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旅立ち

2045年

1875年、明治の元勲たちと渋沢栄一らが一堂に会し、一滴の雫を大河へと変える決断を下してから170年


「一銭を積みて万世を興す」――その一言から始まった物語は、ついに地球という重力を振り切り、銀河の深淵へと届く光となる


軌道エレベーターの最頂部、高度36,000kmの静止軌道ステーション「天の御柱」に恒星間探査船「鳳凰」


2015年に完成した核融合技術をさらに発展させた「重力波・核融合ハイブリッド推進」


光量子コンピュータに蓄積された全人類の知識と、数千億件の「感謝(G-COIN)」の記録が、AI「ことわり」と共に搭載


対GDP比15%教育の極致を体現した、世界中(旧移国諸国を含む)から選ばれた200名の科学者、芸術家、哲学者の乗員には国籍ではなく「地球人」の称号が与えられる


「鳳凰」は、もはや単なる船ではなく、日本が磨き上げた「理」のすべてが結晶化した、移動する小さな地球


《小泉進次郎(日本帝国首相「天の御柱」式典にて)》

「皆さん、今日という日は、170年前に始まりました。1875年、渋沢栄一翁や岩倉具視公たちが、貧困の闇を予見し、『福祉とは投資である』と断じたあの瞬間。一銭一銭を積み上げた人々の汗が、今、1000京円の基金となり、この『鳳凰』の重力波エンジンを動かしています。政府が税を徴収するのではなく、国民の積立が宇宙を拓く。この170年間、私たちは一度もこの『理』を捨てませんでした。先人たちが夢見た『万世を興す』という言葉は、もはや日本一国のためではありません。全地球、そしてこれから出会うであろう全宇宙の生命のため。鳳凰よ、行ってきなさい。君の船体には、明治から続く全ての民の願いが刻まれているのだから。」


《渋沢健(渋沢栄一 直系子孫 )》

「高祖父・栄一が説いた『論語と算盤』は、15-15教育を経て、ついに『道徳と重力』へと進化しました。この1000京円という数字は、単なる富の蓄積ではありません。人類がいかに互いを信頼し、未来を信じてきたかという『合本主義』の究極の証明です。鳳凰の針路の先に、かつて先人たちが目指した『誰もが笑顔で暮らせる理想郷』の新しい形があることを、私は確信しています。」


《リチャード・ドーキンス(進化生物学者)》

「遺伝子という自己複製子が、ついに地球という物理的な殻を突き破った。これは進化の歴史において、多細胞生物の誕生に匹敵する、あるいはそれ以上のイベントだ。15%の研究投資は、私たちが自らの進化を加速させるための『意志』だった。我々は今、生存競争という古いプログラムを上書きし、『知的好奇心の探求』という新しいフェーズへと突入する。神の介在なしに、私たちは自ら光り輝く存在になったのだ。」


「鳳凰」のメインエンジンが点火され、重力波が空間を美しく歪める

かつて郵便局の窓口で1円を預けた名もなき明治の民から、現代の若者までが繋いできた「信頼の総計」が宇宙へ放たれる瞬間


人類は「地球人」から「銀河人」への第一歩を記す


地球全体、月面、そして火星

あらゆる場所で、人々は「G-COIN」のアプリを立ち上げ、一票を送る

その宛先は、鳳凰でもなく、首相でもなく


「1875年の先人たち」


『ありがとう』

『一銭を繋いでくれてありがとう』

『私たちが引き継ぎます』



【エピローグ】

鳳凰は、アルファ・ケンタウリに向けて加速

背後には、ペロブスカイトの光に彩られ、大気が清浄化され、税も貧困も消えた、美しい青い地球が輝いている


人類は「地球人」から「銀河人」への第一歩を記す


1875年に蒔かれた「一銭」という名の種は、170年の時を経て、ついに銀河に咲く花となる


物語はここで終わりますが、「理」の旅に終わりはない


【完:一銭を積みて万世を興す】



『鳳凰』

全長:15 km 最大直径:2.4 km

居住リング半径:1200 m 人工重力:1G(0.86rpm)

居住容積:約240万 m³ 放射線遮蔽:水・氷 3m

総質量:約3,500万トン


居住区:都市ブロック×6、森林農業区、湖沼水循環

科学区:惑星解析、生命探査、航法天文学

工業区:ナノファブ、冶金、部品自己生産

医療区:再生医療、人工子宮、冷凍保存

推進区:D-He3核融合、磁気ノズル2km級


性能目標

巡航速度:0.07c

最大加速:0.02G

アルファ・ケンタウリまで約65年

役割:文明の偵察艦隊旗艦



『天照』

全長:80 km 最大直径:8 km

回転都市半径:3 km 人工重力:1G(0.58rpm)

居住容積:約1億 m³ 放射線遮蔽:水・岩 5m

総質量:100億トン級


内層:住宅・教育・医療・行政

中層:農業バイオドーム・森林

外層:工業・造船・資源精製

外殻:放射線遮蔽・微小隕石防御


都市は3連トーラス構造で冗長化。


人口:5,000人(遺伝多様性管理)

経済:完全自律循環型

文化:学術・芸術・宗教・法体系保持

軍事:なし(防衛はフィールドシールドのみ)

工業:恒星系到着後に軌道エレベーター建設可能


核融合主機:直径2km級多重ノズル

慣性制御場:恒星間塵衝突無効化

放射線磁気シールド:太陽フレア級を常時遮断


巡航速度:0.05c

加速:0.01G(長期持続)

アルファ・ケンタウリまで約100年

任務:人類文明の恒星間播種

ついに完結です。

最後までお付き合い頂き、ありがとうございました。


30年くらい前から、国を一つの会社として考え、国内は社会主義、対海外は資本主義として動けば良いのでは?と考えてました。

それが今回の話しに結びついたのかな?と思ってます。


世の中は100点の正解は無いと思っています 。

僕の描いた世界は70点を続ける事を目指し描きました。

勝つ必要はなく負けなければよいのです。


そして、70点は実は日本人にとても向いている感覚なのかな?とも思います。

日本人って、本当に不思議な民族だと思う。

節操がないのに、礼儀正しく、大枠で是であれば満足できる。

僕はこんな日本人が結構好きだったりします。 


やりたい放題書かせていただきましたが、結果、史実よりは随分とマシな世界になってるかと思います。

貧困であえぐ人口も半分以下になっているかと。


お読み頂き本当にありがとうございました。

もし可能なら、感想やレビューを頂ければと思います。

よろしくお願い致します。

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