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10話 帰宅と嬉しい報告


 どうも、私です!今は王城での楽しいパーティーも終わり馬車で王都の屋敷に帰り着きました!


カイル「お帰りなさいませ、アトリー様、ソル君」


 馬車を降りたら直ぐそこにカイルさんがお出迎えしてくれてます。


「ただいまカイルさん♪」


ソル「只今帰りました」


カイルさん「パーティーは楽しかったですか?」


アトリー&ソル「「はい!」」


カイルさん「そうですか、楽しかった様で何よりです ご家族がサロンでお二人のお帰りをお待ちですよ」


「母様達が?」


(え、家族皆んなが?私何かやらかしたかな?)


カイルさん「はい、パーティーでのご様子をお聞きしたいそうですよ」


「?、分かりましたサロンですね」


(パーティーの様子ねぇ?ほとんど会場内を歩いてないけど それでも良いなら話すよ?)


カイルさん「はい、どうぞこちらです」


 カイルさんの後ろについて行きサロンに着いた 扉を開けてもらい中に入るとソルの家族も含めて皆んながいた。


アトリー&ソル「「失礼します、只今帰りました」」


家族みんな「「「「「「「「「「お帰りなさいアトリー、ソル」」」」」」」」」」


(おぉう、いつもの来たよ、また練習してたの?)


父様「アトリー、ソル、パーティーはどうだった?」


 と、聞かれたので当たり障りのない返事をした。


「とても楽しかったです♪会場は色んな花がたくさん咲いていてとても綺麗でした それに友人もできました!ね、ソル!」


ソル「はい、その友人から声をかけて頂けなかったら 席を探すのに手間取っていたかもしれません」


(そうだよねー、会場は外だから日差しがキツかったもんね木陰の席でほんとよかった、イネオス君に感謝だよ)


父様「そうか、いい友人になれそうかな?」


「はい!3人ともいい子達でした、スキルの話とかご兄弟の話とか、たくさん話していたらすごく気があって楽しかったです♪」


母様「まぁ、良かったわねアトリー、さぁこちらに来て座ってお話ししましょう?」


セラスさん「ソルもこちらに来て今日あった事のお話を聞かせてちょうだい」


アトリー&ソル「「はい母様」」


(あぁそう言う感じのお話ね、私も前世で歳の離れた妹や弟によく学校で何をしたか聞いてたね)

   *子供特有の親に“今日何々をしたっ“と 話を聞いて欲しい願望が薄いアトリーであった。


 それぞれの母様の元に向かい、王城の中がすごかったとか皆んなが自分を見ると固まって驚くとか今日の出来事を色々話していたら…


お祖父様「今日は何か揉め事があったと聞いていたが大丈夫だったか?」


「揉め事?・・・・!あ、ありましたね、えーと確か侯爵家のご令嬢と伯爵家のご令息2人が 僕達と話がしたいから と先に座っていた友人3人に席を譲れと強要してきた人たちがいましたね、名前は侯爵家ご令嬢がミッシェル・アロガインで伯爵家ご令息がケーニヒ・アビドスとペロドス・トントの3人だったはずです」


(さっきまでド忘れしてたわ、何故お祖父様が知ってんのさ?まぁ多分オーリーとか専属の4人から連絡が行ったんだろうけど)


お祖父様「そうか、アロガイン侯爵家とその寄子か親戚であろうな・・・・」


「それがどうしたんです?ヘリー姉様に揉めたお相手の名前を聞いてくるようにと言われていたのでお名前を聞いて来ましたが・・・」


(どうする気かな?)


お祖父様「何、心配はいらない あちらにご令嬢達の教育はどうしているのかと苦情を入れるくらいだ」


「そう ですか、じゃあそちらの事はお祖父様達にお任せします、どちらにしろ僕には何もできませんし」


(まぁ子供の喧嘩だから それぐらいか、あの時は結構ムカついたけど今はそんなにないかな、あ、でも友達になった3人の悪口は嫌だったかなぁ、あ、思い出したらちょっとムカついてきた)


父様「それより、新しい友人の話をもっと聞かせてくれないかな?アトリー」


(あ、そうだお手紙の事とお茶会をしていいか聞かないと)


「!、はい!あのですね、友達になった イネオス君が今度お手紙をくれるって言ってたので・・・・・・・・・・」


 その後も友達になったイネオス達の話を色々話していたら、いつの間にか夕食の時間になっていたので夕食を食べて 明日も朝から準備が大変だからと早く寝るように言われたのでお風呂に入ってそのまま寝ることに、テンションが高かったので寝れないかなと思っていたら案外 疲れていたのかベットに入るとすぐに眠気が来て直ぐに寝てしまった 。


その際テンションがおかしかった私を心配して寝るまで隣で起きていてくれた母様が 眠気で目が閉じていってた私の額にキスをして“おやすみ“って言ってくれたから


「おやすみなさい、かあさま、すぅー・・・」


 と、返事をしたちゃんと言えたかは分からないけど 明日も楽しい1日になるといいな・・・・Zzzzz



>ーーーーー<>ーーーーー<>ーーーーー<


   父:アイオラト視点


「コンコンッ」


シリー「シトリスです、入っていいですか?」


「どうぞ」


「ガチャッ」


 今日の報告を聞くために大人達が執務室に集まって来て 最後にシリーがアトリーの部屋から帰ってきた、アトリーの専属メイド候補になったオルガノも一緒だ。


シリー「お待たせしました、皆様」


シリーとオルガノが中にいた父上達に向かって言った


「いや、そんなに待ってはいないよ、今から報告を聞こうと思ってたところだからね」


シリー「あら、そうでしたの?」


「あぁ、それより、シリー、早かったね アトリーはもう寝たのかい?」


シリー「えぇ、よほど楽しかったのか ご機嫌でしたから寝るのが遅くなるかと思いましたけど、ご機嫌で歌を歌いながらお風呂に入ったら 眠くなったんでしょうね、寝台に入ったら直ぐに眠ってしまいましたわ」


「そうか 本当に楽しかったみたいで何よりだよ、さて、そろそろ報告を聞かないとね君達も明日はやることがあるからね」


 そう言って専属に選ばれていた4人を見た。


「では今日の王城での事を最初から聞いていいかな?」


オルガノ「はい、旦那さま まずお屋敷を出てから王城に行く道すがらに・・・・・・・」


+・・・・・+・・・・・+・・・・・+



オルガノ「・・・・・・・・・と言う次第です」


 アトリーの専属メイド候補のオルガノの報告は最初から最後まで驚きを隠せない内容で一緒に話を聞いていた父上や母上、シリーもその専属のメイドや執事達でさえ驚いていた>


 私は執務机に肘をつき額に手を当て少し頭の中を整理した・・・・・


「っ、まず、王城の結界の件は間違いなさそうだね、明日 神殿に行く道すがらに直接“見て“確認しておこう」


父上「そうだな、よく“見といてくれ“、話が本当なら 試験運用中に使用を停止にして改善策を出させなければならないからな」


「えぇ、ちゃんとしとかなければ国防に支障をきたす恐れがありますからね」


母上「しかし、費用が下がると同時に効果も落ちては意味がありませんわねぇ」


父上「そうだな、経費を削減しすぎて使い物にならない物を配備しては意味がないからな、この件は私から陛下に進言しておこう、伝えるのは確認がとれた後で良いだろう」


「そちらは父上にお任せします、あと、出来れば私達が王都を出た後でお願いします」


 陛下の事だ“私が見た“結果だと言ったら本人にあって話を聞きたいとか言って呼び出されるのが目に見えているからな。


父上「そうだな、分かったお前達が出発した次の日ぐらいに報告しに行こう」


「よろしくお願いします」


*アトリー達は魔力量が多い者が誰でも結界を“見る“事ができると思っているが父親であるアイオラトでもそう簡単に“見れる“ものではない彼の場合は魔力量とスキルの“魔力視“のおかげで“見る“ことができるのだ、比較対象が貴重なスキル持ちなので自分達がどれだけ規格外か分かっていない。


 父上が頷いたの見て次の話に移る。


「そう言えば、アトリーは他の貴族の子供達と何か話してなかったかい?自分の顔を見た子供達が皆一様に固まって驚いていたとは 言っていたけど」


カイン「その事でしたら、パーティー会場でアトリー様に気づいた方達に驚かせた事を謝罪していらしゃいましたが その他にはこれといって会話はなさってはいません」


「そうか、友人になった子供達以外に会話をしたのはいないんだね 例の侯爵家令嬢達以外・・・」


オルガノ「はい、そのご令嬢達とも会話とは言い難かったですが・・・」


「報告を聞く限りまともな常識を持ってなさそうな3人だったみたいだね」


オルガノ「はい、アトリー様はそのご令嬢達に分かるように一つづつ説明して差し上げている様でした」


「説明ね・・・、うちの子は本当に優秀で良い子だ、しかし大人に頼ってくれることが少ないのが難点だなんて……その侯爵家から謝罪文と直接アトリーと合って謝罪したいと言う内容の手紙が届いているよ まぁ被害にあった本人は先程も父上に聞かれるまでご令嬢の事は忘れてしまっていた様だが」


シリー「そうですねぇ、ですがご令嬢達の事は私達に任せてくれたじゃありませんか、それに、オーリー、アトリーはご令嬢達の謝罪は受け取らなかったんでしょう?」


オルガノ「はい、奥様 アトリー様は謝罪に対してその時は触れておられません、それに“許す“とも仰っておられませんでしたし、その後もその事に対して話題にもなさいませんでした」


シリー「それなら ご令嬢達の事はその時は凄く怒っていたのでは ないのかしら、あのアトリーが人の謝罪を無視するなんて よほど頭に来たに違いありませんよ、実際 聞く限りではかなりひどい常識の持ち主の様ですし」


 シリーがいつに無く辛辣だ。


シリー「それに・・・、私の可愛いアトリーをペットか喋る彫刻のような言い方で独占しようなどと、本当にひどい教育を受けたご令嬢達の様ですしね」


 とてもご立腹の様だね、確かにあの言いようはかなりひどい、いつもその様な事をしていると言う事なのかな?


「そうだね、そのご令嬢達の素行調査をした方がいいね、それとその侯爵家の内情調査も一緒にして貰おうかな 頼めるかい?カイル」


カイル「承知しました、屋敷に常駐している影を使わせて貰いますよ、父上」


ジョルジュ「えぇ構いませんよ、最近 暇をしてましたからね 張り切って調査してくるでしょう」


 リアは天井をチラッと見て少し笑った、どうやら天井裏で話を聞いていたようだ、カイルも気づいていたようだ 私も意識して“見たら“いるのが分かったので、


「じゃあ頼んだよ」と直接天井に向かって言ってみたら 慌てた様子でいなくなった。


 アトリーとソルの専属になった4人は感知系のスキルレベルがまだ低いのか不思議そうに天井を見ていた。


「これでご令嬢の方は報告が来るまでは謝罪の手紙の件は放置で良いとして、後は友人になったと言っていた子達はどうなんだい?何か裏があるような感じはないのかな?」


オレガノ「その可能性は低いかと、初めに声を掛けてきたご令息は最初 アトリー様をよく認識しておられませんでした、ですが途中で勘づいてはおられましたが・・・、それと他のお二人はアトリー様が家名を名乗られるまでお気づきではおられませんでした」


「そうか、初めに声を掛けてきた令息は中々聡い子の様だね、それで その子達の家名は分かるかな?」


オルガノ「はい、初めにお声を掛けてこられたご令息はイネオス•ヴィカウタ様、もう1人のご令息をベイサン•ダンロン様、ご令嬢をヘンティル•バロネッカ様、と おっしゃられてました」


父上「ん?、ヴィカウタは確か マルキース侯爵家の寄子で子爵位を賜ったの家名だったはずだ」


「と、言うことは他の2名もマルキース侯爵家の寄子の可能性がありますね、父上はそのヴィカウタ家の当主はご存知なのですか?」


父上「ヴィカウタ家の当主本人は知らんがマルキース家の当主から何度か名前を聞いたぐらいだな なんでも武芸に優れた家系で勇敢なものが多いとか」


「そうですか・・・、こちらも一応調査してみますか、他の2人の家とどの様な関係か判明するでしょうし」


 うーん、情報が足りないな。


父上「そうした方がいいな、ジョルジュ 頼んだぞ」


ジョルジュ「承知しました、こちらは私が直接お調べしておきます」


「あぁ頼んだよジョルジュ、これで友人達の事も良いとして、後はアトリーが他に関わった者はもういないんだね?」


 ジョルジュが調べるなら大丈夫だろう。


オルガノ「はい、私がお側に着いてる範囲では他に接触した者はおりません」


カルベイン「私もアトリー様が興味をお持ちになった者はいないと思います、今回のご令嬢の騒動で集まった視線を煩わしそうにしておられた為 テーブルを衝立で囲み 視線を遮りましたところ お喜びいただけた様です」


「そうか、ではあの子はその後は周りを気にせず楽しめたのだね、それであんなにご機嫌だったのか、感謝するよ4人とも アトリーがあんなに嬉しそうにパーティーを終えることができたのは君達のおかげだからね」


シリー「私からも感謝しますわ、ありがとう 4人とも 明日もアトリーの支度を頼みますね」


母上「そうね、明日の支度も頑張ってね 楽しみにしていますから それと今日はご苦労様」


父上「今日は良く、孫の面倒を見てくれた 感謝する、明日も頼んだぞ」


 父上達も褒めるなんて中々ないから4人は驚いているね。


専属4人「「「「私どもに勿体ないお言葉、有難う御座います 明日も誠心誠意お支えしたく存じます」」」」


カイル「本当に今日は頑張りましたね、オルガノ、私でしたら今日あちらのご令息に脅された時にはすぐに威圧してしまうところでしたよ、それにソル君は良く手を出しませんでしたね」


 カイルも他の使用人を褒めるなんて珍しいな…


「あぁそうだな、確かにソルは平気そうだったのかな?」


 まぁ王家の影は忠誠を誓った相手を侮辱されたり脅されたら直ぐ対処する癖があるからな。


オルガノ「はい、ソル様は冷静に状況を見ておられました、脅しの言葉をお聞きになった時はすぐさま アトリー様の守りの体制に入られていましたので」


ジョルジュ「ほぉ、それは・・・中々 優秀ですね」


カイン「えぇ、本当にシャトン家の血が入ってる割に冷静な様ですね」


父上「まぁそれだけでは無さそうだがな」


 そうだな、他の影の家系の特性にも関係していそうだな、特にインイエ家の影響だろうな しかし父上それは今 言及しては駄目な話題です。


カルベイン「アトリー様が常に冷静でおられたからではないかと」


「そうかもしれないね…、さぁそろそろ、君達も休まないと明日に支障が出るだろうから 他に報告がない様なら終わりにしよう」


オルガノ「はい、ご報告は全て終わりました」


「では、ご苦労様 退室していいよ ゆっくり休んで明日もよろしくね」


専属4人「「「「お先に失礼いたします、お休みなさいませ皆様」」」」


シリー「はい お休みなさい」


「あぁお休み」


 それぞれ挨拶を交わし専属の4人が出て行ったのを確認した。


「ふぅ、父上あまりソルの能力に紐付きそうな言い回しは避けてくださいよ」


父上「あぁすまん、次から気をつける」


母上「貴方ったら、たまに抜けてるんですから十分気おつけてくださいね」


 母上に注意されて少し沈んでいた。


「はぁ後は明日の“洗礼と祝福“がどうなるかですね、結果次第では王家と対立しかねませんからね」


父上「そうだな・・・、その時は全力で孫達を守るぞ」


母上「もちろんですわ」


シリー「お二人とも有難う御座います そしてご迷惑をお掛けします」


 シリーが深く頭を下げた。


父上「何 迷惑などとこれっぽっちも思ってないから謝罪はいらない シトリス」


母上「そうですよ、シリー 私達とって可愛くて大切な孫達ですからね、それにアトリーは自分でなんとかしそうで 大事にはなりそうな感じはしないのよね」


“何故かわからないけど“と母上は付け加えた。


「そうですね、まぁ一応 今回 王都に最高の戦力を揃えていますから 王都を強行突破で出るには問題はないと思いますけど、それに確実にアトリーは神の加護がつているでしょうから アトリーを害して 神の怒りを買うような事はしないと思いますけどね」


父上「まぁそれもそうだな、ただ、どの神の加護かにもよるがな、それが予想も付かないから万全を期しているのだから」


母上「そうねぇ、“慈愛と豊穣の女神アナトフローラ様“の加護なら手出しはして来ないでしょうが “武と戦いの神オグマアレース様“の加護だった場合少し困るわね」


「“智と魔法の神エンキネルウェ様“でも困りますけどね・・・・・」


全員「・・・・・・・・・・・・・・はあぁぁっ」


 一時の沈黙の後深い溜め息が出た。


「あの子の才覚を鑑みると どの神の加護があってもおかしくないですからね、まぁ流石に“主神リトスティーナ様“の加護はでは無いでしょうし・・・・・・・無いですよね⁉︎」


 自分で言って 不安になってきた。


父上「・・・・・、いや 流石に無いだろう、“主神リトスティーナ様“の加護はリトス教でも殆ど確認されてないからな・・・」


母上「あり得そうで怖いわねぇ、でも その場合対立するべき相手がリトス教になるだけでしょう?」


 そうだ、アトリーをリトス教が祭りあげて“聖教国“に連れて行くなどと言いかねない。


「そうですが、国がアトリーをどう扱うかによるかと・・・最悪の場合リトス教と国、両方を相手取らねばならないかもしれません」


母上「あぁ、それは困るわね 最終的にはみんなで“聖域“に逃げ込むしか無いわね」


シリー「“聖域“にですか?入っても良いのですか?」


母上「えぇ入るのは制限されてる訳では無いのよ、ただ入ったら戻れなくなるかもしれないけど」


“聖域“かあそこは基本的に不可侵だからな。


シリー「え、戻れなくなるとは?」


「正確には入ったら戻って来なかったが正しいかな」


シリー「お亡くなりになったと言う事ですか?」


「それも分からない そう思い捜索し出すとある程度 聖域の森を進むとパッタリと痕跡が無くなって そこから前に進めなくなるそうだよ」


父上「まぁ分かっているのは少人数で入ると消息が途絶える事と、大々的に大人数で探索すると一定の距離から進めなくなると言う事ぐらいだ」


 シリーの顔が青くなったので、


「まぁそんな事にならない様にする為の最高戦力だからね 大丈夫だよシリー」


 シリーの肩を抱き励ます。


シリー「えぇもしかしたら“芸術と遊戯の女神ホルセケル様“の加護かもしれませんしね」


「そうだね、今から考え込んでも仕方がないさ、さぁそろそろ明日に備えて寝ようか」


父上「そうだな、では先に寝かせてもらうよ」


 父上が先に立ち母上を立たせる。


母上「えぇ、お休みなさい2人とも」


 母上はシリーの肩に手を置き 就寝の挨拶をして父上にエスコートされながら歩き2人は執務室を出た、その後を父上達の専属のジョルジュ達が出て執務室にはシリーと私 後はカイルにリアが残った。


「シリー、君も先に休んではどうだい?アトリーと一緒に寝るんだろう?」


シリー「えぇそうでしたね・・・ じゃあラト先に休みます、貴方は今日は何処でお休みになられますか?」


 シリーが不安そうな顔で私を見る。


「あぁ、そうだね明日の確認が済み次第アトリーの部屋で君達と休むよ」


シリー「分かりましたわ、では先に行って待っていますね ラト」


 安心したように笑ってソファーから立ち執務室から出ていった。

 その後ろをリアが出て行く時小さく頷いたのを見て 私も小さく頷いた、彼女がシリーの側にいれば安心して任せられる。


 彼女達の気配が遠ざかったのを確認した後、


「セルドス、話はちゃんと聞いたね」


執務室の廊下側の扉とは違う 応接室に繋がる扉を見ながら話しかけた。


「ガチャ」


セルドス「お気づきでしたか 旦那様」


「あぁ最初から気づいていたよ、専属になった4人以外はみんな気づいていたよ」


セルドス「っ⁉︎、そ、そうでしたか・・・・年はとりたく無いですなぁ・・・、しかし何故いるのが分かっていてあのまま会話をなさってらしたんですか?」


 来るとは思っていた、今の彼には味方が必要だから。


「簡単な事だよ、さっきの話はセルドス、君の家族にも起こり得る事だからさ」


セルドス「やはり、そうでしたか・・・」


「君の孫のソルドア・・・彼にも多分だが神の加護があるのはセルドスも薄々感じていたんじゃないかな?」


 あのアトリーの脅威的な学習能力について来られる子供なんて そうそういるもじゃないからね。


セルドス「ふぅ・・・・そうですな、誤魔化しても意味が無さそうですので白状しますが私も疑いはしています」


「だろうね、疑いか・・認めたくないのはこちらも同じだが 現実はかなり厳しいよ、私はソルドアにも神の加護があると思っているよ」


セルドス「そう・・ですな・、どの神かは分からないのは不安ですがね」


 お互い様ってやつだね。


「そうだね、セルドス 先程の話だが君達はどうする?一緒に来るかい?それとも君達だけで王都を出れるかな?」


セルドス「いいや、私達だけでは無理でしょうな、その時はご一緒させていただいてもよろしいでしょうか?」


 よかった、同意してくれて、場合によっては彼を拘束する事になるところだったよ。


「あぁ、それはこちらからお願いしたいくらいさ、これで2人が今まで通り仲良くできるね」


セルドス「そうですなぁ、子供らにはそれが1番嬉しいでしょうからね」


 互いに笑い合い意思を確認して、今後のことを軽く打ち合わせをしてその日は解散した。


 風呂に入り就寝の支度をしてアトリー達が寝る部屋に行った中に入るとシリーとリアがまだ寝らずに起きて待っていた。


「2人ともまだ寝てなかったのかい?」


シリー「えぇ言ったでしょう?待ってますって、それにリアを巻き込んだのは申し訳ないけど2人で色々話していたのよ」


「そうか、待たせてしまったようで済まないね」


リア「私は別に楽しくお話ができてよかったですよ?奥様、旦那様」


シリー「もう、リアったら今はラトと私しかいないんだから堅苦しい言葉はやめましょう?ねぇラト」


「ふふっそうだねいいんじゃないかな?リア?」


リア「お2人して私をからかって楽しいですか?それに外にカイル様がいらっしゃるではないですか」


「ん?、おぉ、いつの間にきたんだ カイルさっきまでいなかったんだけどなぁ」


 本当いつ来たんだ?私の後ろにいたのか?気がつかなかったよ。


シリー「あら、本当ね 入ってらしてカイル」


「ガチャ」


カイル「失礼します旦那様方、セルドスさんとの確認は終わりました」


「早かったな、ありがとうカイル、それに着いたのならすぐに入ってきてよかったんだよ?」


カイル「いえ、お三方の話に割り入るのはどうかと思いまして」


リア「私はすぐ気づくんですから遠慮なさらないで下さいね」


カイル「そうでしたね、つい癖でリアさん貴方も遠慮なさらないで下さい、 私も堅苦しいのは好きではないですから」


リア「カイル様がそうおしゃるなら・・・あまり気を抜きすぎるのは良くないんだけどね」


 いつもながらの早変わりでリラックスした様に姿勢を崩すリア。


「さて何の話をしてたんだい2人とも」


シリー「セルドスさんは断らないでしょうねって 2人で話してたのよ」


「!、どうしてそう思ったんだい?」


リア「単純なことだよ、他に味方がないのと子供を思えばそうするのが1番だからさ」


カイル「まぁ、その通りですけども・・」


リア「それに恩義のある公爵家にそうそう不利になる様な事はできないからさ 私達 影のような一族は信頼関係を1番重要視するからね」


カイル「そうですね、そこが1番なのは否定できませんからね」


「信頼関係か・・・信頼、そう思ってくれてると嬉しいよ」


 そうだね信頼してくれてついて来て貰えたら1番だね。


アトリー「うぅん、・・そる、・・・・すき・る・よかったね~」


「「「!」」」


 アトリーが寝言を言ったのは 初めてのことだ。


「初めて寝言を聞いた気がするんだが・・・」


シリー「えぇ、赤ちゃんの時は言葉ではなかったので こんなにはっきり寝言を言ったのは初めてですね」


アトリー「てぃ・・な・・ちゃ・・・あり・・と・」


 何の夢を見ているのか分からないけど楽しそうに笑っている 。


「?、今のはよく分からなかったな、まぁいいか可愛い寝言だ そろそろ私達も寝るか」


シリー「そうですね、明日は早くから用意がありますからね、リアもよく寝てね・・・ふふっ本当 可愛いわ」


 シリーは寝台に近づいて幸せそうに笑うアトリーの顔を覗き込みながら微笑んだ。


リア「えぇ、お休みなさいませ、シリー」


カイル「では、私も休ませて頂きます お休みなさい 旦那様」


「あぁ、おやすみ2人とも」


 カイルとリアはシリーと私がアトリーの左右に並んで寝台に入ったのを確認すると部屋の明かりを消して静かに出ていった。


シリー「明日は良い1日でありますように、・・「チュッ」・・ラトお休みなさい」


チュッ


 アトリーと私の頬にキスを落としてシリーはアトリーを抱きしめて眠った。


「あぁ、いい日になるといいね、お休み2人とも・・」


チュッ  チュッ


 私も2人の額にキスをしてブランケットに潜り込み2人を抱きしめて眠りについた。












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