ショートショート⑤ 手鏡
周〜最近この辺りで神隠しが起きるらしいよ」
「はぁー?別に気にならないよ」
「俺のじいちゃんが小学生の時、同級生が神隠しにあったって」
「今日はマジでダメ…妹の誕生日だからさ」
「またかよ〜妹何歳だっけ?」
「3歳、可愛いよ笑」
「あれそんなに離れてたっけ?」
「だってまだ小学校も行ってないんだぜ、そりゃー小さいよ」
「お兄さんたち!ちょっと見てってよ」
ボロボロの服を着たおじいさんが手招きしていた
「なんか面白そうだな見ていこうぜ」
「さとし、おい待てよ。なんか気味が悪いしやめ…」
「いいから周早く行くぞ。すげーアンティークって言うのか?」
「君たち今いくつだい?」
「俺たち今年で…」
「周!この手鏡妹にプレゼントしろよ」
「えーまだおしゃれには早いだろう」
「お兄さん達流石だね!これは外国のいいやつだよ」
やめろ
「え!?」
「どうしたんだよ周、おじいさんこれって何年前くらいのやつ?」
「実は私にもわからないくらい古いんだよ。少なくとも70年は経ってるね。」
「おじいさんは何歳なの??」
「私は…80歳だよ」
「そんなには見えないね…」
「この手鏡なんか変だぞ、奥が見えない…」
やめろ
「だからなんだよ!?」
「はぁ?周どうしたんだよ」
「お兄さん達その鏡見ちゃったね…もう戻れない…」
「はぁ?もう帰ろうさとし…」
「おぅ…なんかこの感じ…」
「やっと思い出したかい?君たち、手鏡を見たのは何回目…?」
「「え……」」
「君たちはまた同じだよ…また最初から…さぁもう一…
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