃん“・・・、幸せなのねよかった、許してくれて有り難う』


「ふふっ もう ティーナちゃん ったら 私はもう“咲子“じゃないよ “アメトリン“だよ でも呼びにくいなら“アトリー“て 呼んで、ね?」


ティーナちゃん『ふふっ そうねじゃあ“アトリーちゃん“って呼ぶわね♪』


天照ちゃん『では私も“アトリーちゃん“で♪』


月詠様『私はそのまま“アトリー”と呼ばせてもらうよ』


「はい、宜しくお願いします!・・・・そうだ!なんで転生する時あんなに焦っていたの?」


ティーナちゃん「えっと、それはね・・・・・・・・・・・・」


 ティーナちゃん達が言うにはあの時 普通では考えられない現象が起こっていて 私の魂の安全の為に急いで転生させたらしい、それに何者かの干渉で前世の私は才能を生かすことができていなかったそうだ、その事は今も調査中らしい。


天照ちゃん『・・・・・と言う事でその不届き者は私達に任せて下さいね、見つけ出してちゃんとお灸を据えて置きますから』


 と、ニッコリといい笑顔で天照ちゃんが笑う。


(ひえぇ、天照ちゃんがやる気(殺る気)だその悪さした人?の冥福をここで祈っとこう・・・)


「う、うん無理しない程度にお願いします」


月詠様『アトリー、ここでは考えていることは筒抜けだぞ』


 と ツッコミを入れられてしまった。


「あ、そうだった、うんじゃあ その悪さした人?どんまい!って事で WWW」


月詠様「まぁ私も容赦はしないがな・・・楽しみにしてるといい」


 いつも通り笑ってるようで目が全然笑ってない月詠様もやる気(殺る気)だった・・・


ティーナちゃん『そ、その事はそれで良いとして!、アトリーちゃんに転生の時のお詫びとしてプレゼントがあるから戻ったら楽しみにしててね♪』


 雰囲気が物騒になって来たので 話題を変えるのにティーナちゃんが転生の時の手違いのお詫びに何かプレゼントしてくれる話になった。


「プレゼント?スキル?」


ティーナちゃん『それは体に戻ってからのお楽しみよ♪それと 転生する前に決まったスキルもちゃんと入っているから 後で確認しといてね♪』


「スキルじゃないんだね?うーん見当もつかないや・・・あ、そうださっきから気になってたんだけど 私の今の状態ってどうなってるの?」


ティーナちゃん『い、今さら それを聞くのねアトリーちゃん・・・、まぁいいわ 今は精神だけここの空間、神界の一部に来ている状態よ体がある現世は今はゆっくり時間が流れているわ、だた単にここの空間の時間をすごく伸ばしているだけなんだけど』


「へー凄いな~さすが神様!」


天照ちゃん『あら、確かアトリーちゃんでもしようと思えばできるはずですよね ティーナちゃん?』


「え!、そうなの?」


ティーナちゃん『うん、できる可能性はあるわよ アトリーちゃんに付与した空間魔法のスキルレベルを最大まで上げると 似たような事はできるようになるわ』


「わ~楽しみ!ちなみにスキルレベルの最大値はどれくらいなの?」


ティーナちゃん『確か10段階までだったはず、だからスキルレベル10までね』


「そうなんだね、よし!頑張るぞ~!」


 気合を入れていると。


月詠様『あまり無理はするなよアトリー、休みも必要だからな夜はちゃんと寝るんだぞ じゃないと身長が伸びないぞ』


「‼︎、それは駄目!身長欲しいからちゃんと夜はぐっすり寝ます!」


(身長大事‼︎)


 シュタッと手を上げて宣言した。


月詠様『ふふっそれで良し』


 私を見ながらの月詠様の優しく笑った顔が美しすぎて思わず赤面してしまって心臓を抑えながら下を向いてしまう。


(ぐっはっ!相変わらず美しすぎる‼︎なんて気遣い上手でイケメンなんだ!そのご尊顔を見ただけでキュン死しそう!…は!でも私は今 男の子なんだから!月詠様にときめくなんて駄目じゃん!それに月詠様は神様なんだから!)


月詠様『相変わらず褒め倒すねアトリーは、…ときめく?私に?』


>ーーーーー<>ーーーーー<>ーーーーー<


 その時、他2人の神は・・・・


ティーナちゃん『無自覚って恐ろしいわぁ』


天照ちゃん『本当に、あれで自分で気づいてないんですからね それにアトリーちゃんも大変そうですね』


ティーナちゃん『2人がちゃんとしっかり自覚して向き合えたら 全力で応援しましょう♪』


天照ちゃん『それ いいですね♪』


 と、何やら画策しているのだった・・・・


>ーーーーー<>ーーーーー<>ーーーーー<


 月詠様の笑顔にキュンキュンしていると急に周りが光り始めていた。


「ふぇ⁉︎何かな?」


ティーナちゃん『そろそろ戻る時間ね、またいつでも教会に来て祈ってちょうだいそしたらまた会えるからね』


天照ちゃん『名残惜しいですがまた会えるのを待ってます その間になるべく犯人を特定しときますからね』


月詠様『体に気をつけて、何か困ったことがあったらすぐに会いに来るんだぞ』


「うん!皆んなに会えて嬉しかった!また近い内に会いに来れたら来るね!」


 光が強くなり始めて皆んなの姿が薄くなり始めていた。


ティーナちゃん『あ!、いい忘れてたけど貴方の親友のソルドア君“祝福“の時は“加護“は付いていなかったけど どうやら他の神の目に留まっていたみたいだから、後で“加護“を付けるって言ってたから確認してあげてね~!』


 と、最後に爆弾を投下して消えて行ったティーナちゃんだった。


(今!それ言う~⁉︎大事なことだよ!ティーナちゃ~ん!)


・〜〜〜〜〜・〜〜〜〜〜・〜〜〜〜〜・




 光が収まり 目を開けると ティーナちゃんの彫像の前に私の“祝福“の結果が表示されていた。


====================


+魔法適性+ 全属性


+スキル数+ 合計41個


+加護+   *異世界の神“月詠“の愛し子

       *異世界の神“天照“の愛し子

       主神リトスティーナの加護(偽装中 正しくは“愛し子“) ※この( )の中身は本人にしか見えません。


+称号+   *転生者

       神々の寵児(偽装中 正しくは“友人“)

       聖獣を授かりし者(偽装中 正しくは“神獣の主人“)


       ※ 上記の*マークは日本語表記です。


====================


 私は表示を見て自分の顔が引き攣ったのがわかった、その時ケープに付いていたお祖父様からもらったチェーンブローチが一瞬光った気がした。


(?ブローチが光った?まぁいいや、しかし これは・・・)


 表示の内容を確認している間も周りはとても静かだ・・・


(ティーナちゃんやり過ぎだよー!時空魔法は話に出たからがあるのは分かっていたけど魔法属性の表示が“全属性“って シンプルすぎて逆にびっくりだよ!

それに何あのスキル数、“41“ってどんだけなのよ!

あぁ、加護と称号の日本語表記に癒しを感じる~ その気遣いは有り難うございます!

で、最後の称号は何の事だろう? “聖獣?“いや偽装で“神獣?“ ってか“偽装中“多いいな!)


 頭の中でツッコミを入れまくっていると、

ティーナちゃんの彫像が急に光り出した、彫像のちょどお腹の部分から虹色に光るバスケットボールサイズの真球が出てき私の目の前まできた。

 それを無意識に手に取ると自分の体から魔力が吸い取られる感覚がした すると真球にヒビが入り出して音を立てて割れた。


ピシッ、・・ピシピシッ、パリンッ


 中から何かが落ちてきた慌てて中から出て来たものを抱きとめた、割れた殻の様な物は光って消えて行った そして腕の中にいるものを見ると 、薄く青みがかった銀色の体毛と宝石の様にキラキラ輝いている青色の瞳をした子犬だ。

 子犬は私をジッと見て観察していた私の鼻を舐めた。


(この子が神獣?聖獣?)


ペロッ『よろしくね ご主人様♪』


「ひゃっ」


 と、頭の中に響くように可愛い声が聞こえた。


「え、?」


『次が来るみたい』


「え⁉︎」


 考える間も無くまた彫像が光り出し、同じように彫像のお腹の部分から次は白銀色の真球が出てきた、また私の目の前で止まったので慌てて先に出て来た子犬を祭壇の上 水晶玉の隣に下ろして 白銀の真球を手に持った また魔力を吸われて 真球にヒビが入る。


ピキッ・・ピ、ピキピキッ・、パリッン


 割れた後 次は気をつけていたので手のひらに着地した、殻は空気に溶けるように無くなった、手のひらに着地したのは 毛足が長く黒いのにうっすら紫色に輝く体毛に白銀の瞳をした 白の虎柄をした子猫?子虎?だった。

 これまたジッと見られたかと思うと 私の腕を伝って肩に乗り 頭を私の頬に擦り付けて来た。


「わっ」


 スリスリ『よろしく主人殿(あるじどの) 次が最後だ』


「ふふっくすぐったいっ、て…えぇ⁉︎」


 頭に響いた言葉に驚いていると もう既に彫像から白金の真球が出て来ていた またもや 私の目の前で止まった手に取り魔力を吸われるとヒビが入り。


ピリッ・・、パリッ・・パリッ、パリンッ、カシャン、コットコトッ


 と、割れて床に落ちた殻は端から砂の様に細かくなって目に見えなくなった、そして中身は慣れたものでちゃんと手のひらでキャッチした、今度はツルツルした手触りの小さな西洋風の背中に羽が生えたドラゴンで、鼻先から尻尾にかけて 赤、朱、橙、金色に近い黄色の綺麗なグラデーションの鱗で瞳は白金のつぶらな瞳をしていた。

 そのつぶらな瞳がまた私をジッと見ている(これは毎度するけど刷り込みなのかな?)満足したのか小さい翼でよろよろ飛んできて私の頬を舐めた。


ペロッ


「んっ」


『よろしくお願いします主人様(あるじさま)


(やっぱり頭に直接 聞こえてくる)


『そうです、直接 念話を主人様だけに送っています』


(!私の考えている事がわかるの?)


『念話だと表層の意識しか読めません』


(と言う事は強く伝えようと思えば貴方達に伝わるのね?)


『はい、間違いありません』


(そう…、じゃあ まず私の肩に乗りなよ)


 今でもよろよろと私の前で飛んでいたので生まれたばかりで疲れただろうと思って言ってみた。


『お気遣い有り難うございます主人様』


 やはり疲れていたのか素直に子虎?が乗った方とは反対側の肩に着地した、両肩に乗っているけど不思議と重くない。


『ご主人様、ご主人様!私も抱っこして下さい!』


キャンッ


(あぁ、ごめんね今抱っこしてあげる)


 最初に出て来ていた子犬を抱っこすると3匹から同時に顔を舐められて くすぐったくなって思った以上の大きな笑い声が出てしまった。


「ふふっ、くすぐったいよ、あはははっ」


「「「「「「「「「えぇぇぇぇ~~~⁉︎」」」」」」」」」


(おぉ!、忘れてた、今 神殿にいたんだった!)


*本人は気がついていなかったが 神殿内には声を出すのも難しいほどの神聖な空気が漂い、その中でアトリー1人だけが先程まで動くことができていた。

 アトリーが声を出して笑った後で神聖な空気が霧散して他の人が声を出せるようになったのだ。

 それと本人は気づいていなかった、いつも付けていた魔力封じのブレスレットが最後の真球の殻と一緒に粉粉になって無くなっていた事を・・・


 そして今までの一部始終を見ていた人達が困惑と共に様々な会話をしている。


「どうゆう事だ?全属性なんて表記見たこともない」


「いや!それもだが!スキル数が41なんてどうやったら習得できるんだ!7歳の子供だぞ!」


「そんな事より!加護だろう!主神様の加護なんて確認されてるだけで100年以上前だぞ!この目で見れるなんて思いもしなかったよ!」


「あそこにいる3匹全てが聖獣様なの?皆様可愛いですわね!」


「聖獣様を授かるなんて 前代未聞の奇跡だ!」


「あの聖獣様達はどうなさるのかしら?」


「我が家にも来て頂けないだろうか?」


 などなど 色んな会話がされている中でアトリーの両親は未だに放心していた。


「父様?母様?」


 アトリーが声を掛けたことで我に帰った両親はとても複雑な表情をしていた。


父様「アトリーこちらにおいで」


「はい父様」


 父様に呼ばれて3匹の聖獣を抱えたまま両親のほうへ行った。


父様「凄いなアトリー私は驚きすぎて腰を抜かすかと思ったよ そして聖獣様達『少しお待ち下さい』⁉︎な、なんだ⁉︎」


:『今、神々より警告文が表示されます』


「「「!」」」


 そう告げると小竜は祭壇の上を見た、


3人がそれを目で追うとそこには祝福の表示と同じ3D画面が出てきていた。


 周りの人たちも気づき始めて神殿内の全員が画面に注目すると画面内に文字が浮かび上がってきた。


======================


        +警告+


 我らの加護を受けし者に聖獣を授けたのは


この者の自由に生きる権利を保障するものである


この者が望まない限り 国も 教会も あらゆる組織も


    必要以上に関わる事を禁ずる


 またこの者に(よこしま)な心持ちで近づく事も禁ずる


   “()()()()()()()()()()()()()


ゆめゆめ忘れる事なかれ我らは全てを見守っている


======================


 と、表示された。


(わ~お、これはティーナちゃんが考えたわけじゃなさそうだねこの感じ月詠様かな?)


『正解だ主人殿この警告文は私を創り出した“月詠様“がお考えになった』


 右肩に乗っている子虎?の神獣が教えてくれた。


(やった!当たった!って、ん?あれ?じゃあ皆んなそれぞれ創った神様が違うのかな?)


『うん、私は“リトスティーナ様“に創ってもらったのよ』


 抱きかかえている子犬はティーナちゃんが創ってくれたらしい嬉しそうに尻尾を振っている、確かにティーナちゃんに雰囲気が似ている。


『私は“天照様“です』


 小竜はそう言いながら私の左頬に頭を擦り付けた やはり創造主に似るものなのかな 喋り方が天照ちゃんに似ている。


(そうなんだ~神様達が1人づつ創ってくれたんだね ふふっ嬉しいな♪)


 こんな会話を念話で交わしていると 、


教会の“洗礼と祝福“の進行していた初老の神官様が急に祭壇前に膝をつき 祈りの姿勢を取ってこう宣言した。


神官様「おぉ、主神様 我らリトス教の司教として この警告を全ての教会に伝え 厳守させる事をお誓い致します!」


「「「「「お誓い致します!」」」」」


 その場にいた全ての教会関係者が司教の宣言と共に膝をつき神に誓いの言葉を復唱した。


 司教の宣言を聞き 先程まで考え込んでいた様子の大叔父様が立ち上がり、片膝を付くと同時に神殿内にいた全ての王侯貴族が同じように片膝を突き頭を下げた 。

 それを確認した大叔父様は右手を胸に軽く添え 主神像に向かい司教と同様に宣言した。


大叔父様「私も前国王として、神のお言葉を国に伝え厳守させることをお誓い致します。」


「「「「「お誓い致します。」」」」」


 大叔父様の宣言を王侯貴族が復唱した。


 そしたら警告文の最後の一文を強調しながら光り徐々に画面が消えていった。


*この事は後に“公爵家に起きた奇跡“としてリトス教会全体の共通の奇跡として語られ 世界中の国の上層部に知られる出来事となった。


 消えた文面を眺めていた司教様が我に返って振り返り神殿内の人達に向かいこう話した。


司教様「私はリトス教を代表して、神にお誓い致しました 通り アメトリン・ノブル・デューキス様の自由を妨げは致しません、

また、この事を教会本部のイエロザーパト聖教国に報告させていただき 各国にあるリトス教の神殿及び教会に伝達致します、

この国のリトス教の関係者には今日中にこの警告文を厳守する事を誓わせますのでご安心下さい」


 最後の方は私達親子に向けて言ってきた、大叔父様も。


大叔父様「私もそうお誓いしたのだから其方達も厳守する様に!もし守れない様であれば我が国に関係ないものとし国外追放とする!場合によっては死刑に処す!これは決定だ‼︎良いな!」


 と、かなり重い罰が決まってしまった。


(大叔父様カッコイイ!ソルの時も思ったけど他の貴族の前だと国王様!って感じでビシッとしててカッコイイなぁ…、しかしまぁ国が処罰するその前に神罰があるらしいからね、どんな罰かは知らないけど・・・)


司教様「ではこれにて“洗礼と祝福の儀“を終了させて頂きます・・・チラッ、王家と公爵家の皆様は先にご退場となります どうぞ」


 司教様が気を利かせて先に退場させてくれたが、


(ソル達はどうするんだろう?)


大叔父様達 王家の方々3人の後を父様と母様に挟まれて中央の通路を歩いているとソル達が座っている所が見えた、

ソル達もこちらに気づいた父様が目で何か合図したら セルドスさんが頷いたのが見えた。


「父様、ソル達はどうするのです?」


父様「大丈夫だよ すぐ後に出てくる様にして貰うからすぐ会えるよ」


母様「大丈夫アトリー?疲れてない?」


「大丈夫です母様 ソルがすぐ出てくるなら問題ないです」


 扉まで来ると父様が近くにいた神官さんに話しかけていた。


父様「君 すまないが、ソンブラ家の一家を先に出してくれないか、私の寄子で今日も一緒に来ているんだ」


神官さん「は、はい、すぐに手配致します正面入り口前で少々お待ちください」


父様「あぁ、よろしく頼んだよ」


 そのまま外の馬車の前あたりまで進んで行くと大叔父様達がまだ帰らずに待っていた。

 出てきた時に周りの他家の使用人達がざわめいたがそれを無視して 大叔父様達に近づく、大叔父様達の周りには護衛の騎士達がいて他家の使用人達を近づけさせないようにしている様だ。


大叔父様「アイオラト、わし達はこのまま公爵家にお邪魔させて貰って良いか?」


父様「えぇ、承知しておりますその方が宜しいでしょうし」


大叔父様「すまんな、クオツ、其方は先に王城に戻って報告を頼むぞ、それと先程の決定を全ての貴族に伝達するようにな、わし達は少し 公爵家の屋敷に寄ってから帰る」


クオツお兄様「分かりました お祖父様 先に戻りますね、アメトリン君またね」


 クオツお兄様は少し残念そうに手を振ってくれた。


「クオツお兄様 お気を付けて」


 私も手を振り返すと嬉しそうに笑い、そのまま乗ってきた馬車に乗り護衛を半数連れて王城に戻って行った。


大叔父様「さて、そろそろ行くかの?」


父様「あ、少しお待ちください、今もう一組我が家の寄子の親子が出てきますので その者達も一緒に戻ります」


大叔父様「ふむ、寄子?あぁ、あのソンブラ家の者達か確か今日の“祝福“の結果が アトリーの次に凄かった子供だな」


父様「そうです彼はアトリーの執事 兼 従者なのですよ なので屋敷に一緒に帰りませんと彼が大変な事になりそうで」


大叔父様「あぁそうだな一緒に帰った方が得策だろうな ではしばし待つか」


父様「有り難う御座います先王陛下」


 私は早くソルが出て来ないかなとチラチラと神殿入り口を見ながら父様達の会話を聞きつつ 母様と大叔母様と会話していた。


大叔母様「ふふっよほど彼が心配なのね、心ここに在らずって感じね」


母様「すみません、先王妃様いつもはちゃんと話は聞くのですが・・・」


大叔母様「別にいいんですよ 聖獣様を抱えた姿を見ているだけでも癒されますから、本当可愛いわ」


 母様は苦笑いだ 私はもう完全に神殿入り口に意識を向けて、まだかな?遅いな?と思いながら見ていた。


小竜『主人様何かお待ちなのですか?』


(ん?うん、私の幼馴染の男の子がまだ中にいるんだ、その子が来たら一緒に帰るの)


子虎?『見て来ようか?主人殿?』


(ううん、大丈夫だよ、もう直ぐそこまで来てるから)


子犬?『わかるの?ご主人様?』


(うん、いつもは何となくしか 分からないけど、今日は何故かよく分かるんだ スキルのおかげかな?)


小竜『そうかもしれませんね』


(あ、来た!でもなんか他にもいっぱい来ているよ!)


 入り口からソル達親子が出てきたと思ったら他にもたくさんの人も一緒に付いてきていた、どうやらソルの能力の高さに目を付けた他家の貴族達から勧誘を受けているようだ。


「どうだい?君 我が伯爵家に仕えないか?」


「いいや、私の寄子の辺境伯爵家で働かないか?」


 とか、色々勧誘されながら来ている、その中で神官達はそんな人達を神殿内に戻そうと頑張っているが完全に無視されている。


セルドスさん「何度も言いますが私共はデューキス公爵家の寄子ですのでお誘いはお断りしますと申しているではないですか!」


「そのような事聞いた事が無いですよ、ソンブラ家は 最近 陞爵されたのでしょう?そんな新興貴族があのデューキス公爵家に雇われるハズが無いではないですか、嘘はいけませんよ嘘は!」


セルドスさん「ですから嘘ではないと言ってるではないですか!」


(酷い事をソルの家族が言われている)


 沸々と怒りの感情が湧いて出てきそうになっていたら、

最初は下を向いて周りをガン無視しながら歩いていたソルが不意に顔をあげ 私を見た、目が合うと嬉しそうに笑い近寄ってきた 。

 その顔を見たらスッと怒りの感情が冷めた。


ソル「アトリー様お待たせして申し訳ございません」


 少し困った顔で謝ってきた。


「いいよ ソルのせいではないでしょう? で、そこの方々、僕の幼馴染のソルドアとそのご家族に何か御用ですか?」


 首を傾げながらニッコリ笑い聞いてみた、するといい歳した大人達が慌てふためいて青い顔をしながら謝罪していなくなった・・・


「ふぅ…、しかし最近何の根拠の無い持論を盾に人を嘘吐き呼ばわりする人が増えてませんか?」


 と、後ろ振り向きながら言うと、


父様が私の頭を撫でながら困った顔をしながら、


父様「そうだね アトリー、でも今のは大人の私達に対処を任せて欲しかった かな?」


「?・・・・、あ!、すみません父様」


(やば!大人の面子を潰してしまった!怒られるかな?)


しょんぼりと下を向いてしまった。


父様「そんな顔しないでアトリー 私は怒ってないよ でも今度からはあぁ言う事は私達に任せて欲しい、君は私達の可愛い子供なのだから守らせてくれるかな?」


 ずっと私の頭を優しく撫でながら 許してくれた その上で親として守らせて欲しいと 言ってくれて私は嬉しくなり父様の懐にダイブした 聖獣3匹を持ったまま。


「!、はい 父様 大好きです♪」


ポスッ


父様「私も大好きだよ アトリー」


 私を抱きとめた父様は背中を優しく撫でくれた。


母様「私も大好きですよ アトリー」


 母様は後ろから頭を撫でてくれていた。


「僕も大好きです母様♪」


 親子3人でラブラブしていると、


大叔父様「はっはっはっ、賢い子を持つと心配事も増える様じゃな、だがいい返しだったぞアメトリン、さて、そろそろ出発するか、でないと別の勧誘が来そうだからな!はっはっはっ」


と、豪快な笑いを残し自分の乗ってきた馬車に大叔母様と向かっていった そしていつの間にか王家の馬車の後ろにソル達が乗ってきた馬車も来ていた。


父様「先王陛下の言う通り、屋敷に帰ろうか ソルも馬車が来ているから早く乗りなさい」


ソル「分かりました、アトリー様 先程はありがとうございました」


 ソルが深くお辞儀をして感謝してくれたけど。


「僕はただ本当の事を言っただけだから 気にしなくていいんだよ?」


ソル「それでも 僕は感謝しているのです アトリー様」


 と、嬉しそうに笑うから、


「ふふっ分かったよソル 感謝は受け取るよ また後で一緒に話そうね♪」


ソル「はい、アトリー様」


互いに笑い合った後それぞれの馬車に乗り込んだ、公爵家の馬車を先頭に出発した 。


 馬車の列は王家の騎士達と公爵家の騎士達に厳重に護衛されながら 進んでいく。













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