プロローグ
6月9日月曜日午後8時28分
「おい!あっちにいたぞ!!」
「絶対に逃がすな!」
「追え!!」
夜の街に男たちの換えが響く。そこにいるのは数十人の男たちだった。男達は手に銃や剣などの武器を所持している。そして彼らは一人の男を追っていた。
「もう逃げ場所はないぞ。疾風の雷撃。ハヤテ。」
ハヤテと呼ばれた少年は数十人の男に囲まれていた。男達は少年に各々武器を構える。
「最後に警告する。本当に戻る気はないんだな?降参するなら今のうちだぞ!」
「お前たちは間違っている。俺はただ、普通の生活がしたいだけなんだ。もう人を殺したくはないんだ。」
「わかった。お前ら。殺れ。」
男の合図で銃を構えていた男たちが一斉に少年目掛けて銃弾を放った。乾いた銃声と共にそこにはありえない現象が起きた。わずか10mも離れていない距離から放たれた数々の銃弾は少年に当たることがなかったのだ。少年は銃弾のすべてを近距離でかわしてみせたのだ。
「なにをしてる!?さっさっと仕留めろ!!」
男がいうと剣を構えていた男が少年に斬りかかった。しかし、少年は難なくそれをかわし逆にその男の首の後ろに手刀を決め男の気を失わせた。それからも次々に少年に襲い掛かるもののことごとくかわされ、ものの数分でその場にたっているのは少年だけになった。
「逃げきれると思うなよ。」
少年は全ての敵を戦闘不能にしたことを確かめるとフラフラとどこかへ消えていった。