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殴らせろ  作者: たね
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 彼はあまり賢くはなさそうだから、そのことには気が付かないかもしれないけれど、それはそれで仕方がない。

 愚かで阿呆な人間はどこまでいっても自分を省みるということを知らないのだ。


 死んでも治らない。



 彼のことを思い切り殴る、その瞬間を想像するだけで愉悦に浸れた。



 もう英文を翻訳している場合ではない。

 すでに解答のある外国語を自国の言葉に訳したところで何の意味があるのだ。

 分厚い辞書をせっせっとめくり、単語の意味、そこからセンテンスを理解したところで争いは消えない。



 私がちまちまと訳している傍から争いで人は傷つき、はたまた命は消えていくのだ。

 抗争の中で相手の言わんとすることを知ろうと辞書を引く、そのような暇があるのならば、私は銃を持つ。

 引き金を引き敵の頭に突きつける。



 殺すつもりはない。


 私は争いが嫌いだ。

 

 こめかみの辺りがズキズキと刺すように痛んだ。

 私にはもうそれが興奮のあまり頭の中に送り出された血液が脈打っているものなのか、普段の偏頭痛なのか判断がつかなかった。



 武力には武力を。目には目を、だ。




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