旧アメリカと中国
アメリカはいまだ分裂中
日本の介入も援助もない
①旧体制の残滓:アメリカ正統政府(AC:American Continuity)
【地域】 ワシントンD.C.、メリーランド州、バージニア州、ペンシルベニア州、デラウェア州
特徴: かつての連邦政府の法的継承を主張する「旧体制」の地域。官僚機構と老朽化したインフラにしがみつき、もはや機能しない「憲法」を神聖視
現状: 常に経済破綻しており、重税と配給制で市民は疲弊。外部に対しては依然として高圧的ですが、実態は「最も豊かな過去を持つ、最も貧しい行政区」
②太平洋沿岸安定圏:太平洋自由連邦(PFF)
【地域】 カリフォルニア州(北部)、オレゴン州、ワシントン州
特徴: 唯一、日本帝国や統合社会保障基金との細い貿易ルートを維持しようとする比較的安定した地域
現状: 他の地域に比べれば治安はマシですが、帝国からの正式な「移国」は認められておらず、大陸で唯一、G-COINの非公式流通が確認される地域
内陸の暴力から身を守るため、シェラネバダ山脈を天然の要塞としている
③南部人種隔離領:アメリカ連合再興領(SRA)
【地域】 アラバマ州、ミシシッピ州、ジョージア州、サウスカロライナ州、ノースカロライナ州
特徴: 白人至上主義と極端なキリスト教原理主義が融合した地域
現状: 1860年代に逆行したかのような社会構造
東方エルサレムと一部思想的に共鳴しつつも、より排他的で暴力的。統合社会保障基金の「理」を「悪魔の算術」として激しく拒絶
④五大湖共産主義同盟:北米人民連邦(USAR)
【地域】 イリノイ州、ミシガン州、ウィスコンシン州、オハイオ州、インディアナ州
特徴: 1948年の敗戦による大恐慌から、労働者が武装蜂起して成立した共産主義圏
現状: 資源不足を「精神論」で補おうとする閉鎖社会
「帝国の富は労働者からの搾取である」と主張し、残存する製鉄・機械工業を軍事転用して自給自足を図っる
かつての工業地帯は毎日武器を吐き出しており、旧民国時代のM26戦車が未だに生産されている
⑤メキシコ再併合領:ヌエバ・エスパーニャ(メキシコ合衆国直轄)
【地域】 カリフォルニア州(南部)、アリゾナ州、ネバダ州(南部)
特徴: 弱体化したアメリカから、メキシコが「レコンキスタ(再征服)」した地域
現状: スペイン語が公用語
混乱する北米の中で、メキシコ中央政府の軍事力により一定の秩序はあるが、実態は麻薬カルテルと軍閥が混在するカオスな緩衝地帯
北方の紛争地域からの難民流入が絶えず、メキシコ側はアメリカとカナダ国境を参考に壁を建設
⑥中部無規律地帯:フロンティア・ノーマンズランド(荒野の法)
【地域】 テキサス州、オクラホマ州、カンザス州、ネブラスカ州、コロラド州、ワイオミング州、モンタナ州、ユタ州
特徴: 政府が存在しない、完全なるアナーキー(無政府)地域
現状: 毎日が「西部劇」の再演
集落ごとに保安官が独裁を敷き、貨幣価値が崩壊し、45口径の弾丸(M1911)が通貨代わり
かつての「開拓精神」は、単なる「生存本能」へと退化
⑦立ち入り禁止区域:デッド・ゾーン(The Glowing Wastes)
地域: テネシー州、ニューメキシコ州(ロスアラモス周辺)、アイダホ州(国立研究所周辺)
特徴: 旧マンハッタン計画関連施設の自壊・破壊による放射能汚染地帯
現状: 高線量の放射能が渦巻き、いかなる組織も統治不能
鉛の防護服を着た「スカベンジャー(廃品回収業者)」たちが、旧時代の高度技術の残骸(遺物)を探して彷徨う
《フランシス・フクヤマ(政治学者/『歴史の終わり』)》
「私は『歴史の終わり』で、民主主義と資本主義の勝利を宣言した。……だが、間違っていた。歴史は終わっていない。アメリカの崩壊と、日本の『感謝主義』の台頭は、新しい歴史の始まりだ。……私は、自分の理論を修正する必要がある。」
《サミュエル・ハンティントン(政治学者/『文明の衝突』)》
「私は『文明の衝突』を予言した。……そして、それは現実になった。アメリカ大陸では、複数の『文明』が衝突し、分裂している。だが、日本帝国は違う。彼らは、『文明の統合』を実現した。……これは、人類史上初の試みだ。」
《テキサス独立領・保安官》
「ここでは45口径の弾丸(1911)の重さだけが信用できる価値だ。外の連中が自由だとか道徳だとか何だかんだ言っているが、俺たちは今日の夕食を奪い合い、正義を銃弾で証明している。文明なんてものは、引き金を引くまでのわずかな時間に過ぎねえんだよ。」
《帝国外務省 渡航禁止区域担当官》
「あの大陸は、人類が『理』を失った場合に辿るであろう、あらゆる最悪のシミュレーションを体現しています。東部では官僚が過去の紙切れを数え、中部では野蛮人が45口径で正義を語り、南部では古い神が人々を縛っている。彼らは15cmの拳銃の銃口越しにしか世界を見ることができない。彼らが孤立と憎しみを選んだ結果なのです。我々は2度、手を差し伸べましたが、拒否されています。介入は不要です。自助努力での回復を願いましょう。」
中国では4カ国に分裂中
①清国(日本帝国・移国済)
満洲から北京、内蒙古を統治
長年の日本との対等な交流を経て、統合社会保障基金と教育制度を導入
溥傑の目指した「王道楽土」は、帝国の「理」と融合し、最も安定した近代立憲国家として大陸の北を守る
②中華人民共和国(新・共産圏)
旧ソ連の残党と合流し、西部〜中央〜山岳地帯に広がりさらに拡大中
独自の高度監視・配分システムを構築
統合社会保障基金の資本主義的側面を拒絶し、徹底した「集団の生存」に特化閉鎖的軍事国家
③東方エルサレム(神権政治)
山東省、河北省、河南省、江蘇省、安徽省まで広がり、さらに拡大中
彼らは科学技術を「神の道具」として使いながらも、精神的には完全に隔離された宗教国家を築いている
④中華民国
沿岸部は国民党が支配していたが、ドイツ帝国の支援がなくなり、東方エルサレム、共産主義勢力に押され急速に勢力範囲が狭まり、淘汰されつつある
いずれ中華民国が淘汰され、清国、中華人民共和国、東方エルサレムの三国になると予想される
《帝国大陸政策局》
「中華民国の落日は止められません。ドイツという外部の心臓を失った以上、国民党に自立の道はない。我々が注視すべきは、その後に残る『三つの極』です。清国の王道、共産圏の徹底した閉鎖、そして東方エルサレムの熱狂。この均衡こそが、21世紀のアジアにおける最大の不確定要素となるでしょう。帝国は光を掲げるが、光は影を消すためではなく、影が暴走しないよう照らすためにあるのです。」
《東方エルサレム・宣教師》
「日本がくれたパンは、神の慈悲の一部に過ぎない。我々の目的は、この荒れ果てた大地を聖なる国に作り変えることだ。帝国の理が数学なら、我々の理は信仰だ。数学に心は救えないが、我々の祈りは大地を動かす。いずれ清国も共産圏も、この光の中に跪くことになるだろう。我々の聖戦に、計算機はいらない。」
《愛新覚羅 溥傑(清国 立憲議会 議長)》
「我が清国は、帝国の『理』を尊重する。しかし、我々は日本人ではない。我々には数千年の歴史が育んだ、独自の秩序がある。東方の熱狂にも、西の閉鎖にも屈するつもりはない。帝国の科学と、我が国の王道。その調和こそが、この大陸に真の平穏をもたらすと信じている。」
《石原慎太郎(帝都知事)》
「放っておけばいい。あそこはもはや我々の生きる21世紀ではない、19世紀の吹き溜まりだ。アメリカの保安官が銃を撃ち、中国の宣教師が呪文を唱えている間に、我々は宇宙を目指す。文明の格差というのは、もはや埋めるべきものではなく、乗り越えるべき境界線なのだよ。」
《清国・北京の立憲議会議員》
「我が清国は、日本帝国の『移国』として認められた。統合社会保障基金に加入し、教育制度を導入した。……おかげで、生活が劇的に改善した。医療費が無料になり、教育費が無料になった。……我々は、溥傑陛下と日本帝国に感謝している。」
《清国・満州の農民》
「バイオ肥料のおかげで、収穫量が3倍になった。日本政府が、無料で配ってくれた。……ありがたい。昔は、飢えに苦しんでいた。でも今は、食べるものがある。……日本に感謝する。」
《中華人民共和国・西安の党員》
「我が中華人民共和国は、真の共産主義国家だ! 資本主義の搾取から解放された! ……日本の統合社会保障基金は、資本主義の道具だ。我々は、それを拒否する。我々には、集団の力がある。個人の自由よりも、集団の生存だ!」
《中華人民共和国・成都の市民》
「……助けてくれ。ここは監視社会だ。すべてが監視されている。言論の自由なんてない。政府に逆らえば、処刑される。……日本のG-COINのことを聞いた。感謝が通貨になるって。……羨ましい。ここでは、感謝なんてない。あるのは、恐怖だけだ。」
《東方エルサレム・山東省の宣教師》
「我々は、神の国を建設している! 日本は確かに我々に土地を用意した。だが、日本の『理』は、悪魔の教えだ。数学では、魂は救えない。我々の祈りこそが、世界を救う! ……いずれ、清国も共産圏も、我々の光の中に跪くだろう。」
《東方エルサレム・河北省の市民》
「……毎日、祈りを強制される。祈らなければ、罰せられる。……自由なんてない。神の名の下に、すべてが支配されている。……逃げたいが、逃げ場がない。周りは、共産圏か清国。……どこにも行けない。」
《中華民国・上海の国民党幹部》
「我々は……終わりだ。ドイツの支援が切れた。共産圏と東方エルサレムに押されている。……もう、時間の問題だ。我々は、淘汰される。……だが、認めたくない。我々は、中華民国だ! 孫文の理想を守ってきた! ……でも、現実は厳しい。」
《中華民国・広州の市民》
「国民党は、もう終わりだ。誰もが知ってる。……若者たちは、清国に逃げている。清国は、日本帝国の一員だから、安全だ。……俺も、逃げたい。でも、金がない。……ここに残るしかない。」
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