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少女は、世界を救うか、滅ぼすか。  作者: 吉本アルファ
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第24話「真実の扉」

遺跡の入り口をくぐったテルーナとレオンハルトは、光も届かない地下深くへと足を踏み入れた。彼らの道標となるのは、二つの紋様から放たれる微かな光だけだった。


「この先には、禁忌の力を封印する呪文が記された、最後の石版があるはずだ」


レオンハルトの言葉に、テルーナは力強く頷いた。 闇の中を歩き続けること、どれくらい経っただろうか。二人の目の前に、巨大な空間が現れた。


その空間の中心には、光を放つ巨大な石版が置かれていた。 石版には、テルーナとレオンハルトが知っている古代魔法語とは異なる、さらに古い文字が刻まれている。しかし、テルーナには、その文字が鮮明に読み取れた。


『世界を安定させるためには、二つの力が一つとならなければならない。光は闇を導き、闇は光を封じる。二つが共鳴したとき、世界は真の調和を取り戻す』


テルーナは、その呪文をレオンハルトに語りかけた。 「レオンハルトさん、これが、私たちが探していた呪文です」


その時、空間の奥から、複数の足音が聞こえてきた。 テルーナとレオンハルトは、身構えた。


そこに現れたのは、賢者マリアと、彼女に付き従う騎士たちだった。マリアの表情は、怒りと焦りに満ちている。


「よくぞここまでたどり着いたな、異種族ども」


マリアはそう言って、テルーナとレオンハルトに冷たい視線を向けた。


「なぜここに!?」


レオンハルトの問いに、マリアは嘲笑した。 「この古代の地は、私の一族が、古より探し求めていた場所だ。あなたたちの行動は、すべてお見通しだったのですよ」


マリアは、騎士たちに命じ、テルーナとレオンハルトを包囲させた。 「その呪文を私に渡しなさい。そして、その二つの紋様も、私に預けるのです」


マリアの言葉に、テルーナは一歩も引かなかった。 「この力は、世界を救うためのものです。あなたの野望のために使わせません!」


「野望?これは、世界を救うための儀式だ!」


マリアは、テルーナの言葉に耳を貸さず、自らの手で呪文を唱え始めた。 彼女が唱えるのは、古代魔法の禁断の呪文。空間が揺れ、石版から放たれる光が、次第に弱まっていった。


「テルーナ、急げ!」


レオンハルトは、テルーナの手を握り、石版へと向かって走り出した。

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