17・喪った家族
≫桜月
「お、さっちんやないか。お帰りーや」
「さっちん言うな! って言うか、なんであんたがここにいるのよ。もう夜中よ?」
「ふっ、このさっちん親衛隊隊長 たとえ火中、水中、さっちんがいる所なら何処でも現れるんが信条や!」
「ストーカー乙………はぁ」
外敵から守る門から入った先には、頭にバンダナを巻いた『さっちん親衛隊隊長』と名乗る何処と無く大阪風な喋り方(実際日本はまだ存在しないから私以外が言うとおかしいけど)をするな青年が待ち構えていた。
この人は、私がやってきた事(魔法・機械技術開発 等など)を1番最初に理解してくれた人。
この人がいなかったら、私がやってきた開発行為に不気味がる“街”の人達に“街”から追い出される所だった。
理解と言っても自称さっちん親衛隊の名の通り、最初は追っかけだったけどね。
それから私が開発する傍で見ている内に私がしている事を理解してくれて“街”の人達への理解できるように伝えてくれていたの。
まぁ、しょっちゅう(いつも)私の近くにいる事が多くて、うっとうしい時もあるけど、それ程不快に感じないし、プライベートの時まで着いて来ないから、とくに邪険にしないし、親衛隊については黙認している。
と言うか、前に聞いたら各部門(医療や機械等)のトップなど、初期の方に親衛隊入り(=私の開発を理解した人+α)した人らしい。
「そんで、前にさっちんが言うてた幼なじみは? 会いに行くて聞いてたけど」
「ごめん、家族に関係する話しだから……」
「あー、すまん」
自分の家に向けて歩きながら、話をしていたけど、聞いてきた事が凱の家族に関する事だから、気軽に言えないため謝り、向こうもその事に気付いたようで謝ってきた。
「……それじゃあ、“街”の報告になるけど、私がいない間何かあった?」
ちなみにこいつ、軽そうな青年風な態度と格好しているけど、親衛隊達が各部門のトップかその辺りにいる事が殆どなので、それらの報告は、隊長であるこいつの下に届くようになっている為、凱に言っていた“街”のリーダー又は代表役になっている私だが、実質的にはこいつが“街”を取り纏めている。
お陰で私が開発(趣味)に集中できる時間があるのよ。
「散発的にある中妖怪の襲撃は以外は―――と言いたいんやけど」
「流行り病か……」
最近、流行り出した病気の事を聞いて、溜息をつく。
これらは全部、医療班に任せている、多分私の解析と使えば、簡単に特効薬が作れるはずって思う人がいるけど、これは私には簡単には無理だ。
呪術やら魔法やらの病気(状態異常)なら解析して、解呪できるけど。
自然発生した病気を治す薬を作るのはかなり困難だ。
病気の詳細などは解析できるが(医療班には報告済み)、それに治せる薬の開発は薬師が本業じゃない私には難しい、開発ができるにはできるけど、完成まで時間経過が恐ろしく長い。
私の能力の“開発”は、最終的に開発し続けた結果できるのであって、よくあるキン〇クリムゾンのような時間を飛ばしたり、結果だけを先に持ってこれないので医療に特化した天才+能力持ちの本業の人達に任せた方が早い。
すでに東方の世界で神話時代をすっ飛ばす程の過去だとわかっていたので、二次小説でよく見かける医療の名家こと 八意家を頼ろうしたけど、存在してなかった。
昔は一回事に全部調べてたけど、人数が多くになるに連れて、全部調べるのはキツくなってきたので医療に関わっている人達に限定に今まで探してきたけどいなかった。
他の村(/街)など“街”に劣る物の医療が進んでいる所を探しても見つからなかった。
永琳が生まれてなかったとしてもそこの家くらいあるはずだと思うのに………。
そこで思考を止めて、報告の続きを聞く事にする。
「……最悪な事に死人が出た」
「…………!」
「工場地区の方でな、現在 流行り病に効くかどうか心許ないやけど抗体を強化をする薬を無料で配布中や」
「私も特効薬開発班に参加した方が……え?」
死人が出ている話しを聞き、私はゲート開発は一旦中止して、特効薬開発に手伝う事に決意すると、後ろから服を引っ張られている事に気付いた。
「えっ……と、誰?」
「…………」
振り返るとショートカットでカチューシャをした銀髪の子供がいた。
「(ん? 確かこの子は……)……さっちん、ちょーっと調べもんして来るわ」
「えっ?! 何処に………行っちゃった」
あいつが急にどっかに行ったので、私は服を掴んで顔を俯いているこの子の方に向いた。
「何か…用?」
「……し…」
「し…?」
「私を弟子にして!」
その子は泣きそうな声を上げ、顔を上げると、さっきまで泣いていたのか目の辺りが赤くなっていた。
「………貴女は私に弟子入りして何を成す?」
弟子入りを望むこの子を見て、私は真剣に問う。
今まで私の元で修行したい、教えを請いたいと言う人は幾らでもいた。
そうした人達は、大概は憧れるから来るものだった。
神綺は、自衛手段の為に弟子入りしてるけど、憧れもあった(多分、妖怪から助けた時が原因かも)。
この子の場合は憧れからのものは無く、必死に力を得ようとしている焦燥があった。
こんな小学生くらいの子供が焦って力を得ようとする理由は、大体はふたつに絞られるけど、この子の場合は多分――――
「………復讐。お父さんとお母さんの敵討ちがしたい!」
憎悪の感情を剥き出しにして、私に弟子入りする目的を言い放つ。
桜月「はい、今回は補足があるから補足コーナー始~ま~る~よ~♪」
Q:流行り病と特効薬
和人:作者である自分自身も病気や薬のメカニズムなど詳しくないので深く突っ込まないでください。
簡単に言うと『知識と実行は別』って事をわかってくれたらいいです。
・知識=薬草などの効能や調合した結果
・実行=それらを患者に投薬した結果(※個人差による拒否反応や効き目の違いなど)
和人「次は人物紹介です」
自称:博神桜月親衛隊 隊長
性別:男
種族:人間
容姿(+喋り方):関西弁のような変わった喋り方をする頭にバンダナを巻いた青年。
説明:詳しく事は本編参照でお願いします。
――――――以上!
凱「色々少なくないか?」
桜月「いいのよ、こいつは。もう本編で色々私が喋っちゃったしね」
和人「補足事と言えるのはふたつです」
Q:本名は?
和人:つける予定はないです。
Q:喋り方
和人:一応関西弁をベースにしているつもりですが(つまりホントに関西弁か不安)それ以外にも他の訛りも混ざっているかもしれません(イマイチ自分でも確証がない状態)。
まぁ、そもそも桜月と凱がいる時間軸には日本が存在していないので余り気にしないでください。
なのであの喋り方はオリジナルの喋り方と認識してくれたらOKです。
和人「以上で今回後書きは終わりです」
凱「次回は二日後だ」
桜月「そんじゃまたね~」