18話 空からの伝言??
(ふぁぁ~~~~、パティお義姉様キレー♪( ^∀^))
どうも!僕です!今、結婚式の真っ只中、新婦入場の最中です♪
礼拝堂に入って暫くすると、向こうの親族も礼拝堂に入ってきて、互いの親族が軽く挨拶を交わすと、進行役の神官が結婚式の始まりを告げるアナウンスをした。すでに招待客は会場の礼拝堂に全員入場済みだったので、進行はサクサク進み、現在まで来たのだった。
(ほわぁ~~~、ウディングドレス姿のパティお義姉様は、これまたカミィ姉様のウエディングドレス姿とも違った雰囲気でいいなぁ、ふわふわした感じ~~♪( ´ ▽ ` ))
ソル「カミィ様とは違った雰囲気で綺麗ですね」
「ソルもそう思う?カミィ姉様の時はキリッとした華やかさがあって、パティお義姉様はふわっとした感じがするよね、どちらも凄く綺麗だし」
ソルも同じ事を思っていたようで、小声でそんな話をしながら式を見守り、新婦が新郎のところに到着し父親から新郎にエスコートが渡された。そして、2人揃って祭壇に上がり、神像の前で愛を誓い合い、その見届け人である大司教様が差し出した婚姻書に互いに名前を書き入れ、指輪を交換、最後に誓いのキスをして挙式は終了。後は招待客や親族が神殿前にてフラワーシャワーで、2人の新たな門出の出立を祝い見届ける。フラワーシャワーを浴びた2人は、そのまま馬車に乗ってお屋敷に移動、そして、その出立を見届けるために招待客が先に神殿前に移動する事になった頃・・・
(しかし、この世界のって言うか、この国の結婚式はほとんど向こうの世界の結婚式と変わらんなぁ、つまらん・・・これもこの国の建国に携わった勇者の影響か・・・先代の勇者、やりたい放題してんなぁ(*´Д`*))
夜月『まぁ、国を1から作るんだ、それぐらいのわがままは許されるんじゃないか?それに勇者達の知識はこの世界に良い影響をもたらしているんだ、この結婚式もその一つだろうさ、旧式の結婚式は色々と制約が多いようだったから、この形式が流行ったんだろう』
今は招待客の大半が2人の門出を祝うフラワーシャワーの為に神殿の外へと移動している最中、親族は新郎達を送り出すから1番最後に出るのと、警備状の理由から王族の人達も最後まで残り、今は新郎新婦、両家の親族と王族だけで礼拝堂に残って談話しながら、他の招待客が完全に神殿から出ていくのを待っているのだが、招待客の人数が人数のため、かなり時間がかかっているようで、そんな暇な時間にしみじみこの国での結婚式のやり方が異世界らしくないなぁと愚痴っていると、この世界での以前までの旧式の結婚式のやり方の話になった・・・
(あー、そう言えばそうだったねぇ、旧式の結婚式って伝統があって色々規定もあって、お堅いイメージで、ウエディングドレスとか決まった形のしか使用できなかったり、誓いの言葉が物騒で重かったり、質素で全くもって華やかさに欠ける物だったらしいし、むしろ、おどろおどろしくて、何か悪魔召喚の儀式っぽくって怖かったとか?それはこっちのが流行るよね。今でも旧式の結婚式をしてるのなんて聖教国の敬虔な教徒ぐらいだって聞いたことある(*´ー`*)・・・)
ジュール『そう言えばティーナ様もお堅くて気味悪くって面白くないって、前回の結婚式を観てた時言ってた~』
(え、前回の時って、カミィ姉様の結婚式の時?・・・観てたんだ、・・・って事は今回も??(*´Д`*))
天華『観てましたね、華やかで楽しかったそうですよ・・・』
(そっかぁ、楽しめたならいいかぁ( ̄▽ ̄))
どうやら、旧式の結婚式は神様達からも不評だったのが思わぬところで判明。でも何故、僕の兄弟の結婚式が毎回神々に見守られているのだろうか?と不思議に思いつつもあえて言及はしない。
夜月『だが、ノリで加護を与えるのを止めるのは苦労したぞ、それに他の神々も悪ノリしそうだったからな・・・』
(ふぁっ!?Σ('◉⌓◉’)・・・そ、それはお疲れ様です・・・、真面目に、うちの家系に加護を連発付与されると大変なことになるところだったな・・・(・Д・:))
夜月の報告に目ん玉飛び出そうになったが、加護の付与は止められたようで何より・・・
「ふぅ・・・・良かった・・・ん???何かが来る???」
ほっと一息ついていると、何か上から来ている感覚がした。不思議に思い礼拝堂の天井を見上げる。
「透明な水晶の球?・・・落ちてくる・・・あ、割れちゃう!」
バッ!
ソル「アトリー様!?危ないですよ!」
不意に天井から落ちてくる、手のひらほどの水晶のような透明な球体、それを見て地面に落ちて割れそうだと思った時には反射的に手を前に出し、その透明な球体を受け止めようとした。僕の異変にソルがいち早く気が付き、僕を止めようとしたものの既に遅く、僕は自分の手の届く範囲で落ちてくる球体をキャッチしたと思った・・・
すぅー・・・
「えっ?・・・なくなった?」
ジュール達『『『アトリー!!!』』』
キャッチしたと思った球体は僕の手の上で透き通るように消えてなくなった。不思議に思いながら手の平を見ていた僕に、ジュール達が焦った様子で呼びかける。
「えっ!?な、何!?ど、どう・・・・」カクンッ
ソル「っ!アトリー様!?」ガシッ!
ジュール達に呼ばれてそちらの方を見ようとしたら急に意識が遠退き、膝から崩れるように倒れかけた、でも、すぐ側にいたソルに支えられた所で僕の意識は途絶えたのだった・・・・
第三者 視点
アトリーが崩れ落ちてすぐ・・・・
ソルドア「っ!アトリー様!?」ガシッ!
アイオラト「!!、アトリーがどうした!?」
倒れたアトリーをソルドアが受け止めてすぐに、新婦側の両親と雑談していた父親のアイオラトが騒ぎに気づいた、アトリーとソルドアの側までやってきて、周囲を見渡すと。
アイオラト「!?、アトリー!?どうしたんだ!?ソル、アトリーに何があった!?」
既に神殿内に残っていたのは両家の親族と王族のみ、その他の招待客は今は外に出て行っていて、親族以外は神官ばかりだった。もし、アトリーが誰かに狙われるにしてもアトリーに何か害することが出来るものは存在しない、それが故に、残っていた人達から少し距離をとって神殿内に待機していたアトリーとソルドア。最初に異変に気づいたのはもちろんソルドアなので、新婦側の親族と雑談をしていて、アトリーが視界に入ってなかったアイオラトがソルドアに話を聞くのは当たり前だったのだが、そのソルドアでも目の前で何が起こっていたのかは全くもって理解できていなかった。
ソルドア「わ、分かりません、アトリー様が急に何かが来ると仰って、上を見上げられたのですが、私もすぐに見上げたのですがそこには何もなかったのです。ですがアトリー様には何かが見えておられたのか“透明な水晶の球“と呟いた後、それが割れてしまうと思われたのか、その何かを掴もうとなさって手を前に出された後にこのように意識を失われてしまいました・・・」
アイオラト「・・・アトリーにしか見えない何か・・・っ!それより、誰か医師免許を持つ回復師をっ!!」
シトリス「ア、アトリー・・・何故いつもあなたは・・・」
ソルドアの説明を聞き険しい表情をし考え込もうとしたアイオラトは、それよりも我が子の容体を見ることのできる者を呼ぶように命じた。その横でアイオラトの後を追って来ていた母親のシトリスがソルドアからアトリーを受け取り、泣きそうになりながらアトリーの頬を撫でていた。
すると・・・・
ふぅわぁ・・・・
「「「「「アトリー!?」」」」」「「「「「何!!」」」」」
急に発光し、人々の目線より高く宙に浮き上がったアトリーに全員の注目が集まる。
アトリー?「『ザッ・・・テス、テス、聞こ・るかな?私は“&*#$$%“、今、そこ・・ジッジッ・向かって・る、“神力“を・・げん・・者に会いに・・、それまで、“・力“を発・・した・・ザザッ!・・なさい・絶対に、では・・ジジッ・までに行く・・・ブツッ!』」
「「「「「!???」」」」」
フッ、カクッ
「「アトリー!!」」「アトリー様!!」トサッ!
宙に浮いたアトリーは目を開き、虚な表情で本人とは全く違う頭に響くような声を出し、ノイズ混じりにそう言い終わると再び目を閉じ、光が消えると浮力を失い落ちてきた。それをすぐに受け止めたのはアイオラトとソルドアだった。
前国王ロブル「ど、どう言う事だ?今のはなんだ?神のお告げか?」
サフィアス王「・・・それにしては一方的な伝言のようなものだったが・・・」
ザワザワッ
「神のお告げではないなら、なんだ?・・・もしかして、“邪神“!?」「そんな!?じゃあ、デューキスのご子息は“邪神“に乗っ取られたの!?怖いわ!!」「!!そんなわけ無いだろう!?あの方は“主神様“が直々にお守りされてるんだぞ!?」
ザワザワッ
新婦側の事情を知らない親族達が混乱しながらも憶測の混じった会話で騒いでいる中で、深刻そうな表情で今あった現象を理解しようと話し合っているグループがあった・・・
サフィアス王「今の伝言の内容を推察するに、“神力“と言う単語が出てきたことから、相手の目的は確実にアメトリンのことだと思うが・・・何が目的なのかさっぱり検討がつかないな・・・それに、あの伝言、今までに無いぐらいの強い神聖な“神力“を感じた、相手は“神“に類する者なのは確かなのだが、我々の知る神々では無い気がするな・・・・」
前国王ロブル「それはわしも感じていたが・・・その相手の“神“は我らの神々とはどう違うのかさえ分からん事には、対応のしようも無い、それにただ本当にアメトリンに会いに来るだけなのか?」
ローズ王妃「そうですわよね、アメトリン君にどんな用があるのかしら・・・それにいつここに現れるのかしら・・・肝心な所が聞き取れなかった事も不安だわ・・・」
サフィアス王「そうだな・・・」
アトリーの事情がわかっていても、伝言をよこして来た相手が何者かも見当がつかない状況で、どうしていいか分からない王族達もまた、混乱の真っ最中だった・・・そして、そんな周囲の混乱より、再び倒れたアトリーを心配する人達はアトリーの容体を確認することで一杯一杯だった・・・
シトリス「アトリー・・・目を開けて・・・」グスッ
アイオラト「っ、アトリー・・・医師はまだ来ないのか!」
カシミール「アトリー、何故いつもこんな・・・」
ハウイ「カミィ・・・大丈夫、彼は神々に愛された強い子だろう?・・・」
母親のシトリスは息はしているが目を覚さないアトリーを抱え込み泣きながら頬を撫で、父親のアイオラトは悔しげな表情で使用人を急かせた。他の家族やソルドアも心配そうにアトリーを見ている中、彼を守護する聖獣達が動き出した・・・
夜月:『鎮まれ!!』
と、すべての人々に聞こえるように声を発した・・・・




