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22話 冒険の前は用意周到に


 どうも僕です!お祖父様のお迎えでギルドから屋敷に帰って来たよ!


 今は皆んなと屋敷の庭園で昼食中です♪


「はぁ、お腹いっぱい♪美味しかったよ料理長♪特にこのマリネのソース とてもこの淡白な味の魚に合ってたよ、また腕を上げたね」


料理長「お褒め頂き光栄です、アトリー様」


 恭しく頭を下げたのは王都の屋敷の料理長だ彼は今 一生懸命 自分の師匠である領地の屋敷の料理長の腕に追いつこうと僕の考案、と言うか前世で食べていた料理のレシピの再現に奮闘してくれているのだ。


(やー、ここでも僕の食い道楽に協力してくれる人がいて助かったよ、この間も急に食べたくなった“カツ丼“も再現してくれたのは本当嬉しかったなぁ)


 王立学園の入試の前の日に急に(入試前はやっぱり“カツ丼“でしょう!)と、思い立って食べたくなった僕が無理を言って作ってもらったのだ。


(レシピも口頭で説明しただけであの僕好みの甘めの出し汁を作ってくれた彼は中々有能だと思う)


へティ「いつもながらアトリー様の考案されるお料理はとても美味しくて つい食べ過ぎてしまいますわ」


ベイサン「この前の“カツ丼“でしたっけ?あれもとても美味しかったですしね!」


イネオス「僕もあのお肉を揚げたカツがとっても好きです!食べ応えがあって噛むほどに肉汁が出てきて最高でした!」


ソル「僕もそれには同意ですが今回のようなアッサリした料理も好きですね、ソースに使われている柑橘系の香りがとても爽やかさでしつこく無いのが良いです!」


 その日勉強会という名で家に遊びに来ていた3人からも大変好評な様だ。


「ふふっ、皆んなの口に合ったのなら大成功だね料理長」


料理長「はい、皆様のお墨付きを頂き自信が付きました、今後もより一層 精進し腕を奮っていきたいと思います」


「うん、宜しくね料理長、また何か思いついたら相談するよ」


料理長「!、はい!いつでもお待ちしております!」


 元気に返事をし ご機嫌で「最後にデザートをお持ちしますので失礼します」と、言い下がっていった料理長と入れ違いで父様が僕達の前にわざわざ顔を出した。


「ん、あ、父様」


「「「「!」」」」


ガタッ カタッ


 それに気づいた僕達が立って挨拶をしようとすると。


父様「あぁ、立たなくて良いよ、食事中に急に来てすまないね、少し皆んなに聞きたい事があってね」


「聞きたい事?…あぁ、学園での事ですか?それとも冒険者ギルドでの貴族の子息達の事ですか?いや、そのどちらともですね?」


父様「うん、そのどちらともなんだが・・・、一応 オーリーから報告を受けたけど当事者である君達からも話を聞きたくてね」


 苦笑い気味に用意された席に座りながら父様が僕達の視点からの意見を聴きたいとお願いされ 皆んなが頷いたのを見た父様が今日の出来事を時系列に沿って質問してきた、その質問は僕達がその時どう思ってかなども含まれていたので僕達はその時思った事を包み隠さず話した。


「・・・・・・と、言う感じでギルドから帰って来ました」


 途中で料理長が持ってきたデザートを食べつつ話をしてやっとギルドでの出来事を話し終えた。


父様「そうか、皆んな大変だったね、学園での件は私から陛下に伝えておこう近日中に留学生を集め、正式に公表されている聖獣様方の事とアトリーの立場を詳しく説明できる場を設けて貰おう、しかし、王族が軽々に他国や教会の通達を鵜呑みにしないのは仕方ないが公にされている通達を自分の子供達に正しく言い含めないのは如何なものかと思うよ…、余計なお世話かもしれないがね…、まぁ、それは置いといて、今、王都内では他国からの冒険者達が増えているそうだがそれも近日中に解決するよ、それとアトリーが気にしているズューウス王国とノルテ魔王国との関係は今の所はすぐに戦争に発展するような雰囲気では無いようだよ」


「そうですか、それなら良いのですが、あちらの冒険者達がこちらの国に移動して来ているそうなんで、あちらの国の内情を注視していた方がいいと僕は思います、僕は何か嫌な予感がするので・・・」


父様「・・・ふむ、分かった引き続きズューウス王国とノルテ魔王国の国内調査を続けさせよう」


「有り難う御座います、父様」


父様「気にしなくて良いよ、私も気になるからね、さて、皆んなの話から今回の留学生達のアトリーと聖獣様方への思い違いが判明したから今からちょっと王城に行って陛下に報告してくるよ、皆んな協力有り難う、この後はここで遊ぶのかな?」


「えっと、そう言えばまだ何も決めてませんでした、これから何かするにしてもイネオス達の帰る時間もあるのでこのまま庭園でお茶会してます」


 昼食を取った後の予定は何も決めていなかったのに気づいたので僕がお茶会を提案すると皆んなが顔を見合わせながら頷いたのでこれからの予定はお茶会に決定した。


父様「そう、もし かくれんぼして遊ぶ時は近くの使用人に告げてから遊ぶんだよ、あと怪我しないようにね」


「「「「「はい」」」」」


父様「皆んな良い子だね、さて、私はもう行くよ、じゃあ皆んなもゆっくりして行きなさい」


「父様も気をつけて行ってらっしゃい」


父様「ふふっ、行ってきます」


 僕達の返事を聞いて席を立った父様は隣で座っていた僕の頭をひと撫でして笑顔で去っていった。


(あはは、前に使用人を勝手に巻き込んで本気でかくれんぼした時に僕達が見つからな過ぎて誘拐騒ぎになった事があったからなぁ、ちゃんとかくれんぼするって言わないと使用人達が心配するから気をつけないとね)


天華『あの時は本当大変でしたね、使用人の方々が・・・』


(反省してるって)


 その後はお茶をしたり鬼ごっこをしたりと遊んでは休憩するを繰り返し遊び尽くした後、空が赤く染まる前にイネオス達が帰り父様も夕飯前に王城から帰宅し家族皆んなで夕食を取ったあと食後のお茶の時間に父様が王城で決定された事を話してくれた。


父様「・・・・・それで、最終的には情報を周知させるなら早い方がいいだろうと言うことで今週末の土の日に王城に各国の留学生を招きそこで事情説明をする事になったよ、それまで我慢できるかいアトリー」


「父様、僕は平気です、それに今日 僕のクラスの留学生の皆さんには情報の齟齬がある事を指摘し、自分達で情報を収集するように促して来ましたからクラスではしばらく僕に絡んで来る方はいないと思います」


父様「そうかい?また何かあったらすぐに言うんだよ?」


「はい、父様」


 そして、その日はいつも通り日課をこなして就寝した。




+・・・・・+・・・・・+・・・・・+



3日後・・・・


 あの日以来 何事もなく静かな日を過ごし授業も順調に受けた僕達は今日もヘリー姉様から教えて貰った学園内の静かな場所でイネオス達が来るのをソルやジュール達と待っていた、が・・・


『ねぇ、遊んで♪』


『遊んで♪』


『いつものお歌聞かせて♪』


『聞かせて♪』


(おぉう、ヘリー姉様に静かで人のこない穴場を教えて貰ったのは良いけど学園が管理している樹木が多い自然豊かな場所だから精霊達がたくさん集まってくるね、小さな噴水もあるし…)


夜月『これではのんびり昼寝もできないな』


(そうだねぇ・・・、あ、そうだ!一回歌ったら静かにして貰うように言おうか、それでダメなら新しくヘリー姉様に静かな場所を教えて貰おう、ねっ?)


夜月『そうだな、それで静かにならない場合は外で歌うのをやめたらどうだ?アトリー』


(流石にそれは可哀想だよ、せっかく僕の歌を気に入ってくれてるんだから)


夜月『むぅ、アトリーは優しいな』


(そんな事ないよ、僕も歌い時に歌えないのは嫌だからね)


夜月『ふむ、確かにアトリーの行動を制限するのは頂けないか…』


(まぁ、一回さっきの提案してみよう?)


夜月『分かった、それでもダメなら別の場所を探そう』


(うん、そうしよう)


 夜月と話し合いの結果一日に一回だけ歌うとその後は静かにしてほしい、と言う提案を精霊達にした所 精霊達は心よく承諾してくれた、その日以降の僕の日課に学園での集合場所で必ず歌を一曲歌うと言うものが追加された・・・


 その日はそのまま すぐにリクエストを聞いて歌を歌ったあとすぐにイネオス達がやって来たので次の日に行く予定の冒険者ギルドにどのような装備で行くか相談した。


 結局Fランクの依頼は戦闘などはほぼしないから軽装備で行く事になったけど、そもそも僕達は“収納スキル“や“アイテムリング“を持っているのでそこに装備一式を入れて置けるのでいつ戦闘になっても大丈夫なのだ、回復アイテムのポーションも僕のお手製で皆んなに配っているので準備万端、後は当日にどこで待ち合わせるかなのだが…


「う~んその前にどうやってギルドまで行こうかな?それぞれ家の馬車で行くと置く場所に困るし僕の屋敷から行くと護衛騎士までついて来ちゃうからなぁ~」


ソル「それは確実ですね、公爵家の馬車に護衛騎士が付いていないと他家から侮られますから、それにご家族がご心配なさるのでどの方法でも影からの護衛は着くと思いますよ」


「だよね、じゃあ徒歩?もしくは辻馬車?で行く?あ、でもここの貴族街から辻馬車なんて出てたっけ?」


イネオス「そうですね、流石に貴族街からは辻馬車は出てませんね、でも貴族街入り口の近くからは辻馬車が出ていたはずなのでそこまで歩けばギルド行きの辻馬車には乗れると思います」


「そうなの?それなら貴族街の入り口前で待ち合わせてそこから辻馬車でギルドに行こうか、辻馬車は朝何時から動いてるんだろう?オーリーに聞いたら分かるかな?」


ソル「そうですね、オーリーさんは王都育ちですから知ってると思います」


「じゃあ今日の帰りの時に聞こう、それでその時その場で集合時間を決めれば良いよね」


ベイサン「それなら今日はもう帰りますか?それともカフェに行きますか?」


「う~ん、どうしようか迎えはまだ来てないと思うから図書館で近隣で採取できる薬草とか生息してる生物の事前調査でもしてみる?」


へティ「まぁ、それは良いですね♪私達は王都近辺の地理にも詳しく無いですから簡単な地図もあると良いですね」


イネオス「確かに、じゃあ今から図書館で手分けをして目的に合う本を探しますか?」


「そうだね、探そうか、分からなかったら司書さんにお願いして一緒に探して貰おう、それらを纏めて一枚の地図にして生態分布図を作ろう!」


「良いですね!」「面白そう!」「とても役に立ちそうですね!」「楽しそうですわ♪」


 皆んなが賛成して やる事が決まって僕はルンルン気分で図書館に向かった。














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