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ダンジョンは乗っ取られました-後日譚-(オリジナルトラップ編)

【マスター編】


「てれれれってれー♪レベルが上がりました。」


 子供たち三人とダンジョンマスターがいるここはダンジョンの最奥の部屋。コアが奇声を発して皆の注目を集めた。


 どこまでも律儀なマスターが問いかける。


「どうしたのコアさん?」


「ダンジョンに、新しいオリジナルトラップを作成する機能が増えました。」


「なんと!」


「落とし穴のような単純な機構のトラップではなく、制作者の個性に合わせた魔法のトラップを作成することができます。」


 聞き捨てならないキーワードが混ざっている気がした。


「製作者の個性に合わせたって言った?」


「はい。」


「それって僕たちにも作れる?」


「もちろんです。フリッツ達も作ることができますよ。」


「なにそれ、おもしろそう。」


 ジョーが身を乗り出し、いい笑顔をみせる。


「早速、おためしになりますか?」


「うん。」


「それでは、まずマスターを実験台にして説明しますね。」


「わかった!」


「なっ、ツッコミを入れるスキがない!」


「マスター、私に触れたままでいてください。」


「ん。」


「では。かしゃん、かしゃん、かしゃん、ちーん!」



 トラップ名『シングルベル』


 効果:一定時間、一人きりで室内で過ごすことで発動、外界から閉ざされたシェルターへと速やかに隔離される。



 説明とともに、なんとも言えない空気が流れ・・・


「うわああああん、コアがいじめるー。」


「ふっ、たわいもない。」



【ジョー編】


「という感じで、要領はわかりましたか?。次はジョーの番です。」


「いや、マスター泣いてるよ?」


「さぁ、どうぞ。」


「わかったから、ほら。」


「かしゃん、かしゃん、かしゃん、ちーん!」



 トラップ名『たすけてひまわりさん!』


 効果:サングラスをかけて踊るひまわり、特技は交通整理。会議室でも事件を起こす。



「ああ、起こすね。」


「ああ、起こすな。」


「起こしますね。」


「だぁ!うるさいなあ、もう次いけよ!」


「次は、フリッツですね。」



【フリッツ編】


「それでは、僭越ながら。」


「かしゃーん、かしゃーん、かしゃーん・・・」


「長くない?」


「フリッツだからね。きっと身の毛もよだつ様なのができるんだよ。」


 ジョーが小声でマスターに耳打ちをする。


「かしゃーん、かしゃーん、ちーん。」



 トラップ名『ぽぽぽボーンさん』


 効果:挨拶を欠かさず、必ず返事をする屍。ただものではない。



「ただものじゃないんだ!」


「こわっ、もはやトラップってなに?って、人のことはいえないけどさ。」


 ジョーがぼやく。


「その辺はもうあきらめよう。」


 マスターと二人で、ニコニコ顔のフリッツとコアを眺めた。



【べス編】


「さぁ、最後はべスだね。」


 そう言うとフリッツは、よいしょっとべスを持ち上げ、コアに手が届くよう椅子の上に立たせて、そのまま保持する。


「ささ、私にふれてください。」


「うん。」


「かしゃん、かしゃん、かしゃん、ちーん!」



 トラップ名『トレビの古井戸』


 効果:「好きな人と一緒にいられますように」と祈りながら後ろ向きで銀貨を投げ込むとマスターが儲かる。



「マスターがもうかるんだって、よかったね。」


「あ、うん、ありがとう・・・」


 嬉しそうなベス、それにくらべて唖然とする周囲、とまどいを隠せない。


「なんとも切ないですね、あらゆる意味で。」


 世の中、世知辛い。

いつか、この続きも書けたらいいなあと思っています。


よろしければ、他の連載もご覧いただけると嬉しいです。


全て、ほのぼの路線のコメディです。

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