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74話 初めての夜会で修羅場⁉︎


 光沢のある深緑色の美しい髪に凛とした雰囲気のある品のいい1人女性に、黄色い髪色で雰囲気イケメンの派手な装いの男が、これまた派手な格好した茶髪で、夢見系を装っていそうな女性の腰を抱きながら怒鳴っていた、その状況を見た僕達、


(なんだあれ?)「「「なにあれ?」」」


 仁達3人と僕の心の声がダブった瞬間だった・・・(イネオス達は目を点にして何やってんだ⁉︎見たいな顔をしていた)


(イヤイヤイヤ!こんな所で何してんの⁉︎あの人達!)


 いつの間にか始まった三流以下の断罪劇、周りから漏れ聞こえて来る話によると。


「あの方って隣の領地のディレット伯爵家ご次男のイディオ様よね?で、正面にいる方が婚約者のクレーメンス子爵家ご長女のフェデルタ嬢でしょ?」


「ええ、そうよ、確かディレット伯爵家のご当主が、マルキシオス領の国境監察官をしているクレーメンス子爵家ご当主と懇意になりたくて、ご長女に婚約を申し込んだって聞いたわ」


「そうそう、あそこの領地って目立った特産物もなくて、帝国から来る交易商人が持って来る、珍しくても日持ちしない食べ物や交易品を売りにしてる領地だから、クレーメンス監察官に便宜を図って貰おうとしてるらしいわ」


「えっ、そうなの?それなのにあのお方、婚約破棄なんてして大丈夫なのかしら?それに横にいる女性見た事ない方だわ・・・ーーー」


 ヒソヒソと、あちらこちらから聞こえて来る噂話に眉を顰めていると、


夢ちゃん「ねぇ、アレ何処かで見たような展開じゃない?」


仁「確かに?良くアニメや漫画で見るような展開だよね?パーティー中に婚約破棄なんて、あんな事本当にあるんだね・・・」


彩ちゃん「いやいや、普通なら有り得ないでしょ?ここは領主家のパーティー会場で、集まっているのはこの領地の有力者ばかりなのよ?その上デューキス公爵家の皆さんが参加しているパーティーに婚約者でもない女連れて来て、逆に婚約者に婚約破棄突きつけるような馬鹿な真似するなんて有り得ないわよ⁉︎」


 彩ちゃんの言葉に僕もイネオス達皆んなも深く頷いた、だがその言葉が少し大きかったのか、中央で騒ぎを起こしていた男に聞こえてしまったようだ。


男「誰だ!この俺に向かって馬鹿だと言った奴は!!出てこい!」


彩ちゃん「うわっ、聞こえていたみたい、どうしよう?出るべき?」


 嫌そうな顔をして出るべきかどうか悩んでいる。


(ふむ、あの男の前に彩ちゃんを連れて行くのは危ない気がするな、・・・・・そうだ!)


「彩さん、僕が代わりに出て行きますよ、僕なら誰も文句言えないですし、それに、僕達の初めての夜会を台無しにした彼にちょっとした意趣返しをしてきます」


彩ちゃん「え、いいの?でも、アメトリン君が危なくない?あの人なんか凄く乱暴そうよ?」


 僕の事をとても心配してくれる彩ちゃんの優しさが嬉しいが、僕はちょっと怒っている、ニモス叔父様 主催の夜会を台無しにしたあの男を懲らしめてやろうと思っているのだった。


(それに、罵られていた女性、そんなことする様には見えないし、婚約の条件を見る感じ女性の家的には、そこまで利益は少ないように見える、もし濡れ衣なら大変な事だ、1人で頑張っている女性を救うと言う意味でも、僕が出て行ったほうが適任だろう)


「大丈夫ですよ、僕には神々の加護がありますからね、ふふっ」


彩ちゃん「でも、・・・・・そうね、分かったわ、アメトリン君に任せちゃうのは心苦しいけど、私が行ったってあの場を収められないし、それに自分の婚約者をこんな大勢の前で糾弾するなんて酷いことする、あんなバカ男!懲らしめてやって!アメトリン君!」


「うん、ちゃんとお仕置きしてくるよ♪」


 彩ちゃんも、あの女性が言われていたような事をするような人には思えないみたいだった、そして僕は聖獣の皆んなとソルを連れて、騒ぎの中心に向かった。


男「どうした⁉︎出て来ないのか⁉︎俺を侮辱しておいて逃げれると思うなよ!」


フェデルタ嬢「イディオ様、落ち着いて下さい、この様な場所で大きな声をあげるなんてはしたないですわ」


 フェデルタ嬢は冷静に男を落ち着かせて事態の悪化を防ごうと試みているが、


男「うるさい‼︎お前は何かに付けていつもチクチクと陰険な小言をする!」


女「そんな事だから、貴女はイディオ様に愛想尽かされるんですよぉ?その上、私に嫉妬して川に突き落とそうとするなんてぇ・・・・ひどい人!」


男「ああ!シャンデ!もう怖くないぞ!俺がついているからな!」


 と、話を聞かない男と女、女に至ってはわざとらしく怯えて見せて、胸を強調しながら男にしなだれ掛けた、男も鼻の下を伸ばしながら女の肩を抱きしめ慰める。


フェデルタ嬢「川?何の事ですか?」


男「ふん!やはり、しらを切ろうとするんだな、だがこちらには証拠があるんだぞ!」


フェデルタ嬢「証拠?何の証拠ですか?私が何をしたのでしょう?」


男「はははっ、お前の悪事もこれまでだ!」


「へぇ~、証拠があるですか?それなら、今、見せてみて下さいよ」


 フェデルタ嬢の犯した罪の証拠があると男が高らかに宣言したタイミングで、僕はこの三文芝居の断罪劇に乱入した。


男「誰だ⁉︎」


 男は周りを見回すが、今の発言の本人らしき人物が見当たらないようだった、それは仕方ないあの発言をした僕はまだ野次馬達の厚い壁に阻まれて、男の前には出て行けてないのだ、なので僕は再び、


「証拠、見てみたいですね、どんな証拠なんですか?あ、そこを通らせて頂いて良いですか?」


 声がする方を見てくる野次馬達、やっと僕に気づいて道を開け始めた、最後の1人の女性に断りを入れて、この断罪劇の舞台に上がった。


 ざわざわっ ひそひそっ


「えっ、あのお方確か先程・・・」「えぇ、確かにあの公爵家の・・・・」「あの男性、終わりましたね・・・」


 周りは声を上げた僕の正体が分かると、ヒソヒソとおしゃべりしだした。


男「・・・・っ、な、何だ⁉︎こ、子供⁉︎な、なぜここに⁉︎」


「何故と言われましたも、貴方が出てこいと言ったので出て来たまでですが・・・」


男「!、な、何だと⁉︎お前がさっき俺を馬鹿にしたのか⁉︎」


「まぁ、そうですね?つい正直に言葉にしてしまいました、こんな場所で大声をあげている方がどれほど偉いのかと思いまして、それに、出てこいと仰られたので顔も見てみようと素直に出て来ました、ふふっ、そしたらまた面白いことを仰ってらしたので、興味深くてお声もかけさせて頂きました、で?証拠とは何ですか?見せて下さい♪」


男「き、貴様!また私を侮辱したな!子供と思って見逃してやろうとしたが、今の発言は許さんぞ!俺をディレット伯爵家の者だと知っていての発言なんだろうな⁉︎知らなかったと言っても後戻りはできんぞ!小僧!」


フェデルタ嬢「!!イディオ様!おやめ下さい!!それ以上は!「うるさい!黙れ!俺はお前も許してはいないのだ!」っ!」


 僕の正体を正確に分かったフェデルタ嬢とは対照的に、男は僕の正体に気づいていない。


(あれぇ?この人、僕の事知らない感じ?会場入りした時あんなに注目されてたんだけどなぁ?自意識過剰だったか?)


フェデルタ嬢「申し訳ありません!この方は遅れて来ていたんです!」


男「黙れと言っただろうがっ!!」


 フェデルタ嬢が簡潔にあの男が僕を知らないのかを言った。


(あ~ね、僕達より遅れて会場入りしてて、僕が誰かを知らないと・・・遅れてやって来ていてこんな騒ぎを起こすって、こいつ大馬鹿すぎるだろ⁉︎)


 心底呆れた僕の表情に苛立ったのか、


男「小僧!使役獣をこんな所まで連れて来ているからといい気になって、のこのこ出てきたんだろうが、俺に対する侮辱罪で貴様を牢屋にぶち込んでやる!」


「ふぅ〜ん、できるといいですね?あぁ、それと僕は貴方の事が誰かなんて知りませんし、興味もありません、ただ、このような公の場で貴族らしからぬ行いをする人を、僕は貴族とは思いませんしね」


男「貴様!何様のつもりだ⁉︎高位貴族の俺に向かって!貴族と思わないだと⁉︎こんな礼儀知らずな子供は初めて見た!親の顔が見てみたいな!どこの家のものだ!名乗れ!」


「え、いいんですか?名乗って」


(えぇ、良いのか?知らなかったからまだ許されてるとこもあったのに、自分から罪を重くしに行くなんて・・・はっ、マゾか⁉︎Σ('◉⌓◉’))


夜月『面白がっているな?アトリー』


(うん♪このどこまでも自分で墓穴を掘ってる感じ、たまらん楽しい♪)


天華『ハァ~、こうなったら止まりませんね?』


ジュール『だねぇー』


 呆れられつつも僕に擦り寄ってくる皆んなが可愛くて仕方ない、ソルは後ろで小さくため息を付いただけで何も言って来なかった。


男「ふん!もったいつけて!どうせ下位貴族の道理を知らんガキだろう、だが、ここまで俺を侮辱したのだ!貴様の無礼は貴様自身が拭うんだぞ!貴様は顔だけは良いから俺が一生こき使ってやる!光栄に思え!」フンスッ


(わぉ、最大の墓穴を掘ったよ⁉︎この人!てか、この人、僕の装いを見ても下位貴族って思えるのが凄いよね?)


夜月『馬鹿だから仕方ないんだろう・・・』


(辛辣ぅ~、でもその通りかな?僕の瞳もちゃんと見て言ってんのかね?結構珍しい瞳してるから一時凄い話題になったって父様達言ってたのにな?)


ジュール『目が悪いんじゃない?』


(おぉ、その可能性はある!だって隣にいる女の人はずっと黙って僕のこと見てるしね)


天華『そうですね、アトリーの顔を初めて見て固まらない人はそうそういないはずです、それか酔っていて視界がまともに機能してないかですね、あの男お酒臭いですし』


(確か?酔っ払いぽい感じはするね?この婚約破棄騒動の前に景気付けにお酒飲んでたのかな?まぁそれでもこの男がクズなのは変わんないけど・・・・・ん?)


 ザワッ!!


「あぁ、完全に終わったな・・・」「そうね、彼の方のお父様はちゃんとわきまえた方なのに、なんであんな子ができたのかしら?」


「あそこの家との付き合いは考え直したほうがいいな・・・」「わたくしも父上に進言しておかなければ・・・」


 僕と天華達が念話している間に、たちまち周りの人達があの男の家との接し方を変える決断をしていた。


「そうですね、名乗る前に1つお聞きしたいんですけど、この事はお2人のご両親は知っていらっしゃるんでしょうか?」


男「ふん!何かと思えば!私はもう成人している!自分の婚約の事で一々にお伺い立てるようなことはない!」


 と、言い放ちふんぞり返った。


(おいおい!家同士の政略結婚なら互いの家長の合意もなしに婚約破棄なんてできないだろうが!)


フェデルタ嬢「わ、わたくしの両親は知らないと思います」


 おずおずと言ったフェデルタ嬢に微笑みを向けて、


「そうですか、じゃあこの騒動はこの方の独断であってご家族は何も了承していないと、・・・そう言うことですね?なら、この婚約破棄はここではできないですよね?」


男「⁉︎、何!小僧!何をふざけた事を!!」


「いいえ?ふざけてないですよ?普通、貴族家同士の政略的婚約の場合、互いの家のご当主が何かしらの利益を求めて婚約と言う制約で、家同士の関係を強く結ぶものです、その時の婚約の破棄等の承諾は両家のご当主が合意しないとできないのですよ?知らなかったんですか?」


男「成人している俺にはそんな物は必要ない!俺が破棄すると言えばできるんだ!」


(はぁ、馬鹿なの?この人・・・、いや馬鹿だからこんな事になってるんだった・・・)


 男の発言に周りも呆れた顔で見ている。


「・・・だとしても、貴方はこんな所で、こんな騒動を起こしてはならないと教わらなかったんですか?」


男「ふん!それがどうした?あの女が隠れたり出来ない、この場所が1番良いからしているんだ、ガキには分からないだろうがあの女は裏で、この俺の愛しいシャンデに酷い嫌がらせをするぐらい陰湿な女なんだ、自分のしたことを隠すのが上手いあの女に逃げられないようにするために、絶対参加の今日招待された侯爵家主催の夜会で、逃げ隠れできない状況にした上でこの女の悪事を暴露しているんだ!」


「・・・そうですか、マルキシオス侯爵家主催の夜会だと分かっててしたんですね?僕はてっきり来る場所をお間違いなんだと思ってしまいました、・・・でも貴方、本当にお馬鹿なんですね♪」ニッコリ


男「な、なぁに!、貴様!また俺を馬鹿にしたな!!」


「それは馬鹿にしますよ、普通、自分の家の家格より上の家格のパーティーに招待されて、わざわざ場の空気を悪くすることを思いつくなんて、お馬鹿さん以外の何者でもないですよ?そんな事も分からないなんて10歳の僕よりお馬鹿じゃないですか?」


男「き、貴様ぁ!!」


 周りの見物人達がクスクス笑う中、顔を真っ赤にして今にも殴りかかって来そうな男に追い討ちでこう言った。


「お馬鹿さん、貴方がここに到着する前に、この会場にはある公爵家のご一家が入場されているんですよ?その方達の事も知らなかったなんて言わないですよね?招待状にはハッキリとその事が書いてあったはずです」


男「っ!!な、何だと⁉︎そ、そんな事知らない!!」


「いいえ、知らないはず無いでしょう?貴方、今、この夜会がマルキシオス家の主催で行われているって言ったじゃないですか、それはちゃんと招待状を見たって事ですよね?それとも、まだ公爵家の方々が会場に入ってないとでも思ったんですか?開催時間より遅れて来たのに?そんなわけないですよね?」


 これは知らなかったでは済まされない、招待状とは色んな含みを持たされて送られるのが当たり前、その時のドレスコードや入場時間、それこそ開催者より家格が上の貴族が来る事だって、相手に失礼がないようにと言う配慮を内容の含めた物だ、だからそれを「知らない」で済ませられない。


男「ぐっ・・・・」


「それに貴方の横にいる女性は招待されていないはずです、招待されていない者を招き入れるなんて・・・、マルキシオス侯爵家を侮辱しているんですか?」


男「っ!!そ、そんなつもりは!・・・」


 僕に言われて抱き寄せていた女から手を離した。


女「えっ?」


 女は状況がまだよく飲み込めていないようだった。


「そこの女の方、貴方はこのマルキシオス侯爵家の屋敷に不法侵入しています…、なので、その女性を招き入れた男性ともども拘束して下さい」


 ザッ!! 「きゃ!」「わぁ!」ドタバタッ


 僕の言葉をきっかけに、野次馬の間からマルキシオス家の騎士服を着た騎士達が10人現れて、あっという間に2人を拘束した。


男「は、放せ!お、俺は悪くない!あ、あの女が!あの女がシャンデを殺そうとしたから俺はそれを断罪しただけだ!」


「まだ言いますか、なら早く証拠とやらを見せてくださいよ」


男「む、内側の胸ポケットの中にある!それが証拠だ!!」


 男を拘束している騎士とは別の騎士が、男の上着の内側胸ポケットを探り出てきた紙を取り出し、男に確認させて僕の元に持ってきた。


(ありゃ?僕に持ってきた?ニモス叔父様じゃなくて?・・・まあ、良いか♪)


 持って来てくれた騎士にお礼を言い、その紙を見てみると、そこには暗殺ギルドに暗殺依頼をしたと言う内容の、簡単な契約書みたいな文が書かれていて、その1番下にフェデルタ嬢の名前が書いてあった。


(何これ?依頼の契約書?・・・・はぁ、この男、とことん馬鹿だ)


「こんな物は証拠になりませんよ」


男「はぁっ⁉︎嘘つくな!紛れも無い暗殺依頼の契約書だろうが!!」


「いや、そもそも、暗殺依頼するのに契約書を交わす暗殺者がいますか?それにこのフェデルタ嬢の署名、字が間違ってます、普通こんな重要な契約書に字を間違うなんてあり得ませんし、ただの紙の契約書なんて偽造し放題じゃないですか」


(しかし、これ見て、自分の婚約者の名前の間違いにも気づかないなんて、どんだけ馬鹿なんだこの男・・・)


 静かにこの話を聞いていた周りの招待客も何回も頷いている。


「それはそうよね、あんなのすぐにできるじゃない・・・」「自分の名前間違えるなんてあり得ないでしょう・・・」


「そうよね、それに間違えてたら契約不履行じゃない?」「そんなのも見抜けないなんて・・・」


男「な、何だと⁉︎」ギッ!「シャンデ!!これはどう言う事だ⁉︎」


 男は隣に同じように拘束されている女に鋭い目で睨んだ。


女「な、何の事か分からないわっ」ふいっ


 女は額に大量の汗をかきながら男から目を逸らした。


男「な、こっちを見ろ!お前が危険な目に遭った時に、これを拾ったと言ってたじゃないか!!」


女「し、知らないったら!!は、早く牢屋でも何でも連れて行きなさいよ!!」


 互いに言い合いしている様子を呆れた目で見ている周りの人達、僕達も呆れて見ているとニモス叔父様が僕の隣に現れた。


「ニモス叔父様、満足していただけましたか?」


ニモス叔父様「ふふっ、あぁ、鮮やかなお手並みだったよ、お陰で取り押さえるのが楽に出来た、アメトリン、君はとても優秀な自慢の甥っ子だよ、ふふっ」


「ご期待に添えて嬉しいです、でもこの人達のせいでニモス叔父様の主催の夜会が台無しです」


 この茶番劇の途中から、騒ぎに気付いたニモス叔父様の指示で騎士達が息を潜めながら、あの2人の周りを包囲しようと動いているのが分かった僕は、話をわざと長引かせていたのだった。


(でも、取り押さえるタイミングを僕に渡すなんて思わなかったよ・・・)


ニモス叔父様「ふふっ、そうだね、君の初の夜会が台無しになってしまったね、でもこの後もまだまだ夜会は続くからそれまで存分に楽しみなさい」


「はい♪」


 ニモス叔父様と会話をしている僕を見たお騒がせ男が目と口を大きく開き、少し震えていた。


ニモス叔父様「皆!今日はこのような騒ぎとなったが我が自慢の甥っ子が、素晴らしい対応をしてくれたので事なきを得た!少し遅くなったが今からダンスの時間を設ける、嫌な気分をダンスで発散しようじゃないか!!さぁ、皆、大いに楽しんでくれ!!」


 と、高らかに宣言すると、大広間の右側上部から大きな音で素晴らしい楽器の音色が聞こえてきた、その音に周りの人達が互いにパートナーを見つけて楽しそうに大広間中央に躍り出た、音楽に合わせてクルクル回るダンスを横目に僕は、ニモス叔父様と出入り口方面の壁際に移動した。












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