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38話 実技授業?


「・・・お久しぶりです、国王陛下」


 どうも、僕です、何故か今、目の前に父方の従兄弟でこの国の国王陛下である、サフィアス・レイ・ウェルセメンテ第13代国王陛下がいるんです。


サフィアス叔父様「久しぶりだね、いつもの様にサフィアス叔父様と呼んでくれてもいいんだよ?」


「・・・流石にこの様な公の場では・・・」


サフィアス叔父様「連れないねアメトリン、私と君の中じゃないか♪」


(おいおい、国王の威厳はどうしたっ!)


「陛下、それよりこの状況はどうゆう事でしょう?説明して頂けるのですよね?」ニッコリッ


サフィアス叔父様「さ、最近、シベラスに似て来たんじゃないか?アメトリン?」


「そんなっ、素晴らしいシベラス叔父様に似ているなんて、とても光栄ですよ♪、で、何故こんな事に?そもそも父様やシベラス叔父様達はこの事を知ってるのですか?部外者もいる様ですし・・・」


 サフィラス叔父様と会話している間にも、次々人が観客席に入って来ているのが見えた、明らかに学園とは関係のない他国の要人ぽい人達もいる。


(あの人達、入学式でも見た人達だ、確か各国の王族からの“祝辞“を持ってきたとか何とか・・・)


サフィアス叔父様「それはちゃんと教えているよ、ほら、君の家族も見にきてる」


「え、あ、父様、母様、お祖父様方やカミィ姉様達まで・・・?後、誰だろう?」


 父様達家族の他にも、ニコニコと笑顔でこちらを見ている綺麗な女性が母様の横に座っていた。


サフィアス叔父様「あぁ、あの女性は私の奥さんだ」


「あぁ、王妃様、お美しい方ですね、始めて見ました」


サフィアス叔父様「そうだろう?だから君に会って見たいと言って今日は着いて来てしまってのさ」


「そうなんですね、後でご挨拶に伺いますね、で、陛下、何故このような事になったのか、まだご説明頂けてないんですが?後、他の人達の演習が頓挫したままなのですが…」


 サフィアス叔父様が姿を現した時から演習場にいた1年生と教師達が、膝をついて頭を下げた平伏状態のままだったので、叔父様に皆んなが動くのを許して貰えないか進言した。


サフィアス叔父様「あぁ、そうだった、皆、頭をあげていい、実技の続きをしてくれ、その間アメトリンとソンブラ君は借りるよ」


「「「「「はっ」」」」」


 教師達は素早く行動して実技の続きを生徒達に促した、僕達は少しその場を離れてサフィアス叔父様の話を聞くことに。


「それで?どうなさったんですか?これは」


サフィアス叔父様「そう、怒らないでくれ、アメトリン、今回のこれはしょうが無かったんだ、君が冒険者をしているのがバレてね」


 少し強めの言い方になった僕に、サフィアス叔父様は宥めるように理由を言った。


(あぁ、その事ね)


「それがどうしてこの様な事に?」


サフィアス叔父様「バレたのがちょうど説明会があってた日でね、君が始めて冒険者活動した日でもあっただろう?そして、その日に君に絡んできた人達が数人いただろう?」


「・・・確かに、いましたが・・・、ジル叔父様が王城に届けた冒険者達ですか?それとも家の影が捕らえた人達?・・・いや両方か・・・・あぁ、どこかの王族と繋がってましたか?」


サフィアス叔父様「ははっ、察しが早くて助かるよ、まぁ、その君にちょっかい掛けた両方が、それぞれの別の王族と関係があったと判明してね、それで丁度その王族も来ていたから直接聞いたんだよ「あなたが指示したのか?」って」


(直球だなぁ、まぁ、本当にそんな言い方したわけじゃ無いだろうけど・・・)


?「そしたら、その方々両方が同じ事を言いましてね」


「あ♪シベラス叔父様♫」


 陛下の後ろから現れた父方の叔父のシベラス・ノブル・デューキスに気づき、急いで近づくと頭を撫でてくれた。


シベラス叔父様「アトリー、元気にしてましたか?」


「はい、元気にしてましたよ♪・・・うん?でも、同じ事?別々の王家の方だったんですよね?知り合いとかですか?」


サフィアス叔父様「あぁ、別々に話を聞いたんだが似たような言い訳をして来たんだよ」


シベラス叔父様「えぇ、とても醜い言い訳でした…「そんな事していない、言いがかりだ、それに冒険者になるなんて どうかしている、そもそも あなた方が言うように彼にそんな実力がある様には思えない、私は自分の目で見たことしか信じない」とね、そして、あろう事かアトリーが冒険者をしている事を、説明会に来ていた要人達の前で大声で話したんだよ」


(あちゃー、それはいかんね、もし同盟国なら国の関係に亀裂が入っちゃうよ)


「はぁ~、お馬鹿さんなんですかね?・・・まぁ、僕が冒険者をしている事がバレたのはこの際 良いとして、どうしてこんなに沢山の人達が僕達の学年の実技授業を見に来ることになったんですか?」


サフィアス叔父様「その事なんだが、冒険者の件を引き合いに、本当にアメトリンが神々からの恩寵を受けているのか確認させろとか、本当に全属性の魔法を扱えるのかとか、他にも色々言われてな、「そもそも、そんな大事な存在の子供を、冒険者のような危険な事をさせていいのか」と言い出す始末でなぁ・・・」


「あぁ~、それで実技演習での僕の実力を見せて黙らせようと」


サフィアス叔父様「まぁ、大体そんなところだっ!」


シベラス叔父様「そもそも、あの方々にアトリーのする事に口を出す権利は無いのですよ、なのにネチネチとしつこく言ってくるので、今回に限り実技授業を見せる事で引き下がって貰うように交渉しました、もしそれを見ても納得出来ないからと言って、アトリーの事で首を突っ込んで痛い目をみても知りませんとも言いました」


(あははっ、実質ティーナちゃん達に丸投げじゃんWW)


「じゃあ、僕は彼らを納得させるだけの実力を見せれば良いんですね?・・・しかし、なんで僕がわざわざ、あんなお馬鹿さん達の為に実力を見せなきゃならないんでしょうか?面倒な方々ですね、でもこれでその文句をつけて来た王族がどなたか分かりましたよ、ふふっ」


(あの2人だろうなぁ~凄く心当たりがある)


天華『でしょうね』


「あぁっ、でも何処までの威力を出したら そのお馬鹿さん達は納得するんでしょうか?」


サフィアス叔父様「威力か・・・全力でって言うのは・・・」


「王都が消失してもいいのなら?しますが?」


「「「「⁉︎」」」」


サフィアス叔父様「い、いや、そ、それは流石に・・・」


「ですよね、だからさっきも その事で悩んでたんですが、先程の話を聞く前までは全属性の初級魔法を一度に出して、的に1つずつ当てようかと思っていたんですけど、それでは実力を見せつけるには弱い気がしますね」


「どうしようかな?いい案ある?天華」


天華『では、これならどうです・・・・』


 天華達と会話をするのに黙り込んでしまった僕を見ながら、大人達は今の会話の異常さを確認していた。


>=====<>=====<>=====<


  第三者 視点


近衛騎士1「陛下、今のデューキス子息の言葉は本当なのでしょうか?全属性を一度で出すとか、王都が消失するとか・・・」


サフィアス叔父様「多分、事実だろう、しかし、そこまでの力が有ったとは・・・、しかもこの数分の会話で、私達の言いたい事を理解できる10歳児って何者だ?」


シベラス叔父様「私の可愛い、可愛い、今年10歳の甥っ子ですが何か?」


 しれっと分かりきった事を言い出すシベラス、その上“可愛い“を2回も言った。


サフィアス叔父様「それは分かっているっ!その能力は何処から来たんだって話だっ!」


シベラス叔父様「それはあの子の努力と神々からの授かり物でしょう、大層 可愛がられていますからね、ですがあの子が私の可愛い甥っ子である事以上に理由なんて私は要りません、頭がよかろうが魔力が強かろうが、それだけは唯一不変の事実ですからね」


サフィアス叔父様「それも分かっている・・・はぁ~、それ以上に理由はいらんか、私の従兄弟の子供だものな、まぁ、アメトリンが悪い気質の子では無い事が唯一の救いか・・・」


シベラス叔父様「アトリーが理由もなく人を傷つける事なんて、ある訳ないでしょう」


サフィアス叔父様「それもそうか・・・そうだな、でなければ神々が加護を与えるわけないか・・・、アメトリンは気が効く賢い良い子だからな」


シベラス叔父様「当たり前です」


 いつの間にか自分の株がどんどん上がっているアトリー。


 2人の言い合いを後ろの方で聞いていた近衛騎士2人は。


近衛騎士2「あのシベラス様が無条件で可愛がられていらっしゃる、優しく微笑まれるなんて珍しいにも程がある」


近衛騎士1「それもそうなんだが、あの御子息の事がお前は気にならないのか?陛下を目の前にしても物怖じもせず、堂々と言葉を交わす10歳の子供など私は見た事がない、王太子殿下でさえ、たまに陛下に対して言いにくそうな ご様子があるのにだ」


近衛騎士2「確かに、胆力のある子供ではある、しかもしっかり考えた上で大人の会話にまで入って行っているが、それでも子供なのは変わらないだろう、幼少の頃より色々と危険な目に会っていたとも聞く、我々、騎士として大人として、守らねばいけない対象なのは変わらないだろうが」


近衛騎士1「だ、だが、陛下に対しての態度はあまりにも軽すぎると思うのだが・・・」


近衛騎士2「そこは陛下がお許しになっているのだから問題はないはずだ、あの御子息も場を弁えている、この様な人目の多い場所ではちゃんと陛下と呼ばれているではないか、言葉遣いもシベラス様とそう変わらないしな」


近衛騎士1「それはそれでどうなのだろうか?大人のシベラス補佐官と変わらない言葉遣いの10歳児とは?」


近衛騎士2「それ以上は気にするだけ無駄だと思うぞ?王家の血が流れているのだから他の子供と同じではないのは確かだからな」


近衛騎士1「・・・それはそうだな、王家の血筋だものな・・・」


>=====<>=====<>=====<


 と、この様なやり取りが外野で行われているとは知らずに、僕は天華の提案を聞きその提案を大人達に話した。


「・・・・・と言う感じでどうですか?これならギリギリ、ここの防御結界で耐えられると天華達が言ってます」


サフィアス叔父様「分かった、その案で行こう、一応こちらでも防御結果の強度を上げるように指示しておく」


「お願いします」


ソル「お話中、申し訳ありません、国王陛下、少し宜しいでしょうか?」


サフィアス叔父様「うん?なんだね?」


ソル「僕の実技演習をアトリー様の前にさせて頂けますでしょうか?」


サフィアス叔父様「あぁ、確か君が最後にする予定だったな・・・、ふむ、そうだなアメトリンの演習が最後の方が何かと良いだろう、分かったそうする様に教師陣に伝えよう、君もその方が気兼ねなく実技演習できるだろう?」


ソル「お気遣い痛み入ります」


「ソル、巻き込んじゃってごめんね」


(ソルは良い迷惑だよね、実技授業がいつの間にか全学園生徒を巻き込んだ、公開授業参観になっちゃったんだから、しかも僕だけ家族全員が来てるって言うおかしな状況だしね、僕の側にいつもいてくれるソルも変な注目を浴びちゃうもん・・・)


ソル「いいえ、気にしておりませんよ、それより、今だにアトリー様のお手を煩わす様な者達がいるのが不快で堪りません」


(わぁお、別の方向で怒ってたー( ・∇・))


「う、うん?心配?してくれて有り難う?」


 やや的外れな返事をした辺りで、演習場の方で僕達以外の生徒の実技演習が終了した様だ。


レーラー先生「失礼します国王陛下、他の生徒の実技演習が終了いたしましたので、残りお二人の実技演習を初めて宜しいでしょうか?」


シベラス叔父様「報告 有り難う御座います、陛下、そろそろ彼らを授業に戻しましょう」


サフィアス叔父様「あぁ分かった、シベラス、付き添いは任せた、その他の手配も頼む」


シベラス叔父様「お任せください、陛下」


サフィアス叔父様「あぁ、任せた、では私は観客席に行く、アメトリン、ソルドア頑張って来なさい」


「「はい」」


 そう言ってサフィアス叔父様は父様達がいる観客席に戻って行った。


シベラス叔父様「さて、アトリー、ソル君、行こうか大丈夫?緊張はしてない?」


(うちの大人達は心配性だなぁ~)


「ふふっ、大丈夫です、僕は緊張してないですよシベラス叔父様」


ソル「僕も大丈夫です、それよりアトリー様が心配です」


(ココにも心配性がいた!うん?ニュアンスが違うね?何の心配だろうね?)


「あははっ、大丈夫、大丈夫!あ、あそこにある木の実 持って行こう!役に立つかも♪ソルも取るの手伝って!」


 心配性な叔父と親友を巻き込み、競技スペースの端にひっそり生えていた背の低い木から、小さなリンゴの様な果実を数個とって、演習場の指定された場所に赴いた。


 先の手筈通りに、シベラス叔父様が教師達にソルと僕の実技演習の順番の交代と、防御結界の補強の要請と説明をしてくれて、ソルの実技演習が始まった。


「ソル、落ち着いてやれば君に出来ない事は無い、カッコ良くビシッと決めて戻っといで」


ソル「はいっ!」


(可愛いっ!)


 気合を入れて魔法訓練用の的の案山子と向き合ったソルの実技演習は、それはもう凄かった、基本四属性の火・水・土・風を使い、五つ並んだ的の案山子を真ん中を残し、全て中級魔法で半壊させた。


(おぉ~、ソルの魔法の威力が上がってるねぇ~、訓練の賜物かな?)


天華『アトリーとの繋がりのおかげでもあるかも知れませんね』


(あぁ、あの“友好の証“?まぁ あれで僕の魔力の4分の1を貸し出すってやつか・・・、うーんそこまで影響あるかなぁ?)


天華『貴方の魔力量は他とは比べ物になりませんからね』


(それは、そうだと思うんだけど、僕の魔力量の数値が“非表示“になったままなんだよね・・・)


 僕の特殊スキルの“情報開示“がスキルレベル7になって、対象の体力や魔力が数値化されて見えるようになっていたのだが、初めて自分のステータスを見た時から、魔力量の数値が“非表示“になっていた、(“非表示“って何さ⁉︎“非表示“ってっ!)と、盛大にツッコミを入れたのは最近の事だ。


天華『な、なんででしょうね?・・・』


 と、こんな感じで事情を1番知ってそうな天華が、僕をよく誤魔化すので、神様達の事情でこうなってるのは間違いないと確信はしているが、今の所 生活に支障はないので深くは聞かないでいる。


(まぁ、いいや自分の魔力量が他と違うのは分かってはいるけど、比較できるものがないから、あまり凄さが分かんないや)


天華『そうですね、今日の魔法の発動に“杖“を使いますか?多少、コントロールがしやすくなるかも知れませんよ?』


(いいよ、いらない、有っても無くても全然変わらないんだもん、それにすぐに壊れるし)


 そう、この世界の魔法を使うのに、“杖“を介して魔法のコントロールを補助して貰いながら、詠唱して魔法を発動さているのが一般的なのだ、“杖“があれば魔法の細かい知識が無い一般市民、所謂、貴族階級でない平民までが、気軽に生活魔法以外の簡単な属性魔法も使えるのだ。

 今回の実技演習でも使用している人は沢山いた、と言うかほぼ全ての人が使用していた、留学生の王族などはアクセサリーみたいに、自分の権力の誇示するような目的で、貴重な素材をふんだんに使った自分の背丈程ある“長い杖“を、これ見よがしに振り回しながら魔法を発動させていた、他の人達はハ○ー・ポッ○ーが持っている様な“短い杖“を使っていた、素材は様々だったので見ていて面白かったがソルと僕は使用していない…、何故なら僕達の魔力に“杖“が耐えれず、すぐに破裂して壊れてしまうからだ。


(今まで色々試したけど、全部内側から破裂して粉々になるんだもん、勿体無いから使わない)


天華『まぁ、しょうがないですね、今 持っているアダマンタイト製の杖が壊れたら、プレゼントしてくださった お父君にも悪いですしね』


(うん、大事に取っとくの♪)


 天華と会話している内に演習場を片付けていたソルが戻って来た。


「ソル、お帰りご苦労様♪凄かったね!威力が以前より増してたね、魔力の操作も完璧だったし」


ソル「お褒め頂き、有り難う御座います アトリー様、でもまだ完全に的を破壊できませんでした」


「ソルも的破壊にこだわってるの?」


(イネオス達にはそう簡単に破壊出来ないって自分で言ってたのに?)


ソル「そうですね、あの的は公爵家の訓練場の物より幾分強度が低い物ですから、僕でも頑張ったら壊せるかな?っと思いまして、それにアトリー様の実技演習の邪魔になりそうだったので、中央の1つ以外排除しようと思ってました、結局 半分ほど形が残ってしまいましたので、根本から引っこ抜いて片付けて来ました」


「ふふっ、僕の実技演習の下準備までしてくれたの?有り難うソル」


(いつもながら気の利かせ方が可愛いなぁソルは)


ソル「いいえ、大した事ではありませんので」


「ふふっ、じゃあソルが整えてくれた舞台を存分に使って、僕の力を見せつけてくるよ♪」















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