02 お仕事
城を追い出されて、ここは城下町、まずは仕事ですかね。
住むところは正直どこでも良かったです、それこそ橋の下でも。
一応女だけど、むしろ私を襲うようなケダモノがいるのか興味がありましたね。
まあ、人の身体のどこをどうすればどうなるか、知っていたからの余裕だったのかも知れません。
で、冒険者ギルドへ。
登録はあっさり済んで、依頼を掲示しているボードを拝見。
野外で素材採取は無理、討伐は無理無理、ドブさらいなんて無理無理無理。
困ったな私、飢え死にまっしぐらだ。
ふと気付いたもうひとつのボード。
『生活板』とかいう日常生活関連の長期依頼のボードだそうだ。
なんと言いますか、異世界大冒険みたいなのじゃなくて、もっと普通にアルバイトみたいな感じ。
これならなんとかと、結構必死に探してみる。
「これどうかな」
『薬師助手募集、知識は問わず、力仕事無し、賃金応談、実力による昇給あり、住み込み可、女の子でも安全に出来るお仕事です』
正直、胡散臭いなって思った。
ボードから募集用紙を引っぺがして受け付けで聞いてみました。
「これって、何か問題あるんですか」
依頼主のお婆さんが偏屈過ぎて、雇われた人が長続きしないとか。
少し、迷った。
仕事はともかく、対人スキルは皆無なのでそっちを理由に首になるかもしれない。
「どうしますか?」
まあ、やるだけやってみようか。
どうせ失うものも無いし。
ギルドで手続きを済ませて、道順を聞いてから、そこへ向かった。