60話 夏だ!海だ!山だ!夏休暇だ!
はい!どうも!夏休暇到来でテンション爆上げの僕です!
学園に入って始めての夏休暇という事もありテンション上がる僕ですが、6月いっぱいの学園生活はそれはもう濃厚で楽しい日々ではありました。
“勇者候補“として召喚された前世での甥っ子とその幼馴染達ですが、この国では僕の家で過ごす事になった当初は、それはもう驚愕の一言だったそうな、向こうの世界ではあり得ない広い部屋に豪華な調度品、それにお世話係の執事やメイド達の対応に驚き戸惑っていた。
仁 曰く「ズューウス王国の王城より洗練されて気遣い方がハンパない」との事、向こうではやたら尋ねて来られて大変だったとか、公爵家の使用人達は尋ねる前に自ら予測し先回りして世話をする、それが当たり前、痒い所に手が届く、そんなお世話が当たり前なのだから、むやみやたらに客人のプライベートを侵害しないのが公爵家流のお・も・て・な・し。
そんな、仁達は屋敷に泊まって初めて僕達の訓練を見て驚愕、自分達はそんなことは出来るだろうか?と悩みだし、それを見かねた僕は僕とソルが3歳頃からやっていた鬼ごっこ訓練を教えると、それならやれそうだと前向きになったが僕が3歳頃にやっていたと知ると、少し落ち込んではいたが、なんとか持ち直し今日まで欠かさず続けている。
それと同時に魔力操作の訓練も初め、最初は戦争に駆り出されるのが嫌で武術や魔法の訓練を拒否していた3人だったが、それが杞憂になり。今では乗り気で武術や魔法の訓練をし出した、特に魔法が向こうの世界では存在しないという事もあって3人はテンション高めに魔法の訓練に夢中になってる。
武術や魔法に関して僕が教える事が出来るものはいくらでも教えていたが、自分の訓練も疎かには出来ないので常時何かしらの魔法やスキルを発動しながら過ごした結果、色々とスキルのレベルが上がり別のスキルが生えてきて僕からしても良い訓練となった。
もちろん週に一回の冒険者活動も欠かさずしていたよ、仁達も冒険者登録をして一緒に冒険者活動も行った。(まぁ、大抵は薬草採取のクエストをしていたので危険はほぼ無し)その行き帰りなどに王都を楽しんだりもした、以前行った事のある“ドゥルキス人形専門店“に行って、新たな人形を買う際に皆んなの鼻の粘膜の耐久値を試したのはまた別のお話し・・・
そして、そんな楽しい日々を過ごした今日!晴れて一学期が終了し、夏の長期休暇に入ったのだ!
(いやー、夏休みってなるとどうしてこんなにテンションが上がるものなのかなぁ、ワクワクッ♪( ´▽`))
前世でも学生時代は勉強からの開放感を感じて浮かれていた僕、でも今世では別の意味での開放感で溢れていた。
「はぁ~~、これで今日から2ヶ月間は学園中の好奇の目から離れられる」
そう言って自室のソファーの上でダレた。
ソル「お疲れ様です、アトリー、ですが今日は早くお休みになられて明日の朝の出発に備えて下さい」
「うん、そうだね明日から領地に向けての馬車の旅だものね」
今日は学園の終業式があり明日からが正式な長期の夏休暇となっていた、そして明日からの夏休暇は一旦デューキス領に戻り、そこから他領地で過ごすための旅路の用意を今まさに行なっている最中だった、今回の他領地への旅行にも仁達は着いて来る事になっていて移動はかなりの大所帯となりそう。
「あ、そうだ!後で仁さん達にアレ渡しておかないと」
仁達に渡す物を思い出して彼らが滞在している部屋に向かった、最初に仁の部屋に向かっていると夢ちゃんと彩ちゃんが反対側から来ていた、しかも2人も仁に用があったようで、仁の部屋の前で互いに立ち止まった。
彩ちゃん「あら、アメトリン君達も仁に用?」
「彩さん達もですか?僕は皆さんにお渡ししておく物を思い出しまして、まず仁さんからと思って来たのですが皆さんが集まっておられるなら丁度良かったです」
夢ちゃん「?そうなの?渡すもの?」
彩ちゃん「私達は明日の持ち物の確認とかの話をしようかと思って来たのよ、アメトリン君の用が私達にもあるなら一緒に仁の部屋で済ませましょう、それに何持って行けばいいか悩んでいた所だったし意見が聞きたかったんだけど良いかしら?」
「構いませんよ、じゃあまず仁さんの部屋に入りますか?」
彩ちゃん「そうね、仁も何を持っていくか迷っているでしょうし、入ってゆっくり話しましょう」
そう言って仁の部屋の扉叩き訪問を告げると、返事が返って来たのですぐに入り中を見渡す、室内では仁がトランクを大きく開きその周りに着替えや小物が散乱していた。
彩ちゃん「あぁ、やっぱり散らかしてる、仁、アメトリン君が私達に用ですって、そこの荷物を纏めるのは後にして、アメトリン君の要件を聞きましょう」
仁「あぁ!ごめん!ソファーの上を片付けるね!」
ソファーの上にも少し洋服が置いてあったのを急いで回収し、トランクの上に移動させた仁、そして僕達にソファーを勧め自分も座った、ソルも慣れたもので僕の隣に大人しく座り、ジュール達はそれぞれ思い思いの場所を陣取る、夜月は僕の膝の上、ジュールは彩ちゃんと夢ちゃんの間に座り2人から撫でてもらえて嬉しそうにしている、天華はソルと僕の間で丸まっている。
仁「ごめんね、散らかしてて」
「いいえ、お忙しいところに突然来てしまってすみませんでした、先にお伺いしてから来るべきでしたね」
仁「い、いいよ、気にしてないし、いつでも来てって言ったのは僕だから、それで何か用があったんでしょう?」
「あ、そうですね、皆さんにお渡しする物があったんです、今回の領地への移動に際して役に立つ物を作ったので、どうぞ使って下さい」
ソファーの前にあるローテーブルに3つの太めの腕輪を取り出した、模様は全部同じだが中央にワンポイントで天然石をそれぞれ仁達3人のイメージカラーで、仁には青いタンザナイト、彩ちゃんには淡い青緑のフローライト、夢ちゃんにはピンクのモルガナイトを嵌めてある。
ぱっと見た感じアイビーの蔦が絡まったような模様の金属の輪に、安価な天然石が1つはまった腕輪だ、だが実際はミスリル製の腕輪の裏側に魔法陣を描き、魔石を仕込んでキーワードを言いながら出し入れしたい物を思うだけで簡単に使用できる、使用者を限定し“収納スキル“を付与した“アイテムリング“だ、それに魔力を込めると“結界魔法“の“ドームシールド“が展開されるようにしてある、高性能な腕輪だ。
「・・・・・性能は保証しますよ、“収納“の容量はあまりないですが、大体5メートル四方ぐらいです、あと“ドームシールド“の範囲は半径2メートル程で、強度は魔力を込めた分だけ硬くなりますので、最初は練習が必要になりますが仁さん達なら問題なく使えると思いますよ」
と、説明を終わらせると3人は口をポカンと開けてゆっくり瞬きしていた。
「どうしました?」コテンッ
首を傾げると・・・
「「「えぇぇ⁉︎」」」
仁「ちょっ、ちょっと待って!アメトリン君!それって結構高価な魔道具だよね⁉︎なんで、そんな物を僕達にサラッと渡すの⁉︎」
慌てふためいて聞いてくるので。
「あ、これは僕の自作なので材料代ぐらいしかかかってないので高くないですよ、だから安心して使って下さい♪」
と、事実を言うと、仁達3人は何故かソルの方に目を向けた、するとソルはニッコリ笑って首を横に振ったのを見て、仁達は頭を抱えたのだった。
(何さその反応は!目立たない装飾にしたし、隠蔽も施してあるから性能に目をつけられて取られたりしないよ⁉︎)
天華:『市場に出れば何千万リトスになるか分からない代物をポンっと渡されたら、あぁなりますって』
「う?そうかな?イネオス君達に渡した物に結界魔法と隠蔽を追加で付与しただけだから、そんなに高価じゃないと思うよ?材料は同じだし?むしろ安いよ?」
イネオス達に渡した“アイテムリング“には、宝石を嵌め込んでいるので仁達のリングより材料費は高めだ。
天華:『材料費の問題ではないんですよ、付与された魔法の精度と希少性の問題なんです』
「うーん?確かに?“アイテムリング“に隠蔽まではやりすぎた?」
天華:『結界魔法もです』
「そっちも?でも仁さん達に“守護の短剣“は渡してなかったから纏めちゃえば良いかなって思って・・・」
僕と天華が会話しているのを呆れた様子で見ている仁達、天華達が僕以外の人とも会話できる事は、すぐに仁達にバラしてしまっているので、3人は違和感無くこちらの様子を見ている。
彩ちゃん「ふぅ、アメトリン君にはいつも驚かせられてしまうわね、でも今回のコレは正直助かるわ、私達の中で誰も“収納スキル“を持っていなかったし」
夢ちゃん「そうだねぇ~、旅行用の鞄に持って行きたい物が全部入らない所だったし」
仁「あれもちゃんとした“マジックバッグ“なんだけど、容量が少ないみたいだからね、入れるものを厳選していたらあんな事になっちゃってたんだけど、コレがあれば悩む事なくなって良かったよ、アメトリン君、腕輪くれて有り難う」
「ふふっ、どういたしまして、役に立ちそうで良かったよ」
彩ちゃん「えぇ、絶対役立つわ、有り難うアメトリン君、コレで私達の用件も無くなったわね、せっかくだしちょっとここでお茶しながらお話ししていこうかしら?アメトリン君達もどう?」
「良いですね♪」
夢ちゃん「私も賛成!あ、アメトリン君、コレ可愛くてすごく気に入ったよ、有り難う♪」
「どういたしまして♪あ、そうだソル、お茶持ってたっけ?僕の“収納“には果汁水しか入ってないんだ」
ソル「大丈夫です、僕の“収納“にお茶とお茶菓子が人数分あります、今、お茶を淹れますから少々お待ち下さい」
と言って、すぐさまテキパキとお茶の用意をしだしたソル、その光景を感心しつつ横で僕も果汁水がいるか皆んなに聞いてみた。
夢ちゃん「あ、私は果汁水がいい♪りんごの果汁水はあるかな?」
夢ちゃんのリクエストに答えて、りんごの果汁水を収納に入れていたグラスに注いで渡した、ソルのお茶の用意も終わって、皆んなで飲み物を飲んで一息つくと、夢ちゃんがこっちに来てゲーム内とかなり違うことについて話し出した、どうやら主要な登場人物が学園にいなかったり、いたとしても年齢が違ったり、性格が違ったり、とゲーム内との齟齬が激しいとの事。
(僕のような転生者じゃなくても、ゲーム内の設定とかけ離れた人が多かったみたいだね)
夢ちゃん「でねぇー、その中で1番ショックだったのが、あのアンジェちゃんが勘違い系のぶりっ子だったのが、1番ショックだったー!」
「あぁ、あの“お花畑さん“ですか・・・」
(あれは中々強烈な性格してたもんなぁー)
僕が遠い目をしてると、横にいるソルは不快感で顔を顰めた。
彩ちゃん「あら?アメトリン君は“あのアンジェリカ“に会った事があったの?」
「あ、はい、会ったと言うか、向こうから会いに来たって感じです」
夢ちゃん「会いにきた?アンジェって確か学年違ったよね?」
「はい、学年は違いますが何故かわざわざ僕に会いに来ましたね」
仁「何か用があったのかな?学年が5個も違うのにわざわざ来るなんて、知り合いだったの?」
「いいえ、知り合いではないですね、まぁ、会いに来た理由は聞きましたが意味が解りませんでしたし」
「「「?」」」
僕が言っている意味が分かんないと首を傾げた3人に、その時の状況を細かく説明すると。
仁「いやぁー、それは無いな、僕でもドン引きするレベルだよ?」
彩ちゃん「うん、そうね私でもドン引きする“お花畑“っぷりね、ヘリーさんの苦労が目に見えるようだわ」
夢ちゃん「うっわぁー、そこまで行くと勘違いって言うか頭の病気を疑っちゃうね」
3人ともが顔を引き攣らせてドン引きする中で、夢ちゃんの辛辣な評価に苦笑いするしかない僕、ソルはその評価に深く頷き同意していた。
夢ちゃん「私達が彼女を見た時は、同級生の男の子に声を掛けられて、ぶりっ子振り撒いていた時だったから、そこまで酷いとは思わなかったよ」
彩ちゃん「あそこで話しかけなくて、ほんと正解だったわ」
仁「だね、話しかけてたら付き纏われていたかも知れないね」
ソル「その可能性は十分ありますね、なんせヘリー様を勝手に友人として認識していたぐらいですし」
(いやー、何度聞いてもドン引きする内容だよねー、会話もしたこと無いのにいつの間にか周りからもお友達認定されるって・・・怖っ・・・)ブルッ
1人で身震いしていると、ソルが新しく暖かいお茶を淹れてくれた、それを有り難く一口飲むとホッとして力が抜けた。
ソル「あの方には2度とアトリー様に近寄って欲しく無いですね、視界にも入ってほしく無いです」
不快感全開で言ったソルの言葉に、3人が苦笑い気味に頷いていた。
「しかし、聞いた限りだと彼女はあの後もあまり反省はしていない様ですね」
彩ちゃん「そうね、アメトリン君にあれほど貴族のマナーを注意されたのにも関わらず、いまだに男性との距離感がおかしいみたいだったわ」
夢ちゃん「男性も男性で自分に気があるのかもって、勘違いしてそうだったしね」
彩ちゃん「そんな感じはしたけど、何か変よね?アメトリン君が聞いた感じでは、貴族になる前は周りの人達からチヤホヤされてた、みたいな言い方してたのよね?ただ、ぶりっ子しながら話しているアンジェリカに、相手の男性が自分に気があるかもって、そう簡単に勘違いするかしら?」
夢ちゃん「え、もしかしてアヤちゃん、アンジェが魅了の魔法とか使ってるとか思ってる?」
(うーん、僕もちょっとは思ったよ、そこはね)
仁「魅了魔法?とかあるの?この世界」
彩ちゃん「うん、そんな感じしない?魔法についてはまだ分からないけど、こんな魔法と剣のファンタジーな世界だし、無いとは言い切れないじゃない?」
夢ちゃん「うーん、確かに、で、そこの所はどうなのかなアメトリン君」
「そうですね、あるにはありますね、ただ、その魔法は使用者の適性が厳しくて、うまく発動しないことがほとんどなんだそうです、よほど相性がいい魔力性質と強い願望がないと、たいした効果は得られないと本に書いてありましたね」
夢ちゃん「やっぱりあるんだ!あ、そしたら魅了魔法を使われているのって気づく人いないのかな?この間目撃した人に魔法を使っているのは感じなかったんだよね」
自分では感じ取る事が出来なかったともらす夢ちゃんに。
「うーんそうですね、魔力量が少ない方ほど掛かりやすく、気づきにくいのは確かですが、僕達みたいな魔力量が多くて、特殊な瞳に関するスキルがある人が見れば、魔力の流れとか使用されている瞬間とかは、分かると思います、痕跡もどうにかしたら分かるとは思いますが、もし彼女が魅了魔法を使えたとして、以前彼女にお会いした時はそんな魔力は感じませんでしたので、彼女が自分で意識して使えていないか、僕の加護の結界で無効化されていたかの、どちらかだと思いますよ、あとは血筋の関係で特殊な体質の影響だったりすると、スキルでは確認しずらいですね、僕自身もそうですし・・・」
と、言うと、
夢ちゃん「え!アメトリン君も魅了魔法の使えるの⁉︎凄いね!アメトリン君自身の外見だけでも十分魅了されている人は多いのに、その上で魅了魔法使えるとか、最強じゃない!」
目をキラキラさせながら褒められた、少し苦笑いしながら間違いを正す。
「いや、僕の場合は王家の血筋の特性で、人に好意を持たれやすいと言う体質みたいな物なので、あまり制御は効かないんですよね、だから無闇に魔力量が低い人と会話しないようにしてます、僕が好意を持っていると誤解されたく無いんで」
彩ちゃん「そうなのね、だからアメトリン君が学園の教室で無口なのは、周りを巻き込まない為の対処法なのね?」
「そうですね、僕の特性の威力の強弱は感情の昂りに左右されがちなので、感情の制御をする為には話さないのが1番良い方法なので」
僕の教室での様子をしっかり見ている彩ちゃんに関しつつも、僕がいつも無口な理由を話す。
仁「そっか、それじゃあ大変だよね、いつも話さないようにするのは」
「そうでも無いですよ、あのクラスの生徒は親から僕に取り入ってこいと、指示されて来ている王侯貴族が大半なんで、付け込まれないように必要以上の会話はしないので都合が良かったんです」
仁「そうなんだ、貴族の世界はもっと大変だね・・・」
仁は貴族世界の色々なしがらみを思い、しみじみ呟いた。
彩ちゃん「でもそうなると、アンジェリカの魅了は魔法によるものか、そのアメトリン君の特性に似たものなのか、判断は付きずらいわね」
「うーん、多分ですけど、彼女の魅了の効果は魔法によるものだと思います、理由としてはあの一件以来、彼女が僕に近寄ってこない事が挙げられます、ただ単にあの時のヘリー姉様の忠告を聞いて、大人しく従ったと思えるかもしれませんが、彼女は今まで魅了魔法を失敗したことが無いのでは?と言う事と、魅了の効果が女性には効いてないと言う事です、もし体質的なものだった場合、少なからず同性にも影響があるはずなので」
と自分の見立てを話した。
夢ちゃん「ん?そっか!ヘリーさんは魅了されて無かったもんね!」
彩ちゃん「違うわよ、多分その時周りにいた女子生徒が、アメトリン君に今だに取り入ろうとする視線を向けているからじゃない?アンジェリカの魅了効果が体質だったら、今頃クラスの生徒全員がアンジェリカに好意を抱いているはずだし、それにヘリーさんは魔力が元々強いから、そう簡単に魅了されたりしないわよ」
仁「そうだね、もし彼女に魅了されていたなら、今頃クラスの生徒達がアメトリン君に敵対的な視線を向けているはずだ」
「はい、彩さんに仁さん、正解です、なので仁さんは今後 彼女にあったときは気をつけた方がいいですよ、魅了魔法は異性には凄く聞きやすいですからね」
夢ちゃん「あららぁ~、いつぞやのフラグ回収ですかねぇ~」
仁「そんな物、建設した覚えはないよ!」
彩ちゃん「またまた~、照れちゃって~」
クックックッと、笑う夢ちゃんに仁がすぐさま反論し、それを彩ちゃんが揶揄う、そんな賑やかな光景を頬ましく眺める僕。
(ふふっ、仲良いのは変わらないね、明日からの領地行きの道中も賑やかで楽しくなりそうだね、そう言えば仁との旅行は母さんの還暦祝いの旅行以来だ、早く明日にならないかな♪ふふっ)
明日の旅行に想いを馳せながら、のんびりお茶を啜るのだった。