3話 幻想の現実
頬を撫でる風に揺り起こされて、まどろむ中…鼻腔から広がる爽やかな空気に意識が覚醒する。
眼前に広がる平原線、左手側には切り立つ山々、背後は日も差さぬ程に鬱蒼として森
現実では有り得ない光景に、私は舞い上がり、女神様の言葉を忘れ駆け出していた。
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数分後……力尽きた……
草原に突っ伏し空に浮かぶ二つの太陽を眺めていた。
地球の太陽より小さく目視も平気な明るさに、此処が異世界だと認識させられる。
胸の鼓動が収まるまでの間ボンヤリと心地好さに身を委ねて居た。
キュ‥キュイ‥キュー
ん?甲高い鳴き声に目を向けると毛玉の群れが居た。
第一モンスター発見!毛玉!たれみみ!と、くれば…
あれはホーンラビットに違いない!
もっと良く見ようと上体を起こすと…『ガサリ』思いがけず下草が鳴り響く。
ピクッ!とたれみみが反応すると、ゆっくりと頭が転回する。
キモッ!何あれ?
角は無かったが‥代わりに目が六つもある……
あれ?向かって来る!もしかしてやばい?
今更ながら浮かれ過ぎた事に至り青ざめていく
アレが悪意ある魔物だとしたら、私ってば丸腰じゃないかっ!
ホーンラビットだと思った時点で何故逃げなかったのかを悔やみ
すぐさま腕で顔を覆い襲い来るであろう衝撃に体を強張らせる!
‥‥‥‥‥ん?
何時までたっても来ない衝撃に目を開けるとウサギ達は、私にモフモフした毛並みを擦り付けてきた。
あはっ‥アハハハハ…
何やってんだ私は…『此処』は、剣と魔法のファンタジー
剣と魔法が『ある』なら『それ』に対応する『もの』が存在する。
ファンタジーだけど私にとって『此処が』現実であると言う事を‥
ソンナコトを、ウサギ達を撫で回しながらにやけた顔考えていた。




