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少女は、世界を救うか、滅ぼすか。  作者: 吉本アルファ
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第19話「港の船と新たな仲間」

テルーナとレオンハルトは、闇に紛れて港へと逃げ込んだ。追っ手の男が酒場で混乱しているうちに、できるだけ遠くへ離れなければならない。


港には、夜だというのに多くの船が停泊し、荷物の積み下ろしが行われている。テルーナは、息を切らしながらレオンハルトの横に並んだ。


「船は……どこに?」


テルーナの言葉に、レオンハルトは周囲を見渡し、一つの船を指差した。 「あの船だ。遠い異国へと向かう船のはず」


しかし、船にはすでに多くの乗客が乗り込んでおり、チケットがなければ乗ることはできない。 二人がどうすればいいかと考えていると、背後から声が聞こえた。


「おい、そこの二人。船を探しているのかい?」


振り返ると、そこに立っていたのは、一人の男だった。彼は、がっしりとした体格で、顔には無精ひげが生えている。


「その様子だと、逃げている最中か?あんたたちの噂は、もうこの港町でも広まっている」


男はそう言って、テルーナとレオンハルトをじっと見つめた。テルーナは警戒し、レオンハルトの背中に隠れた。


「心配するな。俺は、あんたたちを捕まえようとしているわけじゃない。むしろ、協力してやってもいいと思っている」


男はそう言うと、テルーナとレオンハルトを船の裏側へと連れて行った。


「俺は船長のジェイク。あんたたちの噂は、王都の貴族たちがでっちあげた嘘だとすぐに分かったよ。あんたたちのような銀髪の者は、遠い昔、俺たちの祖先と交流があったんだ」


ジェイクはそう言って、テルーナの銀髪を優しげな目で見つめた。そして、彼の右手の甲には、テルーナやレオンハルトの紋様とは違うが、どこか似たような、古い紋様が刻まれていた。


「俺は、あんたたちを信じる。この船で、あんたたちの目的地まで送ってやろう」


ジェイクの言葉に、テルーナとレオンハルトは安堵した。 彼らは、マリアの追手から逃れ、トゥノワールの中心地へと向かうための、新たな仲間を得たのだ。

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