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少女は、世界を救うか、滅ぼすか。  作者: 吉本アルファ
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第25話「二つの鍵、一つの力」

マリアが唱える禁断の呪文は、石版から放たれる光を弱め、空間全体を不穏な闇で満たしていった。テルーナとレオンハルトは、マリアの追随を振り切り、石版の前に辿り着いた。


「テルーナ!私たちの紋様を石版に重ねるんだ!」


レオンハルトの言葉に、テルーナは力強く頷いた。二人は、それぞれの右手の甲に刻まれた紋様を石版に重ねた。すると、二つの紋様が激しく共鳴し、石版からまばゆい光が放たれた。


「馬鹿な!封印を解くための鍵は、二つに分かたれた書物だけではないというのか!」


マリアは驚愕に叫んだ。彼女は、二人の紋様が、書物とは別の「鍵」であることを知らなかったのだ。


石版の光は、マリアが作り出した闇を打ち破り、空間全体を清浄な光で満たしていった。 テルーナとレオンハルトの背後から、アルフレッドが姿を現した。


「マリアよ、お前のしていることは、世界を救うことではない。滅ぼすことだ」


アルフレッドの声に、マリアは振り返った。 「なぜ、あなたがここに…!?」


「私は、お前たちがこの地に来ることを、ずっと待っていた。お前は、この世界の歴史を歪め、禁忌の力を利用しようとした。だが、真の歴史と、それを守り抜く者たちの絆は、お前の想像を遥かに超えていた」


アルフレッドはそう言って、テルーナとレオンハルトの姿を指差した。


「彼らこそが、真実の扉を開く者だ。彼ら二人と、二つの鍵が一つになったとき、世界は元の姿を取り戻すだろう」


マリアは、アルフレッドの言葉に耳を貸さず、テルーナとレオンハルトに向かって最後の力を振り絞り、強大な魔法を放った。


「テルーナ!」


レオンハルトは、テルーナを庇うように前に立った。 しかし、テルーナは首を振り、レオンハルトの手を握りしめた。


「大丈夫です。私たちの力は、一つです!」


テルーナとレオンハルトは、互いの目をまっすぐに見つめた。 そして、二人の背中の紋様が、石版の光と共鳴し、一つになった。 二人の身体から、まばゆい光が放たれ、その光は、マリアの放った魔法を完全に打ち消した。

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