11・この世界に来た原因-凱-
まだ俺のターン(投稿)は、終わらないぜ!
「次は、俺の番だな」
お茶を飲み一息ついた俺は、話始める。
「俺がこの世界に来て、ここ(草原)を拠点に人を捜して一ヶ月くらいサバイバル生活をしていた」
「……よくサバイバル出来たわね。
主に食べ物の関連とかで…」
「果物とか川とか合ったから何とかなったしな。
んでやっと人に会えた………と思ったら妖怪のラカンに遭遇してな、即殺し合いになって最悪だったぜ」
「確かに私に比べたら最悪でしょうね。
…よく生きてたわね。その頃まだ人間だったんでしょ?
今のところ妖怪になる要素が無いしね」
「……俺が妖怪になったって言ったか?」
「ちょっとだけ解析を使って視ただけよ」
「そんな事までわかるのかよ」
「それでどうなったの?」
「あぁ、ラカンとの殺し合いだが、当然俺の負けだ。
ただ、その最後にアイツの首元に喰らいついて…」
「……その際に体内に取り込んだ血肉で妖怪化したようね。中途半端に………というより人間としての格が強かったようね」
「格…だと?」
「器とも言うかな。ほら器が大きいとか懐が大きいとか、カリスマがある人とか、人によって上下あるようにね。
例えるならコーヒー(人間の体)とミルク(妖怪の血肉)が混ざりあってモノが妖怪(混血)になる筈だったのに凱は、人間として格が強かった所為か、水(凱)と油(妖怪)のように混ざり合わずに普通は、一部のな混血しか成れない半人半妖になったのよ」
「……俺は、妖怪なのか? 人間なのか?」
「妖怪であって、人間よ。まぁ周りから見たら妖怪なんじゃない。犬〇叉みたいに」
「なんだ、ソレ?」
「あれ? 漫画でやってたやつだけど覚えてないの?」
「…幾らなんでも数百年前の事を覚えとける訳ないだろ。
ラカンと遭遇し、即殺し合いとか印象に残らねェとな。
つか、お前の場合は2000年も前だろ。
よく覚えているな」
「あぁ、これに私の記憶情報とか保存しているの」
そう言うと桜月の側の空中に人が通れるくらいの大きさの黒い穴が出現した。
「この中に色々な情報や開発した知識のバックアップしているのよ」
「……何と無くわかった。
開発って、《 》や魔術とかの事だろ、なんでバックアップなんだ?」
桜月は、その黒い穴を消すと俺の問いに答える。
「開発した時は、本に書いてたからね。それがオリジナルで、念のためにあの空間に複写したのがバックアップよ」
「空間?」
複写とかなら何かの物の筈だ。
何故、空間なんだ?
「まぁ、この空間については、後で見せてあげるよ。
口じゃあ説明しづらいし。それでその後どうなったの?」
また脱線していたので話を戻し、続きを語り始める。
「その後は、今の村に辿りついてから数百年住んでいる。
何か合ったかと言えば、マオとラカンが住み着いたりとか、妖怪や盗賊の連中を追っ払いくらいだ」
「へぇ~……それが凱がここに来てからの数百年かぁ。
……そうだ、凱!」
「なんだ」
「私みたいに能力とか発現した?」
「ああしたぞ。“地震を操る程度の能力”だ。
あまり役に立たないがな」
役に立つと言えば相手のバランスを崩すくらいで、それ以上震度の高い地震を使ったら村まで影響が出ちまうしな。
「災害クラスの能力じゃない。…けどなんで役に立たないの?」
「そりゃあ、相手のバランスを崩したりする程度にしか使えねェからに決まってんだろうが、それ以上強くしたら周りに被害が出るしな。
だから、態と弱く揺らしたり局地的に揺らしたりするから面倒なんだよ、この能力わな」
「………その地震を起こすエネルギーを一点に集中するとか、空間に地震を起こすとか出来ないの?」
「…はぁ? 地震にそんな事出来るわけないだろうが」
「(……ONE PIECEの事まで忘れたのね)
ねぇ地震ってなんで揺れるか知っている?」
「いきなり何だ?」
「いいから答えて」
「確か……地中の何とか(※プレートです)ってヤツがズレた衝撃で地震が起きるってヤツだろ、確か」
「じゃあ、凱はどうやって地震を起こしているの?」
「……能力だろ?」
「そうじゃなくて物理的によ」
物理的だと? ……地中のなんとかが原因だろ。
けど、俺はそんな事をした記憶は無いし…。
「言っとくけどプレートが原因じゃないわよ」
「なんでわかるんだ?」
「自分で言ったじゃない、“局地的の地震を起こす”って事は、プレートの原理だと必ずこの辺り一帯が使うたびに被害が出るでしょ。
じゃあ、凱はどうやって地震を起こしている?」
「む………震動か」
「当たり♪ じゃあ、さっき言っていた意味は、わかる?」
「なんとかな。 だがどうすればいい?」
「んー、大気に断面的な層……壁を殴るイメージでよくない? 自分の能力だから今一わからないけどね」
「やってみるか」
「わわわ、ちょっと待って! 今結界張るから!」
俺が試しにやろうとすると、桜月が周りに被害が出るかも知れないと言ってそれを防ぐ為のドーム状のガラスのような物が展開された。
「もう良いか?――――ふぅ……ハァッ!!」
大気に壁があるようにイメージをしながら、その空間を殴るとまるで壁を殴った感触と共に大気に罅が入り、割れるような音と同時にガラスのような結界に衝撃音が炸裂した。
「う……凄い衝撃……ッ!」
結界は罅が入り、今にも割れそうな程の損傷になっていた。
「凄い威力だな……」
「そりゃあ、天災の一つとされている衝撃だよ。
当たり前じゃない。………もっと力を入れて結界を張ればよかった、予想外の威力だよ」
「大丈夫か?」
「大丈夫大丈夫、平気だよ。あと二つ教えたい物があるから」
「確か、一点に集中する奴か?」
そう言って俺は、地震の力――震動――を拳に集めれように力を入れた。
「凄い、解析しなくてもわかるエネルギー量だよ、これ」
「そうか……じゃあ解くぞ。流石にこれを何かにぶつけるのはよそう。
さっきより威力が高そうだしな」
「んじゃあ、次。 大気を掴んでみて」
「大気を? 出来んのかそんな事」
「さっき壁を見立てように掴めるようなイメージで掴んで振り落としてみて」
桜月は宙に浮かぶと、具体的な説明した。
何で自分の能力でも無いのに詳しいんだ?
これも能力の恩恵か?
「まぁ、やってみる……か!?」
桜月の言う通りにやってみると掴んだ手を振り落とした瞬間、“世界”が傾いた。
「……地震とは、違う感覚だな」
前までやっていた地震は、グラグラっと断続的に揺れるに対し、今の奴は、グラっと一回だけ傾いた感覚だ。
これを受けた奴は、何かに掴まらない限り転倒しそうな傾きに、桜月の姿を探す。
「―――何よ、これ。空中でこけるって初めての体験なんですけど!」
空中で転倒したような格好していたが怪我ないようなので一安心をする。
ついでだが、グラつきやら傾きやらの俺自身の影響だが、能力のお陰か周りがさっきの傾きなど起きても何の影響も無かった。
「ま、まぁ、私が教えられるのこれだけよ」
「助かった、これなら空を飛び妖怪の対処とか楽になる」
この数百年間、何も地上だけの妖怪だけでは無く、鳥型の妖怪などの空を飛びタイプの相手に苦労した。
生憎 俺は弓など使えないのでそこら辺の岩や石で撃墜するしかなかったのだ。
これなら離れた相手にも攻撃出来るし―――。
「空の相手も出来るな」
「えっ」
その場を跳ぶと、一気に数メートルは跳んだ。
「ここで大気のイメージを、っと」
重量に引かれて、体が落ちはじめるとその瞬間、足を空間に引っ掛けさらに跳んだ。
そして数回跳んだ俺は、次に実行したのは空中に“立つ”事だった。
「え……」
何か呆けた顔になった桜月を見て、俺はその場から跳び降り、地面にぶつかる数メートルの高さで手を空間に引っ掛け落下速度を落とし着地した。
これらをやる際に小規模の地震が起きたが、これはまた訓練して被害を出さないようにするか。
「な……何よ、あれ!?」
「ん、お前なら知ってるんじゃないか?」
「知らないわよ!(原作の方でそんな使われ方見たこと無いし!)」
「まぁ、大気に触れるのなら踏み台や足場になりかなって思って試してみたら出来ただけだ。
その際、地震が起きたけど何とかなるさ」
≫桜月
………こんな使われ方があるなんて……どうやら元の力を知ってる所為で視野が狭くなってたようね。
「ふん…これを震動を使えば色々な事が出来そうだな。まだ考え付かんが」
「んじゃ、最後に」
「ん?」
「どうして能力持ちが周りの妖怪などより強いのか知ってる?」
「そりゃあ、能力が使えるからだろ」
…凱、貴方 武道家でしょうが。
「はずれ、能力持ちは自分の能力を正確に認識しているからよ」
「……」
私は、やれやれって感じに言うと凱は疑問を浮かべた様子でこちらを見ている。
…ホントに武道家だったの?
「はぁ…例えば、武器を持った人と素手の人間がいます。では、どっちが勝つと思う?」
「状況次第だな、片方が達人だったり素人だったりでかなり勝敗が変わる」
「その通り、その間々武器を能力に置き換えてみて」
「……そういう事か」
やっとわかった様子、ただ能力を使えばいいって物じゃない。
一応使い続ければ、有効範囲って言えばいいかな? それによって能力が強化する事が合ってもそれ程じゃない。
能力を武器――銃とすると、ただ持って撃ってるだけでは、訓練などしていないので全然命中しない。
例え能力が強化―――銃から大砲に変えても訓練しなきゃ当たらない。
武道の一緒、ただ殴るのと基本を覚え、腰の入った突きとで威力が全然違う。
だから自分の能力を正確に認識するって事は、それだけ戦略の幅も上がるし、新しい使い道も見つける事が出来る。
「―――そう、さっき凱が自分で思いついたようにね」
「そうか、奥が深いな」
「…にしもこれくらいの事なら凱でもわかる筈なんだけどなー。
現に地震っていう災害範囲の地震を局地的範囲の地震にするって辺りが出来ているしね」
「あー…それは多分、ラカンは能力を使わないで大妖怪クラスだし、マオも基本、能力を使わないから考え付かなかったと思う。
あと、襲ってくる妖怪もそのレベルまで居なかったようだし。 覚えてる限りだと」
「あー…まぁ、例外もいる時はいるしね」
「そろそろ、お前が言っていた《 》やら魔法やらの事を知りたいんだが」
「そうね。ここでまた一休憩したら説明するかな」
また、空間から水筒を取り出した私は、コップに入れて凱に渡して。
「ごふっ!?」
飲んだ物を吹き出した。
ちなみに中身は、紅茶よ。
凱は、お茶だと思ったらしく、予想外の飲み物に咽せながら私を睨んでいたのであった。
和人「ガイの能力による空中に関する捕捉(?)
この能力の元、白ひげが大気を掴んでいるシーンがありました。
大気を触れている所を見て、これなら二段ジャンプや空中の足場ができるんじゃね、と思いやってみました。
ガイが飛べるようになるまでこれを活用していきます」
ガイ「最後だが、まだ説明回がまた明日に続くからよろしくな」
和人「感想や矛盾やおかしな所の指摘とか待っています。
では、また明日~」