18・少女の復讐
「……………貴女は、それでいいの? これからの人生、他の人との繋がりとかを犠牲にして―――」
――――その道を取っても。
復讐の言葉を口にした少女にプレッシャーを掛けながら、問い掛ける。
「……………(コクッ」
その子は頭を縦に振り返事する。
…………復讐の意思は頑なにと変える気はないようみたいね。
流石にこの状態の子供を放ってけないね。
なら―――
「…………はぁ…良いわよ」
この言葉に、内心では断られるかも、と思ってたらしく歓喜の表情になる。
「けど、条件付きよ
1:目標のみを狙う。
2:私の指示に従う。
3:鍛える時は私のいる範囲で。
ここまで良い?」
「…(コクッ」
「それじゃあ、最後に
――――4:私の家族になること」
「……(コk ………え?」
最後の条件が意外過ぎたのか、その子は呆気に取られる。
「あなた、身を寄せる親戚がいないでしょ?」
「な…なんで わかったの?」
「……服」
「え、あ……」
その子の服には、小さく『〇〇孤児院』と書かれてているロゴがあった。
どうやら、そこの孤児院の手作りのようだ。
それと同時に何処にも頼る親戚がいないことにもなる。
「専門的な事になるし、まだ子供だから「子供じゃないもん!」、まぁ、どっちにしても孤児院と私の家を往復はちょっと辛いし、いっそ私の家に住めばいいと思ってね。
家族になる件は、ただのお節介。……どうする? 孤児院から離れたくないなら……」
家族にならなくても住み込みって事でもいいのだけど、それだと芯となる心の寄り所がない。
身寄りがないこの子は、今は親の敵討ちを支えになっているけど、復讐した後に無気力になるか親を追って自殺とか、私に関わっといてそれは嫌だからね。
目的が達成する前に生きる為の寄り所が出来るかもしれないけど、それはまだ可能性があるだけ。
こんな子供がすぐに心の寄り所を見つけるような寄り道はするはずがない。
だから、私が心の寄り所を与える事が出来るのは家族に成って愛情を注ぐこと。
だから住み込みで、師弟の関係だけだと何処まで行っても、最終的には赤の他人。
孤児院の人達にしてもこの子の様子だと脇目も振らずに復讐に没頭する可能性が高いから、孤児院のほかの子供と孤立して、そこから発生するイジメがあるかもしれない。
そこから来る人間不信になり復讐するだけの存在になってしまう。
小難しい事を言ってるけど、私が言いたいのは -復讐を目指す、たった独りの寂しいこの子の家族に成りたい- ……それだけよ。
「あ、えっとこじいんのほうと……かぞくに入る方はいやじゃない。ただ……お父さんとお母さんの名前を変えたくない……」
……やっぱり関心は自分の家族にしか向いてないね。
「……名前を変えずに家族になればいいじゃない。
誰かと家族になる際に必ず名前(家名)を変えろ、と決まりもないし」
と言っても誰かと結ばれた時は大概の人はどちらかの家名に変える所は、現代の日本とあんまり変わらないけどね。
「わたし……その条件でいい!」
「うん、今日から私の家族 兼 弟子ね」
「うん………おね…がい……しま……(フラ」
「おっと、大丈夫?」
とその子は頭をフラフラと揺れはじめ、倒れそうになった所を私が受け止める。
「すぅー……すぅ……」
受け止めて私に寄り掛かると私の腕から寝息が聞こえた。
「あー、確かにこんな夜中だと子供にキツイわね」
頭を掻きながら、…そういえば、もう24時を過ぎていた事に気付いた。
「………ところで、この子どうしようかな?」
そのまま私の家に連れて帰るのはいいんだけど、この子がこんな夜中にいるって事は十中八九 孤児院からこっそり抜け出してるはず。
それと同時に騒ぎになってるし、先に連絡した方がいいかな。
明日にするにしても孤児院の人達 心配するだろうしね。
と、ここまで思案していると。
「――その子の素性わかったで。
その子は孤児院の子供や、孤児院の職員達が慌てとーたから、すぐわかったで」
「知ってるよ、服に孤児院の名前が入ってたし」
説明も無しにいなくなった このバンダナ男が帰ってきた。
調べ物とは、どうやら この子の事を調べに行ってたみたいだった………ちょうど良いわね。
「バンダナ男って、何もモブ役みたいな言いかたせんでも……」
「切羽詰まるような状況じゃないんだし、一言くらい残しいけばいいのに」
「ちゃーんと一言残したで? 『調べもんしてくる』って」
「『何を』くらい言いなさいよ!」
「さっちん、声大きすぎや。その子起こしてしまうで」
「あ。………はぁ、疲れてきた」
自分のツッコミに言い返され、慌て声のボリュームを抑えると同時にこいつのペースにより、ゲート開発よりも疲れを感じる。
「そーか、もう夜 遅そーなっとるやからな。さっちんもお疲れやろーし「原因はあんたでしょ!」。ワイがその子を孤児院に送るわ」
話している間に私の背中に背負い直した この子に視線を向けた………と思う(だってバンダナで目元が隠れてるからわからないのよ)。
「……この子に手を出す気じゃないでしょーね」
「ふっ、ワイの信条録のひとつ『YESロリータ NOタッチ(ただし、OKの時は除く)』! やから大丈夫やで」
「その言葉と軽そうな態度が不安しか感じないわよ。
それよりも親衛隊隊長なのに別の子に目を向けていいの? どうでもいいけど」
「ん? 憧れと恋愛は別やで。実際に隊員の中に既婚者いるし」
……なんか正論でムカつく。
「……その既婚者、浮気にならないの?」
「夫婦揃って隊員やから大丈夫や!」←ドヤ顔でサムズアップ
「…………」
…………ま、まぁ、夫婦でも有名な人やアイドルのファンになってる人もいるし、その人達もその類のはずだね。
「あ、もしさっちんがワイの恋び「有り得ないから安心して、地獄に堕ちてね♪」最後まで言わせてーな、と言うかヒドイ言われようやな。
ほな、そろそろ おふざけは、ここまでにしてと。
さっちん、その子はワイが責任持ってを孤児院に連れて帰るさかいに、さっちんは先にお休みに―――」
「あ、大丈夫 大丈夫。私の家に連れて帰るから、孤児院の人にこの子は私の所にいるって伝えといて」
「さっちんの家?なんでや?」
「この子、私の家族になったから」
「…………………は? え? なんでや? ワイがおらん間に何があったんや!?」
「簡潔に言うとその子が私に弟子入りしてきたのよ。
それで私が弟子入りの条件で家族になるを入れたのよ。
断るにしても、あの様子だとひとりで無茶しそうだし、子供じゃなかったら自己責任になるから私は構わないけど、まだ心も幼い子供を見捨てる程非情になれないから私が見る事にしたのよ。
この子、脇目を振らずに没頭しそうだからね」
「……………孤立か、なるほどな」
私が思ってた事をすぐに察してくれたようだ。
「ほな、孤児院の方は、ワイが何とかしとくわ」
「うん、私は少し初心者用の霊術書を探すから助かる」
私も眠たくなってきたので孤児院の連絡にこの子の修行に使う道具を探すとなると、この眠気の中ちょっとキツイからね。
正直助かった~。
「おう、わかったで………………ちょっと待ちぃ、さっちん」
やっと家に帰れると思ったのに、こいつに呼び止められた。
「何~? 私もう眠くなってきたんだけど」
「すまんけど、その子に何を習わすつもりや?」
…? よくわからない質問ね。
「霊術だけど?」
この子の霊力、視たところ一般の子供より少し多いから鍛えれば、それなりの実力者になれるはずよ。
そう思って、鍛えた先の事を考えていると、こいつの次の言葉で私は困惑する。
「医学じゃなくて?」
「……………え?」
えっ? なんで。
「この子の事よね?」
「そうやで」
「それで医学?」
「そうや」
「「…………え?」」
私とこいつは、混乱して言葉がおかしくなっている。
「なんや食い違いがあるようやけど、どう言った経緯で弟子入りになったんや?」
「えっと……」
親の敵討ち、復讐、条件、弟子入りなど、さっきの話の内容を話した。
「………………さっちん」
「何?」
「この子の親がなくなった原因を聞こうや……」
「親を亡くしたばかりのこの子に聞けるわけないでしょ!」
「………まぁ、そうやな。
それにあの子の言い方やと、さっちんが勘違いするのしゃあないな、やけど………」
こいつは一息入れると次の瞬間に大声を出すような勢いで私に突っ込む。
「なんで、その子の名前くらい聞ぃとらんのや!」
「えー…と、ただ単純に聞き忘れてた……」
こいつに言われて、初めて この子の名前を聞いていない事に気づく。
「はぁ、まぁいいわ。ワイが調べて来てるさかいに今報告するわ」
「あっ、この子の名前だけは、今ここで話すのは止めて」
「ん、なんでや?」
「……この子の口から聞きたいの。これから家族になるだし、報告で知った名前より、この子から知りたいの」
「そうか………じゃあ何を聞いとく?」
「それじゃあ、この子の死因を。なんか食い違いがあるみたいだしね」
「そうやな。さっちんは妖怪か人間に殺されたと勘違いしとったけど違うで。
ほら、さっちんが帰ってきた時に話しとうた流行り病があったやろ」
「うん……もしかして」
「そうや、その流行り病に亡くなったのが、その子の両親や」
「そう、って事はこの子の目的は……」
「流行り病の撲滅やろうな。……大丈夫か、意図しとった弟子やないやろ?」
「大丈夫よ。霊術から薬草の知識と調合の仕方に変わっただけだしね。必要なら、あの世界の情報でも見せるから……今 凱がいるけどね」
「さっちんがパパッと開発できないんかいな?」
「知識と実行は別よ。だから私が教えれるところまで教えるつもりよ。
けど、この子が不満に持つなら、専門家に任せた事も考えないといけないわね」
「そうか…………と、もうこないな時間までに話しとったか」
こいつは話しの途中で声を上げたので私も釣られて、ふと時計を見ると随分時間が経っていた。
「ほな、ワイはそろそろ孤児院の方に行こうかな」
「ごめんね、孤児院の連絡任せちゃって」
「かまへん、かまへん。そんじゃ、お休みや」
「うん、お休み」
私はこいつと別れた後、真っすぐ家(和風)に帰り、この子を私が使っている布団に寝かしつける。
ふぁ、明日から忙しいなるなぁ。
自分の寝床をあの子に使わせしている為、今夜の寝床をソファーで寝る事にして、一回だけ欠伸をして、明日の予定を軽く立ててから私は眠りについた。
和人「復讐について補足です。
今回 桜月の価値観については簡単を要約すれば、無関係な人を巻き込まなければ、よし……って考えです。
まぁ、加減は教えるつもりでしたけど(相手がいる場合ですけど)。
例えば、復讐相手に事情がある場合は、まず話し合え……とか。
復讐=殺す、ではないとか」
凱「本編にあった復讐の考察について、和人自身、そんな思いを持つ程、憎悪とか抱いた事はないの勢いで書いた部分があるから、細かい所を直せとか、言わないでくれたら嬉しい」
和人「各個人の復讐についての考察があるなら普通に感想に書いてくれたら嬉しいです。
妹紅と輝夜の時とかに役に立つかもしれませんから」
桜月「それじゃ次回は二日後の……予定です」
和人「それまで完成するかな?(ボソッ」
凱「それくらい完成させやがれ」
桜月「んじゃ、また次回に。またね~」
【※追記】
≫それじゃ次回は二日後の……予定です
和人「無理でした。次回は、この作品以外のふたつを投稿した後に投稿する予定に変更します」