表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
月が反転する。  作者: NO
1/5

Prologue

「これで、自由、おめでとう」


女の静かな声が裏路地の壁にこだました。

街頭の届かない場所でも、月明かりが彼女に降り注いで、手元の銃を煌々と輝かせている。


一寸も揺れ動かない赤い瞳が、彼女の下でゆっくり呼吸をしている男を捕えている。男には彼女に殺される未来以外の選択肢は、良悪問わずひとつも残されてはいないようだった。


彼女に馬乗りにされ、首を押さえられても冷静さを欠くことはなく、男はただ従順に未来を受け入れる。

肺に残った酸素を吐き出して、言葉を紡ごうとしている。


「ようやく、僕にもわかった」


__貴女が以前口に出した、言葉の意味を


酸素が惜しくて口内で消化されたこの言葉も、彼女には伝わっている。

そして、男はふんだんに息を吐いてしまってから、絶え絶えにこう呟き、笑った。




「いまは月が、反転して見える」


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ