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プロローグ
――人々に幸せを運ぶと言われる『星硝子』
病を治し、豊作へ導き、幸運を呼び寄せると昔から言い伝えられる硝子。
それは星のように美しく硝子のように儚い。
人々が笑顔をこぼすたび、また一つ、星硝子の実が木に実る――
少女は幼い時から決意していた。
「自分も母のような星硝子細工師になる」と。
生まれてからずっと星硝子にふれあい、母が細工師である少女にはそう決心するのを導かれているような環境でもあった。
だが少女はさらに欲求する。
それは代わりのいない運命の相手……自分のパートナーを手に入れることだった。