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48話 お花畑ちゃん



>ーーーーー<>ーーーーー<>ーーーーー<



(へぇ~、“イーヴィル・ドラッグ“《邪悪な薬》ねぇ~・・・って!そのままやんけっ!)


 はい!どうも、僕です!今 現在 教室での帰りの挨拶が終わり、お家の人のお迎えが来るのを待っている状態です、

 急遽決まったお迎えの事をいつも一緒に帰っているイネオス達に知らせにソルが行っている間、暇だったので天華達と念話でおしゃべりしていたら、先程までに行われていたであろう会議での話題になり、以前、僕達にちょっかいを出してきた帝国所属の冒険者が服用していた麻薬の名称が決まったと、天華が教えてくれたので聞いていると、つい冒頭のようなツッコミを入れてしまった次第でございます。


天華『まぁ、名称なんて分かりやすいのが1番ですからね大体そんなものでしょう』


(それはそうだろうけど…、それにしても安直 過ぎない?あの薬が邪悪だと言われるほど危険だと判断されたのは分かったけど、英語で直訳されているのは何とも言い難い気分だよ…分かりやすいけど…)


天華『今回は召喚された“勇者候補達“にも分かりやすくする為にあえて、この名称にしたそうです』


(あぁー、そう言う事か、なら仕方ないね、ねぇこれってあの薬の名称が鑑定にまで反映されるって事?)


天華『はいそうです、あの薬だけではなく、今後も身体に影響が出そうな“薬物“が発見され次第、この名称が使われると思われます』


(あーね、前世の日本でヤバめの薬全般が“麻薬“とか“覚醒剤“って言われている様なものかな?総称って感じ?)


天華『その認識で間違いないと思います』


(ん、理解した、んで、さっきからあそこで、まだ睨みつけてくるアーミラさんはどうしたらいいのかな?)


 帰りの挨拶が終わっても僕がまだ教室に居るのが珍しいのか、クラスメイトの大半が放課後の教室に残っていた、むしろ他のクラスの生徒までやってきて人数は増えている、その中でアーミラさんとアーミラさんの友人?取り巻き?みたいな人達が揃ってこちらを睨んでくる。


(マジ何かしたかな?僕・・・はぁ~、疲れるなぁ~取り巻きもガン見てくるし、あそこまで見てくるぐらい言いたい事があるなら話しかければ良いのに・・・あー、マジうざっ)


ジュール『あの子感じわるーい』


(だねぇー、他の人達は好奇心に満ちた視線や取り入ろうとして探るような視線の中、あの子達だけ分かりやすく敵意を向けてくるんだよねぇー)


天華『まぁ、手を出してくるまでは無さそうですから放っておきましょう』


(そうするしかないかぁー、ロシュ君がいれば話し相手になってくれたのになぁー、ソルまだかな?)


天華『アトリー、さっき行ったばかりですよ』


 ロシュ君はいつもお家のお手伝いで早く帰ってしまうのだ、だから視線を無視するにも目の前に人間の話し相手がいないと目線のやり場がないので、今の僕は自分の席でジュールや天華達を撫でて、ボーッとしている暇人に見えているのだ、この状況で他の同級生が今日の授業について根掘り葉掘り聞いて来ないのは、大きな姿になって側にいてくれている夜月がいるからだ、おかげで質問攻めにあってない。(有り難い事です(^人^))


 そうして、色んな視線を感じつつボケーッとしていると・・・


?「あっ!ここに、いたーっ!」


「?、何だろう?」(うるさっ何がいたのさ?)


 突如 甲高い女の子の大きな声が教室の出入り口付近で聞こえた。


?2「アンジェ、声が大き過ぎだよ」


?「あっ、ごめんなさい、デュオ、見つけれたのが嬉しくて、つい大きな声になっちゃった」


?3「じゃあ次は気をつけようね」


?「えぇ、次は気をつけるわ、ハミエル」


?4「で?どうすんの?用ってなんだっけ?もう戻るの?」


 声が聞こえた方に視線を向けると、数人の上級生らしき人達が教室の中に会話しながら入って来ていた。


(賑やかだな、しかし なんで上級生達が1年生の教室に来てるんだ?)


?「もうっ、まだ、来たばかりじゃない、ゲイル、・・・あ、ちょっとごめんね 通らせてね?」


 会話しながら同級生を避け、何故かこちらに近づいてくる賑やかな上級生達。


?「わぁ、近くで見るともっと可愛いっ!それに綺麗ねっ!」


 僕の席の横まで来てそう言った。


(うん?僕?それともジュール達?)


 僕は無言で立ち上がり、上級生の女子生徒を見上げ首を傾げた。


?「まぁっ!可愛いっ!やっぱり凄く綺麗な瞳っ!貴方、ヘリーさんの弟のアメトリン君でしょ?ねぇ本当に男の子?」


(あ、僕の事か・・・うん?ヘリー姉様の同級生?男ですし!それにしてもこの人 誰?近っ!めちゃ見てくるやん!)


 黄色みの強い金髪に、色の濃ゆいショッキングピンクの瞳は、ピンクサファイアかピンクトルマリンの様に透き通っていて、魔力が多く質が良いのが分かる、可愛い系の顔立ちのゆるふわ夢見系の女子(う~ん、どこかで見た事がある配色に顔立ちだな)


 少し引き気味に距離を取りつつ、まだ無言で見ていると、


?4「何、こいつ、全然 喋らねぇじゃん」


 と、言ったのはくすんだ赤髪に、赤茶の瞳の見るからにチンピラっぽい風貌の兄貴系。


天華『失礼な態度の人ですね』


(そだねー)


?3「突然の事で驚いているんですよ、ゲイル」


 その兄貴系を宥めるのは、薄茶色のミルクティーブロンドに、グリーンメノウの優しい緑の瞳のほんわか癒し担当のお兄さん系。


(惜しい!不正解!驚いてはいるよー次頑張って!)


夜月『いつの間に、クイズ形式になったんだ?』


(気分?)


?2「いや、我々が先に名乗らないから返事をしないだけだと思うぞ?」


 正解を言ったのは、鮮やかな紺色の髪に、エメラルドグリーンの瞳をした賢そうなお兄様系、そうだったみたいな顔したチンピラ風兄貴と、癒し系のお兄さん。


(ピンポーン!お兄さん正解!正解した貴方には!何と!・・・・)


?「え、そうなの?何で?」


 と、不思議そうに首を傾げる、ピンクの瞳のお姉さん。


ジュール『なに?なに?なにが貰えるの?』


(何も貰えませーん!WWW)


?3「え、知らないんですか?」


 少し驚いた顔も可愛い、癒し系お兄さん。


ジュール『何だー、貰えないのかー』


(ふふふっ、残念でしたー)


天華『ジュール、貴女が正解した訳では無いんですから、何も貰えないと思いますよ?・・・それにしてもアトリー、どうしたんです?さっきからテンションがおかしいですよ?』


?2「この国の貴族の間では、先に互いに挨拶して、名乗ってから会話するのが一般的だろう?それに目上や爵位が高い方が先に挨拶しないと無闇に声をかけてはいけないはずだ、アンジェ、君もこの国の貴族ならちゃんとマナーは教えられただろう?」


(あー、何か疲れハイテンション?ってやつ?しかし、一応、僕の家はこの国では王家の次に位が高いけど、この人達は全く知らない人だし、年上だから挨拶を待ってるんだけど・・・まだかな?)


天華『相当疲れてますね・・・大丈夫ですか?』


(うーん、大丈夫?多分?肉体的には疲れてないよー♪)


 天華達と念話で、意味不明なテンションのまま会話を繰り広げている間にも、突然目の前に来て、人を無視してマナー講座を繰り広げている上級生4人。


?「え、あ、うん?どうだったかな?急にたくさん教えられたから、あまり覚えてないわ・・・」てへっ


(“てへっ“じゃねぇよ)と、一瞬イラッと来た僕、元々外面は良い方の僕は疲れると内面ではかなり口が悪くなる傾向にある、前世ではAB型でよく家族に表裏が激しいと言われていた、それが久しぶりに出てきている気がするなと思っていると・・・


?2「そう言えば君は最近レーラー子爵家の養子に迎えられたんだったな、仕方ない、私が先に挨拶するからそれを手本に続くと良い」


(レーラー?レーラー先生のご実家?義理の姉妹?もしくはご親戚?何となく似ているような?違うような?)


 そう言って、紺色の髪したお兄さんは、女生徒の隣に来て僕の方を向きニッコリと作り笑いをして、


?2「突然押しかけてすまないね、私はライヒスル帝国皇帝の第二子、“デュオプランス・カイザラ・ライヒスル“と言う、今日は我が愚弟が迷惑をかけたね」


 と、挨拶をしてきた。


(あぁ、こっちはレーグルス君達のお兄さんだったか、皇族だったんだね、あれ?そう言えば終わりの挨拶前から2人ともいないな?保健室かな?・・・まぁ良いか、それより、ちゃんと挨拶しないとね)


 と思い姿勢を正し、挨拶をしようとしたら、


?「次は私ね♪、初めまして、私はレーラー子爵家の養子で“アンジェリカ・ノブル・レーラー“です、貴方のお姉さんのヘリーさんの同級生なの、私の事はアンジェって呼んでね♪“アメトリン君“♪」


 僕が挨拶する前にゆるふわ夢見系女子、レーラー子爵令嬢が先に挨拶してきた、それを見た隣の第2皇子があちゃーと言う顔をしていた、後ろの2人も驚いた顔をした。


(続けとは言ってたが、そうじゃないと思うぞ?)


 基本、地位のある人との挨拶は丁寧に1人ずつ行うもので、紹介されない限り続けて挨拶するものでは無い、それが分かっていない彼女には、まだまだ貴族教育が必要そうだ、気を取り直して挨拶を返す。


「・・・丁寧な挨拶 有り難う御座います、先輩方、すでにお見知り置きの事とは思いますが、僕はデューキス公爵家当主が三男、アメトリン・ノブル・デューキスと申します、この度は弟君に怪我をさせてしまい申し訳ございませんでした、それとレーラー子爵令嬢、僕は貴女が名前を呼ぶのを同意をしておりませんので僕を名前で呼ばないで頂きたい」


 あえて、強くキッパリと言った。


(僕は勘違いされたくないのでね、それに貴方に興味は無い、って伝わってんのかね?これ?)


レーラー子爵令嬢「えっ、何で?“アメトリン君“はヘリーさんの弟でしょう?私はヘリーさんのお友達なの、家名が同じだと、どちらを呼んでるか分からないじゃない?だから名前で呼んだのだけどダメだったの?」


(ヘリー姉様のお友達って本当かな?この感じの態度だと、絶対ヘリー姉様と相性最悪そうなのにね?)


『そうだな』と夜月の意見に他2人も同意して頷いていた。


帝国第2皇子「アンジェ、それはダメなんだよ、貴族同士の間だと家族や婚約者以外が名前を呼ぶのは、親しい間柄の友人ぐらいだからね、君はデューキス子息には初めて会ったばかりだろう?」


(あの弟の兄なのに“まとも“!Σ('◉⌓◉’))


天華『あの弟が不出来だったんじゃ無いですか?』


(あぁ、それもそうか、これが普通だよねー)


?3「アンジェ、君の他の人と親しくしたい気持ちは分かりますが、異性の貴方がデューキスの子息様を名前で呼ぶと、他の人が君を彼の婚約者と勘違いしますからね、今度からは家名で呼びましょう、ね?」


レーラー子爵令嬢「えぇっ!そうなの?で、でもミハエル達の事も名前で呼んでるわよ?」


?4「それは、俺達が同級生で、俺達自身が名前を呼んでいいと公の場で言ったからだ、だから許可の無い男の名前を簡単に呼ぶんじゃねぇよ、良いな?」


レーラー子爵令嬢「う、うん・・・、分かったわ、ごめんなさいね、えっと、“デューキス君?“」


(これは分かってねぇな、学園では身分は関係ないとされてはいるがマナーとして格上の爵位の子息や令嬢に親しげに“君“や“さん“を使っちゃ駄目だって言われなかったのかこの人?・・・・うん、面倒だ、無視しよう)


「・・・・・・・」


 あからさまに僕の表情が不快感を表したのを見て、雰囲気を変えようと癒し系お兄さんが、


?3「あぁ、えっと僕の紹介がまだでしたね、僕は“イエロザーパト聖教国“教皇の第二子“、ハミエル・イエロ・パストルと言います、気軽にミハエルとお呼び下さい、愛し子殿、聖獣様方もお会いできて光栄です」


 と、恭しく挨拶をした。


(うん、あれだね、聖職者家系だから人一倍恭しく扱ってくるね、てか愛し子殿って?なんぞ?)


「こちらこそ、お会いできて嬉しいです、ハミエル先輩」


?4「最後に俺だな、俺は“スッド魔人民国“から来た、ゲイル・タージェルです、実家が商会を経営しているので、ご要望があれば色々おそろえしますよ」


 ニヤッと軽い感じで笑った、タージェルさん。


(この人、軽率な感じに思わせといて実は腹の中で計算高こと考えてそう、しかし“スッド魔人民国“の出身か人族なのかな?ぱっと見分かんないなぁ)


「その機会があれば、お願いしますね」


 ニッコリッと笑っておいた。


タージェル先輩「ふーん、アイツと全然似てないな」ボソッ


(うん?ライ兄様の事かな?それにしても中々個性的な人達が来たもんだねぇ、どう言う関係なんだろうね?この人達・・・それに要件は何なのさ?)


ジュール『そうだねぇ、聞いたが早いんじゃない?』


(だね!)


「あの、それで、僕に何かご用でしょうか?」


レーラー子爵令嬢「あっ、そうだったわ、私、デューキス君に魔法を教わろうと思って来たの♪」


(はぁ?)


「「「はぁ?」」」


 レーラー子爵令嬢の要件の内容を聞いた上級生男子3人が、驚きの声と共に彼女を(何言ってんだコイツ)見たいな顔で凝視していた、僕も声には出さなかったが、同じ顔はしていたと思う、僕は他3人の表情を見て。


(・・・・ふむ、彼ら3人は彼女が何故 僕を探していたか正確には知らなかったんだね)と推測していると、


レーラー子爵令嬢「凄いわよね、どうやったらそんなに上手に魔法を使えるの?聖獣様達のおかげ?私まだ自分で魔法を上手く制御できないの、だから魔法が凄く上手なデューキス君に教えて貰おうと思って探してたの♪ね、教えてちょうだい♪私 今日はこの後は暇なの♪」


 続けて無邪気に可愛らしく、意味不明なお願いしてくるレーラー子爵令嬢。


「それは出来ません」


 スンッと、笑顔を消して答えると、


レーラー子爵令嬢「え?何で?」


 不思議そうに言ってくるので、


「何で?と、言われましても、逆に何故僕が、貴方に魔法を教えて貰えると思ったのか聞きたいです」


 と、逆に質問した。


レーラー子爵令嬢「え、私はデューキス君の魔法が凄かったからで・・・、それにお友達のヘリーさんの弟なら頼んだら教えて貰えるかなって・・・」


 さらに意味不明な答えが返ってきて、頭痛がしてきた気がするのでキッパリとこう答えた。


「まず、言っておきますが、僕は貴方がヘリー姉様のお友達だと言うのも正直言って疑っています、そもそも友人の兄弟だからと言って、初対面の人にいきなり魔法を教えて貰えると思っているのはおかしいです、それに相手、つまり僕ですが、相手の予定や同意を確かめもせずに自分の用事を一方的に告げるのもおかしいです、そして何より、僕のことを何も知らないのに親しげに声をかけてくる貴方が“心底“気持ち悪いです」


 至極真っ当で強めな主張をした僕の言葉に、男子3人は少し驚いていたものの頭は軽く頷いていた。


レーラー子爵令嬢「えぇっ!ひどいっ!気持ち悪いなんて!私のどこが気持ち悪いの⁉︎私は貴方のお姉さんのお友達なのよ!ちょっとぐらい教えてくれたって良いじゃないっ!それに貴方!自分には“聖獣様達がいるから凄い魔法使えるんでしょう⁉︎“ずるいわ!」


 と、急に大声で泣きながら喚き出した、周りにいた男子3人も急な展開についていけずに(何で泣いてんのコイツ)って、困惑した顔でワタワタし出した、先程までは通常の音量で話していたが、彼女が大きな声で叫び始めたので、遠巻きにこの様子を見ていた教室内の1年生達も驚き、話の内容がよく聞こえていなかった人達は、僕が彼女を泣かしたと思ってそうな表情で見ている。(特に男子)


「あの人何で泣いてるの?」「なぁ、今の本当かな?“気持ち悪い“って言ったって…」「教えるって何を?」「あの魔法も聖獣様達のおかげって本当?」


「自分の実力じゃなかったの?」「お姉さんのお友達に“気持ち悪い“とかよく言えるね」「ちょっと聞こえたけど、デューキス様に魔法教えてって言ってた」


「何で?教えてあげれば良いじゃん」「でも、初めて会ったんだよね?」「でも断り方酷くないか?“気持ち悪い“って言わなくても…」


 コソコソ話している声を聞きながら僕はその間も表情は“無“だ、何の感情も表情に出さずに彼女を見ていた、心の中では、


((悲劇のヒロイン気取りかよ、うっぜっ!何が“お姉さんのお友達“だっ!ヘリー姉様がアンタみたいな頭がお花畑みたいな女を友人にしたりするもんかっ!それをあてに、何がちょっとぐらい教えてくれても良いじゃない!だと⁉︎ふざけんな!こっちは今までの茶番のお陰で疲れてんだよ!なのに何が楽しくて自分の時間を削ってまでついさっき初めて会った、馴れ馴れしい女に魔法の手解きをしてやらんといけんのだっ!それに僕の魔法がジュール達のおかげだと⁉︎どこをどう見てそう判断したんだよっ‼︎しかも!僕の大切な家族のジュール達をなんだと思ってんだ‼︎))


 この様に罵詈雑言の嵐で、今までの自分の努力を勝手に評価されて、イラッとして来た感情を表に出さないようにするのと、イライラで目の前の彼女に魔力をぶつけないようにするので、つい表情が“無“になってしまっている。

 ・・・その何の感情も見せない表情に畏怖の念を覚えた者達がいた、それがのちにあんなファンクラブ?を作る事になるとは・・・


ジュール達『『『アトリー!』』』


 僕の急な魔力の高まりに、ジュール達が僕の魔力の制御に介入して来たのが分かった。


(っ!冷静にならなきゃ、冷静に・・・・、今日は疲れているから こんなにイライラするだけ、僕の中身は45歳、あれは子供の戯言、聞かなくていい・・・・)


天華『焦らないで、ゆっくりで良いんですよ』


(うん、分かった・・・)


レーラー子爵令嬢「ひどいわっ!私はお友達の弟の貴方と少しでも仲良くしたかっただけなのにっ!気持ち悪いだなんて!何故そんなことが言えるの⁉︎」


((あぁ、そう言えばなんか既視感があると思ったら、昔の職場にこんな人いたな、自分が望めば何でも手に入ると思ってる、顔だけが良い 甘やかされて育った“頭の中がお花畑の女“が・・・その女のせいで仕事辞めちゃったな、今思えばあの女名前なんだっけ?忘れちゃったけど確かあの女の策略だったんだよね、アレ、自分が1番じゃないと満足できない人間だったんだよな・・・ん?あれ?何であの女に目の敵にされてたんだっけ?・・・“私“何もしてなかったのにな…、ん?何もしてないのに仕事辞めるはめになったとか理不尽じゃね⁉︎・・・あ、今頃 怒りが湧いてきたな・・・うっ!頭痛いな、だめだ、考えちゃだめ・・・))


帝国第2皇子「おい!良い加減にしないかアンジェ!」


レーラー子爵令嬢「うっぅ、・・・何故怒るの?デュオ、うっ、私にひどいこと言ったのはあの子なのにぃ~っ!」


夜月『落ち着け、アトリー、あれは無視するんだ』


(うん)


 困惑していた帝国第2皇子が、今の言葉で流石にこのままではいけないと思ったのか、注意しても、まだ自分ワールドで悲劇のヒロインを演じているレーラー子爵令嬢、そんな彼女に前世での出来事が重なり、イライラの頂点に達しそうな僕を見て夜月が僕の前に出てきた、そこで僕の魔力が暴走しないように体をすり寄せて宥めてくれている、すると・・・


ソル「アトリー様‼︎」


 僕の怒りを感知したのか、イネオス達を連れて急いで戻ってきたであろうソルが、バッ、と跳躍して高く跳び僕とレーラー子爵令嬢との間に着地した。













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