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99話 祖父母との思い出


「あ“あ“ぁ⁉︎ふざけんなよ‼︎」


 とてもドスの聞いた声でメンチを切ったのは、さっきまで僕達の後ろで男を笑っていた仁だ、普段とは全く違った雰囲気を纏い前に進み出て、眉間に皺を寄せ眼光鋭く相手を睨んだ。


 ソルは自分の“収納“から長めのナイフを取り出し、今にも男に斬りかかりそうだったが驚きで動きを止めた。


夢ちゃん&彩ちゃん「「あ~あっ」」パチンッ「「南無っ」」


「「「「「えっ⁉︎仁様⁉︎」」」」」「『『『仁さん⁉︎』』』」「「「「「えっ⁉︎」」」」」


(おぉ、これは久しぶりに見たね、“沙樹崎家直伝のメンチ切り“!)


 仁の急変に驚き固まるデューキス家関係者達に周囲の冒険者達、さっきまで彩ちゃん達と一緒に騎士達に守られ、苦笑いしていた少し気弱そうな男の子が、急に雰囲気を変えて相手にドスの聞いたメンチ切りをお見舞いしたのだから・・・


 そして、仁の急変に驚く事なく両手を合わせ“南無っ“と拝んだ彩ちゃん達、これを見る限りこの状態の仁を見たのは初めてではないようだ・・・


天華『あ、あの、アトリー?仁さんはどうしたのですか?それに“沙樹崎家直伝“って・・・・』


  勘違い男「な、何だお前は!お前に関係無いだろう!そこをどけ!」


(ん、“沙樹崎家直伝メンチ切り“、読んで字の如く、僕の前世の家、沙樹崎家に祖父の代から伝わるメンチ切り、“ガン飛ばし“、“睨みつけ“とも言うね、“メンチ切り“の方が語呂がいいから“沙樹崎家直伝メンチ切り“って言ってるけど)


夜月『いや、名称の事を聞いてない』


  仁「あ“あ“ぁ?何が関係ないだとぉ⁉︎関係があるからテメェの前に来てやってるんだよ!!このボケがぁ!!」ダンッ!「ひぇっ」


   仁が無詠唱で放った“ストーンアロー“が勘違い男の股の間に突き刺さった。


(あ、ん、えっとね、僕の前世のお爺ちゃんが若い時、と言っても多分40代か50代の時にしていた、人の体に刺青を入れるお仕事をしていた時の、知り合いから教えて貰ったとか言ってた)


夜月『そ、それは、ヤ○ザの事か?』


  勘違い男「ボ、ボケとは何だ、ボケとは!侮辱罪で罰するぞ!」


   剣呑な雰囲気を放つ仁に、果敢に反抗する勘違い男。


(うーん、それも知り合いにはいたと思うけど、これは外人さんだったはず、当時お爺ちゃん達が住んでいたのが米軍基地が近くて、飲食店を経営してたお爺ちゃんのお店によく顔出していた常連さんが、お店に飾ってあったお爺ちゃんの描いた絵を見て、自分の体に絵を描いて欲しいって言って来たのが始まりだから)


夜月『そ、そうか、アトリーの前世での家族が芸術系に特化しているって話はお祖父様譲りか?・・・』


(多分?)


  仁「あ“⁉︎やれるならやってみろっ!この勘違いヤローが!!」グイッ ダンッ!


   身体強化した腕で座り込んだ男の胸ぐらを掴み持ち上げて、壁に叩きつけるように押し付けた。


天華『そ、それで、“メンチ切り“はその常連の外人さんが教えてくれたのですか?』


(うん、なんかお爺ちゃんのお店に難癖つけて来た人には自分の名前出して、睨んで追い返しとけって言ってたらしいから、それでいつも迷惑客を追い返してたって)


  勘違い男「ぐわっ!は、離せ!!この無礼者め!お前達も早く私を助けろ!」


  従者1「あ!お前達!シバイ様を早く助けるんだ!」


  護衛達「「「「「は、はい!」」」」」


   勘違い男が叫ぶように助けを呼んだ事で、やっと動き出した従者の指示で護衛達も動き出した。


  オーリー「!貴方達、ジン様をお守りしなさい」


  護衛騎士達「「「はっ!」」」


   オーリーも護衛騎士達に指示を出し、仁に襲い掛かろうとした相手の護衛を阻んだ、そして乱戦に突入したのだった。


天華『良いのですか?助太刀しなくて?』


(うん、そうだね、完全にブチ切れているけど滅多に無い対人戦だし、今の仁には丁度良い相手になりそうだからね、万が一、怪我をしそうになったら、遠隔で結界を展開するから大丈夫)


天華『それなら良いですね』


夜月『・・・で?その外人は軍の将官だったのか?』


   ドタドタッバタバタッ ガシャガシャッ ドコッ! ガキンッ!


  カイン「私も加勢に行きます、こちらは宜しくお願いします」


  オーリー「はい、こちらは気にせず向かわれて下さい」


   互いの護衛同士がぶつかり合っているが、僕達がギルドに連れて入ってきていた護衛騎士の数の方が少ないので、カインもあの乱戦に加わった。


(うーん、そこまでは聞いてないね、でも、お爺ちゃんはちょっと外人さんの血が混じってたのか、鼻が高く目も大きくてハンサムだったってお婆ちゃんが言ってた、背丈も当時の日本人の平均身長より背が高かったって、だからそんな迫力のある外人顔のイケメンのメンチ切りは、結構効果があったんじゃないかな?)


   ドカッ!ガッシャーン!「「「「「わぁっ!」」」」」


  カイン「申し訳ありません、後で弁償いたします」


  冒険者達「「「あ、はい・・・」」」


    1人の護衛騎士に2人取り付いていたうち1人を、カインが飛び出した勢いのまま容赦無く蹴り飛ばした、その蹴り飛ばされた護衛がギルドに併設されている食堂のテーブルの1つに突っ込んだ、台無しになったテーブルを囲んでいた冒険者に丁寧に頭を下げて謝り乱闘に戻った。


天華『あぁ、それは確かに怖いかもしれませんね?じゃあ、それをお祖父様は他の家族に教えたと?』


    バキッ!「「やれっ!」」ボクッ!「「そこだ!そこ!」」キンッ!カッ!


    乱闘を見ている冒険者達が何故か応援し出した。


(ううん、どっちかって言うと見て真似したって感じ・・・、てか、まだ出てくる気がないのかな?)


   従者1「シバイ様を離せ!この下郎!」ブンッ!「「仁!後ろ」」「っ!」


   仁「ちっ!」ザッ! ストッ  ドサッ


    勘違い男の従者の1人が密かに仁の後ろから近づき切り掛かったが、仁はすぐに気づき男を手放し飛び退いた。


天華『・・・のようですね・・・、しかし、仁さんメンチ切りや喧嘩が手慣れてますね?』


   従者1「シバイ様!大丈夫ですか⁉︎」


   勘違い男「お、おぉ、エチャク、良くやった!この無礼者を切り捨てるのだ!」


   仁「はぁ⁉︎何だと⁉︎このビビリが!テメェの方がよっぽど無礼なんだよ!」


    慣れた様子で相手に罵声を返す仁、攻撃されて少し焦ったがここ数ヶ月の成果か、すぐに体勢を整えることが出来ていた。


(ふぅ、危ないな、うん、そうだね、彩ちゃん達が見慣れている感じがするから、たまにトラブルがあったのかな?それにしてもあのメンチ切りのやり方が姉さんにそっくりだ、姉さんはよく仁達が悪さしたりする時に無意識に軽くやってて・・・、あ、もしかしたら僕も無意識にしてたのかな⁉︎それは無かったと思いたい!やる時はちゃんと意識してやってたはず・・・(o_o))


   勘違い男「だ、誰が無礼だと⁉︎エチャク!あの者を不敬罪で斬ってしまえ!」


   従者エチャク「はっ!畏まりました!」


   仁「あ“?これっぽっちも敬う所が無い奴に不敬罪とか言われたくねぇんだけど⁉︎」


   勘違い男「な、何だとっ⁉︎」


    メンチを切りながら相手を侮辱し煽る仁に、苦笑いしか出ない。


夜月『…あんなメンチ切りを、どのタイミングでやる事があったんだ?あの平和な日本で・・・・』


   従者エチャク「シバイ様を侮辱するなぁ!」ダッ!


    従者エチャクが大きく振りかぶりながら仁に向かっていく。


(うん、そうだねぇ、たまにあったんじゃない?…あ、そう言えば、ずいぶん昔に一度だけ家族全員でやったことがあったなぁ、あれは今思い出しても面白かった!ふふっ)


      ブンッ!


   仁「ふんっ!自分で出て来れないビビリのどこが尊敬できるんだっ!!」ヒョイッ ガッ!


    大振りの一撃を軽々避けながらなおも相手を煽り、振り下ろした剣の重みでよろける従者エチャクの足にすかさず蹴りを入れた。


ジュール『何が面白かったの?』


    ズサーッ!


   勘違い男「エチャク!」


    従者エチャクは勢いよく転けてそこで動かなくなり、意外と手応えがないあっさりとした決着だった。


   仁「次はテメェだ!」


    そして、仁は勘違い男を睨みつけた。


(ふふっ、相手の反応が面白かったの♪)


 周りの乱闘騒ぎを横目に動かない僕を、心配そうに見つめるオーリーに笑顔を向けつつ、“並列思考“を使い内側での思考でジュール達と念話を続ける。


天華『面白いって、何したんです?アトリー』


(えぇ、僕1人でしたんじゃないよ?、詳しい年代は忘れたけど、1番下の弟が生まれてなかったかぐらいの時に、母と姉妹4人とそれとその時、うちに居候していた僕の後輩も連れて、車で遊びに行った帰り道のコンビニだったかな?色々お買い物し終わった後、長女の亜実子姉さん、仁の母親が当時20代前半で車の横でタバコを一本吸うのを待ってたら、黒塗りのセダン型、いかにもソレ系の人が乗る車が、姉さんのいる方の駐車スペースに凄い勢いで駐車してきて、その車からこれまたソレ系の仕事をしてそうなオッサンが運転席から降りてきて、姉さんに向かって難癖つけてきたんだよo(`ω´ )o)


ジュール『なんて言ってきたの?』


(“駐車するのに邪魔してんじゃねぇ、車に傷が入ったらどうすんだ!“って)


天華『完全な言いがかりじゃないですか』


(そう、言いがかり、そのオッサンはね連れがいて助手席から女性が降りてきてたんだ、その女性に良い所見せようとしたんだろうけど、言いがかりつけた相手がうちの姉さんじゃ無かったら怖がってたと思うよ?でもねうちの家族はそんな事ぐらいじゃビビらないから、そのオッサンを完全に無視して姉さんはタバコをまだ吸ってたら、“なめてんのかテメェ“って言われてね)


ジュール『お姉さん勇気あるー!』


(でしょ?ふふっ、でね、そこで車に乗ってた全員が空いてた窓から顔出してそのオッサンに、“あ“あ”ぁ⁉︎“って大きな声でメンチ切ったんだよ、そしたらそのオッサンびっくりした顔して、ビビって後ずさったんだ)


天華『そ、そこで全員が出てくるんですね』


(そう、んで、そこに姉さんがトドメに、“ビビるぐらいなら一々突っかかってくんじゃねぇ!“って言ってね、オッサン凄い真っ赤な顔して姉さんに殴り掛かろうとしたんだけど、連れの女性に止められて渋々引き下がってコンビニに入って行ったんだ)


夜月『危ない所だったな』


(うん、でも、うちの姉さんは殴られたら、莫大な治療費を請求してやったのにって言ってた)


夜月『た、逞しいな・・・』


(はははっ、まぁ、それでその時の怒ったオッサンの顔が本当面白くて、タコみたいだったんだよ!太ってて頭禿げてたし、頭のテッペンまで真っ赤になってたの!多分、予想以上に車に人が乗ってたのと、メンチ切ってきたのが全員女だったのにビビって、無意識に後ずさったのが恥ずかしかったんだろうけど、それにしても情けないよねぇ(^∇^))


天華『自分から絡んできながら、怖気付いて引き下がるなんて、確かに情けないですねぇ』


ジュール『本当、情けなーい』


夜月『恥ずかしい奴だな』


天華『それにしても、先程は厳格そうなお祖母様のお話を聞いて、今はヤンチャそうなお祖父様の逸話を聞きましたが、性格が真反対な方々に見えますね、お祖父様のそのメンチ切りにはお祖母様は快く思って無かったのでは?』


(うん?そうでもないよ?お婆ちゃんは面食いでね、イケメンのお爺ちゃんにベタ惚れだったからね♪それにお婆ちゃんも厳格で常識人そうに見えても、こんな事を言ってたよ、眼には眼を、歯には歯を、暴言には暴言を、理不尽な暴力には暴力と莫大な慰謝料と社会的な抹殺をってね、理不尽な暴力には5倍返しぐらいが丁度いいって♪あと、やられたらやり返せ、先に手出しした方が負けとも言ってた♫)


天華『中々、恐ろしい方ですね・・・』(たまに出てくる、アトリーの敵対者への容赦無い態度とトラブルに巻き込まれた時の冷静な判断力の根本が見えた気がしますね・・・)


(うん、お婆ちゃんを怒らせちゃダメって母さんが言ってた、お爺ちゃんもお婆ちゃんには口喧嘩じゃ勝てないってぶつくさ言ってたこともある、けどね、刺青師してたお爺ちゃんの腕には試しに入れた刺青がたくさんあったんだけど、その中にね、綺麗な花で囲まれたお婆ちゃんの名前が彫ってあったんだよ、それとね、お婆ちゃんの普通では見えない二の腕の内側にもお爺ちゃんの名前が彫ってあって、よく色々喧嘩とかしてたけど本当は2人がラブラブだったの♪ふふっ)


天華『まぁ♪、ロマンチックですね♫』


(そうなんだよー、お爺ちゃんの口の悪さはお婆ちゃんへの照れ隠しだったんだよー、可愛いよねぇ、それに意外にもお爺ちゃん、虫の蜘蛛が嫌いでね、大きい蜘蛛が出てくると、お婆ちゃんとかうちの母さん呼んで退治させてたんだよ!そこも可愛いでしょ?)


ジュール『それは可愛いね!』


天華『!、アトリー』


(ん、やっと動く気になったかな?)


 覚えのある気配が動き出したことに気づき“並列思考“での会話を終了させた。

 表向きの思考で周りの乱闘騒ぎの集束に向けて、簡単な指示を出していたので意外と騒動は早く落つき、ドンチョク朝廷国から来た一行はデューキス家の護衛騎士達に取り押さえられ、勘違い男以外は縄でキツく縛られていた。


「ふぅ、こんなものかな?後は然るべき相手に引き渡せばいいか」


勘違い男「貴様ら!私はドンチョク朝廷国第五品の家の者だぞ、こんな事してただで済むとは思うなよ!父上に知られればお前達なんかすぐに死刑になるんだからな!それから!そこの子供!いや、子供の皮を被った“淫魔“め!其方は父上への“貢物“にしてやる!!」


 両腕を後ろに回され、拘束されていた勘違い男は最後の足掻きとばかりに叫んだ。


「「「「「‼︎」」」」」ビキッ!


「「「あ”あ“ぁ⁉︎」」」「おや?」


「ガウッ!!」ドンッ! ドサッ!ドシッ!「グゥルル!!」 「ギャゥ!」ガチンッ!


勘違い男「ぎゃぁーーー!」


「「「「「ひぃっ!」」」」」


 今の発言でブチ切れた人多数、その中で仁と共に“メンチ切り”を発動した夢ちゃん達に僕が気を取られている間に、小さい姿だった夜月とジュールが僕の足元から飛び出し、本来の大きさになって勘違い男に向かって走り出した、拘束していた護衛騎士はすぐさま男を手離し緊急退避した、急に手を離された男はよたつきジュール達の数歩前に出た、その男に容赦無くジュールがタックルをかまし、その勢いで上に飛んだ男、軽く飛んだ男が鈍い音を立てギルドの中央に落ちると、夜月が片足で男の体を仰向けにして抑え込み、牙を剥き威嚇、その間に天華が手足を“アースバインド“で床に固定した。


 そんな素晴らしい連携を見せた天華達、勘違い男は恐怖で叫び声をあげ、他の人達は急に大きくなったジュール達に恐れ慄いた、そんな周りの反応にお構いなしの僕は・・・


(あらら、夢ちゃんと彩ちゃんまで“沙樹崎家直伝メンチ切り“をするなんて、それだけ家族付き合いが長いんだろうね、ふふっ、どちらかが仁のお嫁さんになってくれるのかな?楽しみ♪)


天華『アトリー、それは楽しみではありますが、今はあの男の言動に対しての処罰実行の許可をください』


 口調がやたら丁寧になった天華が男に罰を与える権限を求めてきた。


(おや、まぁ、結構皆んな怒ってるね、そうだね、軽くなら良いけど、その前に僕が一つしなきゃいけない事があるから、それが終わってからで宜しく)


天華『分かりました』


 激オコの天華達には一応少し待って貰って、僕は拘束されてジュールと夜月に威嚇されながら怯えている、ドンチョク朝廷国から来た一行の前に進みでた。


「ドンチョク朝廷国からお越しになられた皆様に改めてご挨拶します。

 僕はウェルセメンテ王国に帰属するデューキス公爵家当主が三男、アメトリン・ノブル・デューキスと申します、この度は何かの誤解がありましてこの様な事態に発展してしまいました、ですが、先程のあまりにも聞くに耐えないお言葉には、心底嫌悪致します、なので、これより起こる事はあなた方への罰です、有り難く受け取ってくださいね♪」


「「「「「デューキス公爵家⁉︎」」」」」「やっぱり、見た事ある紋章だと思った!」「三男って、それじゃあ、神のご加護を得たって有名な公子⁉︎本物⁉︎」


 周りの冒険者達は僕の正体が分かり騒ぎ始めた、対して僕の名前を聞きガタガタ震え出したドンチョクの男達、その男達の周りを、威嚇しながら歩いているジュール達に向けて僕はこう言った。


「じゃあ、もうして良いよ、天華、夜月、ジュール、でも程々にね♪」


 夜月が「ガァウッ!」と、吠えると勘違い男と一纏めにされた男達の周りに半球上の結界ができた。


 天華が「キュッ!」と鳴いたら、結界の中に風が吹き荒れ始めた、中にいる男達の体に無数の切り傷ができ始める。


(かまいたちの原理?それにしては風の音がしない、あの結界、防音効果も付け加えているのかな?中に何か飛び回ってるようにも見える、石?・・・痛そう・・・ミキサーみたいになってる?)


 最後にジュールが「ワォーンッ!!」と遠吠えすると中にいた全員が淡く光、その光はすぐに消えた。


「あー、神罰までついちゃった・・・」


(僕、近寄ってないのになぁ・・・)


天華『あれは軽い方ですよ』


(そう、ならいいか?)


「んー、まぁ、良いか♪・・・で、モンドお祖父様はこれをどうなさるおつもりですか?」


 そう言って、ギルドの2階に続く階段を見上げた。


モンドお祖父様「はははっ、アトリーにはすでにバレていたか、気を見て介入するつもりだったが、その心配もなさそうだったのでね、つい傍観してしまったよ、さすが、聖獣様達はお強い、それにデューキス公爵家の精鋭騎士達の手際も見事だ」


 そう言いながら階段をゆっくり降りてくる2人の男性、その内の1人がモンドお祖父様でもう片方の男性は知らない人だった。

















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