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少女は、世界を救うか、滅ぼすか。  作者: 吉本アルファ
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第23話「古代の地の入り口」

テルーナたちの船は、灯台の光を目指して進んだ。夜明けとともに、その灯台の姿がはっきりと見えてくる。それは、ただの灯台ではなかった。巨大な岩山に彫り込まれた、荘厳な古代建築物だ。


「この灯台は、この地を訪れる者だけが、その真の姿を見ることができる」


ジェイクの言葉に、テルーナは感嘆の声を上げた。灯台の光は、彼らの船を誘導するように、ゆっくりと海面を照らし続けた。


船は、岩山に隠された入り江へと入っていった。そこには、古代の文明の痕跡が色濃く残る、神秘的な港があった。


テルーナとレオンハルトは、ジェイクに感謝の言葉を告げ、船を降りた。


「また会おう、テルーナ。そして、世界を頼んだぞ」


ジェイクはそう言って、二人に力強く手を振った。


古代の地に足を踏み入れたテルーナとレオンハルトは、その場の空気に、故郷とは違う、懐かしくも温かい何かを感じていた。


「この場所は……私たちの一族が、かつて住んでいた場所だ」


レオンハルトは、遠い記憶を辿るように、静かに呟いた。


二人が港から続く道を歩いていくと、道の両脇に、美しい古代の文字が刻まれた石碑が並んでいた。テルーナは、その文字をすべて読み取ることができた。


「これは、私たちの歴史を記したものだ」


テルーナは、石碑に刻まれた文字を、レオンハルトに読み聞かせていった。


『世界は、二つの力によって安定していた。一つは、自然の力を統べる『光』。もう一つは、その力を封じ込める『闇』。二つの力が調和し、世界は平和を保っていた』


しかし、次の石碑には、こう記されていた。


『やがて、力を求める者たちが現れ、彼らは『闇』の力を『禁忌』と呼び、争いを引き起こした。そして、『光』の力を奪い去り、世界は二つに分かたれた』


石碑の文字を読み進めていくうちに、テルーナは、自分たちが持っている紋様が、世界を安定させるための「光」と「闇」の鍵であることを悟った。


「アルフレッド様が言っていた通りだ。世界を分かたれたのは、アリシア王国の先祖たちだった」


レオンハルトは、憎しみをこらえるように拳を握りしめた。しかし、テルーナは、彼の手に自分の手を重ねた。


「この憎しみは、私たちが断ち切らなければならない。真実の扉を開き、世界を元の姿に戻すために」


テルーナの言葉に、レオンハルトは静かに頷いた。二人の絆は、憎しみを乗り越え、より強固なものになっていた。


二人の目の前に、巨大な遺跡の入り口が現れた。 その奥には、世界の真実が眠っている。そして、禁忌の力を完全に封印するための呪文が刻まれた、最後の石版が置かれているはずだ。

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