10・この世界に来た原因-桜月-
まだまだ続きます。
≫回想in桜月
あの日、親戚の家の神社のバイト(巫女)を済ませた私は、巫女服を着た間々(家が近い為、その間々で帰る事が多い)家に帰ろうした。
境内に出た私は、一直線に帰ろうとしたのだが、途中で粗大ごみなどが置いてある場所にとある物を見付けた。
古くなった冷蔵庫や電子レンジの上に古く年季のある懐中時計が私の目に止まる。
見たところまだ動いて使えそうだったのでじいちゃん(神主)に頼んで粗大ごみにある物を譲って欲しいと頼み、その時計を貰ったのだ。
「おーい、凱、見て見て!」
「うるせェな、今度はなんだ」
その後、譲って貰った懐中時計を幼なじみ(博神 凱)に見せる為に凱の家に突貫した。
私は、俗に言うオタクの部類に入る人間ね。
ただし、アニメや漫画以外に神話・モンスター・妖怪など少しだけオカルト関係(触りだけだけどね)に興味があり、それに伴い古い物(先程の年季の入った懐中時計など)を集めたり、行事的な物(神社で巫女をやったりなど)に参加したりしていた。
そして気に入った物を見付けたら、まず幼なじみのところに行き色々の話したりしている。(ちなみに凱は、殆ど聞き流しているが)
そして、いつものように凱と喋って帰ろうとしのだが今日だけは違った。
「ん? おい桜月、それ止まってないか」
「え? あれ、ホントだ。おっかしいな~さっきまで動いたのに……?」
凱の指摘に思わず懐中時計を見ると時計の針が動いてない事に気付き、あと力を込めて握っていた事も気付いたので慌て、力を抜いて懐中時計を動かそうと弄くり始める。
「ん~、動かない~」
「あ~もう、うるせェ! ちょっと見せてみろ」
「わかるの?」
「わからん、適当に―――何!?」
私が持ってた懐中時計を渡そうと私の手が凱にぶつかり、うっかり時計の頭に付いてある龍頭巻(出っ張っている部分)の横についてあるボタンを押してしまった。
その瞬間に何か力がごっそり失われる感覚と共に意識を失った。
≫回想終了
≫始まりの草原(現在地)inガイ
「……っで、起きたら約2000年前のここ(草原)にいて」
「凱は、約数百年前のここにいたってわけね」
「時間差があるみたいだな……原因は、やっぱあの時計」
「うん、あれが原因。詳しくわかったのは、ここ来た後だけどね」
「その時計は、どうなった?」
「時間移動(?)した所為か反動で壊れたみたいなの」
「そうか…」
「一応直せるわよ。構造も理解したし」
「ホントか!?」
「けど元の世界に帰れないわよ」
「…なんでだ?」
「さっき私、構造も理解したって言ったわよね」
「あぁ、つかどうやってオーバーテクノロジーみたいな代物を調べたんだよ。
たしか数百年前の時点で機械のきもなかったはずだから工具とか存在しないはずが……おい、まさか」
「多分 凱の思った通りよ。私の能力―――開発と解析が出来る程度の能力よ」
「それでか、わかりやすいな。けどなんで無理なんだ」
「それが、あの懐中時計は過去に移動をする事に【限定】した物だから過去に行けても未来には行けないのよ」
「そう…か」
「帰りたいの?」
「少しはあるが、もうこっちの生活があるし。もし行けたとしても、本当に帰れるかわからないしな。
戦国時代とか色々吹っ飛ばして、すでに昭和並の生活だし。
元の時代に戻ったら俺が知っている世界とは少し違う世界か妖怪がいてごちゃごちゃな世界に行き着くかもしれないからな」
「あー…現在の文明の方、あれ私の所為」
「…………はぁ?」
今日何度目かの疑問に声を上げる。
「その話しをする前にこの世界に来てから事を話すわよ」
「あぁ」
「この世界に来て1~2日くらい経った後、ちょうどこの場所の近くに狩りをしに来た人間の集団が通ったのお陰で助かったのよ。
最初は、言葉がわからなくて、能力で言葉を解析して言葉をこの世界の言語を開発してなんとか意思疎通が出来るようになって助かったけど、その際、今使われてる言語が現代に似た言語になっちゃったけどね☆」
「おいおい、…まぁお陰でこっちは助かったぜ。一々言語を覚える面倒が省けてな。」
「それで保護して貰った先は、今で言う“街”よ」
「“街”って事は、あの遠い距離をわざわざ来たって事か。
よく妖怪に襲われなかったな」
「襲われないわよ。だって2000年前には、妖怪なんていなかったもの」
「なんだと? じゃあどうやって……そういやラカン達が【妖怪の始祖】とか言ってやがったな。
それに約2000年経ってようやくこの昭和(?)みたいな暮らしなんだ?
俺が来た時は、まだ原始生活だったぞ。
聞いた限りじゃあ、それくらいの年月があればすぐに出来そうな能力のはずだが…」
「えーと、それはね。…機械とかの技術より異能の研究を始めたの。
だって能力があるって事は、魔法、もしくは霊術とか存在するって事になるのよ!」
「それでこの2000年間、その研究とかしてたって事か。
…て事は、神綺が使っていた爆発とかは、魔法なのか?」
「そうだけど、私は違うよ。私が開発した異能は《 》よ」
「……今なんつった」
「《 》よ。……ってあぁ聞き取れないのね。
とりあえず魔法とかの上位術と思って」
「あぁわかったが、なんで神綺が使うのは魔法なんだ?」
「それが私しか使えないのよ。燃料も違うし」
「燃料?」
「魔力とかMPって言えばわかる?」
「あぁなんとか」
「私が最初に解析したのは、自身に宿る力を解析したの。
あ、宿る力って言うのは魔力とか、凱で言う妖力や気の事よ。
それで見付けたのは、人間に宿る霊力でも気でも無く【 】だったのよ」
「また、わかんねェのが出たぞ」
「知らないわよ。解析したらその単語(?)が出て来たんだから!」
「……それでどうなんだ」
「2000年間、それで色々試してたんだけど。
ある日、中妖怪に襲われている小妖怪に見付けて、実験を兼ねて助けたのよ」
「それが神綺か」
「そうよ。けどその時の私が格好よかったのか、私に着いて来るようになって弟子にしたのよ。
そこで問題があって私が使っている《 》が妖力とか……あ、妖力の他には、さっきも言ったけど霊力・気・魔力とか確認したけど、どれも《 》が使えなかったのよ。
だから《 》を劣化させた、現代で言う魔法・魔術・霊術・妖術・呪術とか開発したわ。
神綺は魔法・魔術が適性が合ったけどね」
「そうか…ところで話しが脱線していたが、なんで一気に文明が出来たんだ?
この2000年間、ほっぽていたんだろ?」
「それは、異能の研究が一段落付いたからから科学の方にちょいと力を入れたのよ。数百年前くらいに」
「それでか……次に【妖怪の始祖】って呼ばれていたのは、なんでだ?
妖力を感じないから人間だってわかるが…」
「ねぇ、妖怪は、何から生まれたか知ってる?」
「あぁ? 確か人間の恐怖から生まれたらしいな」
「そうよ、一部を除いてね(例:妖獣など=動物に力を持ったタイプ)」
「…………おい、恐怖の出所って」
この話しの流れで妖怪を生み出した原因は……。
「私みたい♪ どうやら黒魔術的な物(壺で薬草とか入れて煮込む奴とか)とかやってる内に……ね」
魔法の言葉があるのにも関わらずぬ不気味がれてんのに(中世の魔女狩りなど)、魔法の『ま』も知らない奴が見たらそりゃあ、不気味がるだろうな。
「ちなみに作ってたのは、薬草類だったから一応感謝されたよ」
「……」
終わり良ければよしっと言う桜月に呆れた。
「それにしても、お前が【妖怪の始祖】なのは、わかったが何故お前なんだ?
恐怖から生まれるにしても、お前が原因じゃなくても妖怪が発生するはずだ」
「あー……それも」
本日 何回目の言葉が詰まったの見て俺は…。
「…お前かよ」
「少しは“街”の皆と仲良くなろうと、とある話題を出して…」
当然、この時代に来た桜月は、原始時代並の生活している人達なのでそいつらとの共通する話しなんて無く、桜月が持っている話題(妖怪など)で興味持ってもらい仲良くしようとしたが……。
「恐怖の具現化でもある妖怪の元が出来たわけか」
ただ感じるだけの恐怖が桜月の話によって、形のある存在として、認識されたって訳だな。
以前や今まで戦ったあのイエティや餓鬼、ゴブリンみたいな妖怪がいたのは、その所為か。
「おかげで自分を解析したら、種族は人間なのに妖怪の概念がくっ付く事になっちゃたし、ある意味 人間なのに妖怪っていう訳がわからない存在になっちゃったのよね」
「概念?」
「えーと…種別(職業?)って言い変えたらわかるかな」
「種別は妖怪で種族は人間?」
「んじゃあ、さらに種別を動物に変えたらわかりやすいかもね。
…凱が東方の事知っていたら、魔理沙で言う種族は、人間 職業は、魔法使いって説明できるのに……例えた理由は、職業ではなく種族としてもある2種類的な意味で、って事で(ボソボソ」
わかりずらいが人間が動物の中に含まれるように、桜月と言う人間が妖怪の中に含まれているって事なの…か?
「…何となくだが一応わかった。それで桜月は、人間なのか」
「人間よ。そこだけは断言するわ。個人に英雄って呼ばれる感じにね」
そっちの説明の方がわかりやすかったんだが……。
「そうか…そういえば解析ってそんな事まで出来んのか?」
「まあね。便利よ、怪我した時とか病気の時とかすぐわかるし」
「医者に向いてないか、それ」
「まぁ、そんなこんなで過ごしている内に電子機器が発達させて、『数百年前からなんかデザインがおかしい紅いジャケットを着た男』がいるって情報が入ったから今日尋ねて来たんだよね。
……って、あれ? どしたの、凱?」
「おかしいデザイン……」
周りがそんな風に思われてたのかよ。
これ、結構気に入ってのに…。
※ほかに例えると、着物とかの和服が常識の中に一人だけ西洋風の服を来ていると言った感じです。
「まぁまぁ、時代が違うんだからしょうがないでしょ。
私は、元が和服に似た巫女服だったから、昔はともかく今は違和感が無いしね」
そういわれて桜月の紅い衣を見ると、全体が紅く申し訳ない程度に桜の模様を施された衣は、よく見るといつもバイト先で、そしてこの世界に来る日に桜月が来ていた巫女服の面影があった。
「流石に2000年以上着ていると、ボロボロになるし、直したりアレンジしている内に今の服になったけどね。
なのに、ここ来てから数百年経っているのに新品同様の凱の服の方がおかしいのよ」
そう言われて自分の服を見てみる……確かにこの世界に来たと時と変わらない紅いジャケットがある。
今まで何度か破れたり汚れたりしたがどれも一日に経つといつの間にか直っているし、果てには自分の妖力を込めると直ぐに修復する事がわかった。
あと、ラカンとマオも同様だった。
どうやら、妖怪の服の法則は、皆一緒のようだ。
「へぇ~、洗濯とか楽そうね」
「まぁ臭いとかも無くなるし、楽だな」
「じゃあ、そろそろ凱の方の話しも聞かせてよ。
私はだいたい喋ったし、少し喋り疲れた。
一旦休憩してから凱の番ね」
そう言うと桜月は、虚空からお茶の入った水筒とコップを取り出した。
「ちょっと待て、どっから出したんだ、それ?」
「《 》で倉庫にから取り出しただけよ」
「倉庫って何処のだよ」
「別の空間って言えばわかる?」
「…わかんね」
「まぁ、この《 》や【 】、魔法の詳しい話は、また凱の話の後って事で」
喋り疲れたのか桜月は、一息ついてお茶を飲みはじめたので、俺も飲むことにした。
和人「今回も捕捉です」
Q:神綺は、なんの弟子?(昨日のです)
A:魔法使いです。なんでそれにしたかというと『聖白蓮』の魔法に関わったいたので魔法にしました。
Q:【 】や《 》って?
A:この細かい内容は、また本編でします。
今言える事は、
【 】=魔力
《 》=魔法・魔術
――と解釈してくれたらわかりやすいです。
Q:何故、《 》などの設定を出したの?
A:原作での永琳のセリフの中に魔理沙とアリスの魔法に対して『あなた達は古代の力のコピー使用しているみたいね。』とありましたので、その古代の力となる物――《 》――を出しました。
Q:何故、魔法とかの表記では、無く《 》の表記にしたの?
A:先ほどのセリフの『あなた達は古代の力のコピー使用しているみたいね。』の中で魔理沙達の魔法を見て、永琳は魔法では、無く『古代の力』と言ったので魔法の元になった物が魔法では、無いと可能性が出たので、魔法とは『別物の力』と言う意味で出しました。
なお、この設定は、勝手な予想なので、あまり本気にしないでください。この小説の中だけの設定と言う事でお願いします。
ガイ「…次は桜月の設定だ」
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名前:博神 桜月
性別:女
種族:妖怪・人間
容姿:長い腰まで届く黒髪の少女、胸は少しある。
服装は、全体が紅く申し訳ない程度に桜の模様を施された衣。(原型は巫女服)
能力:解析と開発ができる程度の能力
二つ名:【妖怪の始祖】
幻想入りする時代:ガイが来た時代より、二千年前と数百年前。
設定:種族は、人間なのに何故、妖怪の始祖なのかと言うと、妖怪を生み出した切っ掛けを造った人物。
彼女がこの世界に飛ばされてきて最初に行ったのは、異能開発だ。
異能とは、霊力・魔力などを使った魔法や魔術、霊術などを造ろうと能力で燃料になる霊力や魔力を身についとるか確認をしたが、何故か魔力などの代わりに【 】が宿っており、それから出来た異能を《 》と呼ぶ事になる。
《 》が開発した後から二千年、その間に本編では、記されて無かったが不老と不死の術を身につけ、研究し続けていた。
その過程でこの世界の住民に妖怪の存在(概念)を教えたり、《 》の研究の様子(特に本編にあったような黒魔術もどき)を見て、人は彼女を恐れを抱き、妖怪を生み出す切っ掛けになった。
それからガイが来るまでの間に桜月は、人と恐れ続けられている(一応、普通の生活において接してくれはいる)と妖怪を生み出し事もあって、人間でありながら妖怪の概念を持った存在になる。
生物学的には、人間なので間違えないように。
そしてガイがこの世界に来て約数百年、急に科学が発達し始めたのは、《 》などの開発が一段落が付いたので科学の方にちょいと力を入れたからである。
お陰で通信技術が発達し、ガイの情報が自分の元に届くようになり、ようやく会う事が出来た。
そして、ガイを過去(東方世界)に(自分諸共)送った張本人。
現代にいた時は、俗に言うオタクの部類に入り、アニメや漫画以外に神話・モンスター・妖怪など少しだけオカルト関係(触りだけだけだが)に興味があり、それに伴い古い物(先程の年季の入った懐中時計など)を集めたり、行事的な物(神社で巫女をやったりなど)に参加したりしていた。
そして、とある神社で捨てられそうな年季の入った懐中時計を貰い、ガイに見せにいった後に懐中時計が発動し、共々過去に飛ばされる(と過去の到着時期に誤差があるが)。
ちなみに【私!落とされて幻想入り】の主人公とガイとは、従兄弟同士である。
付き合いでは、ガイの方が長い。
現在は、弟子を持ったので術など伝授しようとしたが【 】自体が桜月以外身につかない為、妖力や魔力でも使えるように《 》を劣化した物(それらが霊術・魔法・妖術など基礎(始祖)になる)を開発する。
能力は、【解析と開発ができる程度の能力】
解析は、あらゆる存在を解析が出来る。
開発は、諦めない限り、必ず目的のモノを開発出来る能力。
これらを駆使して、【 】を発見し、《 》を作り、科学を造りだした。
お陰で早い内に不老不死を開発して、《 》や科学を専念出来て、永琳達(その後、月の民)の持つ超科学、今から一億年以上先に出来る魔法、魔術、妖術などの元になる術を開発する事(予定)になる。
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和人「んじゃ、紹介が終わったし、また明日な~」