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4話 王都に到着!


 翌朝、順調に 私が生まれて初めて泊まった宿“湖畔の憩い“がある町“ビジュリムネー“を出発して王都までの道のりは “概ね(おおむね)“ 問題無く進み、今は もう少しで 王都の外壁が見えて来る と言う所まで来ていた。


 “概ね“問題が無いと言うのはあの後 馬車での移動中の合間に入れる お昼休憩の場所に必ず 何かしらの動物や魔物が私の近くに来て 頭を下げて 撫でて欲しそうに お腹を出したり 座って動かなかったりして来たのだ、

私も含め 皆が頭の上に“?“が出ていたと思う だが動物達が何か悪さをしたわけでも無いので “概ね“問題が無いとしている。


 その他は、私とソルが初めての旅だと言う事で予定より少し遅れて進んで来た 元々かなり余裕を持って日程を組んでいた事もあり誤差の範囲らしい、

そのお陰で 私達は道中 色々な物に興味を持ってもゆっくり過ごす事ができた。


(私は沢山、動物に触れて大満足だ!まぁ大人達はハラハラしてたみたいだけど でも私に近寄って来る動物は何故か敵意?見たいのが感じないんだよね)


 色々考えていると、


父様「アトリー、もう王都が見えてきたよ」


父様が教えてくれたので すぐに外を見た。


「わぁ~、あれが王都の城壁ですか⁉︎大きいなぁ~」


 高さ15mほどの堅牢な城壁が見えてきた。


父様「そうだね、近隣諸国の中では2番目に大きいらしいよ」


「2番目?1番目はどこの国なのですか?」


父様「スフェール山脈の向こう側にある“ライヒスル帝国“の城壁が確か1番大きいらしいね」


「らしい?」


父様「あぁ、曖昧なのは誰も正確に測って比べた事がないからだよ 城壁を見た人の主観によるからね」


(ん~、まぁ、自国の城壁の高さは正確に知っていてもそれを態々、他国の城壁と比べたりする為に 教え合ったりしないだろうね、軍事機密だろうし)


「ふ~ん、そうなんですね、でも“鑑定スキル“を持ってる人が城壁を見たら正確な高さって分からないんですか?あ、でも城壁に魔法が掛けてあって分からない様にしてあるとかですか?」


 父様は目を見開き驚いていた。


父様「盲点だった、城壁には魔法を弾くような防御に特化した対策は取られることが一般的だが認識を阻害または偽装する対策はしていないはずだ、魔法は駄目でもスキルは出来るかもしれない なんて考えたことも無かった・・・

 アトリーのお陰で重要な事に気づいたかもしれないよ、有り難うアトリー」


 父様が頭を撫でてくる。


(今まで疑問に思わなかったんだね 魔法が効かない=スキルも効かないと思い込んでいたんだね、まぁ他にも気づく人はいたと思うけど、その人が一般市民だと意味無いからね、今 気づいただけでも良い方かもね)


「え~と、どういたしまして?」


 ちょっと照れ臭くなって疑問符を付けてしまった。


母様「凄いわねアトリー」


 母様も頭を撫でてくれた。


(今世はやたら頭を撫でられている気がする、まぁ撫でられるのは嫌いじゃ無いけどむしろ好きだけど)


 照れてる私をひたすら撫でまくる両親、今度は恥ずかしくなって来て下を向いてしまった。


(何コレ恥ずかしいんですけど!)


 恥ずかしがっていると外からリカルドさんの声がした。


リカルド「公爵閣下、そろそろ人通りが多くなって 王都へ入る門の車列に入ります」


父様「あぁ、分かった、ありがとうリカルド団長」


 どうやら人が多くなってきそうなのに一向にカーテンを閉めないのを不思議に思ったリカルドさんが声をかけてくれたみたいだ 、

お陰で恥ずかしい状況を打破できた。


(有り難うリカルドさん!)


 心の中でお礼を言い、一応 窓からも手を振って見たら リカルドさんは騎士の敬礼を返してくれた。


(リカルドさん相変わらず真面目でカッコいい!)


 しばらくすると馬車はスピードを落とし、リカルドさんの言ったとおり 王都に入る車列に並んだようだ。


・・・・・・・・・・・30分後


?「次の方どうぞ!・・・・・はい、ここでお止まりください!」


 外から大きな声が聞こえてきた、どうやら門に着いたようだ 門の警備の兵士?さんと私の乗っている馭者さんと会話しているようだ。


兵士?「では、紋章の確認と馬車内を拝見させて頂きます!よろしいでしょうか!」


 声が近くまで来ていた。


父様「あぁ構わないよ、だが君、もう少し声を落としてくれないか?息子が寝ているんだ」


 父様がカーテンと窓を少し開け警備の兵士?さんに声を落とすようにお願いをした、だが私は今 本当に寝ているわけではない 。


 何故かと言うと、ここ王都に着く前に父様から私に関しての噂について色々と聞かされて ある作戦の事も教えて貰っていた、

その為の布石として街に入る時は寝たふりをしたり例の認識阻害ローブを着たりしているのだ。


兵士?「はっ、も、申し訳ございません、では中を拝見してよろしいでしょうか?」


 少し声が小さくなった。


父様「いいよ静かにね」


「カシャンッ」


 馬車の内鍵が開いた音がした。


キィッ


 扉の開く軋みが聞こえて。


兵士?「失礼します、紋章のご提示をお願いいたします」


父様「あぁ、はい、コレでいいかな?」


兵士?「はい、確認させて頂きました、公爵様ご本人でお間違い無いと判断いたします、では、公爵夫人と・・・ご子息の顔が・・・」


父様「ん?私の息子の顔がどうしたんだい?」


兵士?「いえ、ご子息のお顔が見えませんので……」


 それはそうだろう、今 私は母様の膝の上に頭を乗せて 母様のお腹の方を向いて寝ているのだから、

兵士さん?から見たら 私は背中と後頭部しか見えてないはず その上ブランケットを被って寝てるので頭なんて髪色くらいしか分からない。


父様「何故、君に息子の顔を見せなければならない?この子は今日初めて王都に来たんだが 君にこの子の顔確認をできる資料か絵を持っているのか?」


兵士?「い、いえ、そ、その資料はございませんが一応、確認をと……」


 段々 声に焦りが見え始めた。


父様「息子は寝ていると言っているだろう?君は 私に息子を起こして 態々 君に顔を見せるように言わなければならないとでも?」


(父様、中々の演技上手だね~)


兵士?「え、いいえ、そんな事は言っては…」


父様「君、名前は?後、所属は何処の騎士団だ、第2か?第3 か?まさか 第1騎士団では無いだろう?」


(あら、騎士団の人だった)


*普段は衛兵隊が門の警備と王都に入る人達の検問をするのだか、ここ10日程は数日後に行われる洗礼と祝福の日の為に今年7歳になる子供を持つ貴族が国中から集まるので衛兵隊だけでは対応に困る事があるためその期間だけ騎士団が貴族側の検問をしているので、衛兵隊は一般人専用の列の検問に専念している。


騎士?「あ、え、いや、自分はその・・・」


 怯えた声になって来た、急に遠くから怒鳴り声が聞こえてきた。


?「おい!コバルデ!何をもたついている、まだ後ろに待ってらっしゃる方々が沢山いるんだぞ早くしないか!」


 どんどん声が近づいてくる。


(声大きいな~起きちゃうよ、まぁもう 起きてはいるけど)


騎士コバルデ「せ、先輩!」


 名前を呼ばれて少し焦っている。


先輩騎士「…はっ!申し訳ありません、公爵様でしたか!」


 今、公爵家の馬車だと気づいたようだ。


父様「君は誰だい?後、悪いけど声が大きい静かにしてくれないかな?息子が寝ているんだ」


 父様が少し苛立った風に注意した。


先輩騎士「は、失礼致しました、自分は第3騎士団所属のグルトン・ノブル・ブエノロームと申します、公爵様、こちらの者に何か問題でもございましたか?」


 すぐに声を落として話し出した、対応能力が高いようだ。


父様「あぁ、そちらのコバルデと言ったかな?そこの彼が執拗に私の息子の顔を見たがるのだよ、寝ていると言っているのに」


(あぁあ、父様がしっかり名前を覚えてしまったようだね、がんばれコバルデさん)


騎士ブエノローム「それは、大変失礼しました、後でこちらで方できつく言い聞かせておきますので、どうかご容赦下さい」


(部下 思いのいい人だね、そう言えば、今 後ろの馬車の人達はどうしてるんだろ?)


父様「そうだね 彼が謝罪したら、そちらに任そう、後、私達はもう通過しても構わないかな?」


 父様が貴族としての対応をしている、かなり譲歩しているようだ。


騎士ブエノローム「寛大なご処置有難う御座います、では紋章の確認は済んでいますでしょうか?」


父様「あぁ一応 彼が確かめたがもう一度確認するかい?」


騎士ブエノローム「はい、申し訳ございませんが もう一度 紋章のご提示をお願いできますでしょうか」


(警備に手を抜かないって偉いね ブエノロームさん)


父様「君は真面目だね、はい、コレでいいかな?」


騎士ブエノローム「はい、有り難うございます、確認 致しましたお手数お掛けしてしまって申し訳ございません、おい、コバルデ、公爵様に謝罪をしなさい」


騎士コバルデ「は、はい、こ、公爵様、、大変失礼をいたしまして 申し訳ございません、お、お許しください」


父様「いいだろう、許す、だが2度目は無いと思ってくれ 私は 可愛い息子に健やかに育って欲しいと思っているからね」


(次やったら口を永遠に塞ぐぞコラァ、って副音声が聞こえた気がしたね)


騎士コバルデ「は、は、はい肝に銘じます……」


(この人 今、顔色 青ざめているんだろうなぁ、乙)


騎士ブエノローム「お時間をいただき、有難う御座います、では 前方にお進みください」


父様「あぁ こちらこそ、有り難う 騎士ブエノローム、では進んでくれ」


(あ、この人も別の意味で父様に名前 覚えられたね)


「キィッ、パタン・・カチャ・・・・・カッタコトッ、カッタコトッ」


 馬車の扉が閉まり、動き始めた音がする。


父様「そろそろ、大丈夫だよ アトリー」


「ぷはぁ、もう少しで本当に寝そうになりましたよ、母様がずっと頭撫でてるんですもん」


母様「ふふっだってアトリーが可愛くてつい、それにアトリーの髪 サラサラして気持ちいいんだもの」


「む~」(母様の膝の上も気持ちよかった、なんて言ったらセクハラ発言だよね)


父様「はははっでも本当に寝ても良かったんだよ?アトリー」


「それは駄目なんです!こっそり王都の風景を見るって 決めてたんですから!あ、そう言えば、後ろの馬車も時間が かかるでしょうか?」


(お祖母様達の馬車もあれほど しつこく聞いてくることは無いと思いたいけど 大丈夫かな?)


父様「それは大丈夫だよ先に終わってた だろうし、それよりアトリー 外を見るときは気をつけて見るんだよ? 」


 どうやら先程のやりとりの最中に他の騎士が確認を終わらせていたようだ、なので 後ろからついてくる馬車の音が聞こえてきた。


(あ、ついて来てるね、ならいいか)


「はい、父様」


 カーテンを少しだけ開けて外を見た、

さすが王都と言うだけあって人の量が領都の町とは桁違いだ この大通りは決して狭く無いはずなのに人がひしめき合ってる。


(わ~領都と違って色んな種族がいるな~あ!エルフ族だ!)


 珍しいエルフ族を眺めていると急にそのエルフがこちらを見たので すぐカーテンを閉めた。


(っ!)


シャッ!


「え?」


(完全に目があったよね 片目分ぐらいしかカーテン開けてないのに)


母様「どうかしたのアトリー?」


「あ、あの今 外を見ていたらエルフ族の女性?がいたので珍しいな と思って見ていたら急にこちらを見たので 目があったような気がしただけです」


母様「そう、急にねぇ?気のせいかもしれないけど 今日はもう外を見るのはやめておきましょう “洗礼と祝福“が終わったら王都を見て回るのでしょう?」


「はい母様、王都観光までとっておきます!」


母様「ふふっそれまでの楽しみにしておきましょう」


 その後 母様と王都の観光の話で盛り上がって喋っていたら、いつの間にか王都の貴族街に入る所まで来ていた、貴族街の入り口にも一応門と門番がいるが先程のように寝たふりでやり過ごした 。


「先程の門番は普通でしたね、やはり城門で詮索してきた騎士は何処かの手の者だったのでしょうか?」


父様「そうだと思うよあの騎士はさすがに分かりやすかったけど」


(そうだよねーかなり あからさまに詮索して来たもんね)


「確かに分かりやすかったです、しかしあの噂を流した人はやっぱりお馬鹿さんなのでしょうか、後々判明するような分かりやすい嘘を言いふらすなんて 自分で自分の首を絞めている様なものですし、そう思いませんか父様?」


 大体、その年に7歳になる貴族の子供達が王都に集まるのは貴族なら誰でも分かっていたはず、なのに憶測だけで公爵家の子供である私を侮辱するような噂を流したのだろうか 公爵家に喧嘩を売ってるのは分かるが喧嘩を売って何がしたいのか が分からない 。


 爵位の最上位である公爵家に何が出来るのだろう?しかも、我がデューキス公爵家は前国王の弟であるお祖父様は由緒正しい王家の血筋であるのに それにも関わらず その孫を侮辱して喧嘩を売るなんて 爵位剥奪もされかね無い行動をするとは、ただのお馬鹿さんなのか?


父様「そうだね、少し、いや かなり計画が杜撰(ずさん)過ぎるね、本当に信じ込んでいるか、何か意図的な物があったのかそれは調べて見ないとわからないけどね」


「う~ん、そうですね、僕には何か意図があったような気がします、でなければあまりにも自分に返ってくる不利益が多過ぎる気がします、

まぁ、それかそんな事も考えられない、お馬鹿さんなのかもしれませんね」


父様「では詳しく調べてみようか、どちらなのか気になるからね」


(父様も気になるようだね、教えてくれるかな?ダメ元で聞いてみるか)


「僕も気になります、調べてわかったら 教えて頂けますか?父様?」


父様「う~ん詳細は教えてあげれないかも しれないけどいいかい?」


「はい、それで構いません」


(やった!詳細は教えてもらえなくても 意図の有無でそれなりに予想はつくかな?)


父様「分かったよ、調べがついたら知らせるよ」


「はい、お願いします、父様」


 父様は笑顔で頷いた。


父様「さぁそろそろ屋敷に着くよ、門をくぐればカーテンを開けて大丈夫だよ」


 父様の言った通り屋敷の前門に着いたのだろう馬車がスピードを落とし静かに止まった。


門番「お帰りなさいませ、お待ちしておりました 今、門を開きます、開門!」


ギィィーーーッ


 と、門が軋みながら開く音が聞こえた、そして再び馬車が動き出した門をくぐったと感じたので父様にカーテンを開ける許可をもらった、

カーテンを開けるとまだロータリーを進んでいたが、次第に白く大きな建物が見えてきた。


「わぁー、白~い、ん?何かキラキラしてる?」


父様「あぁ、王都の屋敷には壁に特殊な加工をして 外からの魔法攻撃対応しているんだよ、領地の屋敷にはこれとはまた違う加工が敷地全体を覆う外壁にも施してあるよ」


「そうなんですね、凄いキラキラして綺麗ですね」


(さすが公爵家、魔法対策もバッチリか)


母様「ふふっアトリーもう少しで正面玄関に着きますよ降りる用意をしましょう」


「はい!母様♪」


(久しぶりにお祖父様達に会える♪)


 母様に言われたとおりに降りる為の身だしなみチェックをした。


「母様、僕の髪 跳ねてないですか?」


(さっき寝たふりしてたからね)


母様「えぇ、大丈夫よどこも跳ねてないわ」


 母様は優しく髪を撫でてくれた。


父様「さぁ、皆んながアトリーとソルに会えるのを楽しみに待っているよ」


「僕も久しぶりにお祖父様達に会えるの楽しみです!」


父様「少し違うかな、父上達も楽しみにしているだろうけど 王都の屋敷の使用人達も アトリー達に会えるのを楽しみにしていると思うよ?」


「お屋敷の使用人の皆さんが?僕達を?」


母様「ふふっ、えぇ、そうね皆んな 楽しみにしているでしょうね、皆 カミィ達やお義父さま達が話す アトリー達を見たことが無いから、今日初めて 王都の屋敷に来る 貴方達を楽しみに待ってると思うわよ?」


「?そう言えば初めて会う方ばかりのお屋敷ですもんね?僕達に会ったからと言って何か面白いことなんてありませんよ?」


父様「それでもアトリー達に皆会いたいんだよ」


「う~ん?」


 疑問は尽きないがどうやら正面玄関に着いたようだ、先触れが来ていた様で玄関先にはお祖父様や兄様達が大勢の使用人達と並んで待っていた、馬車が止まりいつも通りに父様達が降りると次は私の番、


父様「さぁ、アトリーおいで」


父様が手を差し出したのでいつも通り手をとって降りる。


「「「「「「「「「「ッ!」」」」」」」」」」


 周りから一瞬息を詰めた音がした。


「?」


 何の音かと考えコテンッと首を傾げると、


「「「「「「「「「「グッ!」」」」」」」」」」


また音がした。


「??」


 不思議に思い周りを見渡すと父様が気にしなくていいよと言うので頷いておく。


(なんか既視感があるな、前にもあった様な…)


お祖父様「言った通りになったな」ボソッ  


「あ、お祖父様お久しぶりです♪、今 何かおっしゃいましたか?よく聞き取れなくて」


お祖父様「おぉ久しぶりだな、アトリー、さっきのは何でもないから 気にする事は無い、それより ここに来るまでの旅はどうだった?楽しかったか?」


 お祖父様は近づいてきて頭を撫でながら 今回の旅の感想を聞いてくる。


(私に関係ないことかな?まぁいいや 旅ね、噂の話以外は動物達の事ぐらいだけど、それは訳が分からないから置いとくとして、うん大部分は楽しかったかな)    *成長してもとことん自分の容姿の破壊力を正しく認識していないアトリーだった・・・


「う~んと、変な噂を流されたこと以外は概ね何事もなく 僕とソルは初めての事ばかりで楽しかったです!」


 ニッコリ笑いながら答えた。


お祖父様「そうか、楽しかったか、・・・ん?変な噂とは?どの事だ?」


ジョルジュ「大旦那様、先に皆様を中にご案内されてはいかがですか?」


お祖父様「ジョルジュ、あぁそうだな、皆 待たせて済まない 旅の話は中でしようか、セルドス達も客間を用意しているのでゆっくり寛いでくれ、ラト詳しい話は夕食を食べる前にしてくれ」


セルドス「ご配慮いただき有難う御座います、大旦那様」セルドス一家が深くお辞儀をした


お祖父様「よいよい、気にするな、ソルドアの事も私は 孫みたいに可愛いからと勝手に思ってやっていることだ、だから気にするな」


 そう言った後お祖父様は皆んなを中に促して先に入って行ってしまった。


お祖母様「クスクスッあの人ったら」


 お祖母様が笑いながらお祖父様の後をついて行った。


父様「あれは照れてるね、父上達が先に行ってしまったし 私達も中に入ろうか、荷物をお願いできるかな?」


(お祖父様の照れ顔可愛い!)


 父様は屋敷の使用人さん達に荷物を頼んで、残った皆んなをつれて中に入った、私はソルと一緒に屋敷に入って兄弟達に案内されながら応接室に行った、

中にはお祖父様とお祖父様を見ながら 微笑ましげに笑ってるお祖母様が先にソファーに座って待っていた。


お祖父様「ンンッ、さて皆来た事だし先程の話の続きを聞こうか」


 お祖父様が仕切り直し とばかりに喉を鳴らし話の続きを促した、話自体は父様が進めたまに母様とお祖母様が補足しつつ話終わると。


お祖父様「そうか、だからあの根も葉もない噂が横行しているのか、しかもわざと否定もしとらんとは面白いことをしたものだな、ラト」


父様「なのでパーティーまでそのままにしておこうかと、容姿についての噂はそこでバレるかもしれませんが 能力についてのことは“洗礼と祝福“をして見ないと誰にも分からないですからね、それにアトリーの魔力量は誰よりも多いいでしょうし、“見る者が見れば“すぐ分かる事ですから」


お祖父様「そうだな、後はパーティーまでの2日間、全ての面会の申し込みを断れば良いだけだな、なら 簡た「コンコンッ失礼します」どうした?」


カイル「大旦那様 ただ今 王宮より手紙が来ております」


お祖父様「私に?王宮?王城ではなく?」


カイル「はい、前国王陛下よりのお手紙です」


お祖父様「あぁ、兄上か…、・・・嫌な予感がするな」


 手紙を受け取り封を開け中身を読み出した お祖父様の顔が見るみる嫌そうな苦い顔をした後、盛大なため息をした。


お祖父様「すぅ、はぁぁ~・・・、明日、兄上がアトリーに会いにくるそうだ……」


全員「「「「「「「「「「「・・・・・はぁ?」」」」」」」」」」」


(おぉぅ、急だな、なぜに?)


「お祖父様の兄様が僕に?」


お祖父様「あぁ、兄上が噂の事を耳にして本当かどうか知りたいそうだ、はぁ、すまない アトリー、兄上は言い出したら止まらない人なのだ、だから明日は必ず会いにくるだろう、嫌かもしれないが少しの間だけ我慢してくれるか?」


(前国王、好奇心旺盛かよ!)


「いいえ、大丈夫ですよ、お祖父様、むしろお祖父様の兄様にお会いできるなんて、楽しみです!」


(大人の対応しますよ?)


お祖父様「ッ!アトリーは本当にいい子だな、大丈夫、顔を見せたらすぐに帰らそう!そうだ、すぐに返事を書こう会う条件として“シベラス“を連れてくるようにと付け加えよう、それならばアトリーも“シベラス“に会えるし、“ラス“なら兄上を強制的に帰らせる事ができるしな」


父様「それは良いですね、“ラス“なら王城勤めで前国王陛下の公務を把握しているから 滞在時間も少なくしてくれるでしょう、“ラス“には私が連絡を入れます」


(おやや?これは・・・)


お祖父様「では、私は兄上に手紙を書こう、“ラス“の方は頼んだ ラト」


 お祖父様は良いことを思いついたと言わんばかりにご機嫌で手紙を書くために応接室から出ていった、その後ろ姿を眺めながら聞いた。


「“シベラス叔父様“に会えるのですか?」


(父様の弟の“シベラス叔父様“って聞いたことはあるけど、本人に会ったこと無いんだよね)


父様「あぁ 合わせてあげるよ、シベラスもアトリーに会いたがっていたからね、すぐに返事をくれるよ」


「わ~、初めて会える!」


(7年目にして初顔合わせだよー、まぁ王城勤めで忙しい方だと聞いているからね、なんせ現国王の筆頭補佐官しているそうだからね、そりゃ忙しいわ!)


ライ兄様「そうか、アトリーは初めて会うのか“シベラス叔父上“と、なら見ものだな」


「?何がです、ライ兄様?」


(見ものとは?)


ライ兄様「それは会ってからのお楽しみだ」


 ライ兄様がニヤッと笑って教えてくれない。


「む~、教えてくださいよ~」


(焦らしに来たなライ兄様め!もう何その笑い、いつまでたってもヤンチャ坊主感が抜けないんだよね ライ兄様は)


カイ兄様「ふふっ、アトリー、明日になれば分かるから良いじゃないか」


「でも、気になります!」


(あ~カイ兄様もー)


カイ兄様「楽しみはとって置く方が何倍も楽しめるよ?」


「う~ん」


(そう言われるとその方がいい気がしてきた、しかし、カイ兄様は最近なんか父様に雰囲気が似て来たんだよね 落ち着きが出て来た感じ)


ヘリー姉様「クスクスッ、アトリー、先に知ってしまう方が楽しみがなくなってしまうわよ?」


「う~、分かりました 楽しみは後に取って置きます・・・」


(ヘリー姉様は最近ライ兄様に突っ掛かった言い方しなくなって大人の女性?淑女感が出て来たよね)


父様「ふふっ楽しみにしてるといいよ、会うとびっくりするよ」


「!はい、楽しみです!」


(びっくりするの?何それ楽しみ!)


 父様は子供達皆んなの頭をひと撫でしてから応接室から出ていった、その後応接室に残ったみんなでおしゃべりを楽しんで 夕食をとっていたら、

前国王陛下と叔父様 両方から了承の手紙が来た(返事早っ)その日はみんな早めに寝ることになった・・・


 で、寝る前に最近 習慣づける様にしたお休みのハグを王都の屋敷組にしたら 。


 カイ兄様には抱き上げられ、

(ちょっとびっくりした、わぁ視界が高いなぁ、身長羨ましい!)


ライ兄様に背骨を折られそうになり、

(初めてサバ折にされたよ!)


ヘリー姉様には頭を抱え込まれ撫で回されたあげく 窒息死しかけた。

(既視感 半端なかったよ…)


 お祖父様は抱き上げられて頬ずりされた、

(何気に 口髭がチクチクして痛かった!)


お祖母様には優しく抱き返してもらい頬を撫でられた、

(少しこそばゆい)


カミィ姉様も抱きしめてくれて頭を撫でられる。

(最初は窒息死しそうになるまで長く抱き締めて来たんだよな 成長したなぁ・・・)遠い目 

  

*両親が止めるまで離さなかったのだ その間ずっと頭を撫でていた、ヘリーもほぼ同じことをしているが違うのは抱き締める長さだけ、最終的には両方 窒息死しかける。


 最後は父様達は2人で抱き返してくれて頭にキスをされてお休みの挨拶をして一緒に寝た。


 今回の王都旅行中は領都の屋敷に帰るまで一緒に寝ると約束をしたので今日も仲良く一緒に就寝するのだ。



 あ、ソルにもしたら最初は固まっていたよ 直立不動だった、最近は背中をぽんぽんされるのでぽんぽん仕返して離れるのが日常になっている。


 ソルはソルで自分のお母さんのセラスさんにもしてるらしい。(可愛いよね‼︎)


(明日は大変そうだなぁ、ふあぁ~まぁ良いか、お休みなさいZzzzzz)












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