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2話 最初の間違い



 私は神様達とのやり取りを思い出していた・・・・・


+ーーーーー+ーーーーー+ーーーーー+



 初めまして!私の名前は 沙樹崎サキザキ 咲子サキコ35歳! 自営業 独身です‼︎よろしくお願いします‼︎


 って、何故こんなにハイテンションかと言うと、ただ今、絶賛大パニック中だからです!


 何故こうなった…


 今からほんの少し前、急に自分でも目を開けているかも分からないくらい、眩しくて真っ白な場所に来ていた。


(えっ、っ、眩しいっ⁉︎) 


 少し時間が経つと目が慣れてきて周りを見渡した。


(・・・ここどこ? 全部真っ白…? 下も…? っ‼︎)


 下を見たら床が無かった、びっくりして飛び退いた!…飛び退いた、と思った、だが自分が動いた感覚と、尻餅をついた時に来る痛みが無い事に気づいた、そして。


(っ!足が、、無い⁉︎えっ、えっ⁉︎身体…も無いっ⁉︎はっ?えっ⁉︎どうゆう事⁉︎ぅえぇ~~~っ‼︎)


 あまりにも衝撃的な光景に頭がパニックを起こしていた、その時に不意に、


『落ち着いて、落ち着いて下さい、此方を見て下さい』


と、私を落ち着かせようと低く柔らかな声音が聞こえてきた。


 その声に気づき声の聞こえた方向に、(身体は無いので)意識を向けたそこには。



 身長と同じぐらい長い髪の毛は、横髪を後ろの首下辺りから細い三つ編みにして後ろに流してあり、闇夜を現した漆黒と言える様な艶やかな 黒 から、毛先に向けて夕暮れの深まった時に現れる、深く濃く透き通る 紫 のグラデーションをした、サラサラストレートの美髪が、揺れるたびにキラキラと銀色に煌めいてる。


 憂い帯びている二重の切れ長の目に、冬の夜空に浮かぶ美しい満月を彷彿とさせる 白銀 の瞳を持ち、また目元と同じように、憂いを帯びた顔 “かんばせ“ と表現するのが正しいと言えるほどの、絶世の美を象った、涼やかな雰囲気の顔がこちらを見ている。


 辛うじて、神社の神職が着ている装束を、白や黒系統で纏めた、煌びやかで上品に仕立てられた着物で、“男性“だと判断できた、神々しいオーラを纏った人が優雅に立っていた。


 私は思わずそのキラキラと輝き神々しい姿に⋯



(め、目がぁ~!美し過ぎるオーラに目が~‼︎)と叫んでた。

       *本人は忘れているが身体はないのでしゃべっては無い…



 その後、私の中のオタク萌キュンフィーバーが収まるのを、静かに待っていてくれている男性、(美しい上に優しい!)と心の中でほざいてる私に、優しく喋り掛けてくれた。


『そろそろ落ち着いたかな?初めまして私は、貴方達 人間が言うところの“死と夜を司る神”です、名前は特定の物が無いので"月詠、ハデス"など好きに呼んで下さい、そしてここは神々が集う場所、とでも思って下さい』


 とても柔らかな笑顔で言われた私は、不安だった気持ちが少し薄れた、その直後に告げられた言葉に大パニックを起こすのである…


 月詠様?は真剣な顔でこちらを見つめた 。(月詠って、あの月詠命ツクヨミノミコト?)


『唐突だが 沙樹崎 咲子 さん、貴女は既にお亡くなりになってます。』


(は?⋯死んだ?私が?⋯⋯⋯本当?っうええぇぇぇぇ~~~ぇ⁉︎)


 落ち着け私!私?あれ自己紹介したっけ?


 で、冒頭のアレである。


 と、そこからは驚きの連続で神様いわく。


 神様の眷属?部下?が“間違えて“私の魂を身体から切り離して、魂の浄化場まで連れて来てしまったのが原因で、死亡が確定したらしい、

 で、神様達のミスなのでお詫びがしたいそうな。


 私の本来の寿命は120歳まで生きる御長寿だったので、残りの寿命の85年の歳月を今いる真っ白な空間で、のんびりと過ごして同じ世界への転生の順番待ちをするか、記憶を残したまま神様の加護を貰って、別の世界に転生するか選ばせてくれるようだ。


 説明を受けて少し落ち着いた私は。


(それって選ぶも何も転生 一択じゃん⁉︎)と、心の中で叫ぶ。


『本当に申し訳ない‼︎その代わりと言ってはなんだが、加護は手厚く付けて貰えるように交渉してる!それに私の加護も最大限つける!』


 急にガバッと、神様が勢い良く頭を下げて謝った。


(ちょっ!ちょっと待って下さい‼︎今、私の心の中読んだんですか⁉︎)


 慌てふためく私に頭を上げた神様が…


『読むと言うより、咲子さんの身体が無く魂だけなので、思っている事は全てダダ漏れと言った方が正しい…、です、すみません…』


 何か思い出したのか、少し照れたように俯き、目だけをこちらに向けて謝った可愛い仕草(上目遣い)に。


(くっ!何、この生物⁉︎美人で気遣い上手なイケメンの上に、可愛い仕草って、もう神かよっ‼︎神だったわっ‼︎私をキュン死させる気か⁉︎いやもう死んでるけど‼︎)


 と、イケメンの可愛い仕草に、1人でオタク萌キュンフィーバーしていると、目の前のいる神様の美しい顔が見る見る赤くなり、最終的には顔を手で覆うって座り込んでしまった、そんな姿も(何コレ可愛い‼︎)を連呼していると、恥ずかしさに耐えかねたのか指の隙間から私を見ながら。


『あの…、その‥、もう、その辺で辞めて頂けませんか?それに私、男神なので“可愛い”などと言われても』


(何それ可愛よ(かわよ)‼︎月詠様可愛よ(かわよ)っ‼︎)萌キュンフィーバーが未だ収まらない私。


 神様は更に顔を赤くして、先ほどより少し小さく震えた声で。


『もう、その辺でいいので本題に戻りませんか?』


 そんな神様も可愛いと思いつつ、流石にこれ以上は失礼になるかなっと思い、心のオタク萌キュンフィーバーを一生懸命押さえ込んだ。


(はい…、もう大丈夫です、・・・・・・多分)


『多分・・・、いえっ、今、大丈夫そうならいい、では、改めて咲子さん、貴女は異世界に転生したいですか?それともこの空間で85年の歳月を過ごしますか?』


 神様は少し引きつつ改めて真剣な顔で私に問いかけた。


(異世界転生でお願いします!)


 と、元気よく答えた私に、安堵した様な優しい微笑みをこぼして頷いた。

*この時またオタク萌キュンフィーバーが発動しそうになった。


『では、これから咲子さんが行く世界について軽く説明しよう』


 説明を始めるか、とした時に急に空間が歪んだと思ったら、空中に縦に切れ目ができ、その切れ目が広がったかと思うと、そこから東洋の美の化身の様な女性が出てきた。


 女性の身長より伸びた長い髪を、腰辺りからゆるく太い三つ編みを後ろに垂らしてる髪型で、色は朝日を表した、とても明るいパステルイエローの根元から、毛先に向けて雲ひとつない青天の時に現れる、明るく鮮やに透き通った空色のグラデーションになっていて、髪はゆるくウェーブしている、艶やかな美髪はキラキラと金色に輝いて揺れている。


 優しく慈悲深そうな大きな二重の目に、夏の青空を燦々と照らす陽光を彷彿とさせる 白金 の瞳、それに合わせたかの様な“かんばせ”は、美しく優しげな雰囲気を全面に押し出した、絶世の美を象っている。


 少し疲労感を漂わせた美の化身は、白や赤系統で彩られた、優美で上品に仕立てられている、平安時代の十二単衣を簡略化した様な着物を女性は着ていて、

神々く癒されるオーラを放ちながら、こちらにフワリと降りて来た。



 先にいた神様、月詠様の隣まで降りて来た、並び立った女性は月詠様とは相反する色合いが見事で、2人並んていると、とても絵になる美男美女、女神様は私を見ると申し訳無さそうな顔で謝罪し自己紹介してくれた。


『この度の事は本当にごめんなさい、初めまして、私は、"生と昼を司る神"日本で言えば"天照大神"と呼ばれています、だから気軽に"天照アマテラスちゃん"とでも読んで下さいね』


 と、かなりフレンドリーに話し掛けてくれてポカンとしていた。


『おい、昼の神、『あらあら貴方もそんな堅苦しい呼び方じゃなくて、“天照ちゃん”って呼んで下さい、ねぇ月詠?』っ、はぁ…、分かった“天照“』


 天照様がゴリ押ししていたが、月詠様はガンとして“ちゃん“付けはしなかった。


『それで、そちらの方の交渉はどうだったのだ?』諦め顔で月詠様が聞いた。


『交渉は概ね成功しました、『ただ加護は基本的に付けるけど、度合いは本人を見て決める』と、もう少ししたらこちらに来れるそうですよ』少々、不満そうに返答した。


『そうか、まぁそれでも加護は必ず付くんだから良しとしよう』安心した様に呟いた。


『で、月詠の方はどうなのです?』


『あぁ、先程、転生に同意して貰えたよ、説明は今から行うところだった』チラッと私を見ながら。


『そうですか、じゃあ説明の続きをしましょう、お~い!もどっていらっしゃ~い!』


 先程の天照様の挨拶にポカンとした後、天照様の神々しさと親しみやすさのギャップで、オタク萌キュンフィーバーを発動していた私に、天照様が現実に引き戻す。


(ハッ、すいません‼︎、お二人が並ぶともう美しすぎて!ココにカメラが無いのが悔しくて!必死に自分記憶に残そうとガン見してしまいました!私なんかがガン見しちゃって失礼でしたよね!本当にごめんなさい!)


 神様2人は少々照れた様子で、『良いですよ』『気にしてない』と許してくれた。


(お二人が心の広い優しい神様達で良かった、でも失礼すぎたよね気をつけよう)



 それから神様2人から、今から転生する世界に関しての説明を受ける。


 どうやら私が転生する世界は、剣と魔法のスキル制度がある世界だそうだ。(やっほーい魔法が使えるのか~楽しみ!)


 文明もあまり発展していないみたいで、地球で言うところの、ヨーロッパ中世紀頃の文明があるらしい。(衛生面が気になるなぁ)


 でも、魔法があるので、衛生面はそんなに酷くはないらしいとの事。(良かった)ホッ


 そして、色んな種族が居るらしい、詳しくは転生してからのお楽しみらしい。(ドキドキだね!エルフさんとか獣人さんとか居るのかなぁ楽しみ♪)


 剣と魔法の世界だから、もちろん人を襲う魔物と呼ばれる、動物がいるらしい。


(動物は好きかと言われると、犬と猫、ハムスターは飼った事があるから好きは好きですけど…え?犬と猫どちらが好きって?どちらかと言われれば猫かな?妹が拾って来た、生まれたての仔猫をミルクやって、一日中懐で温めながら育てたぐらいの愛着はありますが、えっ天照様も猫派ですか!)


 おっと本題に戻って、(月詠様に注意された)魔物が出てくるダンジョンもあるらしい、ダンジョンによって難易度が違うらしいとの事。(おぉ定番のダンジョン‼︎)


 ダンジョンの魔物は、ダンジョンコアの機能で作られているので、ダンジョンの中の魔物は倒すと物を残して消えるらしい、ドロップ品と言って、倒した魔物やダンジョンのある場所によって内容は異なるそうだ。(RPGダンジョンあるあるだね!)



『と、まぁ大体こんな感じでいいでしょうか?』


 と、天照様は私の右斜め後ろに視線を移した。


(?後ろ?)不思議に思った私は、右斜め後ろに意識を移すと、そこにはいつの間にか知らない女の人?神様?がかなり近くで私を見ながら立っていた。


(っうわぁ⁉︎ビックリした‼︎いつからそこに⁉︎)ビックリしつつもその女性をよく見たら。



 最初は白髪かと思ったが、よく見ると光の加減で色が赤や青と、色んな色に変わりながらキラキラと虹色の宝石の様に輝いてる、その腰まで伸びた綺麗な髪は毛先がカールしていて、横髪を残して頭の高い位置でひとつ結びのポニーテールにしていた。


 目は大きく、長いまつ毛が縁取っている、クリッとした二重の目の瞳の色は、見ている間に次々に色が変わっている、それも右目と左目それぞれ違う色に変わって行く、しかもどの色も宝石の様に透き通った綺麗な色をしていた。


 顔は目元がハッキリしていて、鼻が高く、唇が少し厚く、頬に笑くぼが見える、天照様達が東洋の美としたならば、こちらの女性は西洋の美を彷彿させる絶世の美女。


 服装も、西洋の教会に飾られているような、絵画に描かれている女神様の様な洋服で、裾がヒラヒラと優雅に揺れていて、プロポーションも抜群だ。


 神々しいオーラも、色んな色がオーロラの様に輝いている。



 そんな女性に近くで見詰められて恥ずかしさに頬を赤く染めそうだ、まぁ身体があったらの話しだが…その事実にスッと思考が冷静になり、オタク萌キュンフィーバーに突入するのを防いだ。


(危なかった、またうっかり、ガン見する失礼をしかけた、けど瞳の色が常にオッドアイって何気に凄いな…)


『ふふふっ、貴女面白くて良い子ね♪気に入ったわ♫』


 西洋の美女がご機嫌そうに晴れやかに微笑んだ。


(?えっと、ありがとうございます?)


 何が気に入ったのか分からないが、一応お礼を言っておく。


『ふふっ本当に面白い子ね、改めて挨拶するわね、初めまして、私は咲子さん、貴女が転生する“世界の主神“を勤める、“リトスティーナ”といいます、気軽に“ティーナちゃん”と呼んでね♪』


(えっと、“ティーナ様”よろしくお願いします)


『“ティーナちゃん”っ!』


 不満そうに訂正されてしまった…助けを求めて天照様と月詠様の方を見た。


『“天照ちゃん”』


 ニッコリッ、いい笑顔で言われた、天照様あきらめてなかったのか・・・


 ティーナ様と天照様、仲良しなんだなぁっと、現実逃避しつつ、月詠様を見たら、呆れた様に首を横に振られてしまった。


『諦めろ』と、言う事か・・・


(くっ、ハイ…“ティーナちゃん”…よろしぃ『“天照ちゃん”』つっ!、ハイ、“天照ちゃん”…もよろしくお願いします。・・・・・グフっ)


 “天照ちゃん”も回避出来なかったっ!・・・神様を“ちゃん”付けで呼ぶなんて恐れ多過ぎる、と1人でのたうち回っている間に、隣でティーナちゃんと天照ちゃんは2人でハイタッチしていた、(本当に仲良いなぁ)現実逃避して2人を見ていると、私に月詠様が『気持ちは分かるぞ』と頷いて、同じく楽しそうにしている2人を見ていた。


 私達に見られている事に気づいた2人が恥ずそうに服装を整えて唐突に、


『『では、今から咲子ちゃんの転生先での“能力値“や“スキル“を決めて行こうと思います♪!』』


 と声を合わせて告げた。


(おぉう、急だなぁ、まぁいっか…、ハイっ!どうやって“能力値“?や“スキル“を決めるんですか?)


『いい質問ね、“能力値“はこれで決めるわ』


 ババ~ン‼︎と、ティーナちゃんが取り出したのは、サイコロと何か字が書かれた紙だ。


(サイコロ?と紙?)


『そう!この紙に書かれている数字が、咲子ちゃんの“初期能力値“になります‼︎』


(“初期能力値“?って?)


『“初期能力値“って言うのはまず、私が見守ってる世界、“ジェムシード“に暮らす全ての生物には、“ステータス“って言う自身の体力や魔力、筋力などを数値化して、“能力値“として見る事ができるシステムがあるわ、そのステータスは、“鑑定スキル“が無いと他人は見る事ができないから安心して、


 そして、人類種のステータスには段階があって、生まれてから7年はスキルは無いの、でも、身体を鍛えれば“能力値の数値“は上がるわ、けど、生まれた時の“初期能力値の数値“によって、人が生きている間に鍛えて上げれる数値の上限は変わるわ、だから“初期能力値の数値“が肝心なのよ♪、


 でも、“初期能力値“が凄いからって、鍛えなかったら全く意味がないの…


 あっ、今から決める初期能力値は魔力だけなの、体力や筋力の初期能力値は皆一律で、生まれてからしか上がらないの、その人の体格や体質に寄るところが大きのよ、赤ちゃんの時から“ムッキムキッ“なんて嫌でしょ?』


 うん・・・赤ちゃんがボディビルダー並みに“ムッキムキッ“なのは嫌だ・・・・・・・うっ想像するんじゃなかった。


『分かった?』確認されたので(はい!わかりました!頑張って鍛えます‼︎)と決心した。


『とっ言うわけでその大事な“初期能力値の数値“を決めるわよ!』




 先は長そうだ・・・













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