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164話 様々な準備


 はい、どうも僕です。今日は色々ありましたがスキルの進化に伴う衝撃の事実が1番の驚きでしたね。そんな驚きも事情聴取が終わった友人達が来た事で、別の驚きに変わってしまいました・・・・


「えっ?・・・・仁さん、もう一度言ってくれますか?」


仁「えっとね、こ、今度の公開実技授業でアメトリン君が代表で“模擬戦“をしてくれないか、と国から打診があったそうだよ?・・・」


「・・・・・チッ、くそっ、またか、嫌な予感が当たった・・・・」


ソル「口が悪いですよ、アトリー様、それに舌打ち」


 ソルに嗜められ膨れっ面する僕に苦笑いをするイネオス達に仁達、ロシュ君1人だけ戸惑った様子を見せる。事情聴取も終わり少し疲れた様子で部屋にやって来た友人達、ぬいぐるみだらけだった僕の部屋は、ソルに頼んで最低限にして貰いちょっとスッキリになり、代わりにソファーや椅子を人数分配置して、お茶を飲みながら談笑していた時にこの話題が出たのだった・・・


(あ、いっけねっ、ソルは元より、冒険者活動する仲のイネオス達や仁達は、僕が口が悪いところを何回も見ているから、アレだけど。ロシュ君は学園での僕しか見た事ないから、こんな僕の姿を見たら幻滅しちゃう。(:-∀-)と、取り繕わなければっ!)


「んん“っ!で、なんで、そんな話になったのか聞いてますか?仁さん?」


 急いで貴族の仮面を被り、笑顔で聞くと。


仁「ん、うん、た、確か、“ヴェステ王国“と“ズューウス王国“の王族から正式に要請が届いたらしいよ、そこに“ライヒスル帝国の皇太子“がその話に興味を示して、乗っかってきたらしい、それに続くように、前回?の時に居なかった国の要人達も、アトリー君の戦ってる姿が見たいとか何とか言って来たらしい・・・」


「っ・・・・・はぁ~~~、“エッケ“、“オクトゴン“、“マルゴー“、“ボルテ“、“タイニノール“、“ベイノルデン“、“セリニデュシス“、は無いか、・・・“エルフ女王国のセリニデュシス“以外の今あげた国々が、“ライヒスルの皇太子“と一緒に乗っかって来たって事か・・・・」


 眉間に皺を寄せ考えていると・・・


彩ちゃん「えっ、そんなに?前回?もそんな数の国から要請がきたの?」


ソル「そうですね、その時はちょうど入学最初の“実技授業“だったのです。当時“ディアマンディ大陸“内の殆どの国から、留学生が入学して来ていたのですが、他国からの留学生達の中で、アトリー様や聖獣様方の立ち位置などについての、正確な情報を持った方が居なかった事で色々な揉め事がおきまして。その問題の解決のため正しい情報共有を国が、留学生とその付き添いで来ていた各国の外交官を集めて、説明会を行ったのです。そこでアトリー様が冒険者活動をし始めたのが知られてしまい、アトリー様の存在の希少性を理解した各国から、アトリー様の安全を理由に冒険者を辞めさせようとする声と、アトリー様本人の実力を疑う声が上がったんです」


「まぁ、貴重な存在の僕が怪我したらどうするのか、とか。ジュール達聖獣を冒険者活動に突き合わせていいのか、とか?そんな意見?言い掛かり?みたいな物だね」


ソル「そのような言い掛かりが出て来たことで、国も各国の外交官を納得させる努力をしたようで、色々話し合われたその結果。なんの事前連絡も打診もなく、“公開授業“でのアトリー様の“実力見学“となったんです。

 最初、アトリー様は陛下からの要請で魔法の実技授業で実力をちゃんと示したのです。それにまだ納得がいかない方がさらに要請を出したのですが。流石に陛下がアトリー様にこれ以上の要請はできないと言われたことで、そこで話は一旦終わったのですが。武術の授業が開始したその時その場で、アトリー様との“実技演習の手合わせ“をクラスメイトの“帝国第3皇子“が嘆願した所に、まだ納得がいってなかった同クラスメイトの、“ヴェステの第1王女“も便乗したことで周囲もそれに同調し、アトリー様は断ることが難しくなり、仕方なく“帝国第3皇子“との“実技演習“となりました。勝敗はアトリー様の圧勝で終わり、そこでその時の嫌がらせのような“実力見学“も終わったのです・・・


 そこで終わっていたはずなんですが・・・今回、正式に要請を出して来たのは“ヴェステ“と“ズューウス“ですが、それに便乗じて来た国の大半、と言うか“帝国“以外の国は、以前その場に外交官が居合わせなかったんです。アトリー様があげた国は地理的に隔たりがあったり、大陸が違ったり、そもそも国交がなかったり、とする場所ばかりで。今学期にやっと留学生を送り込んできた国々ですから、前回の“公開授業“の様子を知らないか、知ってても自分の目で確かめる為にわざわざ、“帝国皇太子“と一緒に“ヴェステ“と“ズューウス“の提案に乗っかったって感じですね、まぁ、予想通りというか、またかと言うか・・・そんな感じです・・・」


 僕が入学した当初は、“ディアマンディ大陸“内にある殆どの国々から留学生が来たのだが、ディアマンディ大陸外にある国々からは何故か全くと言って良いほど、来なかった。よくて、この国から最も近い大陸、“スマラクト大陸“にある国、“スッド魔人民国“からの留学生が数人来ただけだった。それ以外の他大陸からの留学生は何故か夏休み明けの二学期から入って来たそうだ。


(多分、他の大陸は単一種族だけが暮らし、統治している国が多いから、崇める神が“主神のティーナちゃん“じゃないんだろうな、だから僕の存在にあまり興味がなかったんだと思う。あとは距離的な問題で入学の時期に間に合わなかったか?まぁ、でも、ついこの間あったパーティーで起こった事件で僕に興味が湧いたんだろうね。だから“ヴェステ“と“ズューウス“が提案した、僕の“実技演習“の参加要望を後押ししたんだろうな・・・クソ迷惑な話だ・・・(°▽°)でも、結局こうなったか・・・)


天華『アトリー、言葉・・・』


 前々からの懸念が大当たりして、心の中で悪態をつき、天華に嗜められても、表面上、顔には出さずに考えていると。


彩ちゃん「じゃあ、今回はその前の“公開授業“を見損ねたって駄々をこねる国々の要望に応えてくれってこと?」


「「「「「ぶふっ!」」」」」


 彩ちゃんが身も蓋もない表現で各国を“駄々をこねる子供“扱いした事に、笑いが出てきたが、その表現もあながち間違いじゃないなっと思った僕だった。他の皆んなも笑いを堪えるのに必死だ。


「ふっ・・ふ・ま、まぁ、大体そう言うことですね。あとは“ヴェステ“と“ズューウス“の裏工作もあったかもしれませんけどね」


夢ちゃん「ふふっ・・・ん?あー、自分達が正式に要望を出すから。便乗してくれって?感じで?あり得そう・・・と言うか、“ヴェステ王国“は“あの女の子“の国でしょ?あの子が要望を出すのは何となく分かるんだけど。何で留学生も来てない“ズューウス王国“が要望を出して来たんだろう?あそこって今も“ノルテ魔王国“に喧嘩ふっかけてんじゃなかったの?」


仁「ふふっ、・・・ふぅ、夢ちゃん、“喧嘩ふっかける“って・・・言い方・・・」


「んー、そう言えばそこら辺の事情は僕は聞いてませんね。でも、開戦したって話も聞きませんし今の所は落ち着いているのかもしれません。あっ、そうだ、もしかしたら、仁さん達がこちらの国に来られた時に、一緒にいらした“ズューウスの王女様“が帰国したとは聞いてませんから、その方が“ヴェステ“と合同で要望を出したのかもしれませんね?確か両国家の王族同士での婚姻をするぐらい、交流が盛んだと聞いてますし」


 夢ちゃんの言い方はどうであれ、確かに今はそんな事をしている場合ではなさそうな隣国の現状に疑問は残る。自分の立てた予想はただの予想でしかない為、正確な情報は今の所、持ってはいない。


彩ちゃん「あ、それは私も聞いたことあるわ、それなら合同での要望申請も頷けるわね。それにしても、今回の“実技演習“はどう見たって彼女、“ヴェステ王国の第1王女のアーミラ・コーニング・ヴェステ“さんが仕組んだことでしょう?アトリー君はその要望に本当に応えるの?」


「そうですねぇ・・・彼女の思惑に乗るのは合腹ですが、こうなる事は前々から薄々感じてたんですよ。もうこれを機にきっぱり決着をつけたいと思ってましてね。今では彼女が何故あそこまで僕に敵意をみせ、しつこく絡んでくるのか・・・その真意を聞いて見たいと思っていたところです」


 彩ちゃんは何か罠があると分かりきったこの茶番に付き合うことはないはずだ、と言いたいのだろうが、僕自身いい加減あの煩わしい視線の理由が知りたいと思っていた所だった。この際向こうの言い分でも聞いてやろうではないか、と言う気持ちになっていた。(それに断ったら自暴自棄になって強行策に出かねないって言う話にもなってたしね、僕は他人様に迷惑をかけるのは本意ではないからな・・・)


彩ちゃん「そう、アトリー君がそう思ってるのなら、止めないわ。・・・・・まぁ、考えようによっては今回うまく向こうの気持ちが聞き出せる、と思えば、ちょうど良い時期での打診だったのかしら?」


「ふふっ、まぁ、前向きに考えればそうとも言えますね♪」


夢ちゃん「まぁ、何事も前向きに考えるのがいい時もあるよねぇ~・・・あ、そうだ!アトリー君パパから、“公開実技授業“の後ぐらいに良いお知らせができそうだっていってた!」


「良いお知らせ?・・・・・そう、ですか、何かは分かりませんが、このさきで良いことがあるとやる気が出ますね♪」


(急な“良いお知らせ“ね・・・ねぇ、これって、・・・・そう言うこと?)


天華『はい、アトリーの推測通りです』


夢ちゃん「うん、そうだね!今は内緒だって!ふふっ、なんだろうね?サプライズで何かするのかなぁ?ふふっ楽しみだね♪」


(・・・そうか、“帰還“の目処がたったのか・・・この子達と一緒に居れる時間も後わずかか・・・寂しくなるね・・・( ´ ▽ ` ))


 夢ちゃんが無邪気に笑って言った“良いお知らせ“に見当がつき、僕は少し寂しさを感じた。


(でも、向こうじゃこの子達を探している家族が居るんだから、そうは言ってられないよね・・・まぁ、いつかは来る出来事だったんだから、笑顔で送り返してあげなきゃね(*´ー`*)・・・・・・)


聖獣達&精霊達『『『『『アトリー(様)』』』』』


 寂しさでしょんもりしていた僕をジュール達が気にかけてくれる。でも、その寂しさも一時の事・・・


(・・・・よしっ!!それまでに色んな思い出作りしなきゃねっ!)


 と、気持ちを切り替えて。今後の脳内の予定に思い出作りを追加した。


聖獣達&精霊達『『『『『切り替え、早っ!!』』』』』


(ふふっ!いつまでも悲しんでいるより、楽しい事をもっと積み重ねるのが大事なのさ!(°▽°))


 皆んなのツッコミにドヤ顔で返す僕。


「さて、“実技演習“の参加も決まった事ですし。今度の“公開実技授業“までに、もっと鍛錬をしますか!」


 と、ベッドから降りようとした。


ソル「アトリー様、今日は一日お休みですよ。何をしれっと寝台から降りようとしているんですか?はい、戻って戻って!」


「チッ!流されなかったか・・・」


ソル「アトリー様、また舌打ち」


「むぅ・・・」


「「「「「ぷっ、あははははっ!」」」」」


 僕の自然な流れの逃亡を、ソルに軽く阻止され、お小言も貰い膨れていると、そのやり取りを見ていた全員が大笑いしたのだった。そして笑いに包まれた室内に両親や他の兄弟も来て。さらに笑顔が溢れる空間になり、全員でわちゃわちゃと会話を楽しんでいると、両親が僕の回復具合が順調だと言うことで、今夜の晩餐はベッドの上ではなく。食堂で皆んなと食べても良い事になった。(お昼はベッドで食べた・・・)でも、魔法とスキルの使用は禁止のままだ・・・


(あ、体調不良の原因は、他系統のスキルを複数同時に使った事が原因だったって、ソル以外の皆んなには説明したよ!( ̄Д ̄)ノじゃないと、原因が分かるまで何時までもお休みさせられそうだったからね!(°▽°))


母様「ふふっ、本当にもう大丈夫そうですね。アトリー」


「はい!もうどこも悪い所はないですよ♪」


母様「一時はどうなる事かと心配しましたけど、今は貴方が健康で無事なのが嬉しいですよ。なので今後はスキルの使い方には気をつけて頂戴ね?」


「はい、気をつけます。それに今日みたいに自室で1人食事を取るのは寂しいです・・・」


母様「まぁ、そんなに寂しかったの?」


 ベッドの端に座って僕と会話している母様が、優しく僕の頭を撫でて聞いてくる。


「はい、寂しいですし、味気ない感じがしました・・・だから、今後はスキルの複数使用は慎重にして行きます!」


母様「ん、うーん?・・・ふぅ、・・・無茶だけはしないでね?」


 母様は何か言いたげな表情の後、何か諦めた様子でそう言った。


「はい!」


 元気に返事を返し笑うと、近くにいた父様や兄弟達が複雑そうな表情で軽くため息を吐いた。その後互いに視線を交わし無言で頷き合ったのだった。


「??」(どうしたのさ?(-᷅_-᷄๑)何か変な言葉使った?)


 意味の分からない家族の仕草に頭を傾げていると、母様がまた頭を撫でてくれたので。嬉しくてご機嫌になった事で、その疑問はどっかにいってしまった。


室内の全員(((((そこで複数のスキルを使わないって、選択肢にはならないんだ・・・)))))


 なんて事を、思われているのには1ミリも気づかず、その日はイネオス達も一緒に夕飯を食べて早くに休んだのだった・・・・


(今日は1日、色々あったけど、皆んなと夕ご飯が食べれて楽しかったな♪( ^∀^)今度の休みに仁達と料理を作って、皆んなでピクニックに行く約束もしたし、楽しい事だらけだ。でも明日からの学園の授業も今日休んだ遅れを取り戻さないと。あ!、そう言えば、父様達に侵入者の件はどうなったか聞くの忘れた!Σ(-᷅_-᷄๑)・・・明日の朝一番に聞こう!)


 そう決めて、ベッドの中で今お気に入りのぬいぐるみを抱きしめて眠ったのだった・・・・


(お休みなさい・・・・Zzzz・・・・・)















*明日もあります!



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― 新着の感想 ―
[気になる点] 2度目の警告してるのに コレって神罰落ちるんじゃないの? 国王にも言ってるのに! それを要請(強制)って事だよね?
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