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東方桜花地震  作者: 和人-ワト-
太古録
8/20

8・時が流れて

すいません。前々話くらい前に原作キャラ登場するかもと言ったのに出せれませんでした。


あと、前話に強さ(『中の下』や『下の下』など)について説明(と言うより目安)し忘れてました。あとがきにて載せます。

 マオの鍛える方針を決める為にとりあえず、数回組み手を行った。


 やってみた結果、素早さだけは下手したら大妖怪並だった。


 なのに【下の中】の実力なのは、早いだけで絶対的に力が欠けている為、相手に決定的ダメージが与えられないのだ。


 なので素早さを活かし、力を補う物――短刀(ナイフ)――を持たせる事にした。


 そして、刃物の扱い方(食料を裁く程度)を知らない俺は、短刀の戦い方を自然に体で覚えさすようにひたすら組み手をやり続けた。




「お、その肉もーらい♪」


「あっ! それは我の肉だ!!」


 今、俺の目の前で晩飯の肉を取り合いにラカンとマオが追いかけ回しているのを眺めていた。


 日が暮れてきたのでマオは、自分の住家に帰るかと思い気や、「ボクも村で住む!」と言い出し、聞いたら一々この村とマオの住家(実家)を行き来きするのが面倒と言う事で住む事になった。


 肝心の村人の意見だが………マオは獣人だが体のプロポーションが良い為、男勢の大半が「住むぐらい構わんさ」と(おとこ)らしい言葉で即答し、女性陣からはその言葉を堂々と言い放った漢勢を白目を向けていた。


 ………テメェら、何故俺とラカンの時はかなり渋った癖にマオの時は即決なんだよ。


 いや、気持ちはわかるがな……。


 ほかには、住む条件としてマオには、「人間を襲ってもいいが、この村だけ人達は襲うな」っと言ってある。


 なんで絶対に襲うなと言わないのは、ラカンから聞いた話では、妖怪が人間を襲うのは、生き甲斐、存在意義のらしい。下手に抑制すると妖怪として力が下がったり、体調を崩したりするみたいだ。


 俺は、半分(?)人間の所為か人間を襲わなくても特に力が下がったり、体調を崩したりしない。


 例外として俺の目の前で襲ったりしたらボコるとも言ってある。


 見殺しは後味がわりィしな。


 最後にマオは能力持ちだとわかった。


 聞いてみると能力の名は、【盗む程度の能力】


 最初聞いた限りじゃあ、あまり戦いに向いてないと思ったがマオの話では、相手の視力・筋力などという概念的な物も盗めるとの事だ。


 もちろん盗んだ視力や筋力を自分の視力・筋力を上乗せして使えるようだ。


 ここまで聞くと凄い能力だが、欠点として概念的な物は、相手を倒さないと無理で、物理的に盗むにしても相手の持ち主より弱くなけりゃあ成功しない。


 …と言う事で力が全くないマオは、ほかの妖怪を倒せず。


 人間を倒したとしても人間程度の力では、全然足しにならないので能力を使ってでの実力を強化したり出来なかったそうだ。



「ん? ガイ、何処行くの?」


「……あぁ、少し村の外で風に当たってくるだけだ」


 気が付くとマオが目の前におり、周りを見るともう後片付けをしている村人の姿が見えた。

 俺は、マオに返答すると、片付けの邪魔のならない村外に向かった。








 ……もう数十年かァ。


 村の外で適当な所に座り、今までの事を思い出していた。



 俺は、この世界に来て、死にかけて、半妖怪になったりと、元の世界に居た時には想像もしない体験をした。


 その中に家族に会いたい気持ちが溢れたり、その気持ちを紛らわそうとラカンに突撃を噛ましたり、じーさんにゆとされた、俺の事を心配してくれて、その途中何故か宴会を始めた村の人達。


 ようやく落ち着きを取り戻し、余裕が出来て立ち直ると、思い出すのはラカンとのケンカ、じーさんとののんびりした会話、村の人と一緒にやった畑仕事、よく大騒ぎする宴会……。


 そこで俺は、ラカンが来た頃の暴れまくった宴会と先程のマオとラカンとの暴れた宴会を思い浮かべ、あの時と思った事と同じように――――




「ガイ~、そろそろ片付けを手伝ってよ~」


「……あぁ、今行く」



 ――――あいつらとの日常も悪くねェな。









 この言葉に改めて、この世界で生きていこう……そう思った。











~数百年後~




 マオが村に住みはじめて数百年、本当に人外だな、と改めてと思う。


 普通にこれほど生きていられる事は、元の世界の常識だとおかしいしな…と言うか異常だな。


 …と言ってもこの世界の人間も人外なんじゃないかなーと思っている。


 何故なら、今だじーさんも生きているし。


 流石に体の衰えがある所為か、もうかなり体力が落ちたと言っていた。


 ラカンとのケンカも多少本気を出してきたからか、もう少し村から離れた所でしろとじーさんに注意されたりもした。


 マオも俺と、たまにラカンも混じりつつ組み手をやり続けたおかげで、マオは【中の下】、俺は【中の中】くらいの実力になった。


 ラカンは、変わらずだけどな。


 んで、この数百年、劇的に変化した事がある。


 それは、文明開化をしたのだ。


 今まで木で簡単に造った小屋程度だった家が今では昭和の時代の木造建築で建てた家がある。


 もちろん、家電製品もあり、車も平成の出身の人達から見たら古く感じる車だ。


 いきなりの文明開花には、驚いたが周りが不思議がっていないし、生活水準も上がった事だし、特に文句は無い。


 一つ困る事があると言えば、妖怪や盗賊の連中が以前より襲う事が多くなった事だな。




「ガイ~、どうしたの?」


「………最近この村を襲う奴が多くなった事に考えていただけだ」


「確かに多くにゃったね~。前にゃんか中妖怪クラスが襲ってきたよね」


 文明レベルが昭和だと言う事は、当然銃も開発されている。


 一番防衛能力が高い“街”では、普通の人間でも中妖怪と戦えようになっている。


 なので中々襲えなくなった妖怪達は、まだ防衛能力が低い辺境の村や町を襲うようになったのが増えた原因だ。


 補足だが、昔の“街”やそこらの村は、能力持ちの人間が守っていたので人間は滅ぶ事は、なかったがな。




 それから、村の防衛の事、ラカンやじーさんの事、村で起こった事などのたわいない話題で雑談しているところ...。




「今日は良い天気だし、釣りにでも―――ッ!!?」


 マオが俺を釣りに誘おうと喋っている途中、途轍もない“何かの力”が村の外から感じ取り、あまりの力に思わず戦闘体勢に入る。


 マオの方を見ると“何かの力”に当てられたのかその場にへたり込んでいた。




「マオ! 村の人達を避難させろ!」


 そう言って俺は、力の出所に向かって走り出した。


 ―――にしてもなんだ この“力”…。妖力、気……どれも違う。


 走りながら俺は、今だ感じ続ける“力”を考察する。


 …一つ妖力が増えた! この妖力は――


 次の瞬間、俺が能力で起こす地震並の衝撃と爆音が轟いた。




「ぐぅぅぅ…! さっき現れた妖力はラカンか!? 相手をしている奴は誰だ?!」


 今までこの村に襲撃して来た妖怪や盗賊を「お(ガイ)より弱い奴と戦うのがめんどい」と言う理由でこの数百年、一度も加勢や戦ったりしなかったあのラカンが何故?……!


 村の外が見えて来ると巨大な陰が人型サイズに戻っていくのが見えた。




「あれは…ラカンの本当の姿か」


 見た時には、もうすでに戻り始めていた為、どんな姿かはわからなかったが、そいつから感じる妖力にラカンだと断定した。


 そして、ラカンの相手に眼を向けると。




「あァ? 女か?」


 ラカンと相手にしていたのが女―――それも中学生くらい少女―――がラカンの相手をしていた事に驚くと同時にその少女の後ろにもう一人いたが戦闘には、参加していないようだ。




「…ちっ、さすが【妖怪の始祖】だぜ。我の最大の一撃が全然効いてねぇとはな」


「はぁー、なんでアイツを探しに来ただけなのに、大妖怪クラスと戦りあわなくちゃいけないのよ」


「まぁまぁ、一撃だけって提案を受けてくれた御蔭で早く済んで助かったじゃないですか。マスター」


 おいおい、ラカンの最大の(見たことないが)一撃を喰らって全く効いてねェだと…?!


 ラカンの一撃を受けたらしい少女が後ろにいる少女に宥めていたが、俺がラカンの側まで行くと少女達も俺に気付いた。


 ……ん? あいつは――――。




「やっと見つけたぁ!!!!」


「ぐふぉ!?」


 ラカンと戦り合った方の少女が俺の顔を見るなり、俺の腹に突撃を噛まされた。


 普段の俺なら避けられたはずの突撃を受けたのは、その少女…いや、こいつの顔を見て思い出した所為で避け損なったのだ。




「お、おい、ガイ大丈夫か?」


「やっと本命ですか~、長かった~」


 珍しく心配の声の掛けて来るラカンともう一人の少女がなんか言っているが無視だ。


 まずは、こいつを――――。




「さっさと俺の上から退け、桜月(さつき)


「少しくらいこのままで良いじゃん、(ガイ)!」


 元(現代)の世界でよく一緒にいた身内に数百年ぶりにようやく会えたのだった。




和人「最後に出てきたキャラの紹介は次回にします。まだ全然喋ってないので。今言える事と言えば、ガイの身内で【妖怪の始祖】と呼ばれているぐらいです」


ガイ「んじゃ、前書きの宣言通りにランク表を書くぜ」


【ランク表】


※1、簡単な目安程度で見てください。

※2、能力は、強さに含んでいません。(例外有り)

※3、ランクに妖怪と書いていますが人間も混じっています。


――――――――――――



『大妖怪』


上の上【桜月】

  中【】

  下【ラカン】


『中妖怪』


中の上【じーさん(数百年前)】

  中【ガイ】

  下【マオ・能力持ちの人間】


『小妖怪』


下の上【】

  中【6話の妖怪(内2体は下の上)・銃を持った人間】

  下【盗賊(人間)】


――――――――――――



和人「目安としては、こんな感じです」


ガイ「つか、じーさんホントに人間か?能力無しで体術だけで中妖怪クラスって…」


和人「正真正銘に人間です。それなのにあの強さは長年の鍛錬の結果だな」


ガイ「…(俺が会ってからの)全盛期の時に勝ちたかったな。今じゃあ老いの所為で十分に戦えん」


和人「数百年前の時点ですでに老人だったけどね…。――と言う事は勝てなかったのか?」


ガイ「殆どだけどな」


和人「話が変わるけど、能力の方はどうなった?色々使えるようになったか」


ガイ「 ? 地震なんて地面が揺れる以外に使い道あんのか?」

※海震や土砂崩れなど二次災害などは、除外します。


和人「…使いこなせるようになるのは、まだまだ先だな」


ガイ「 ? 」

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