10話 信頼って難しい・・・
どうも!僕です!^_-☆ 今回は冒頭からテンション高めにご挨拶させていただきました♪
何故そんなにご機嫌かと申しますと、今日は朝からスッキリ快眠で起きれた事が1番の理由だと思います♫
(いやー、マジで久しぶりに良く寝れたというか、いつぶりだ?こんなにじっくり寝れたの、一日じっくり寝れただけでこのスッキリ感、うーん、睡眠、大事・・・d( ̄  ̄))
なんて思っている今は色々と驚きのあった翌日の昼食後、イネオス達友人とまったりとお茶を飲んでる最中です。
「ふふふっ、今日のおやつの梨はいつも通り美味しいね♪」
へティ「あら?アトリー様、今日は大変ご機嫌でいらっしゃいますわね?何かお有りになられましたか?」
「うん、昨日、帰ってから、寝不足の原因が分かって良く眠れたから、とても気分が良いいんだよ♪」
へティ「まぁ、そうだったのですね。最近は随分悩まされておいででしたから、寝不足が改善されて何よりですわ」
「心配かけてごめんね?でもこれから大丈夫だよ♫」
そうして機嫌良く話していると・・・
ロシュ君「良かったです。通りで今日のアトリー様は溌剌とされて、キラキラ光って神々しい感じがしてたんですね!」
と、言い出した・・・
「ん?・・・溌剌とはしてるかもだけど・・・キラキラ?って?・・・」
ロシュ君「はい、アトリー様の周囲がキラキラと光って、空気が澄んでる感じがします!」
イネオス「あ、僕だけ見間違ったわけじゃないんだ、確かにそんな感じが強くしますね」
ベイサン「確かにな、なんか心地良いような新鮮な空気が漂ってるんですよね」
へティ「えぇ、いつもお美しいアトリー様にさらに磨きがかかって神々しささえ感じますわ」
最初はロシュ君だけが感じているもかと思いきや、次々イネオス達も同じことを言い始めたので、いつも一緒にいるソルに聞いてみた。
「んん??ソル?ソルもそう感じる?」
ソル「えーっと、そうですね、皆んなの言いたい事はなんとなくは分かりますね・・・」
「ソルはそんなに感じてないの?」
ソルに聞いてみたがソルが珍しく曖昧な表現を使って言うので、違和感を感じた。いつも一緒にいるソルは僕の変化にはとても敏感なのに、何故か今日だけは僕の変化に自信が持てないようだった。
へティ「それはしょうがないんじゃありませんか?何故かは分かりませんがソル様にもそんな空気を少し纏っておいでですもの」
「うーん?ソルも?」
(どう言うことだ?僕の変化の原因はなんとなく分かっているけど、ソルにもそれがあるとは?僕の予想は外れたのかな?(・・?))
夜月『いいや、アトリーの予想は当たっているぞ、ただ、アトリーとソルは魔力が繋がっているから、“神力“の名残がソルにも影響を出したんだろう』
(あ、そう言うことね・・・しかし“神力“って不思議だなぁ・・・・( ̄▽ ̄))
そう思いながら、昨日の夕方に聞かされた話を思い出していた・・・・・
・・・“神力“の解放で疲れて寝てしまってい、その後、起きた時の事・・・
「はっ!!??そんな事って!!・・・・」
どうやら、僕は遠い未来、神様の仲間入りする可能性が出てきたそうです・・・
僕が寝てソルは所用で部屋に居なくなった時に、結界まで厳重に張った部屋の中で、そう聞かされて思考停止した僕は数秒して頭を抱えた。
「え、マジで本気で言ってる!?」
夜月『大真面目だぞ』
「・・・マジかぁ・・・・それで、今後はどうしたらいいの?」
天華『別に何かしなければならない事はないですよ?普通に生活していればなんの支障もないですから』
そう聞いて、僕はそれとは別の心配も出てきた。
「あ、そんな物なんだ、なら良いか・・・・で、この話は母様達にはしたの?」
天華『一応、話しましたよ。難しいお顔をなさってましたね・・・』
「だよねぇ・・・」
ジュール『でも、アトリーが神様になるかもしれないのは、アトリーが死んじゃったりした後の話だもん、その時はもうすでにお母さん達もいなくなってる可能性があるし、お母さん達にはどうしようもない事だから、あまり気にしちゃダメだよって、言っといてって主神様から伝言を伝えてもらったよ?』
ジュールがあっけらかんと言って、僕の膝に顎を乗せ首を傾げる。そんな可愛い仕草のジュールをワシワシと撫でながら納得した。
「あー、それはそうか、今すぐにどうにかなるわけじゃないからってことね、でも、それで母様達が気にし過ぎないと良いけど・・・」
夜月『まぁ、心配はするだろうな』
「だよねぇ・・・」
(僕をどう扱えば良いとか悩んでそうだな、・・・それに、僕は僕で家族とどう接していけば良いか分かんないや・・・)
と、家族の心情が複雑な気分になっているのも察し、今後どう接するべきかと考えていると。
ジュール『アトリーの家族はそんなことでアトリーを見捨てたり怖がったりしないよ。だから、いつも通りで良いんじゃない?』
「そ、う、だね。ははっ、いつまで経っても僕はダメだね。ジュールみたいに素直に家族を信じられないのは、もう染み付いちゃってるんだろうか・・・はぁ・・・」
ジュールの言葉に自分の奥底を見透かされて乾いた笑いしか出ない僕は俯き深く息を吐いた。
天華『・・・アトリー、あなたの前世ではご家族とは仲が良かったと記憶してますが、今世でのご家族には何か不信感でもお有りですか?』
天華が僕の家族に対しての態度を見て、今世での家族にどこか信頼が置けないところがあるのかと率直に聞いてきた。
「あ、あぁ、前世での家族とはこんな風に僕が話題の的になるような出来事が起きなかったし、僕自身も積極的に自分が前に出て、ずっと注目を集めるような立ち回りはしなかった。そもそも僕は、特別に頭の出来が良かったわけでも、運動神経が良かったわけでもないし、芸術や音楽に精通してたわけでもなかったから。誰かにずっと持ち上げられたり特別扱いされてた覚えはないんだ、最良でも最悪でもない関係だった。だから、こうゆう風に僕を常に気にかけてもらうような場面は、どう立ち振る舞ったらいいか分かんないって感じだね・・・」
ジュール達&春雷達『『『『『アトリー』』』様・・・』』
「それに僕は死ぬ前は母と弟と3人暮らしで、母の金の使い方や付き合う男性との関係とかで色々苦労してたから。家族でも心の底から信頼していた人はいなかったかな?弟は19も歳が離れていたから頼る相手ではなくて、守る対象だったし・・・
もっと詳しく言えば僕の前世での兄弟は上2人、僕と姉を除いて、下の3人兄弟達は全員が父親がバラバラだったんだよね。母はその時その時の男性とは色々と問題が生じて、別れては別の男性とお付き合いして子供を産んでいた。あ、僕達は育児放棄とか、虐待とかされた事はないよ?
お金や付き合う男性とかが絡まなければ、前世の母はとても良い母親で大好きな人だったのは本当だよ?子供好きで、お付き合いする男性より子供優先する子供ラブな人だったからね?
それに、僕達兄弟仲が良かったのは父は違えど全員確実に母のお腹から生まれた兄弟だから、僕達兄弟は生まれてきた下の兄弟を物凄く可愛がった、特に僕も子供大好きだったからね・・・まぁ、お金に関しては母はお金の運用がすこぶる下手な人で、後先考えず使うタイプだったから、祖父の家業を継いだ時から家業と母の収入、財政の管理は全て僕がやっていた、・・・それに姉が思春期で暴走していた時は僕が下の面倒を見ていたから、だからかな?家族は大好きでも全幅の信頼を預けることができなかった。そして必然的に僕は強くあろうとして、人を頼ることを忘れてしまっていたかもね、友人関係のこともあったし、全面的に人を信頼できないんだ、自分がしっかりしなきゃって思って・・・」
ジュール『アトリーの方が長女っぽい・・・』
「あははっ、そうだね・・・まぁ、簡単に言うと、どこまで“自分“を託していいか分かんない・・・
なんて言うかな、小さい時は自然とできていたはずだけど、人との信頼関係?的なヤツが大人になって、広く浅い付き合いしかしてこなかった僕には深入りしていいラインがわかんないんだよなぁ、自分を曝け出すのもどこまでして良いのかもわかんない、深入りし過ぎて鬱陶しいと思われるのも、曝け出し過ぎて重いと思われるのも怖くてできない、頼り過ぎて裏切られるのはもっと怖い・・・我ながら難儀な性格だよね・・・」
再び、はははっと、乾いた笑いしか出なかった僕に皆んなが寄り添ってくれて、今、僕は1人じゃないって感じさせてくれて、僕はじんっと胸が熱くなった気がした。
「ジュール達みたいに僕の前世を知っていて、魔力や契約で心や思考が繋がっている関係だったら、なんの疑いもなく頼ることができるのになぁ・・・ほんと、情けない・・・」
ジュール『大丈夫だよ。アトリーの家族はみーんなアトリーが大好きだから、前世の家族も含めてね、だから、いつも通りで大丈夫♪なんとかなるよ!』
「ふふっ、そうだね♪うだうだ考えてもしたかないよね!やめやめ、この事に関しては考えても仕方ない!って事にする!最悪、嫌われてもジュール達もいるし家を出てもなんとかなるさ!」
夜月『今はそれで良いんじゃないか?』
天華『まぁ、あのご家族がアトリーを嫌いになるなんて事ないと思いますけどね?』
と、この話はそう締めくくり、今回の“神力“騒動で聞きたかったことを聞く事にした。
「そう言えばさ、さっき父様達に僕の“神創機関“の成り立ちを説明してたときさ、僕にティーナちゃんから貸してもらった“神力“がきっかけで、その種ができて、種があったから“神力“を暴走させたって言ってたけど。その種の状態であの時みたいな“神力解放状態“の暴走って起こせるものなの?もっと他に原因があるんじゃない?」
天華『さすがアトリー、よく気づきましたね、あの時の暴走はアトリーの魔力の元が原因でした』
「僕の魔力の元?・・・あ!もしかして、あの地球世界の自然エネルギー!?」
天華『正解です♪まず、アトリーの魔力の根源である地球世界から供給される自然エネルギーとの接触で、主神様の“神力“が強化されて、自然エネルギーが過剰に吸収されたのでないかのことでした。なので“神力解放状態“の暴走の本当の理由は、アトリーの魔力に変換される前のエネルギーを上手く制御ができなかったのが本当の理由だと思われます。それと、その自然エネルギーの過剰摂取で膨らんだ主神様の“神力“が完全に回収できず、アトリーの体内に残り、行き場を失って定着したことで“神創機関“の種となったのではないかと言うのが神々の正しい見解です』
話を聞いた時から疑問に思っていた事を聞いたら、意外とあっさり答えが分かり、そもそも僕の“神創機関“のできる過程が地球世界の自然エネルギーの過剰摂取による“神力“の暴走が原因だったと。種があったから暴走したのではなく、暴走したから種ができた、それが正解、そんな話を聞いて僕は色々と納得が行った。
「えー、じゃあ、僕の“神創機関“の種の元は地球由来の自然エネルギーだったからどこか懐かしかったんだね・・・僕の魂も元はあっちの世界のものだったしねぇ・・・あ、もしかして、さっきの“神力“の暴走もその自然エネルギーのせいだったのかな?」
夜月『まぁ、そうだろうな・・・今のアトリーの魔力は、あちらの世界の自然エネルギーとほぼ変わらない質になってきているからな』
「えっ、どう言うこと?それ・・・」
夜月『そうだな、今回の件で、アトリーは“神“になれる素質を有した魂となったんだ、魂の変質に伴い、扱うエネルギーの質と言うものも変化する、本来ならその人自身の内包する魔力の質が上がったりするものだが、それがアトリーの場合、すでに魂と直接繋がっている地球世界の自然エネルギーがダイレクトに扱えるようになったと言う感じだな』
「へー・・・へっ!?急にグレードが上がり過ぎじゃ無い!?いち個人の魔力から一つの星の自然エネルギーとか!無理なんですけど!?」
急な力のグレードアップに理解が追いつかない僕は思わずそう叫んだ。
ジュール『えー、でも、元々アトリーの魔力はあっちの世界の自然エネルギーを、アトリーの魂を通して魔力に変換したものだから、そんなに変わんないと思うけどなぁ?』
「うん?・・・う、うん、確かに・・・・はぁ、それじゃあ僕が“神力“を発現させるのは必然だったって事か・・・」はぁ~~っ
天華『・・・まぁ、そう言う事ですね、多分・・・』
自分には“神創機関“ができる要素が元々あった事で、これまでの様々な奇跡が実は必然だったことを知り、深く納得したと同時に深いため息が出た・・・・
「しかし、僕は神様なんて器じゃないだけどなぁ~、この“神創機関“ができただけで神様になれるきっかけになるなんて、基準がガバガバのような気がするんだけど・・・そこのところはどうなの?」
天華『そうは言いますがアトリー、そもそも、その“神創機関“がたった一回の“神力“との接触だけでできること自体がまれなケースですよ。大体、アトリーの魂は普通の人族の魂よりも何倍も神々や精霊、自然エネルギーと相性がいいですからね』
夜月『それにアトリーが今の肉体の死を迎えたとして“神格“を得て神になれるかは、正直、私達にも分からないからな?』
「え、そうなの?“神創機関“があっても必ず神様になれるわけじゃないんだ?」
夜月『そうだな、私達みたいに元々神として生まれたもの以外は、自分以外の人々からの信仰心がないと“神“には至れない、まずそこからだな』
「あー、そう言えばそんな話し聞いたね・・・・じゃあ、僕は神様にならなくて済むかぁ・・・敬われてないし・・・」ふっ・・・・
夜月の話で、以前聞いた神々の成り立ちを思い出した僕は1人皮肉げに笑うのだった・・・・
 




