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27話 冒険初日!4 道中2回目


 僕達は冒険者ギルドで依頼を選び手続きお願いした。


アンテレさん「はい、これで手続きを完了しました、皆さん気をつけて行かれて下さいね、依頼の成功をお祈りしております」


「「「「「はい!行ってきます!」」」」」


 アンテレさんに見送ってもらい意気揚々と冒険者ギルドを出て依頼達成のために王都の南門へと向かった・・・


 と、言いたい所ではあったんですが…、途中まではよかったんですよ途中まではっ!


 でも何故か今こうなっているんです・・・


?「よう、坊ちゃん達ちょいと大人しくついて来てもらえねぇかな?」


「嫌だ」


?「よしよし、良い子だ…って⁉︎今、嫌だって言ったか⁉︎」


「うん言った、僕達は今から王都の外に冒険者として色々と仕事をしに行く所だから、あなた達の相手をする程 暇では無い」


?「な、なんだと坊主っ、オレ達を舐めてんのか⁉︎」


「舐めて無い、面倒だとは思っている」


 そう、今 絶賛 絡まれてますっ!人攫いにっ!、僕達が馬車で南門へ向かって辻馬車に乗っていた、それが、もう3区画分ぐらいで南門前の停留所という所で辻馬車が急な故障で止まってしまい乗っていた乗客は皆んなそこで降りて各々歩くことに、そこで僕は初めて護衛も無しで友達と“街ブラ《街をブラブラ》“出来ることに気づき、テンション高めに大通りの街並みを眺めながら気になった店舗を覗いてみたり出店で食べ物を買って見たりとしていると、ふっと、脇道にある気になる出店に近寄った、そこで、今 会話しているリーダーらしき男とその仲間の男達10人ぐらいが武器を持ち僕達の周りを囲み僕達を誘拐しようとして来たのだった。


 そして、その出店の人はこの誘拐犯の仲間なのかこの状況になっても動揺せず静かに見ているだけだ。


(出店の人はグルか…、しかしココ、いくら狭い脇道だからって他に誰も入って来ないのはおかしいな、何かの魔道具の効果かな?)


天華『多分、あそこに置いてある物が軽い認識阻害の魔道具でしょう』


(あれか…、変だと思ったんだよね、この店以外他の出店はないし この出店の商品はあれ以外置いてないのが不思議でつい気になって近寄っちゃった、これも罠?かな?それになんか覚えのある気配がしたからなぁ~)


夜月『多分違うと思うぞ?他に引き込み役がいたようだ、ほら、あそこ出店の人間の後ろ あの女がいる』


(あー、覚えのある気配だと思ったら貴族街の門の前にいたあの女の人ね、あの人がまた僕達に声をかけて誘導する手筈だったのかな?、しかしこの人達はあの女の人の仲間なのか?それにしては男達と纏う雰囲気が違うような?)


夜月『ふむ、確かに?あの女があいつらのボスか?もしくは依頼人か?』


 天華達と会話している間に男は怒った様子でこう怒鳴った。


誘拐犯リーダー「っ!・・・いいかっ坊主、お前さんが腕に抱いてるその使役獣の狼やドラゴンの子供はな どこの国でも高額で取引されているんだよっ!大人しくついて来て そいつらを寄越せばお前達は金と引き換えに帰してやるから大人しく従えっ!」


 ジュール達は辻馬車を降りた後も小さいまま僕が抱いて移動していた、どうやら男達はそれが目的だったようだ。


「嫌だって言ってる、あなた達のせいで今からの楽しい冒険気分が半減した、それにお前達の組織の都合なんて知らないがお前達の情報収集能力が今のやり取りで いかに杜撰、いや、情報収集能力が無いのが分かった、そんな体たらくでよく僕達を拐おうなんて考えたな、計画がお粗末すぎる、突発的な犯行か?それか依頼か?まぁ、何にせよこんなお粗末な計画しか出来ない組織なんてその内 潰れるだろう、だからお前達に構いたく無いんだ“僕は“」


誘拐犯リーダー「…い、言わせておけば、このクソガキっ!大人しく捕まっておけば無傷で帰したものをっ!お前らっ殴ってでも連れてけっ!」


「「「「「「「おうっ!」」」」」」」


 武器を構えジリジリと距離を詰め出す男達、ソル達は装備していた武器を抜き放ち構えた。


「後悔しても、知らないよ?」


誘拐犯リーダー「うるせぇ!やれっ!!」


 リーダー格の男の掛け声で僕達を捕まえようと男達が一斉に襲い掛かって来た、ソル達も自分達を襲って来る男達に武器を向けた。


「“ドームバリア“」


ガンッ! ゴチンッ! ゴンッ! ガツンッ!


 周囲から硬い壁にぶつかる様な音が聞こえた、それは僕が張った“通常“の結界魔法に自ら突っ込んできた誘拐犯グループが透明な魔法の壁にぶつかる音だった、そして、行き良いよく魔法の壁にぶつかって痛い思いをした男達が周りでのたうち回った。


(なんか既視感、前にもあったよね、こんな事・・・、それは良いとして)


「僕達は先を急ぐから後始末はお願いできるかな?」


 僕は少し上の何も無い空間に向かって声を掛けた。


?「畏まりました」


 僕達から少し離れた場所から突然スゥっと現れたのは黒いフード付きのマントで全身を隠した人物だ、フードで顔を隠しているがこの人物はデューキス公爵家お抱えの影だ、通常は色んな場所に潜入し情報を収集してくる事が彼らの主な任務だが一部はこうして僕の家族を護衛している、今回はこの人が“影の護衛のリーダー“らしい、僕には元々外出時に護衛として影が2人付いているが今回は子供達だけで出かけるとあっていつもの6倍、12人の影が護衛としてついて来ていた。(多い!多いっ!)


(過保護だなぁ~、でもまぁ、これの後片付けしてくれるからいいか)


「有り難う、宜しく、じゃあ僕達は先に南門に行くね」


影リーダー「はい、お気をつけて行かれて下さい」


「うん、行って来ます」


(そう言っても半数はこのまま僕達に着いてくるんだろうな)


 こう会話しているうちに誘拐犯リーダーと、出店を出していた人とその後ろに隠れるようにいた怪しい女性が影によって次々 捕獲、拘束されていた。


 そして周りでのたうち回っていた人も手早く拘束されていくのを横目に目的の場所に向かうために武器を納め 来た道を戻った僕達。


「はぁ、ごめんね、僕があんな店に近寄って行っちゃったから変なのに絡まれちゃったね」


ソル「大丈夫ですよアトリー様、アレぐらいでしたら僕達でも倒せます、ですが次からは大通りを外れないように行きましょう」


「うん、そうだね、そうしよう」


へティ「そう落ち込まないで下さいアトリー様、ほら、あちらに綺麗なリボンを置いている出店がありますよ、行きましょう!」


 初めての“街ブラ“にテンションが上がって迂闊な行動をとった自分にテンション駄々下がりで反省していた僕にへティが少し先にあるリボンの出店に誘ってくれた。


「あ、うん」


 僕の手を引いて出店に連れて行ってくれたへティ。


「へティ、有り難う」


へティ「どういたしまして♪ほら、アトリー様このリボン綺麗ですわね♪」


 僕を励ましてくれたへティにお礼を言うと嬉しそうに可愛く笑うへティに(へティは可愛くて良い子に育ったなぁ)なんて、親戚のおじさんチックな事を思いつつ、へティが指差したリボンを見た。


「うん、そうだね♪」


へティ「これはアトリー様に似合うと思いますわ」


「そう?じゃあ これ買おうかな?ジュール達もお揃いで、あっ、これ可愛い♪こっちは可愛いへティによく似合うよ♫、ね、皆んな?」


 後ろから着いて来ていたソルやイネオス達を振り返ると。


ソル「はい、確かにそれはへティによく似合うと思います」(アトリー様にもよく似合うと思います・・・なんて言えない・・・)


イネオス「そ、そうですね、可愛いです」(はたから見ると女の子2人でお買い物しているように見えるなんて言えない・・・)


ベイサン「う、うん、へティによく似合うよっ」(アトリー様が辻馬車からずっと、女の子に間違われているって絶対言えない・・・)


*実は貴族街を出てからずっと周りから女の子に間違われていることに全く気づいてないアトリーだった、よくて冒険者ギルド内でアトリーの事を知っている人達ぐらいしかアトリーを男の子だと ちゃんと認識していない。


 3人はへティによく似合うと褒めてくれてはいるけど何とも微妙な表情をしていた。


「?、どうしたの?皆んな?」


出店のおばちゃん「・・・・まぁ、“可愛いお嬢さん方“いらっしゃい、どちらのリボンもお嬢さん方によくお似合ですよ」


「お、お嬢さん・・・、あ、あの、ぼ、僕、男の子です・・・」


出店のおばちゃん「えっ?、あっ、ごめんなさいね、お坊っちゃんだったのね?、で、でもあなた美人さんだから どのリボンも似合うわよっ」


 出店のおばちゃんが「おほほ」と笑い、誤魔化しながら謝ってくれたけど、後ろでソル達は気まずそうな顔をしていた、そして出店の人や通行人が僕の顔を見ると立ち止まって必ず数秒フリーズしている事には気づいていたが、その後の微笑ましいものを見る表情の理由に覚えがなかった、だが今 ちゃんとした理由が分かった。


(あー、さっきから出店の人達の微笑ましい表情はこれが原因だったか、女の子2人で楽しくキャキャ うふふしてると思われてたわけね、通りで出店のおじさん達がオマケを色々くれてたわけね・・・)


天華『あはは、気づいてないなら良いかと思って指摘しませんでしたけど、結構ショック受けてます?』


夜月『気にするな、多分 男の子と分かっていてもオマケはくれてたと思うぞ、アトリーはまだ子供だからな』


(ぐふっ、うう~っ、それはそれで複雑っ!、・・・まぁでもさっきのソル達3人の微妙な表情の意味が何となく分かったよ、それに前世は女だったし こんな待遇は慣れてるよ、僕にはこの際 間違われても気にせず生きて行くよ…、オマケも貰えるしね・・・ふっ、くれるなら貰っておくだけさ!)


ジュール『あ、アトリーがやさグレたー』


天華『グレましたか?』


(開き直ったって行ってくれるかな⁉︎)


夜月『それはそれでどうなんだ?』


(いいのっ!)


「あ、気にしてません、あのこのリボン4つとこのリボンを1つ・・・あ、あとコレ、このリボンを4つ下さい」


 僕はへティに勧められた幅広の薄紫色のリボンに綺麗な黄色い刺繍の入った物を4つと、へティに似合うと言った可愛いピンクのレースリボンを1つ、そして最後にシンプルな少し幅広の紺色のリボンを4つ購入した。


出店のおばちゃん「毎度っ、また来ておくれ」


「はい、また♪」


 お金を払い50センチほどの長さに切られたリボン達を受け取ってへティに可愛いピンクのレースリボンを渡した。


「はい、へティ、つけて見て、僕からプレゼント」


へティ「まぁ、有り難う御座います♪」


「ふふっ、どういたしまして」


 そして、シンプルな紺色のリボン4つを手にソル達に近寄り。


「はい、コレ3人にあげる、つけて見て、“首“に、い・ま・すぐに」


 女の子に間違えられているのに教えてくれなかった3人に意趣返しとしてニッコリ笑顔でリボンをプレゼントした。


イネオス「ア、アトリー様、さ、流石にこの服装にリボンは・・・」


 隣でベイサンも同意するように激しく頷く。


「え?、付けてもおかしく無い様に紺色にしたから大丈夫、似合うよ絶対♪つけて見てっ、あ、それともへティとお揃いがよかった?」


イネオス&ベイサン「「うっ・・・つ、つけます」」


 抵抗を諦めた2人を楽しそうに見ているへティと僕。


ソル「僕は構いませんが・・・」


「ちっ、ソルには効かなかったか・・・」


 ソルは平然としていた、普通ならイネオスやベイサンのように多感な年頃の男の子は少し幅広のリボンを男友達とお揃いでする事は少し恥ずかしいと思うものだ、そのお揃いの中に女の子に見える僕がいるのも理由の一つでもあるが…、そして特に今は冒険者風の軽装備まで付けているから なおの事 恥ずかしいはずだ。

 だが彼はいつも僕と一緒のお揃いには慣れているし今日の服装にも元々襟元に細めの茶色のリボンが着いていた、本人はそれを変えるだけと言ったふうな軽い感じでさっさとリボンを付け替えてしまった。

 それを見たイネオスとベイサンが“マジか!“って顔をしていたのが笑えたWW


ソル「アトリー様、舌打ちはしてはいけませんよ」


「はーい、ソル、僕もリボン付け変えて」


 僕は後ろを向き、髪に付いた紫色のリボンを見せながら頼んだ、今日の僕の髪型が髪を後頭部で三つ編みした後 その三つ編みをリボンでまとめてお団子にしてあるので、そのリボンと今買ったリボンを付け替えてもらうのだ。


ソル「畏まりました、動かないで下さいね」


 と、僕の髪に付いていたリボンを解いて手際よく同じようにリボンを付け直してくれた。


ソル「はい、出来ましたよ」


「有り難う、ソル、4人お揃いだね♪」


ソル「そうですね、お揃いです♪」


 ソルと僕はニッコリ笑顔でお揃いを喜んでいる、へティはニコニコしながら「今度は私もお揃いにできるものを探しましょう!」と意気込んでいた、後の2人は襟元にお揃いのリボンをつけて遠い目をしていた。(現実逃避)


 そして、お揃いのリボンをつけて南門に向けて色々出店を見学しながら歩いて行くとやっと南門に到着した。


「わぁ~人がいっぱいだね」


ソル「そうですね、もう時間も10時前で色々と動き始める時間帯ですからね、さぁ、早く門を出る列に並びましょう」


「うん、そうだね、色々あって遅れ気味だしね、あっ、あそこに並べばいいのかな?」


 徒歩で王都街に出て行く人が並んでいる所を見つけてその列の最後尾に皆んなで並んだ、出るための審査は意外と早く進み この列の前方の様子を見ていると、前に並んでいる人達が僕達を珍しそうにチラチラ振り返りながら見てくる、今はジュールと夜月には大きくなって貰って一緒に並んでいるのでそのせいかな?と思いぽそっと呟いた。


「?、使役獣を連れた人はそこそこ いるのに僕達はそんなに珍しいかな?」


 僕が頭に?を浮かべながら首を傾げていると、


?「あははっ、坊っちゃん、それは貴方達の年齢でこんな強そうな従魔を3体も連れているのはかなり珍しいですよ」


「へー、そうだったんですね、うーん、確かに珍しいか?…、あ、教えて下さって有り難う御座います」


後ろに並んだ 人の良さそうな行商人風の30代中盤の男性がそう教えてくれた。


行商人風の男性「いえいえ、大した事は無いですよ」


 軽く言葉を交わしていると。


審査衛兵「次っ!前へ!」


「あ、はい、先に失礼しますね」


行商人風の男性「はい、お気をつけて」(あの方はご自分も注目の的なのは気づいているんだろうか)と、心配になる行商人風の男性 *実は公爵家の影の1人だったりする


 と、行商人風の男性に断りを入れその場を離れた、話している内にいつの間にか審査の順番が回って来ていたらしく僕達は纏めて審査して貰うために移動し僕達を呼んだ衛兵の前に並んだ・・・


















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