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95話 親子とは 姉:カシミール 視点

>ーーーーー<>ーーーーー<>ーーーーー<


 カイヤトが視線を送っているとき・・・・・


+姉:カシミールの場合+


  姉:カシミール 視点


「さぁ、皆さん、美と健康のために頑張ってください♪」


 ニッコリと笑顔でそう告げていた・・・・


(さて、ここが美への第一歩ね・・・)


 私達兄弟がアトリーに嫉妬の視線を向けていたイネオス君達のご兄弟に罰を与えることとなり、それぞれの得意分野で分担し担当したのは、アトリーのあの美しく可愛い容姿に嫉妬した、ヴィカウタ家の長女“クラリス“14歳とバロネッカ家の三女“キャロル“12歳の2人、そして、その2人の隣でヘリーが担当しているのはアトリーの魔法の凄さに自信を無くし嫉妬したバロネッカ家の次女“エミリー“14歳、今やっているのは魔力の塊を球体のまま維持する訓練中。


 何故これが先の2人のアトリーの美貌に対する嫉妬の罰の訓練になるのか、と言うと、近年の研究で人の容姿と魔力には密接な関係があると言うことが判明したからだ、人の美醜は生まれ持ったものとは別に、高い魔力からその人の美しさを引き立たせると言う研究結果が出たらしい、なので、自身の容姿に自信が無い彼女達には魔力の質と量を向上させるために、この魔力操作の訓練をさせることにしたのだった。


クラリス嬢「・・・難しいわ・・・」


キャロル嬢「全然出てこないです・・・」


 この訓練に少し不満そうな2人。


「あら、先程もご説明した通り、魔力の向上とともに体内の血流を整えお肌の艶に磨きがかかるので、この訓練は必須だと言いましたよ、これぐらいで根を上げていたら、“真の美“は手に入りませんわよ?」


(まぁ、お二人は私達のお肌のお手入れ法などが知りたかったのでしょうけど、体内環境が悪ければ表面的なお手入れは意味がなくなりますからね)


キャロル嬢「あ、あの、私、魔力量が少なくて長くできません」


「あ、それは心配無用ですわ、こちらに“魔力回復薬“がありますから、魔力量が少ない方でもこれを飲みながら訓練を続ければ、その内に魔力量が増えますわ、それと、この“魔力回復薬“の効果は保証いたします、気兼ねなく使ってくださいね」ニッコリッ


(ふふっ、これはアトリー特製の“魔力回復薬リジェネ“は継続的に魔力を回復させる効果があるので一回服用すれば、1、2時間は魔力切れにはならないでしょう、その間に魔力操作のスキルレベルが少しでも上がれば劇的に体内環境が改善されるでしょうね)


キャロル嬢「は、はい・・・・・」


 魔力量を理由に訓練をサボろうと画策していたキャロル嬢の逃げ道を塞ぎ、訓練の続きを促した私は他の令嬢達の様子を見ていると。


「まぁ、ヘティちゃんはもうできるようになったの?」


ヘティちゃん「あ、はい、以前からアトリー様から教えて頂いていたので、毎日練習してました」


「そう、偉いわ、魔力量が安定して球体も綺麗に形になってますし、そろそろこれを動かす訓練にいけそうですわね」


ヘティちゃん「はい!アトリー様もそろそろ動かすコツを教えてくださると言ってました!」


「ふふっ、そうなのね、アトリーがそう言うのなら第3段階も上手くできるようになるわね、頑張ってヘティちゃん」


ヘティちゃん「はい!すぐにアトリー様に追いついて、一緒に冒険者活動したいですから!」フンスッ


「あらあら、私も負けないように頑張らないとすぐに追いつかれそうですわね、ふふっ」なでなで


 私がヘティちゃんを褒めていると彼女の姉達からの嫉妬に塗れた視線が強くなったのを感じた。


(とても素直で可愛いヘティちゃんは実のお姉様方に嫉妬されてても、その優しさは健在なのね、彼女達ももっと自分自身をかえりみて、自分に何が足りないかよく考えてくれるといいのだけど・・・)


 ヘティちゃん達はアトリーとお友達としてお付き合いしていく上で、ご両親から難題を突きつけられていたと聞いていた、どうやってもアトリーは周りの注目を集め、羨望や嫉妬、崇められたりもする、そんなアトリーの側でただの友人として接するには、自身の立ち位置をよく理解し周りからどう思われているかも知っておかなければならない。

 それらに対してどう接するべきか、友情と言う感情を揺るぎなく持ち続けられるのか、あらゆることに対処できるようにと様々な教育をされているらしい、そこにお父様も協力し、以前、私達の家庭教師をしていた先生方を派遣させたそうだ。


 本来ならアトリーの家庭教師になる筈だった先生方は、父様達の判断でアトリーには家庭教師はつけないと言われ残念がっていた、そして、代わりにヘティちゃん達を紹介された時は最初乗り気ではなかった、だが彼女達の指導を渋々受け持って数日で、彼女達の勉学に対する意気込みに感心して、それからはとても親身になって彼女達の勉強を指導した。

 その指導に頑張って食らいついて自分のものにした、そんな彼女達とは反対に一緒に授業を聞いていたはずの兄弟達数人が途中で挫折し、実の弟妹に劣等感を持ち嫉妬するまでになるとは、お父様達は思っても見なかったのだろう。


(自分の妹や弟が優秀だからって、自分を卑下して悲劇の主人公ぶるなんて浅はかな人達ね、私だったら優秀な弟妹達の自慢を大声で叫びたいぐらいなのに・・・、まぁ、はしたないからしませんけど、弟妹達は可愛がるものであって嫉妬するものじゃ無いわ)


クラリス嬢「はぁはぁ、・・・もう無理・・・」ドサッ


キャロル嬢「私も・・・・」ドサッ


 訓練を初めて数十分でクラリス嬢達の魔力が底をついたのだろう、その場で座り込んでしまった。


「クラリスさん、お疲れ様です、とても進歩しましたね、球体がちゃんとできていましたわ、さぁ、こちらの“魔力回復薬“をお飲みになって?、そしたら後1時間ほどは魔力の心配は入りませんわ、キャロルさんはもう少し具体的に球体を想像すると形ができてきますわ」


クラリス嬢「は、はい・・・」


キャロル嬢「もう、嫌ですわ!!」ダッ!!


 クラリス嬢の横で同じように魔力切れを起こし、座り込んでいたキャロル嬢が突然、訓練場になっている大広間の、庭園側に繋がっている出入り口に向かって入り出した。


「あらあら、どうなさったんですか?あ、お待ちになって!そちらには行かない方がよろしいかと・・・」


キャロル嬢「こんな訓練、もう、うんざりですわ!言われた通りしてるのにちっともできませんもの!もう、貴女の言う事なんて聞きませんわ!」


 そう、言い放ちながら扉を開けると、入り口を出てすぐの庭園の広場で、ここにいるご令嬢やご子息達のお母様方が優雅にお茶会をしていたのだった。


キャロル嬢「きゃっ、お母様達⁉︎」


バロネッカ准男爵夫人「あら?キャロル?どうしたの?そんなに急いで、訓練はもう終わったの?・・・・・!、まさか、もう、逃げ出して来たなんて言いませんわよね?」ニッコリッ


 普段おっとりとしたバロネッカ准男爵夫人が自分の娘が訓練場から出て来たの見つけて、厳しい視線を浴びせた。


キャロル嬢「ひっ・・・・、い、あ、ち、違います、わ、私は、た、ただ、そ、外の空気を、い、入れようと思って・・・」


(あぁ、やっぱり、見つかってしまいましたわね、しかし、あそこでお母様方が婦人会と言う名のお茶会をすると聞いて、何故あんなところでわざわざお茶会をするのか疑問でしたが、お母様方はこれを見越してわざとあそこでお茶会をしたのですね…、さすがですわ…)


 屋内側の出入り口の周りには、各々の専属使用人達が待機しているので、逃走するなら庭園に繋がっている屋外側の出入り口を使うと予想した、母親達の見事な直感に感心していると、自分の母親に睨まれたキャロル嬢は厳しい視線にたじろぎ後ずさっている。


(しょうが無いですわね・・・)


「キャロルさん、空気の入れ替えはその辺で良いので、訓練の続きをいたしましょう」


 と声をかけた。


バロネッカ准男爵夫人「キャロル、訓練、頑張っていらっしゃいな」


キャロル嬢「は、はい・・・・」


 バロネッカ准男爵夫人の言葉で、もう逃げ道は無いと悟り、トボトボと歩いて戻って来る彼女に近寄り小声で声をかけた。


「キャロルさん、貴女は本当に美しくなりたいのですか?」


キャロル嬢「っ!」ビクッ!


(私にはキャロルさんが本当に美容に興味があるとは思えないのよね…、それより、ご両親の、特にお母様のバロネッカ准男爵夫人の関心を惹きたいように思えるわ、バロネッカ准男爵夫人はキャロルさんに厳しいのかしら?でも、今まで見た限りではそんな感じはしなかったのだけど・・・)


 バロネッカ家と知り合って3年間の間、友好的な交流を持って来た中で、バロネッカ准男爵夫人が自分の子供達の中で誰か一人を冷遇したり、逆に甘やかしたりと、している所は見た事はない、あえて言えばヘティちゃんに厳しい課題を設けているぐらいで、その事以外でヘティちゃんに厳しい言葉を浴びせたりしている事もない、いたって普通に平等に子供達と接している、なのに何故かキャロル嬢は、母親であるバロネッカ准男爵夫人に執着しているように見える、そして、ヘティちゃんに対してとても強い怒りの感情を向けている気がするのだ。


(アトリーには嫉妬の感情が見えるけど、実の妹のヘティちゃんには強い怒りの感情が見え隠れするのよね、もしかして、ヘティちゃんにお母様を取られたって思って怒っている?うーん、でもそれなら、何でアトリーに嫉妬するのかしら?こればかりは聞いて見ない事には私には分からないわね・・・)


 キャロル嬢のは私が言った言葉に驚き、何故バレたのかと言いたげな表情でこちらを見た、その表情に意味深な笑顔で返し、私は無言で訓練の続きを促した。


ーーー数時間後・・・・


「はい、手を止めてください、午前中の訓練はここまでに致しましょう、午後は体術の訓練をいたしますので、昼食を食べ終わったら動きやすい服装に着替えてこちらに集まってくださいね、では解散!」


 声を張り上げて中断と連絡事項を伝え終わると、真剣な顔でキャロル嬢が話しかけて来た。


キャロル嬢「カシミール様、少しお時間頂けますでしょうか?」


「…えぇ、いいわよ、何かしら?」


 一緒に昼食を取ろうとしていたヘリーに先に廊下を出るように手で促した、私の意図を汲んだヘリーは無言で一礼してからこの場を離れた、私達二人になった所でキャロル嬢が話し始めた。


キャロル嬢「先程の事でお話が…」


「先程の事…、あぁ、貴女が本当に美しくなりたいのかって事かしら?」


キャロル嬢「はい、その事はどうか家族にっ、お母様達に話さないでいただけませんか!お願いします!」


「…、どうして?貴女は、アトリーの美貌に嫉妬していたのでしょう?だから罰として、この訓練をしているのでしょう?でも本当は別の事でアトリーに嫉妬してたのなら、貴女には別の罰を与えねばならないわ…、そして、この事をご両親に伝えるのは当たり前ではなくて?」


(話があるって言うから何かと思えば、正直に理由を話さずに自分の要求を言って来るなんて・・・)


キャロル嬢「っ!それは・・・・」


「先程から、思ってたのだけど、貴女、何をそんなに怯えているの?貴女はもう既に、公爵家に対して随分失礼な態度をとって“ご両親を失望“させているのに、これ以上何を隠そうとも大して変わらないでしょう?」


 厳し言い方だが私が彼女の要求を飲んであげる必要は全く無いし、彼女自身がご両親にどう思われているか正直に言った、自分がした事をハッキリ認識させる必要があると思ったから。


キャロル嬢「“失望“・・・そ、そんなっ」


「あら、何も分かってなかったの?貴女がとった行動は貴族社会で生きていく上で、最も尊重しなければならない王家の血筋を引くアトリーに対しての不敬罪なのよ?ご両親や学園で習わなかった?ご両親は特に何度も貴女達に言い聞かせていたはずよ?」


キャロル嬢「ふ、不敬罪?・・・」


「そうよ、この国の公爵家は全て王家の血を色濃く引く家系が担っているの、勘違いしている貴族家が多いのは知っていたけど、貴女達も勘違いしているみたいね、そもそも他国で言う公爵家の扱いと、この国で言う公爵家の扱いは全く違うの、我が国では公爵家とその他の貴族家は明確な権力の差があるのよ」


キャロル嬢「ど、どういう事ですか?・・・」


「王位継承権を持つことと、“王位継承者の支持票“を持つことよ、現国王の“はとこ“に当たる私達は、もし現国王が王位に値しない人物と判断した場合は、その王を他の王位継承権を持つものと相談の上、王位を剥奪できる権利があるわ「えっ⁉︎」これが、この国の公爵家が莫大な権力を持つ理由なのよ、それに、私は結婚して公爵家を出てしまえば、その権利は王位継承権と共に無くなるけど、男の子で未婚の弟達は王位継承権の順位は、現国王の王子殿下達の次に来るぐらいなのよ、だから、貴女達のご両親がアトリーに対して、最大限の礼儀を持って接するようにと言ってるはずなのだけど…、貴女は本当に何も知らなかったのね」


(あら、今の学園の授業では習わないのかしら?でも、この国の運命を決めるかも知れない重要な制度だから習わないはずはないのだけど・・・?)


*“王位継承者の支持票“とは・・・

 王家の血筋の“はとこ“までが保有することができ、先の話の通り、もし現国王の政治に民衆からの不満などが出て、内乱にまで発展しそうな場合、国王に相応しくないと判断し、この権利を持つ15歳以上の者達が話し合い問題の国王の王位を剥奪し、次の国王の選定をすることができる、それが現王家を揺るがすことができる力を持つ権利だ、この権利は他の貴族家は持つことができないとされる。


*そして、王位の継承について・・・

 王家の血筋内で王位継承権を持つ者達は基本的に結婚したり、成人を迎えると自ら王位継承権を放棄する者が多く、未成年で王位継承者を自ら放棄できない者が次の王位の継承対象になった。


 現在、王位継承権を持つものは現国王の子供達である4人以外では、現国王の兄弟の子供と従兄弟の子供達の8人だけであり、その内4人が女子なので優先順位的に男子が尊重され、残り4人の男子の内2人は公爵家の後継者である長男なので王位継承の対象としては省かれ、王位継承権は残り2人はデューキス公爵家の次男シーライと、三男のアメトリンだけになり、もし今、王家の人間が全て亡くなった場合、王位につけるのはこの2人になる、

 その数少ない王位継承権保持者の中から“王位継承者の支持票“を持つものが推薦し、他の支持票保持者から異論がなければそのまま王位につく、“王位継承者の支持票“の推薦は、王位に相応しい人望や能力を鑑みて選ばれるので、王位継承権の順位はあるようで無いのが実情だ、なので能力や加護などの多さからアメトリンが王位に立つ可能性が十分あり得るのだった。


(まぁ、王家の血を引く人達は私も含め、王位などに興味も無いし、どちらかと言うと面倒だって思う人の方が大半だから、こんな制度でも無い限り次の王を決めるのに時間がかかるものね、でも、そもそも今まで王位についた人が悪政を行う事なんて無かったから、過去に一度もこの制度を使用されたことなんてなかったのだけどね・・・)


 ある意味、王位継承権を持つ者の逃げ場をなくすための制度だと言えるのであった・・・


キャロル嬢「そ、そんな・・・わ、私、そ、そんなこと知らなかった・・・ただ、お母様達にかまって欲しくて・・・っ、うっ・・・ぐすっ・・・」


 やっと自分のした事の重大さを理解したキャロル嬢は、泣きながら本心を話し始めた。


「やはり貴女は美容などには関心がなかったのね・・・そんなにご両親の関心を自分に向けたかったの?」


キャロル嬢「ぐすっ・・・は、はい、へ、ヘティがアメトリン様と、お友達になったと言った日から、お、お父様やお母様がヘティとばかり話すことが増えて、うっ・・・、お出かけも公爵家の所に行くことが増えて、ぐすっ、私と一緒にお出かけしてくれなくなったんです・・・、な、なのに、アメトリン様はご自分のご両親にあんなにかまって貰っているのに、私のお母様達の関心もひくからアメトリン様が羨ましかった・・・、それと私のお母様達との時間を奪っていくヘティが憎かった・・・」


(ご両親としては公爵家に対しての対応として当たり前だったけど、アトリーに対しての過剰な気遣いがこんな誤解を生んでいたなんて、思いも寄らなかったのでしょうね)


「そう、貴女にはそう見えたのね・・・貴女への罰は変更しなくちゃいけないわね・・・、それと、貴女とご両親はちゃんと話をしたほうがいいと思うわ、そう、思いませんかバロネッカご夫妻」


 ガチャッ ギィーッ


バロネッカ卿「はい、そう思います、カシミール様」


バロネッカ准男爵夫人「カシミール様、大変ご迷惑をおかけしました」


キャロル嬢「!、お父様、お母様・・・」


 突然、訓練場の扉から入ってきたて深くお辞儀をしたのは、話の話題に上がっていたバロネッカ准男爵夫妻だ、何故こんな状況になったと言うと、最初にキャロル嬢の言動にどうにも違和感が拭えなくなった時に、もし今のような状況になった場合ヘリーに、先に退出して彼女のご両親を連れて外で待機していて欲しいと頼んでいたのだった。


ヘリー「お姉様、ネニュス夫人に頼んでお部屋をお借りしてますので、そちらに移動してはどうですか?」


「ヘリー、分かったわ、ありがとう…、皆様、場所を変えてゆっくり話し合ってくださいな」


 バロネッカご夫妻の後からついてきていたヘリーが、気を利かせ話し合いのために部屋を借りていてくれていたので、そこに移動しキャロル嬢とご夫妻3人だけを残し私達は部屋を後にした。


 後々、バロネッカご夫妻から話し合いの報告が来て、キャロル嬢の話を聞いた後に家族でもよく話し合った結果、子供達一人一人と時間を設ける事で、これからの親子関係の改善に取り組むことになったと話してくれた、話し合いの後のキャロル嬢の表情はどこかスッキリとしていて、今回のことに対して心の底から反省していると、再度、真剣に謝罪してきた、その姿を見た両親や私達兄弟は、この様子なら彼女はもう大丈夫だろうと判断し謝罪を受け入れた。


 罰に関しては本人の希望で訓練の続きをしたいと申し出てきてくれたので、その後も他の兄弟達と同じ訓練をすることになり、今度は話し合う前とは違い姉妹と楽しそうに訓練に取り組んでいた、そのおかげか魔法操作の上達具合が格段に上がったのであった。


(ふふっ、悩みを聞いて貰えて、スッキリしたらこんなにやる気が違うなんて、やっぱり嫉妬なんてしないに越したことはないわね)




 こんな一悶着がある前、早朝から父親達は今回のダンジョンの件で、国にやギルドに対してどのように報告するかと頭を悩ませていた。


>ーーーーー<>ーーーーー<>ーーーーー<


 少し時間は遡り・・・・・・


 父:アイオラト 視点


 昨日の夕方に子供達の件で謝罪と和解が出来た父親勢は、子供達が罰と称した訓練をしている間に、私達は今回できたダンジョンをどのように報告すべきか共に悩んでいた。


「新しくできたダンジョンの発見報告は貴族としての義務ですから、必ず報告するのは当たり前ですが、問題はこのダンジョンのできた経緯をどこまでギルドに報告するかですよね・・・」


ニモス義兄上「そうだな、国、いや、陛下には事実を話しても問題はないのだろうが、ギルドは国とは別の管理下にあるからな、もし事実を全て報告してアトリーの関与が他に漏れでもしたらことだからな・・・・」


「「「「「うーん」」」」」


 ダンジョンの出来た経緯を知っている者達が同じように唸った。












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[気になる点] キャロル嬢「どうゆう事 ❌どうゆう ⭕️どういう もし、[ゆう]を使うなら 「どーゆー事 と延ばす。これが[い]だと[どーいー]と通じない 漫画とかだと 「どーゆーー事だーーー…
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