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第3話 統合社会保障基金の運用

〈参考〉に5年分ほど簡単に基金の資産規模の推移を追加しました

1875年5月2日、皇居の御前にて。

岩倉具視が、自らの領地返上を記した書状を基金の第一号資産として壇上に置く

続いて渋沢栄一が、三井・三菱らからの莫大な出資目録を掲げる


《明治天皇》

【統合社会保障基金創設の勅語】

「朕、惟ふに、わが国は今、古今未曾有の変革の時に当たり、四民、その処を得、安んじてその業に励むことこそ、建国の本意なり。

さきに岩倉、木戸、大久保ら、欧米の地を巡りてその文明の光を見、またその影に潜む貧困と混迷の患ひを具にせり。これ、富国強兵の陰に、民の老いと病と幼きを等閑にせしが故なり。

よって今、朕は渋沢らの献策を容れ、普く天下の富を合せ、万代の基を築かんと欲す。

これ、単なる施しにあらず。民の蓄ふる一銭を、国の力、土地の力、知恵の力へと巡らしめ、再び民に還さんとする信義の道なり。

皇室・公卿をはじめ、三井・三菱ら財の重鎮、率先してその禄と領地を捧げ、この大河の源流となれり。

朕もまた、一人の出資者として、汝ら臣民と共に、この国の明日を共に耕し、共に見守らん。

土地は死蔵されることなく、金は滞ることなく、知は絶えることなく。

この積みたてられし一銭一銭が、鉄の路となり、学の舎となり、老いたる者の杖となり、幼き者の光とならんことを。

汝ら臣民、朕が心を体し、共にこの『信義の経済』を興し、万世に及ぶ不朽の栄を築け。

欽めよ。」


皇室・公卿の範: 三条実美や岩倉具視、三井、三菱、安田など豪商がらが、率先して自らの禄や領地、資金を基金に拠出


統合社会保障基金に優秀な人材を集中投与し、当初は日本がまだまだ未熟な国であり、基金による土地の流動化もあり、最初の約20年はインフラに集中投資し年利20%前後(最大30%超)

次の約20年は年利15%前後

次の約20年は年利10%前後

その後、緩やかに下がり2025年現在でも5%で運用される

「箪笥貯金?銀行預金?いや、基金でしょう!」

掛け金を自由に増減できるため、貯金代わりにお金が集まり、統合社会保障基金による土地の流動化と国内投資により、みるみる国内は発展していく

家計の余剰資金 → 基金→ インフラ・企業・研究→ 賃金上昇・雇用安定→所得増 → さらに掛金増

“国民全員で国家の成長に参加する経済”となり、好景気、内需拡大により日清戦争、日露戦争は回避される


「我々は税を集めるのではない。信頼を集め、未来を育てるのだ。税は取れば減るが、信頼は預ければ増える。金を奪う国家ではなく、金を育てる国家を作らねばならぬ。」


《福沢諭吉(啓蒙思想家・慶應義塾創設者)》

「官が民の富を預かり、これを巡らすという。一見、妙案に見えるが、私は懸念を禁じ得ない。官の手に集まる金は巨大な権力を生む。権力は腐敗を招く——これは洋の東西を問わぬ理である。だが、渋沢君がこれを『信義の経済』と呼ぶなら、私も耳を傾けよう。民が自らの意志で預け、官がこれを誠実に運用する——その緊張関係が保たれるなら、あるいは。

ただし、この制度は『賢明な官僚』の存在を前提としている。官が愚かであれば、民の富は霧散する。ゆえに私は問う——官を賢明にする仕組みはあるのか、と。」


《中江兆民(自由民権運動家・思想家)》

「国家が土地を買い、民に貸す。士族の禄を買い取り、基金に投ずる。これは果たして『自由』なる社会の姿であろうか。私には、これが新たなる『封建』の形に見える。民は国家に依存し、国家は民の生殺与奪を握る。土地の私有を制限し、国家が資本を独占する——マルクスの夢見た社会主義国家がここに現出したかのようだ。だが、認めねばならぬ。民権を叫ぶ我々が未だ実現し得ぬ『民の福祉』を、彼らは制度として立ち上げた。自由と福祉——この二律背反をいかに調和させるか。それが次の世代への問いとなろう。」


《板垣退助(自由民権運動指導者)》

「大久保らが作り上げたこの制度、一面では民の生活を安定させる善政であろう。だが、私はこれを手放しで称賛することはできぬ。なぜなら、この制度は『上から与えられた福祉』だからだ。民が自ら勝ち取った権利ではない。施された恩恵は、いつでも取り上げられる。真の自由とは、民が自らの意志で国家を動かし、自らの権利を守る力を持つことだ。この基金がいかに豊かであろうと、民に参政権がなければ、それは黄金の鎖に過ぎぬ。」


《陸奥宗光(外交官・後の外務大臣)》

「極めて興味深い実験だ。国家が最大の投資家となり、民間資本を統制下に置く——これは欧米列強も試みたことのない制度である。外交的観点から言えば、この制度には二つの意味がある。第一に、財政が安定すれば、不平等条約改正交渉での我が国の立場は強化される。金のない国は対等な交渉ができぬ。第二に、列強はこの制度を『社会主義的』と警戒するだろう。だが、我々がこれを『資本主義の高度化』として提示すれば、むしろ文明国としての評価を得られる可能性もある。成否は運用次第だ。だが、賭ける価値はある。」


《徳富蘇峰(ジャーナリスト・評論家 後年)》

「明治8年、日本は壮大な実験を開始した。それは単なる経済制度ではなく、『国家とは何か』『資本とは誰のものか』という根源的な問いへの回答であった。欧米が資本主義の矛盾に苦しむ中、日本は第三の道を模索した。それは国家主導でも、自由放任でもない、『協調的資本主義』とでも呼ぶべきものだ。この制度が成功すれば、日本は世界に先駆けて『福祉国家』を実現する。失敗すれば、国家社会主義の悪夢が待っている。歴史の分岐点は、常に見えない。だが、後世の我々は知っている——1875年5月2日、日本の運命が決まったことを。」


〈参考〉

1875年当時 人口約3600万人 国家予算6000万円ほど


初年度

3600万人うち18歳から60歳までは約1800万人

そのうち就業しているのは6割くらいとして約1000万人

初年度ということもあり、拠出した人は400万人としたら

拠出額一人当たり最低年12円だが平均だと30円くらい


400万人×30円=1.2億円


さらに禄の買い取りは史実の「秩禄処分(1876年)」では、約1億7,000万円分の金禄公債が発行されたのを参考にすると、この金額がまるまる拠出金に回る


さらに当時の地価総額: 全国で約16億円とされており、初年度に約1/8を買い取り、5割を拠出したとしたら約1億円

抵抗の少ない土地(都市周辺・旧幕府領・荒地)」から優先的に買取


買い取った土地の地代が平均3%だとして

2億円×3%で600万円


積立1.2億円+禄買取1.7億円+土地買取1億円+地代600万円≒4億円


これを運用して初年度と言うこともあり利率15%とすれば6000万円


これだけで当時の国家予算に匹敵


この結果、次の年はさらなる人がさらなるお金を拠出し、さらなる土地が買収される


2年目

600万人が平均40円を積立ると2.4億円


鉄道・道路・工場への投資により土地の値段は上がり、1/4の土地を5億円で買い取りその8割を拠出すると4億円


買取った全国3/8の土地の評価格

初年度に買入 1/8は倍の4億円

2年目購入 1/4は5億円 合計9億円


9億円に地代平均3%をかける2700万円


前年度運用利益分を消費したとして

前年度拠出金合計4億円+積立2.4億円+土地買取4億円+地代2700万円≒10.7億円


これを利率20%で運用益2.14億円(国家予算の約3倍以上)



3年目

800万人が平均50円(好景気により収入増加)で4億円


インフラ整備により地価も上がり1/4を6億円で購入し5億円が拠出


買取った全国5/8の土地の評価格

初年度購入 1/8は6億円

2年目購入 1/4は10億円

3年目購入 1/4は6億円 合計22億円


22億円×地代平均3%=6600万円


前年度運用利益分2.14億円を消費したとして

前年度拠出金合計10.7億円+積立4億円+土地買取5億円+地代6600万円=20.4億円


これを運用すると利率20%で4.08億円(国家予算の6倍以上)


4年目

900万人が平均60円(好景気により収入増加)で5.4億円


インフラ整備により地価も上がりるが買取できる領土も減少し1/8を4億円で購入し3.6億円が拠出


買取った全国3/4の土地の評価格

初年度購入 1/8は8億円

2年目購入 1/4は15億円

3年目購入 1/4は12億円

4年目購入 1/8は4億円 合計39億円


39億円×地代平均3%=1.17億円


前年度運用利益分4.08億円を消費したとして

前年度拠出金合計20.4億円+積立5.4億円+土地買取3.6億円+地代1.17億円≒30.6億円


これを運用すると利率20%で6.12億円(国家予算の10倍)



5年目

1000万人が平均70円(好景気により収入増加)で7億円


買取できる領土は頭打ち

以後は相続時の買取が進む


インフラ整備の成果も出て評価額が上がる

買取った全国3/4の土地の評価格

初年度購入 1/8は16億円

2年目購入 1/4は20億円

3年目購入 1/4は18億円

4年目購入 1/8は8億円 合計62億円


62億円×地代平均3%=1.86億円


前年度運用利益分4.08億円を消費したとして

前年度拠出金合計30.6億円+積立7億円+地代1.86億円≒40億円


インフラ整備の結果も出て利率25%で運用益10億円


この結果、次の年はさらなる人がさらなるお金を拠出し…


以後、日本はお金には困らなくなる


《渋沢栄一》

「大隈さん、見なさい。これが『信義』の計算書です。当初、我々を狂人扱いしたイギリスの銀行家たちも、今やこの基金の端数でもいいから貸してくれと頭を下げてきている。しかし、この金は我々のものではない。今日、汗して働く名もなき民と、明日生まれてくる子供たちのものです。日本は、世界を導く国になりますぞ。」


お読み頂きありがとうございました


〈参考〉をご覧頂くと、

運用益で1年目で国家予算並み、2年目で国家予算の3倍、3年目で6倍、4年目で10倍、5年目で13倍となります

これらを配当金や、年金、教育、インフラに投資していくわけです


一応、土地価格の上昇や市場心理も考慮しましたが、ここまで上手くは行かないでしょうが、統合社会保障制度のヤバさはわかるかと思います


もし可能なら感想を頂ければと思います

よろしくお願い致します

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